BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はチーム・アトランティスとの決戦。楽しんでいただけたら幸いです。
ズダダダダダダッ!とマシンガンの如く放たれるナックルの拳を、両手を合わせてガードして受け止めていくメリカ。シザースの鋏の振り下ろしを、ナイフで弾きながら回避するレオン。そこに、ハープーンの衝撃波による掩護射撃と、ドリルの電磁波による妨害が襲い掛かり、二人を追い詰めていく。マヌエラはそれを、物陰から見ていることしかできない。
「ただの人間と~兎風情が~!私たちに勝てると思ってるの~!」
「いつまで耐えられる?」
「アタシの鋏を弾くとはやるなあ、お前もP‐ウイルスを受けないか?強くなれるぞ!」
「お断りだ!」
シザースの勧誘を、ナイフで受け止めた鋏を蹴り上げることで返答するレオン。するとついにナックルに殴り飛ばされたメリカが、吹っ飛ばされた勢いのまま回し蹴りをシザースに叩き込もうとして、明かな死角からの一撃だったというのに、振り返ったシザースに鋏で掴まれ拘束されてしまった。
「があ!?」
「メリカ!何で、今のが………」
「私がただ~電磁波で~他者の体に影響を与えるだけだと思った~?本来の使い方は~チーム・アトランティスの司令塔だよ~」
建物の上に待機しているドリルが俯瞰的に戦場を見渡し、電磁波を用いてシザースとナックルの脳に働きかけその身体を操って不測の事態に対応する。それがチーム・アトランティスの強みだった。
「終わり」
「っ…!?」
ナックルが距離を詰めてきて、レオンが咄嗟に盾にしたショットガンを粉々に粉砕しながら拳が胸部に炸裂。水浸しの床を背中で滑るようにして殴り飛ばされ、ドリルのいる建物に激突して壁を粉砕して転がるレオン。あまりの威力に、盛大に吐血する。
「がはっ……」
「あ、殺しちゃだめだよナーちゃん~。シーちゃんも~、うっかりちょん切ったりしたら~アナーヒタ様が残念がるよ~。蛇の子はオーちゃんがうっかり殺しちゃったもんね~。せめてこの二人には~、被験者になってもらわなくちゃ~」
ドリルがそう笑い、レオンは思わず、燃えるトラックに叩きつけられ身じろぎもしないヨナに視線を向ける。本当に死んでしまったのか、と思わず項垂れた。
「じゃ~マヌエラも連れていこっか~オーちゃんも起こして~……あれ?なにしてるの!」
すると、ガンマ・オルカが倒れている場所に視線を向けたドリルが声を荒らげる。ナックルとシザース、メリカとレオンが視線を向ける。そこには、気絶しているガンマ・オルカの口になぜか自分から頭を突っ込んでいるマヌエラがいた。
「は!?なに!?とち狂って自分から餌になるつもり!?」
「私ができることを…!」
間延びした口調がどこかに行くぐらい困惑するドリルをよそに、マヌエラはもぞもぞとガンマ・オルカの口の中で動く。牢屋の格子など隙間に入り込むことができるマヌエラ。彼女は忌避していた己の海月の様な体を使って、状況を打破する術を模索した。それがこれ。体内から直接脳を弄って、なんとか元に戻す…!
「はがっ?」
目を覚ましたガンマ・オルカ。口の中にマヌエラを入れた状態で、下半身をじたばたさせるマヌエラを咥えたまま起き上がり目を白黒させる。もとのままならそのまま噛み砕いていただろうが……ガンマ・オルカはそのままマヌエラを吐き出した。
「んべっ。マヌエラだったっけ。一体なにしてるの?ってレオン!?メリカ!?それにヨナー!?」
「まずっ……正気に戻った!ハーちゃん!」
性格は反転したまま正気に戻ったらしいガンマ・オルカ。ドリルが咄嗟に、耳に装備された骨伝導式イヤホンに指示を送り、遠くのハープーンがすかさず衝撃波をガンマ・オルカに撃ち込んだ。ガンマの時に、不意打ちで意識を奪われたそれは、しかし。ガンマ・オルカとなった今の彼女には通じない。
「……なら力づくで!」
「ダメ、シーちゃん!」
「お前らの仕業かあ!」
不死身であるため強気に出たシザースが、メリカを挟んだまま左手で拳を握り殴りかかるが、ガンマ・オルカはその手に噛みつき、そのまま口だけで振りまわしてシザースを一本背負いの様に背中から地面に叩きつけ、左腕を噛みちぎると鋏に拘束されたメリカを取り上げる。そのままゆっくりとマヌエラの横に下ろし、安否を確かめるガンマ・オルカ。
「……大丈夫?怪我してない?メリカ」
「……頭がいいガンマ、やっぱり慣れない……」
