BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
ガンマ・オルカVSクラウザー不在のレオンたち。楽しんでいただけたら幸いです。
「おー、やってるやってる」
ハヴィエの居城の屋上で、結構遠くのダム屋上での戦いを見守るのは、後頭部と腰から伸びた二本の鮫の尾鰭を振っている緑かかった水色の肌をしたメイド服を着た少女、通称〝サメイド”。傍らには、異形の鮫ネプチューン・テティスを連れていた。
「いいなあ。アナーヒタ様に頼ってもらえて。私、ろくに戦えないからなあ」
屋上の柵に肘を置いて、腕に頬を乗せてぼやくサメイド。その視線の先では、新入りであるにもかかわらずアナ―ヒタから気に入られ、早速実践投入されたガンマ・オルカが暴れているのが見えた。
「……でも、シャチがでかい顔してるのはムカつくよねえ」
「なにを一人でぼやいているのです」
「あ、雪姫。やっほ。どしたのその襤褸雑巾」
そこに、当たり前の様に空中を歩行しながら、クラウザーを担いだ雪姫がやってきて。サメイドが尋ねると、雪姫はクラウザーを掲げて言った。
「そう言えばミス・ポセイドンに連れてくるように言われていたのを思い出しまして。どうせもうすぐ死にますがそれでもいいならと持ってきたのです」
「あー、関係ない関係ない。死体だろうがアナーヒタ様の研究材料になるからね」
「そうですか。ではまた。………一つ忠告です」
傍らのネプチューン・テティスの三つ首鮫の頭を撫ででいるサメイドを空中から見下ろし、雪姫は告げた。
「創造主への愛は理解できますが、範疇は超えないことです」
「なんのことかなー?」
「忠告はしましたよ」
そう言って、一歩ずつ降りていき施設に入っていく雪姫を笑顔で見送るサメイド。雪姫の姿がなくなった瞬間、やさぐれた顔となりネプチューン・テティスの鮫の頭部の一つを握力だけで握りつぶした。粘土を捏ねるように再生していく光景を横目に、空を見上げる。
「けっ。愛されてるやつが言っても何も響かないんだよ。ばーか」
「てんっさいハンター、ギャングスターをなめないでよね!」
「天才ハンターなのかギャングスターなのかどっちよ!?」
駆け出したかと思えば腹ばいになって水浸しの体を使って滑走し体当たりを仕掛けるガンマ・オルカを笑顔で見物しながらどうしてこうなった、とドリルは内心頭を抱えていた。P-ウイルスは感染してからの変異が速いのが特徴だ。耐性に違いはあれど、感染したら半日足らずで変異する。オルタナティブとの接触、マヌエラの取り逃しから既に半日以上。朝だったのに夕暮れも近い。なので、ウイルスを打ち込まれたガンマが変異するのはいい。問題は、客将である雪姫の行った洗脳である。
「なんだろうね~こちらに都合のいい思考にできる代わりに性格が反転するって~」
なんでも、雪姫の特性らしい。彼女の味方だという記憶にすり替わる代わりに、性格が反転してしまうんだとか。便利だが、難儀なものだ。引っ込み思案で他人リスペクトで自己主張しないちょっとアホっぽい性格だったせいで、自意識過剰でナルシストで目立ちたがり屋な頭脳派になってしまったらしい。さらにそれに加えて〝海のギャング”シャチの残虐性と食欲もプラスされている。イッカクとかカニとかである自分たちは普通に餌なので、ここに連れてくるだけでもリュック型コンテナに入れてくるしかなかったほどだ。
「いい加減に、しろ…!?」
「そんな動き、私の超音波ソナーでお見通しよ。不意打ちも無駄」
「くっ……!?」
メリカの蹴り上げを、当たる直前で反転して尻尾を叩きつけることで迎撃、レオンの弾丸も尻尾を地面にぶつけて跳ねることで回避するガンマ・オルカ。180㎝の巨体に、シャチ特有の牙に背鰭に尻尾。単純にフィジカルも強くなり、掠っただけでトラックがひっくり返っている辺りヤバい。さらにシャチの能力の一つである超音波を攻撃にも索敵にも使える。なんというか、チーム・アトランティスのいいとこどりである。ランダム性の高いP‐ウイルスガチャにおいてURだろう。
「捕まえた!大人しくしなさ…い!?」
「捕まえたのは、こっちよ!」
尻尾で腕ごと胴体に巻き付いて拘束するヨナだったが、なんとガンマ・オルカは尻尾に噛みつき食い千切ることで拘束を緩めて脱出。あまりの残虐性にドリルは引いた。彼女は見た目は子供だが良識のある大人だった。
