BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
【現在の状況】
・イーサン&エヴリン
気絶しオリジナルエヴリンと邂逅。本編とあまり変わらないので割合。
・ハイゼンベルク
巨大魔人と化して菌根と激突。ガチバトル中。
・ミア
ハウンドウルフに救出され、ヘリで気絶したイーサンと共に待機。
・クリスたち
ミアを救出と資料の奪取をチームで遂行、タンドラをミアとイーサンの護衛+ヘリ操縦に残して残りのメンバーで菌根を登りミランダの儀式に立ち会う
今回はハイゼンベルク生存ルート最終決戦。楽しんでいただけると幸いです。
『むにゃむにゃ……ん?ママ!やっぱり生きてたんだ!あれ、私起きたのにイーサンまだ寝てる…半分意識が覚醒してるのかな?ってそんなことより起こさないと…ああもう、触れないのがもどかしい!』
「ああもう!エヴリン、ちょっと退いてて!イーサン!しっかりして、イーサン!」
『……ママ、もしかして私のこと見えてる?』
「…………ナ、ナンノコトカシラ」
『いや、もういいから。がっつり会話しちゃったから。へえ、そうなんだ。ふーん……もしかして、最初から見えてたりする?』
「……」
『図星かー』
「…悪かったわ。イーサン、起きて。お願い」
『イーサン、気絶してるだけだからそろそろ起きると…』
目覚める。オリジナルのエヴリンとの対話を終えて家族として迎え入れた俺は、聞き慣れた愛しい声を聞いて目覚める。目を覚ますとそこは鉄の天井の下で。横に目を向ければ、ミアがいた。
「ミア…!?」
「よかった。目を覚ましたのね」
『だから気絶してるだけって言ったじゃん。私がちょっと前に起きたんだからすぐ起きるのわかってたでしょ?』
「私、クリスに助けられて…ローズの事も貴方達のことも聞いたわ」
そうミアと会話するのは、残留思念とオリジナルが一体化したのを表す様にちょっと成長した姿のエヴリン。その光景に目が点となる。え、なんでミアとエヴリンが当たり前の様に会話しているんだ…?
『あ、ミアずっと私が見えてたんだってさ。ひどいよね、見えないふりしてただなんて』
「そうだったのか…」
「悪かったって言ってるじゃない。…私の知っているエヴリンは悪辣で生意気だったんだから」
『本質は変わらないよ。私は私。それ以上でもそれ以下でもない』
若干敵意が見え隠れするミアに、拗ねるエヴリン。このエヴリンはオリジナルの人格も統合されてるから否定はできない…が。
「ミア。俺はエヴリンを俺の娘だと認めた。君にも、認めて欲しい。こいつはもう、あの時の悪いエヴリンじゃない」
『悪いエヴリンって何さ』
「…そうみたいね。こんなに愉快じゃなかったわ」
『愉快って何さ』
頬を膨らませて怒るエヴリンに、ミアと顔を見合せて一緒に笑う。言わなくてもわかる。ミアも、三年間一緒に過ごしたこのエヴリンを見て、憎悪や恐怖が薄れていたのだろう。こんなアホの子にいつまでもそんなのを抱いていられるわけがない。
『イーサン、聞こえてるからね?アホの子は酷い』
「ミアも認めてるみたいだからいいだろ。お前がアホの子じゃないとミアも認めなかったさ。俺もな」
『ひでえ』
「……どこにいくつもり?」
話しながら外に出ようとした俺達を見咎めるミア。…やっぱり、行かせてはくれないか。見れば夜が明けたばかり。今頃ミランダはローズを復活させて娘にしようとしていることだろう。急がないと。
「ローズを取り戻しに行く。クリスたちだけに任せてはいられない」
「私だってローズも一緒に、四人で過ごしたい。でも、あなたに無茶もしてほしくないの」
「…もしかして、俺が死んでいたことも知ってたのか…?」
「薄々、特別だとは思ってたわ。でもだからって貴方が無茶する必要はない。わかって、お願い」
「…それは聞けないな」
引き留めるミアを引き離し、外に出るとヘリの中だったらしい。忌々しい菌の巨樹が目の前に聳え立ち、触手を伸ばしてガラクタが一纏めになった様な不格好な巨人と殴り合っていた。アレはハイゼンベルクか…その光景を見上げる形となり、気を引き締める。
「なんで…貴方は一般人なのよ!いくらエヴリンの力を使えるからって、貴方が戦う必要は…」
「あるさ。俺は、父親だからな。エヴリン、行くぞ」
『了解!パワーアップした私の力を見せてやる!』
ミアの制止を振り切り、瞬時に変異したクイック・モールデッドの脚で跳躍。腕もクイック・モールデッドのものになり、巨大ハイゼンベルクの背面に引っ付いて何とか登って行く。
『下から行くのが正攻法なんだろうけど!』
「こっちの方が速い!どおりゃあああああ!」
