BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ミックスコアトル村からハヴィエダムへの移動だけで結構時間がかかるもんです。だからその間に色々あってもおかしくない。

新キャラ三人…三人?登場。楽しんでいただけたら幸いです。


fileDC:11【ダム・ダムネーション】

 アナーヒタ・ウェスカー。その正体を伝えたら、ヨナは納得の表情を浮かべた。メリカは知らないのか首を傾げている。

 

 

「なるほどね。合点がいったわ。ウェスカー計画、アンブレラの総帥オズウェル・E・スペンサーが企てていた計画の一つよ。完璧な肉体と頭脳を持つ従順な被験者を育成するために、世界各地から才のある両親から生まれた子どもを集めて、その全員に計画の主任研究者の姓である「ウェスカー」の名を与え、アンブレラによる庇護や極秘裏の監視下で英才教育を施した後、全員に様々な手段で謎のウイルスを投与させ、生き残った者を次の段階へ移行させようと目論んだ……ベロニカがそう話していたわ。もちろんウイルスを投与されて生きている人間なんて少ないわけで」

 

「その生き残りが報告書にあったアルバート・ウェスカーと、アナーヒタ・ウェスカーか。優秀なのに愚かとは救えないな」

 

「つまりそのアルバートと、アナーヒタは義理の家族ってこと…?」

 

「そういうことになる。南極で消息不明になったアルバート・ウェスカー、今はアルテ・W・ミューラーを名乗っているやつが死んだ確証はないから、もしかしたら情報を持っているかも……」

 

「アルテ…?」

 

 

 情報を纏めていると、反応したのはマヌエラだった。

 

 

「アルテは、私に最初に薬……多分ウイルスを投与した女の人と同じ名前よ。アナ―ヒタの紹介だって父が話していたわ」

 

「なんですって?……アルバート・ウェスカーはRT-ウイルスに感染して性転換して超人になったの。今はアルテを名乗っていて私たちがウェスカーと呼ぶと訂正を求めてたわ。つまり……」

 

「奴は、生きていた。そういうことになるな」

 

 

 クラウザーがそう締めくくる。セルケトやクリス、クレアとスティーブが死力を尽くして倒した相手が、生きているなんて……。この事実を知ったら、アダムの元でエージェントとして頑張っているセルケトはどう思うだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見えて来たぞ。アムパロのハヴィエダムだ」

 

「私が抜けてきた水路があるわ。アナ―ヒタの元に行くなら、そこしかないと思う」

 

「レオン、クラウザー。予備の銃よ。使って」

 

「ありがたい」

 

 

 ボートを近くに泊めて、ヨナ、俺、マヌエラ、メリカ、クラウザーの順番でダム内の水路を進む。俺はショットガンを、クラウザーはサブマシンガンをヨナからもらい受けた。弾薬も潤沢だ。どうやらダムの水は放流したらしく、ほとんどないが油断は禁物だ。

 

 

「放水坑だ」

 

「待って、水中に何かいる!」

 

 

 メリカが耳を立てて反応、咄嗟に銃を向ける俺達。排水坑の底に水が溜まっていたそこから、シーデッドが立ち上がり姿を見せ応戦する。女が混じっていたミックスコアトル村と違って、ほとんどが作業服などを来た男だ。ハヴィエの部下か…?

 

 

「先に進むぞ、水辺は危険だ!」

 

「こっち!シャッターを閉めるわ!」

 

 

 マヌエラが横穴に入り、バルブを閉めてシャッターを閉め、俺達はそこに転がり込んでシーデッドの群れから逃れる。

 

 

「あいつらは?」

 

「父の部下よ。アナ―ヒタに逆らって実験体にされて……シーデッドにならない人間もいたわ、気を付けて」

 

「あの案内人みたいになってる奴って事か……」

 

 

 立ちはだかるシーデッドを撃退しつつ、奥のダムの上まで通じているであろう高い階段を上っていく。シーデッドだけじゃなく、巨大な蜘蛛や痩せすぎた蝙蝠の様なマヌエラ曰くアヌビスというらしい生物兵器まで出てきたが、ことごとくがヨナとメリカに沈められた。頼もしすぎる。

 

 

「大したことないわね。どうやらシーデッドからはP-ウイルスは感染しないみたいだし」

 

「……なにか、別のがいる。気を付けて」

 

「あら、ばれちゃったわ。どうしようブレード」

 

「どうしたもなにもあるか、侵入者は殺すだけだバイパー」

 

 

 そこに現れたのは、見るからに異形の二人組。バイパーと呼ばれた一人は小柄で旅行者の着るような軽装で、まるでアームカバーの様に両腕が魚の方の海蛇になっていてシャーッと鳴いている。ブレードと呼ばれたもう一人はすらっとした長身で背鰭の様に尖った頭をしていて、こちらは右腕の肘から五指にかけてメカジキの吻の様な両刃の太刀の様に変形していた。そしてともに女性で、首には水中用なのか鰓までついている。間違いない、P-ウイルスに適合した人間だ。

 

 

「知っているか。カジキは、比較的速い!」

 

「ふんっ!」

 

 