「失礼すぎない!?…っ!」
瞬間、距離を詰めて殴りかかってきたナックルの拳を、左の掌で受け止めるガンマ・オルカ。あまりの衝撃につんのめるも、振り向いて尻尾を叩きつけ叩き飛ばす。そこにドリルの電磁波とハープーンの衝撃波の狙撃が襲い掛かるも、背鰭を振るうようにして振り払う。さらに、左腕を鋏として脱皮して背後から襲い掛かるシザースを、頭突きで迎撃、再生したばかりで脆くなっている左腕の関節に指を突っ込み抉ることでダメージを与えるガンマ・オルカ。その懐に、甲殻を脱皮して軽装となったナックルが飛び込んだ。
「
「ぐうううううっ!?」
一秒間に200発。それを五秒間、計1000発の拳をナックルは叩き込み、全身を打ちのめされて吹き飛ぶガンマ・オルカ。その一部始終を見ていたレオンは理解する。あの無敵と言っていいガンマ・オルカに唯一ダメージを与えているナックルだけ、異常に強すぎる。チームプレイだと他を遠慮して動きが鈍いが、スタンドプレイとなると動きが変わる。チームであることが、ナックルの弱点だった。
「さすがナーちゃん~」
「…これぐらい、なんでもない。出しゃばりすぎた」
そう言いながら、恥ずかしいのか高速で動いて脱いだ甲殻を服の様に着込むナックル。ドリルはそれを複雑そうな表情で見届け、シザースとナックルを侍らせて、地に伏したガンマ・オルカを見下ろした。
「オーちゃん、敵になっちゃうんだ~……残念だよ~使えないな雪姫~!」
「ヨナをやったのはお前か。絶対ぶちのめして……」
「覚えてないの?蛇の子をあんなにしたの、あなただよ。オーちゃん」
「えっ……」
問いかけられて、首を傾げながらそう答えたドリルに、ガンマ・オルカは呆ける。慌ててフォローしようとするメリカ。
「違うの!あれは事故で……」
「違わないよ~。仲間を殺したのは、あなただよ~オーちゃん。その事実は消えない。それでもまだ、その子たちの仲間面をしているつもり?」
心を折って改めて仲間にする。そう決めたドリルはガンマ・オルカを煽る。絶望に打ちひしがれるガンマ・オルカに、レオンも叫ぶ。
「頼む、ガンマ!戦ってくれ!クラウザーが来るまで持ちこたえるんだ…!」
「アイツなら死んだよ」
いつの間にか。ダム側の手すりに座って二つの鮫の尻尾をぶらぶら揺らすメイドがいて、そう告げた。いきなりの乱入者に、レオン達も、チーム・アトランティスも驚く。水浸しで、ダムから出て来たらしいサメイドはスカートの水を絞りながら、告げる。
「なにを……あいつが、死ぬわけ……」
「あの筋肉マッチョでしょ?仲間が死体を持ってきたよ。ガンマが捕まってなければ分断なんてしなかったよね。だからね。ガンマ・オルカ?貴方のせいで、二人も死んだんだ」
「私のせいじゃ、ない…!」
けらけらと、口から牙を曝け出して笑うサメイドに、ガンマ・オルカが拳を叩き込む。ひん曲がる鉄柵。しかし当たる直前にサメイドは、ダムから出てきたそれに襟を掴まれて持ち上げられることで逃れていて。
「シャアアアアアアアッ!」
「死にたくなったなら死んどけば?」
サメイドをぶら下げたネプチューン・テティスの股間から生えた三つ首の鮫の頭部が、牙をマシンガンの様に射出。その牙は強靭なガンマ・オルカの皮膚も貫いて、蜂の巣にしていく。本当に殺しかねない勢いに、慌ててネプチューン・テティスの肩を挟んで止めるシザース。
「アタシたちには及ばないがさすがだ、ネプチューン・テティス!だけど殺しちゃだめだぞ、アナーヒタ様が……」
「うるさい」
「え」
「シーちゃん!?」
次の瞬間、シザースの右腕がなくなっていて。理解する前に、サメイドを下ろしたネプチューン・テティスは頭部の口で咀嚼しながら掴みかかり、シザースは甲殻を引き裂かれて、三つ首の鮫の頭部に瞬く間に食い荒らされてしまった。脱皮する身体が残ってないから復活もできない。シザースは、ネプチューン・テティスに食い荒らされた。
「私のご主人様の名前を気安く呼ぶな」
その場に戦慄が走る。鎖に繋がれていない怪物が、本性を現した。
単騎の方が強いナックル。マヌエラの頑張りで目覚めたガンマ・オルカ。本性を現したサメイド、が今回の重要点でした。今回でサメイドの正体に気付けた人も多そう。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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