両腕のクレーンの様なアームで菌根の触手を引っ掴み、頭部の巨大タービンに押しつけて切り刻む巨大ハイゼンベルク。その振動で振り落とされそうになりながらも必死に登り、芋虫の様な胴体の上に到着。
「ん?この声はイーサンか?だったらこいつを持っていきな!」
「助かる、ハイゼンベルク!」
ごてごてしていて悪い足場を全速力で駆け抜け、途中で突き出ていた柄を掴むとそれはハイゼンベルクの鉄槌で。モールデッド化した左手で握りながら先まで来ると跳躍、菌根の頂上から伸びる枝(?)にクイック・モールデッドの右腕と脚で引っ付くと、眼下にある祭祀場でクリスたちハウンドウルフと、腕と指が異様に伸びた戦闘形態になっているがどこか様子がおかしいミランダが戦っていた。
「クリィイイス!」
「っ!イーサンか!」
「イーサンだと…!?」
叫びつつ飛び降り、こちらに振り向いた、カビに覆われたミランダの顔面に鉄槌をフルスイングで叩き込み、殴り飛ばすとクリスたちと合流。クリスは掴みかかってきた。
「お前、何で来た!」
「ローズを救うために決まってるだろ!それより、ローズは何処だ!?まさか…」
「いいや。奴は娘を蘇らせるのに失敗した。それどころか力を失ったようで、ローズを取り込んで抵抗している」
『あれだけ偉そうなこと言ってて失敗するんだ…』
「…つまり、ミランダのクソッたれをぶっ倒せばいいんだな?援護してくれ、前線は俺が張る!」
「止まれイーサン!クソッ、援護だハウンドウルフ!」
ハイゼンベルクの鉄槌を両手に握りしめ、突撃する。ミランダは翼を広げて上に逃げようとするが、クリスたちに撃墜され、落ちてきたところに渾身の力で振り上げた鉄槌が炸裂。仰け反ったところに容赦なく連続で、吹き飛ばさない様に殴りつけて行く。
「ぐっ、あっ、ぐはっ、がっ、きさまぁあああ!」
「こいつは俺とエヴリンとローズとミアとエレナとイングリドとハイゼンベルクの分だ。あとドナとモローと…ついでにドミトレスクとカサンドラとベイラとダニエラの分があるから大人しく殴られろ」
『あとエレナのパパとルイザとアントンとロクサーナと他の犠牲になった村人の分もだよ、イーサン』
「ふざけるなああああ!」
『あ、ローズを取り込んだから私が見えてるんだ』
「イーサンに触れさせるな!」
激高してカビの触手を伸ばしてくるミランダだが、クリスたちハウンドウルフの銃撃で弾かれて俺に触れることは叶わない。援護射撃を信じて、ひたすら鉄槌で殴って行く。
「む、無駄だ!我が体は鋼鉄如きでは砕けぬ…!」
「ならそれ以上の硬さならどうだ!」
『硬さだけなら今の私に分があるもんね!』
オリジナルと融合したことでできることが増えたらしいエヴリンの力で、カビに覆われる鉄槌。少し大きくなった漆黒の鉄槌をモールデッド化した両腕で振りかぶり、殴る瞬間に突起が生えたそれを杭打ちの様にミランダの胸部に叩き込む。
「グアァアアアア!?ば、ばかな!何故、失敗作のE型特異菌如きが真なる菌根の硬さを上回る…!?」
『一点集中して固めたらそれだけ強固になる!意識が二つあるからできる操作だよ!』
「力が強いだけが全てじゃない。失敗作とお前が呼ぼうが、使い方次第でどうとでもなる!それとな…俺の娘のどこが失敗作だ言ってみろ!」
「があ!?」
打ち付けた鉄槌の杭にさらに力を籠め、抉り裂いてミランダの胸部を魚の開きの様に掻っ捌く。漆黒の粘菌で形成されたその内部に吐き気がするが、モールデッド化した右腕をミランダの胴体に殴りつける様にして突っ込んだ。
「エヴリン!探せるか!?」
『待って、今菌糸を張り巡らせて…見つけた!イーサン!』
「ま、まさか!貴様!やめろ!私からエヴァを奪うなぁああああ!」
俺達がやろうとしていたことに気付いたのか、両腕を振り上げ叩きつけようとするミランダだが、やはりクリスたちの銃撃で弾かれ、ならばと噛み付こうとしてくるがモールデッド・ギガントと化した頭部で頭突きで対抗。
「エヴァじゃない!この子の名前は…ローズマリー・ウィンターズ!」
『イーサンとミアの子供だあ!』
頭部を元に戻してもらい、ふらつくミランダの背中を左腕で支え、それを掴んだ右腕を力の限り引き抜いた。
「俺達のローズを…返してもらうぞ!」
「や、やめ、やめろぉおおおおお!?」
引っこ抜いた右腕に握られているのは、小さなローズの胴体。少々乱暴な手つきになってしまったが、取り返せた。ローズを抱え、クリスたちの元に戻ろうと試みる。だがしかし、それを許すミランダではない。翼を巨大な一対の異形の腕にすると伸ばして俺達を捕まえようとしてきた。
「逃がさん…!絶対に、逃がしてなるものかぁあああ!」
