BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はVS本編未登場のアイツら。楽しんでいただけると幸いです。
偽ミランダを倒し、ローズの入った鞄を持ち逃げしたミランダを追って祭祀場へ急行する俺達。メンバーは再びモールデッド・ギガントになっている俺とエヴリン、鉄槌を手にしたハイゼンベルクとシュツルムとゾルダートが十数体、クリスたちハウンドウルフ六人だ。しかし祭祀場は地盤ごと無くなっていて。村を見ると、異様な物が出来上がっていた。
「なんだ、あれ…」
『やることが一々規模デカいなあ』
「ドミトレスクの城よりでかいのは何の冗談だクソッたれ」
「BSAAも来ているな…」
それは、もはや大樹であった。菌根で祭祀場を持ち上げ、教会付近の上空に据えることで難攻不落の要塞と化した、中心が胎児を模った菌根。ハイゼンベルクとクリスが言うにはアレが菌根の大本、本体なのだという。また、クリスが言うBSAAのヘリが空から飛来していたものの、根っこの様な触手で叩き落され墜落してしまう光景を目の当たりにする。その力の強大さは言うまでもない。
『見て、なんかいるよ!』
村までやって来た途端響くエヴリンの声に、それぞれの武器を構える俺達。そこには異様な存在がいた。一番近いのは砦で戦ったあの巨人だろうか。顔が鬼の面を被っているように見える硬質化した肌で覆われ、腫瘍に覆われた背中からは線虫のような触手をヒラヒラさせている。さらに、その横には上裸にスキニージーンズという出で立ちで戦斧を手にした巨人が二体。片や土汚れに塗れ、片や身体中に傷や火傷の様な跡と瘤が見える。三体はこちらを見据えるものの動こうとはしない。
「おいおい、またあのデカブツと戦えってのか?」
『しかも前のより明らかに強いよね!?』
「イーサン、お前が戦ったウリアシュとは奴等は別格だぜ。真ん中のはウリアシュ・ストリージャー…菌根を守る門番だ。横のよく似た兄弟みたいな二体がウリアシュ・ドラク…俺もよく知らねえが実験で生まれた暴れん坊らしい」
「どうやらミランダの命令で菌根を守っているらしいな。逆に言えばライカンは全滅、守れるのはあの三体しかいないと言う事か」
ハイゼンベルクの説明にそう分析するクリス。なるほど、ミランダも追いつめられていることに間違いはないと。
「なあクリス。頼みがある」
「なんだハイゼンベルク。秘策でもあるのか?」
「ああ、秘策も秘策だ。…俺の工場を破壊してくれ。どうせ村ごと吹き飛ばすんならどっちみち関係ねえ」
「なにを…?」
「俺はな、鉄さえありゃあ無敵だ。ミランダに与えられた力なのが気に食わねえが最強なのは間違いねえ。今は鉄がいる」
そう豪語するハイゼンベルクに、クリスは瞑目して。
「……アンバーアイズ。ナイトハウル。ハイゼンベルクを手伝え。爆弾は撤去する時間がなかったから残っているはずだ。残りは俺と共に奴らを排除する!」
「「「「「了解!」」」」」
「よーしシュツルム!ゾルダート共!お前らは俺の傑作も傑作だ!ミランダなんかの実験体に負けんな!叩き潰してやれえ!」
「「「「「ウオォオオオオオッ!」」」」」
ハイゼンベルクとハウンドウルフの隊員二人が工場に引き返し、残った俺達は気を引き締める。するとシュツルムを先頭にゾルダート軍団が突撃、土に塗れたウリアシュ・ドラクと呼ばれた怪物へと挑みかかった。
「俺達は真ん中のだ!」
『一番強そうだけどしょうがないか!』
振り下ろされた戦斧をプロペラで弾き、ドリルを次々と突き刺していくゾルダートたちに問題はないと判断した俺とエヴリンはモールデッド・ギガントを動かしてウリアシュ・ストリージャーに飛びかかる。戦斧の振り下ろしを左腕で受け止めつつ、右掌からショットガンを放って触手を牽制。そのまま背中から押し倒す。
「俺達はウリアシュ・ドラクと呼称されたもう一体を狙うぞ!」
「「「了解、ボス!」」」
クリスたちは歴戦のウリアシュ・ドラクに銃撃を開始。跳躍して弾丸を避けながら空中から襲いかかるウリアシュ・ドラクの攻撃を避けつつ攻撃を続ける様は心配する必要はなさそうだ。