「うわあ、凶暴だあ」
「……味方でいいんだよな?」
「…多分?」
見物してるチーム・アトランティスの三人がドン引きしている中で、自慢の鱗ごと食い千切られたヨナは崩れ落ち、その尻尾を両手で掴んで振り回し、トラックに頭から激突させるガンマ・オルカ。衝撃でトラックは大爆発を起こし、ヨナは炎に包まれた。
「ヨナ!?」
「まずはひとり。ふっふーん、てんっさいを侮るからこうなるのよ」
「ヨナを相手にしても容赦しないなんて……覚悟はできているのよね…ガンマ!」
ヨナがやられ、キレたメリカが飛び出し、その巨体の顎に足裏を叩き込む様にジャンプキック。ウサギの脚力で直接蹴り込まれたのだ、脳がシェイクされて大ダメージを受け脳震盪も起きて動きが止まる。
「うぐう!?」
「目を覚ませ馬鹿!」
そこにすかさず胴体に、左足で立ちながら右脚で連続キック。最後に渾身の横蹴りを脇腹に叩き込み、その巨体を蹴り飛ばしてダム屋上から叩き落とした。
「おお~すごいね~シーちゃんすら蹴っ飛ばしちゃいそう」
「やめてくれドリル、縁起でもねえ」
「どうする?私が出る?」
「その心配はないよ。オーちゃんは、あれぐらいじゃ倒せない。私のレーダーがそう言ってる」
瞬間、水柱がダムの貯水池から上がり、雨の様に水飛沫が降り注ぐ中、凄まじい勢いで両足と右手を地面につけて着地し、紅い眼光を輝かせる。しかしダメージがでかいのか、頭をしきりに振っている。
「…正気に戻ったわけじゃなさそうね」
「そうみたいだな。…どうする?殺すわけには、いかないだろう」
「それでヨナがやられたわ。戻せそうにないなら、殺す気でやるしかない」
「……私は天才だから理解したわ。今の攻撃は、軸足がいる。そうでしょう?」
瞬間、水浸しになったのを利用して、ダム屋上を腹ばいで高速滑走するガンマ・オルカ。高速で体当たりを受け、跳ね飛ばされるメリカ。レオンがハンドガンで狙うも、速すぎて当たらない。腹ばいなのにフィジカルで高速尚且つ操作性も高い滑走を可能にしていた。
「よくも、よくも足蹴にしてくれたわね!そう簡単に殺してやらないんだから!」
「……わたしも決めた。その舐め腐った態度治すまで絶対殺してやらない」
怒り狂うガンマ・オルカに、単純に脚力で追いつき、跳躍して独楽の様に回転し回転横蹴りを叩きこむメリカ。だがしかし、背鰭で受け止め弾き飛ばしたガンマ・オルカはそのまま宙に浮かぶメリカに噛みつこうとするが、その口に足を割り込まされた。メリカの両足で、口を無理やり開かされたまま滑走するガンマ・オルカ。あまりの脚力に噛み砕くこともできない。
「はがあ!?」
「噛みつけるものなら噛みついてみなさい。私の脚力で押さえられてもできるなら!」
「シーちゃん、ナーちゃん~!あれやばい~!助けに行くよ~!」
「させるか!」
たまらず急停止し、両腕でメリカを掴んで引っこ抜こうとするガンマ・オルカ。それを見て、ドリルたちが参戦しようとするも、ヨナのショットガンを拾い上げたレオンが散弾で牽制する。自分を捕まえようとする腕を避けて噛みつかれる勢いでわざと力を抜くことで空中に射出されたメリカは、太陽を背にくるりと一回転。右足を振り上げて急降下する。
「おねんねしていなさい!」
「ぶげらっ!?」
そのまま頭頂部に急降下の勢いを乗せた踵落としを受けて、頭から地面に叩きつけられたガンマ・オルカは意識を手放し、宙返りでレオンの横に着地したメリカは、レオンと睨み合っていたドリルたちに指を向ける。
「優しいガンマに仲間と殺し合わせた罪、清算してもらうわ」
「あの筋肉達磨もいない上に~蛇を失ったあなた達が~私たちに勝てると思ってるの~?」
ドリルを肩に乗せたシザースと、ナックルが降り立つ。遥か遠方からはハープーンの援護射撃。チーム・アトランティスとの第二ラウンドが始まった。
サメイドとテティスが見てる。(●_●)
地味に雪姫の特性も判明。いわゆるオルタ化です。
P‐ウイルスガチャURのシャチ。ヒロアカのギャングオルカも参考にしてます。水切れも弱点にしたかったけどダムが舞台だから弱点にならなかった。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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