BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
というわけでチーム・アトランティス残りの三人との対決。楽しんでいただけたら幸いです。
「私たちが来たのは、あのニュースを見たからなの」
衝撃波でめちゃくちゃになったミックスコアトル村の瓦礫を手に取りながら説明するヨナ。瓦礫に座ったレオンと、崩れた家屋の壁に寄り掛かったクラウザーが耳を傾ける。ガンマとメリカがハープーンに決着をつけている間に情報共有しておこうという話だ。
「ニュース……件の街のシーデッドか」
「私たちオルタナティブはアンブレラ及びバイオテロの撲滅と、これ以上私たちみたいな存在を出させないのが目的。新種のウイルスとか冗談でもお呼びじゃないわ。だからパンデミックが起きる前に、根源から駆逐しに来た。エヴリン曰く、彼女も知らないウイルス、らしいわ」
「未来にない…?」
「未来?待て、何の話だ
「そんなことはどうでもいいでしょ。問題は……切札にガンマちゃんを連れて来たけど、それでもギリギリってところよ。応援頼もうにもエヴリンたちは別件で忙しいし……」
「別件……アンブレラの裁判か」
同時期に起きている、1999年から続くアンブレラの訴訟問題。アンブレラの撲滅こそ最大の目的であるオルタナティブからしたら、そちらにかかりきりになるのも当然だとレオンは考える。今頃証拠集めで忙しいはずだ。
「つまり、援軍は見込めないというわけだな。蛇女」
「幹部三人来てるだけでも大事なんだけどね。それと私はヨナよ。ヨナ・ウィンターズ。マッチョマンさん」
「…ジャック・クラウザーだ」
ヨナとクラウザーが睨み合う。レオンがそれを仲介しようとしたとき、強烈な打撃音と共に何かがこっちまで吹き飛んできて、咄嗟に臨戦態勢をとる三人。傍のガンマが守ったことで形を保っていた半壊と無事のちょうど中間にあった建物が完全に崩れ落ちる。中から頭を抱えて出てきたのは、ガンマだ。
「あいたたた……」
「え、ガンマちゃん?ハープーンってやつにやられたの?」
「ちがう。……すっごくつよいやつがいる」
「はっはっはあ!挟み切れないとは頑丈だなあ、兎い!」
そこにやってきたのは、右腕の先端が黒く染まっている赤くでかい鋏に、間に兎の脚を挟んでギリギリ耐えているメリカを挟み込み、左手で身動ぎしないハープーンを抱えながら歩いてきた2mを超えるデカい身長に筋肉質で豊満な身体、金髪で褐色肌な赤いクロスホルダービキニとホットパンツを身に着けた女性“シザース”。誰が見てもわかる。カニである。
「うぎぎぎぎ……なんて馬鹿力……」
「お前なんだろ。ハープーンを倒したやつは?あたしとも
「アイツにやられたの?ガンマちゃん」
メリカは挟み込まれないように脚力で耐える中、シザースはガンマに挑発するが、不機嫌なガンマの視線はその背後に向けられていた。
「おまえはメリカちゃんにまかせた。わたしのあいては、……うしろのやつだ!」
「……なんて頑丈なの」
ガンマに指をさされてカニの巨女の後ろからひょっこりと顔を出したのは、全身が煌めくオーロラシルバーな生体装甲な甲殻に覆われた、顔が目元だけ出ている青緑色の髪をしたスレンダーな女性“ナックル”。どうやらガンマはナックルにしてやられたらしい。
「
右手をアトラナートの様な蜘蛛を思わせる異形のものに変えて、近くの瓦礫を糸で紡ぎ、巨大な蜘蛛の人形を形作って操演し、突撃させシザースもろともナックルを轢き潰そうとするガンマ。しかしその瓦礫でできた蜘蛛脚をナックルが左手を突き出すだけで受け止め、次の瞬間目にも留まらぬ速度で放たれた右拳が、一撃で瓦礫の蜘蛛を粉々に粉砕した。
「
しかしそれは先の攻防で予想できていたガンマ。瓦礫の蜘蛛を囮にしてその中に突っ込み、背中に鰭と尻尾を出して空気抵抗をできるだけ少なく体勢を低くして突撃した必殺の拳が、煌めく装甲に突き刺さる。凄まじい衝撃波がナックルを突き抜けていき、そして。
「……それが全力?」
「ぐうっ!?」
まるでボクシングの様なカウンターパンチが鳩尾に突き刺さり、タフさを誇るガンマが一撃で転倒する。鳩尾が砕かれた。さすがのガンマも、初めて受ける大ダメージに耐え切れず、白目をむいて倒れ伏した。
「ガンマちゃん……こんのお!いい加減に、しろお!」
するとそれを見てキレたメリカが、逆に身体を鋏の中で縮こませることで生じた隙間を渾身の力でドロップキックで蹴り飛ばし、脱出。そのまま逆立ちで着地するとくるりと反転。鋏の上に両足で踏み込むと、跳躍。飛び膝蹴りをシザースの顔面に叩き込んだ。
「ぐふう!?」
「はあ!」
そのままシザースが転倒した反動で跳躍し、ムーンサルトキックをナックルに叩き込むメリカ。ナックルはボクシングの基本的な防御姿勢であるダッキングで防御。あまりの強固さにそのまま跳ね返され、脚を大きく開いた低い体勢で後ずさりながら着地するメリカの背後で、巨体が動き影が差す。
