BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。2024/01/07に投稿した270話に当たる「file2:35【白面の鎧武者】」以来の彼女の登場。いやほんと、今頃は彼女がメインの話を書いている予定だったのだ。

今回から後半戦。いろいろ判明。楽しんでいただけたら幸いです。


fileDC:10【幼き客将、雪姫】

 ドリルは冷や汗を流して震えながらその場に控えていた。後ろのハープーン、シザース、ナックルも同様だ。その理由は、ワイヤーで縛られ不貞腐れたガンマを見てブチギレているアナーヒタだった。横でサメイドがせっせとチーム・アトランティスが帰ってきたことで濡れた床をモップで掃除してる。ミス・ポセイドンとその配下勢ぞろいだった。

 

 

「此奴の何処が、ネプチューン・グラトニーだ!」

 

「い、いえ~アナーヒタ様が求めるぐらいだから強いB.O.W.の女がいたらそうだと~……こいつら擬態してるみたいですし~?ネプチューン・グラトニーの可能性がワンチャン~…?」

 

「ワンチャンですら無いわ。明らかに、此奴は違う。ネプチューン・グラトニーには、コピー能力など無い。汝は何だ、何者だ?」

 

「……あんだーて……むぐぐぐっ。ガンマだ」

 

 

 記憶継承(アンダーテイカー)を使おうとして、変形する腕がワイヤーで締め上げられて断念するガンマ。

 

 

「何故だ?何故、ネプチューン・グラトニーは居ない……答えろ、ガンマ!」

 

「グラちゃんはたいちょうだからってのもあるけど……ジャングルにさめがくるとおもうのか、ばーか」

 

「ふむ……一理ある」

 

 

 納得する自分のボスに、ダメじゃんとドリルは頭を抱えた。この計画、最初から破綻してた。

 

 

「それにしても、マヌエラを捕らえられなかった上に、ヒルダも失ったか。失望するぞ?チーム・アトランティス」

 

「ヒルダの邪魔がなかったら~全員捕らえられたんですけどね~」

 

「……まあ良い。我は、海洋生物の王たる故、お前達には寛大である。許す。アレはどうなっている?」

 

「既に回復を終えて待機中だよ。初めて見るぐらい酷い傷だったけど」

 

 

 アナーヒタの問いかけに、サメイドが応える。ガンマは初めて見るサメイドを見て首を傾げる。グラに似ているが、なにかおかしい。何か、致命的に、なにかが足りない。そうサメイドに気を取られているガンマに、アナーヒタは取り出したソレを掲げた。

 

 

「では、代わりの戦力がいるな。ガンマ、ハンターγか。ローガンが作っていた、ハンターの亜種の更に亜種。丁度良い……汝にも、実験をしようではないか」

 

「え……ぐっ!?」

 

 

 サクッと、それはもう自然に、アナーヒタは取り出した注射器を、ガンマの首に突き刺していた。サメイドに気を取られていたガンマは、一拍遅れてそれに気づき、悶え苦しみ、反射的に記憶継承を使おうとして、ワイヤーで締め付けられて止めるのを繰り返す。アナーヒタは満足げに、それを見下ろした。

 

 

「RTーウイルスに既に感染しているならば、適合は確実。身体を作り替えるのに、多少の時間は掛かるだろうが……せめて、我が趣向の糧となれ。……出でよ、雪姫(ゆきひめ)

 

「何用ですか、同盟者」

 

 

 アナーヒタが呼び掛けると、ボイスチェンジャーで変声したような、くぐもった声が聞こえてドリルは振り向く。そこには、全身真っ白な和風の甲冑に身を包んだ、背中に身の丈はある長刀が収まった鞘を取り付けた、鎧武者がいた。兜を被った顔は、鬼を象った面頬で隠されていて、紅い光を瞬いている。雪姫と呼ばれた鎧武者は、全員の視線を受けながらもガチャガチャと音を立てながら歩み寄る。

 

 

「我が盟友、アイザックスの子、雪姫よ。此奴を洗脳し、馴染むまで適当に檻の中へ、入れておけ」

 

「いいでしょう。それぐらいは協力します」

 

 

 甲殻類を思わせるゴツい刀を抜き、ガンマを斬りつけて納刀する雪姫。すると苦しんでいたガンマの意識が途絶え、雪姫はそれを抱える。

 

 

「雪姫……我の前で、その無粋極まりない格好は止めよと、言ったはずだが?」

 

「……失礼しました」

 

 

 そう言って雪姫が面頬を外すと、溶けるようにして甲冑が消えて大男然としていた身長が縮み、純白の着物を身に着けた小柄な少女が姿を現す。純白の長髪を結い上げた赤い瞳の少女。ガンマが起きていたら驚いただろう。その顔は、エヴリンと瓜二つだった。小柄な体で、ガンマを俵を持ち上げるように持ち直した雪姫は、アナーヒタに問いかける。

 

 

「それよりも、P-ウイルスの生産はどうなっていますか?我が父は、かのウイルスをお求めです」

 