 ガキィン!と、クラウザーの振るったナイフと突撃してきたブレードの刃がかち合い、火花を散らす。そのまま刃を軸に体勢を変えてブレードは蹴りを叩き込み、後退しながらハンドガンを撃って対抗するクラウザー。

 

 

「バイパーって呼ばれてるけど私は海蛇でも蛇じゃなくて魚だあ!」

 

「どっちも同じだろう!」

 

 

 その横では両腕の海蛇を自在に伸ばすバイパーの攻撃を、クラウザーはナイフで薙ぎ払う。一人で二体のB.O.W.と渡り合っていた。

 

 

「クラウザー!」

 

「先に行け、新兵(ルーキー)。こんなやつら、俺一人で十分だ。その二人は数少ない強力な戦力だ、ここで使い潰すのは惜しい」

 

「……必ず追いつけよ!」

 

 

 そう告げて、メリカとヨナと共にマヌエラを守りながら上への道を進む。そうして俺達は、ダムの壁面の通路に出た。

 

 

「ここを上ればダムの上よ!」

 

「絶景ね。落ちたら私たちでもひとたまりもないわ」

 

「メリカ、俺達を連れてここから一気に上に行けるか?」

 

「任せて。ヨナはついてきて」

 

 

 俺の問いかけに頷いたメリカが俺とマヌエラを抱え、跳躍して一気に上まで辿り着く。ヨナも二回ほど足場を経由して跳躍し追いついてきた。アンブレラのマークが描かれたトラックが複数置かれているそこは広場になっていて。隣接するジャングルの奥に巨大な建物が見える。ハヴィエの……いや、アナーヒタの居城か。すると、風切り音。咄嗟にマヌエラを抱えて、ヨナとメリカと共にその場から飛び退くと、衝撃波がコンクリートの地面を抉った。ハープーンか。

 

 

「見張りの二人じゃダメだったかあ~まあそうだよね~適合したと言っても能力が低い連中だもん~」

 

「ドリル!」

 

 

 声が聞こえて振り向くと、ダムの上の建物の上に足をぶらぶらさせながらドリルが座っていて。その横には、なにかを背負ってしゃがんでいるシザースと、ちょこんと正座した甲殻を着たナックルがいた。先手必勝と言わんばかりにメリカがサマーソルトキックを叩き込み、正座のまま跳躍したナックルが手甲で受け止め、弾き飛してそれぞれのいた場所に着地する。

 

 

「……弱っている。ヒルダのが効いてるんだ」

 

「そうなんだよ~ナーちゃんが弱って大変でさ~わかる~?ねえわかる~?なのに私たち、貴方たちを生け捕りにしないといけないの~」

 

「なら大人しく倒されなさい。アナ―ヒタ以外に用はないわ。ガンマは返してもらう」

 

「あ~それじゃ~今~返すねえ~」

 

 

 そう言ってドリルが目配せすると、シザースが振り向いて背中の箱……いや、小型のコンテナを俺達に向けてきた。なにを、と思った次の瞬間。コンテナが開いて、そこからなにかが出てくる。そこにいたのは、一見ガンマだったが……様子が変わっている。

 

 

「ドリル、私の相手は此奴等かしら。食べ応えありそうね」

 

「ガンマ……じゃないわね!?」

 

 

 舌っ足らずな口調から一転、理知的な口調となったガンマにツッコむヨナ。その姿は、がらりと変わっていた。まず体型。小柄な子供に近い体型だったのが、シザースほどではないが180㎝と長身の大人の女性に変わっている。そして服装も、上半身がイルカに似た流線型の白と黒で彩られたパーカーで、下半身がビキニタイプの水着に変わり、シャチの口から顔が出ている様な形でそこから覗く髪も白一色だったのが右半分が黒に染まっている。口には鋭い牙が生え揃い、背中からは背鰭と白と黒で彩られた尾が伸びていた。グラとよく似たフォルムは、どう見てもシャチのそれだ。

 

 

「ガンマじゃないとは失礼な。私はガンマ・オルカ。てんっさいハンターよ!」

 

「……というわけでチーム・アトランティスの新入り~天才オーちゃんで~す。拍手~」

 

「ガンマに何をした!」

 

「きっと、P-ウイルスを投与されたんだわ…!」

 

「……ガンマ、悪いことは言わないから黒歴史になる前に帰ってきて…!」

 

 

 メリカが真顔でそう訴える。正直、俺も前の時間軸でベルセポネに操られたらしいから、気持ちはわかる。ガンマ・オルカは宙返りしてスタッと着地すると低い姿勢で構えてきた。

 

 

「ドリルたちの手を患わなくても、てんっさいの私が始末してみせるわ!」

 

「……駄目そうだな。下がれ、マヌエラ!行くぞ、ヨナ!メリカ!」




元ハヴィエの部下が変貌したバイパーとブレード、そしてガンマが変貌したガンマ・オルカ登場。奇しくもグラみたいなのになってご満悦なウェスカー女史。ビジュアルは成長したグラの色違いって感じです。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きな世紀末編オリジナルB.O.W.は?

  • ウールヴヘジン
  • ネルトゥス
  • カトプレバス
  • モールデッド・ヘカトンケイル
  • ミゲル・グランデ変異体
  • メリカ・シモンズ変異体
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