「お前、やるなあ!正直なめてたぞ!」
「なっ……!?」
振り返ったそこには、2.5mほどに巨大化したシザースがメリカを見下ろしていて。咄嗟に離脱しようとするが、ぶわぁっとシザースの口から泡が放出されて、見た目よりも強固なそれで拘束されてしまう。そして右腕が振るわれてリーチの伸びた腕の鋏で殴られ、シザースはぐったりしたメリカを弱めに鋏で挟んで拘束して持ち上げた。
「あたしはタスマニアキングクラブの遺伝子を持つ!地球上で最大最強のカニだ!脱皮するごとに巨大化するその特性を、アナーヒタ様はセンチュリオン・ヘカトンケイルを参考にした不死身の力とした!脱皮するごとに強くなる!あたしは、無敵だ!」
「ぐうっ……」
「ガンマ、メリカ!」
仲間のピンチに飛び出そうとするヨナ。しかしその瞬間、顔をしかめて転倒してしまう。そこに瓦礫の下からシーデッドが出てきてヨナとレオン、クラウザーも取り囲んだ。
「なんだこいつら……いきなり統率されて……」
「今のはっ……前にも、覚えが……」
「それは~私が~操ってる~からだね~」
傍の建物の屋根の上に顔を出したのは、額から銀色の螺旋を描いた角が伸びている、黒と紫の二色のワンピースタイプの水着を着た紫髪の少女〝ドリル”。他の三人より明かに幼いなりなのに、笑顔の迫力が尋常じゃない。どうやら仲間のハープーンがやられて怒っている様だった。
「こんにちは~私はイッカクのB.O.W.~ドリルといいま~す。勝ち目はないから~降参してくれると~嬉しいな~オルタナティブさん~?」
「勝ち目がないとは舐めてくれるわね……私、こう見えても強いわよ?」
スカートの下で下半身の擬態を解いて蛇の尻尾をのぞかせるヨナ。シーデッドに囲まれながらも銃を構えるレオン、クラウザー。それを見て、気に入らなそうに頬を膨らませるドリル。
「知ってる~?私は女だけど~この角は雄のイッカクの象徴で実は牙なんだ~。内側から外へ向かう神経系の集合体で~以前いたイブリースってB.O.W.を参考にした~体内の生体電気を変換した特殊な電磁波を出して~他者に動きの制限ができるんだ~。自我がなければ自在に操ることもできるよ~。レーダーにもなってるから~」
「っ…!?」
「不意打ちにも強いよ~?」
隙を窺って銃を構えていたクラウザーの銃撃を、右手で受け止めて握り潰してしまうドリル。そのまま大気が歪むほどの電磁波を発生させて、レオン、クラウザー、ヨナの体を痙攣させて転倒させる。
「はい、確保~シーちゃん、その兎の子ちょん切ったらだめだよ~?ナーちゃんも~やりすぎ禁止~!強すぎるんだから~」
「はいはい、わかってるよリーダー」
「これから気を付ける……」
「でもハーちゃんがやられるなんて想定外だったな~せっかくだし~シーデッドにハーちゃんともども運ばせちゃうか~」
そう言って電磁波で指令を出して、シーデッドに気絶したレオン、ヨナ、ガンマ、クラウザー、メリカを持って行かせようとするドリル。しかし、シーデッドが次々と痺れた様に震え、伸びてきた複数の触手に5人を絡めとられてしまった。
「な~っ!?」
「出やがった!」
「……」
その先にいたのは、クラゲの笠を被って触手の様な髪を伸ばし指も触手の様に蠢いている白いワンピースを着た謎の人物。指を振るってドリルたち三人を牽制すると、5人を連れて姿を消したのだった。
記憶継承というチートを得たガンマや、元々蹴り主体で人間の上澄みなのに兎の脚力を得てさらに強くなってるメリカを圧倒するチーム・アトランティス。タスマニアキングクラブのシザースと、イッカクのドリル。ちょっと常軌を逸している能力だけど参考にしたのがチートすぎる。ナックルはもうほとんど答えまで行ってるけど一応保留。
そして登場、謎のB.O.W. まあ、彼女です。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな世紀末編オリジナルB.O.W.は?
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ウールヴヘジン
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ネルトゥス
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カトプレバス
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モールデッド・ヘカトンケイル
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ミゲル・グランデ変異体
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メリカ・シモンズ変異体