「分かっておる。既に、量産体制は出来上がりつつあるのだ……お前は座して待てば良い。無論、その間は協力して貰うぞ」

 

「わかりました。その言葉を信じます、ミス・ポセイドン」

 

 

 そう一礼して、ガンマを抱えて去っていく雪姫を見送り、アナーヒタは振り返って一部始終を窺っていたチーム・アトランティスに告げた。サメイドは欠伸した。

 

 

「計画を変更する。ガンマと残りのオルタナティブのメンバーを人質とし、ネプチューン・グラトニーの身柄を要求する。お前達は、残り二人とマヌエラを捕まえよ。男二人も連れて来い。我が計画に水を差した報いだ、実験台にしてくれる……我が野望、必ず果たせ。今度は、失敗など許さぬぞ」

 

「「「「はっ!」」」」

 

 

 そうして海の使徒は再び動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハヴィエ・ヒダルゴが殺されている?」

 

 

 俺達は、ヨナ達が乗ってきたというボートに乗って川を北上していた。メンバーは俺、クラウザー、ヨナ、メリカ、そしてマヌエラ。クラウザーが操縦するボートの上でマヌエラから事情を聞いたところ、マヌエラ・ヒダルゴと名乗りハヴィエの娘だということが判明。奴が何を企んでいるのか問い質したところ、帰ってきたのがその言葉だ。

 

 

「ええ。アナーヒタという女が裏切ってネプチューン・テティスをけしかけ喰い殺したの。死体すら残らなかった……」

 

「そのアナーヒタ……たしかアンブレラ南米支部の主任研究員だった女と同じ名前だな。南米支部を辞めたのも一年前……辻褄は合うな」

 

「アナ―ヒタはその後、父の組織だった「聖なる蛇たち」を乗っ取って自らをミス・ポセイドンと名乗るようになった。逆らう者をバケモノに変え、自分に従う者だけを選別して。……父が生きていると思われているのを、ミックスコアトル村に逃げて来た時に知ったわ。恐らく、部下を使って情報操作して、全ての罪を父に擦り付けたのよ……」

 

「マヌエラ……悪いが、君の父親が悪事を働いていたのは数年前からの事実だ」

 

「それでも、私の父親だったの……お母さんまで、死んだ。私は、アナーヒタに復讐する…!」

 

「どうやってかしら」

 

 

 話を聞いていたヨナが問いかける。文字通り聞き耳を立てていたメリカがびくっと反応した。

 

 

「貴方の力じゃ不可能よ。P-ウイルスに感染して海月の力を手に入れたと言っても、ただの小娘。そんな力じゃ、なにもできないわ」

 

「ヨナ、言い過ぎだ」

 

「言い過ぎなんてことはないわ。自分の事は自分がよくわかっているはずよ。そして分相応に生きていくしかないの。私は自我を持ってからそうやって生きてきた。欲をかくと、死ぬだけだわ」

 

「っ……じゃあ、諦めて奴に降れっていうの……?」

 

 

 完全に意気消沈して項垂れるマヌエラに、ヨナは手を差し出し優しい笑みを浮かべた。

 

 

「そうは言ってないわ。周りを頼りなさいって言ってるの。私たちはもともとハヴィエの調査に来たけど……そのアナーヒタってやつが黒幕なら倒すだけよ。仲間のガンマも捕まっちゃったしね」

 

「ああ。ただの人間の俺達は頼りないかもしれないけど、戦う覚悟は持っている。なあ、クラウザー」

 

「皆まで言うな新兵(ルーキー)。B.O.W.なんかに負けるつもりはない。ましてや、そのアナーヒタは聞く限り、ただの人間なんだろう。なら俺達の領分だ。逮捕して罪を償わせてやる」

 

「私も、まだまだ新人だけど、やれることはやるわ」

 

 

 ヨナに続いて俺、クラウザー、メリカと続き、マヌエラは泣きながら嬉しそうにヨナの手を取った。

 

 

「クラウザー。アナ―ヒタという女だが……」

 

「ああ、既に南米支部から情報を得た時にアメリカ政府に情報を探るよう、問い合わせてある。そろそろ……噂をすれば、だ」

 

 

 そう言ってクラウザーが携帯端末を投げ渡してきて、受け取り中身を確認して、絶句する。そこに書かれていた名前は……!

 

 

「アナ―ヒタ・ウェスカー。……ウェスカーだと?」

 

 

 南極でセルケトたちが倒したという、宿敵と同じ苗字がそこにあった。




ウェスカー計画、原作でもアルバートやアレックス以外に生きてそうだよねってことで第三のウェスカー登場、アナーヒタ・ウェスカー。ウェスカーってこんなのしかいないのかってね。「弟君」はもちろん奴のこと。

そしてついに名前が判明。アナ―ヒタの客将として登場、エヴリンと瓜二つの顔を持つ白面の鎧武者、雪姫。名前は思いっきり漢字だけどアイザックスの娘らしいです。実はこの名前既出だったりします。〝あの話”が1998年の出来事でこの話は2002年の話なのでありえなくはないんですよね。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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