「銃もドリルも効かなそうだから俺達で引き受けたが!」
『ショットガンもまるで効かないとか聞いてない!』
戦斧を踏みつけて無効化しつつ、ひたすら顔面を殴る。殴る。殴る!伸びてきた触手を掴んで引きちぎる。するとウリアシュ・ストリージャーはその硬い顔面で頭突きを繰り出し、仰け反る俺達。そのまま胸ぐらを掴まれ、何度も何度も頭突きを叩き込まれ、頭部を覆うカビが砕けて俺の頭部が露出する。エヴリンが他の部位からカビを回して頭部を覆うが、そのたびに砕かれる。堂々巡りだった。
「クソッたれ…なんてパワーだ…!?」
『えいっ!えいっ!修復した側から壊すなバカー!?』
「エヴリン、右腕に余計な分を回せ!頭部もだ!」
『え、でも…』
「一発だけなら耐えれる!いや、耐えてやる!ドデカい一撃を叩き込む!」
頭突きを何度も受けながらそう提案すると、少し思案して頷くエヴリン。ウリアシュ・ストリージャーと互角の体格だったモールデッド・ギガントが縮み、頭突きを回避すると同時に右腕にカビが集束されていく。そして両肩を掴まれ、その硬い頭部が振りかぶられる。と同時に振りかぶる俺達の右腕。
『「お前も…!?」イーサン!?』
硬い頭部による衝撃が俺の頭部に響く。歯を食い縛り、エヴリンの悲鳴を聞きながら負けられないとばかりに耐え抜き、力の限り右腕を振り抜いた。
「…家族だあらっしゃあ!」
「グアァアアアアアア!?」
その巨大なカビの拳が顔面を捉え、大きく殴り飛ばして菌根の巨樹の壁に叩きつける。ウリアシュ・ストリージャーが石灰化し、崩れて行く様をおぼろげな視界で見ながら、俺は気を失った。
「アルファ!イーサン・ウィンターズが倒れました!」
「回収しろ!こいつは、俺が!」
イーサンがウリアシュ・ストリージャーと相討ちになったのを確認し、アサルトライフルを撃ちながら突撃するクリス。戦斧の一撃をアサルトライフルで防ぐも大きく弾かれ、咄嗟に振り抜いたカランビットナイフを手に腹部に何度も斬撃を叩き込み、アッパーカットで大きく怯ませる。
「ふんっ!」
そしてかつて岩をも動かした拳によるストレートパンチが炸裂。歴戦のウリアシュ・ドラクは大きく吹き飛んで転がり、そこにハウンドウルフの一斉掃射を受けて石灰化して崩れ落ちた。
「ゾルダートの方は…」
クリスがもう一体のウリアシュ・ドラクに向き直ると、ドリルで串刺しにされ持ち上げられたウリアシュ・ドラクが頭からシュツルムにミンチにされている光景を見て、見なかったことにする。
「問題なさそうだ。予定通り爆弾を仕掛ける。タンドラはイーサンの介抱。ロボとケイナインは俺を援護しろ。恐らく本体は地下にある」
そう言って、教会だった場所に開いた穴から地下に潜ろうと試みるクリスだったが、そうはさせないと言わんばかりに菌根に薙ぎ払われてしまう。
「くそっ、近づけん!ハイゼンベルクを待つしかないか…」
「待たせたな!」
そこに巨大なキャタピラを駆動させながら姿を現したのは、鉄のガラクタで形成された巨大魔人。キャタピラに乗った巨大な芋虫の様な形状のスクラップの塊から、二本の剛腕を生やした怪物。両腕はクレーンアームの様になっていて、頭部は巨大なタービンになっている。ゾルダートやシュツルムが称える様に咆哮と回転音を上げる。
「ようミランダ!忌々しい菌根、俺の全財産で粉々に打ち砕いてやるぜ!」
巨大ハイゼンベルクはそのままキャタピラを駆動させて家屋を踏み潰しながら突撃、二本の巨大な触手を伸ばした菌根と組み合い、今のうちにと合流したアンバーアイズとナイトハウルも入れて地下に飛び降りるクリスたち。
そして、タンドラに物陰に連れていかれて介抱されるイーサンは、辺り一面雪景色の暗い空間にて二人のエヴリンと邂逅していた。
前回のハンマー引き寄せ(ソーの武器)といい、今回の部位集中(ナノテクアイアンマン)といい、どうしてもマーベルネタを入れて行きたいスタイル。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。