「くっ…!」
胴体を掴まれる。鉄槌は掻っ捌いたまま置いて来てしまったし、両腕にローズを抱えているため反撃が出来ない。クリスたちも俺達が捕まってるからか迂闊に撃てないようだ。
「くっ、力が安定しない…こうなればイーサン、貴様ごとローズを取り込んでくれる…!」
万事休すか。そう諦めかけたその時、、こちらに歩み寄ってきたミランダの背後に落ちている鉄槌がエヴリンのカビを引き剥がして浮かび上がり、凄まじい勢いでこちらに向けて飛んできてミランダの後頭部に炸裂、そのまま飛んで行ってしまった。解放された俺達を守るように囲んで構えるクリスを始めとしたハウンドウルフ。そこに、菌根の壁を突き破って何かが顔を出す。タービンの様なそれはまさしく、巨大ハイゼンベルクだった。
「おら、脱出するなら今の内だ!」
「だが、ミランダが…!」
「とどめは俺が刺す!クリス、お前たちはさっさと離脱する準備をしやがれ!」
「っ…行くぞ!」
ハイゼンベルクの台詞を聞いて、頷いて俺とローズを警護する様に囲みながら巨大ハイゼンベルクの芋虫の様な胴体を伝ってヘリまで戻るハウンドウルフ。ミアと合流し、ヘリが浮上を始めると、凄い光景が目に入る。
「こいつを喰らえばひとたまりもないだろうぜ」
ハイゼンベルクは俺達がヘリに乗り込んだのを確認すると、巨体を形作っていたジャンクを全て分離。全てのパーツやゾルダートを空中に浮かせると、それを凄まじい速度で菌根にぶつけていく。それは、こちらに来ようとしていたミランダも例外ではない。全身をジャンクやミサイルの様に飛んできたゾルダートのドリルで串刺しにされ、菌根に縫い止められ、さらにその威力に菌根で形成された巨樹も崩れて行く。
「鋼鉄も通さない硬さだあ?エヴリンも言ってただろ、一点集中すりゃあ壊せねえもんはねえってな!」
「ギザマ…ハイゼンベルクッ!貴様が死んでいれば、エヴァは蘇っていたものを…貴様が死なないせいだ!許さん、許さんぞ…!」
「おうおう、いい怨嗟の声だなミランダ。溜飲が下がるぜ、今なら美味い酒が飲めそうだ。シュツルム、地獄へ送ってやんな!」
「おのれ、おのれ、おのれぇええええええ!?」
さらに這い這いでなんとか顔を出したミランダに、容赦なく放たれる熱暴走したシュツルムの火炎放射。ミランダは炎上して跡形もなく消え去り、シュツルムは限界が来たのか爆散していった。
「シュツルム…お前を完成させてやれなくて悪かったな…だが、俺もすぐに後を追うからよ…」
そう言って哀愁漂う様子でその場で葉巻を吸うハイゼンベルクが、死のうとしていることに気付いて。クリスたちの制止も聞かず、ハッチを開けるとハイゼンベルクは驚いたような顔をしていた。
「なんのつもりだイーサン。クリスに伝えろ、さっさと離れて爆弾を起爆しやがれってな」
「死ぬ気かお前!お前は俺達の恩人だ!死なせないぞ!ハイゼンベルク!来い!」
『マダオ!私達と一緒に自由を謳歌しようよ!』
エヴリンと共に必死に説得する。ローズをバラバラにした張本人だが、こいつがそう提案してなければ今頃ローズはとっくにミランダの娘にされて、取り返すことなんてできなかった。だから恩人なんだ。もう友人みたいなものなんだ。悪人だろうが、これ以上知ってる誰かが死ぬところなんて見たくない!
「…そいつも、悪くねえか」
そうダンディな雰囲気で笑うと、辺りに散らばったジャンクで即席の階段を作り、駆け昇ってくるハイゼンベルク。ヘリの中に入り能力でハッチを閉じて笑うその姿に、クリスも苦笑いだ。
「自由になったのに死ぬなんて冗談じゃないぞハイゼンベルク」
『そうだよ!もう私達友達なんだからね!』
「へいへい、悪かったよお二人さん。それでクリス。言っとくがもう、俺は誰の下にもつかねえぜ?」
「…ああ。だが一つ提案がある。これから、B.O.W.の兵士を使っていたBSAA本部に殴り込むんだが…お前も一緒に来ないか?お前が生きていると知ったら利用しようとする連中だ」
「そいつは聞き捨てならねえな?よし、イーサンも付き合え」
「ミアとローズに危険が及んだ原因みたいな奴等だろ?当たり前だ」
『クリスが止めたって行くもんね!』
「イーサン、エヴリン。私が心労で死ぬから勘弁して…」
そんなこんなで戦友となったハイゼンベルクはこうして生き残ったのだった。
磁力で再現した擬似ゲートオブバビロン。菌根だろうとひとたまりない。というわけでミランダとの決着はハイゼンベルクが決めました。かつてシュツルム君がここまで活躍した二次創作があっただろうか。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。