BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。鮫って意外と骨がもろかったりとか弱かったりするんだけど、凝縮すれば関係ない!理論がテティスです。

テティス大暴れ。楽しんでいただけたら幸いです。


fileDC:16【ネプチューン・テティス】

 ネプチューン・テティスは、アナーヒタのペットだった100体以上の鮫が共喰いの末に一つになって生まれた怪物である。

 

 ホオジロザメ、ノコギリザメやシュモクザメ、コバンザメに始まり、ネズミザメ、アオザメ、シロワニ、オオワニザメ、オナガザメ、マオナガ、ニタリ、ハチワレ、カグラザメ、エドアブラザメ、エビスザメ、ラブカ、メガマウス、カスザメ、ウバザメ、ミズワニ、ミツクリザメ、メジロザメ、オオメジロザメ、ツマグロ、ヨシキリザメ、イタチザメ、ネムリブカ、ヒレトガリザメ、トラザメ、ナヌカザメ、オタマトラザメ、ドチザメ、チヒロザメ、ネコザメ、トラフザメ、マモンツキテンジクザメ、コモリザメ、オオテンジクザメ、タンビコモリザメ、オンデンザメ、ニシオンデンザメ、ユメザメ、ダルマザメ、ヨロイザメ、ツラナガコビトザメ、カラスザメ、オロシザメ、カグラザメ、エドアブラザメ、エビスザメ、ジンベエザメといった有名どころからマイナーな鮫まで。数えきれないが100種類以上はいた多種多様な鮫の水槽にP-ウイルスを入れ、獰猛になったことで共喰いさせる狂気の実験の末に生まれた正真正銘の怪物。

 

 姉妹兄弟すべてを喰らい、オンリーワンを勝ち取ったもはや何の種類だったかどうかもわからない鮫。どうして、なんて疑問も抱かないほどの盲目的なまでの忠誠心のままに、不完全ながらも人の姿を獲得した。緑かかった水色の肌をした、鮫を無理やり人型にしたような巨人。それでアナ―ヒタがたいそう喜ぶもんだから、満足していた。

 

 だがしかし、ハヴィエを殺害し聖なる蛇たちを乗っ取り、研究に余裕ができたアナ―ヒタが別のB.O.W.を作り出そうとする中で、自分が別の誰か(グラトニー)の代用品でしかないと知らされ、その心は文字通り引き裂かれた。盲目的にアナ―ヒタに奉仕するためのより人に近い少女の姿をしたネプチューン・テティス本体と、アナーヒタの邪魔者を排除するための戦闘力に特化した怪物カリハリアスに分裂したのだ。

 

 少女はアナ―ヒタに命じられることなく、自ら学んでメイドの格好をしてひたすら奉仕した。そうすることが幸せだった。だがアナ―ヒタはそれで満足することなく、実験を重ねて配下を増やしていった。自分以外の愛玩動物(ペット)がそれはもう増えた。ご主人様のやることだからと納得しようとしてもできなくて、辛辣に当たることもあった。

 

 どうすればご主人様は自分だけを見てくれるだろう。どうすればご主人様を独り占めできるだろう。そして辿り着いた結論は。

 

 

 

 

「私が、ネプチューン・グラトニーを超えていると証明すればいいんだ」

 

 

 

 そうしてネプチューン・テティスはカリハリアスと再び一つとなり進化を果たした。かつての醜い自分ではなく、ネプチューン・グラトニーの様な愛らしく、凶暴で強靭、より機能的な肉体に。全ての兄弟姉妹たちの肉体を凝縮し、常人の56倍にもなる筋繊維密度となった肉体の身体能力は同じく超人的な筋繊維密度を持つセルケトのそれを優に上回り、レーダーすら感知できない速度。掌に形成した口から一部を体外に分離することで武器を生成することすら可能としている。まさに、生物兵器。それがネプチューン・テティス……いや、グラトニーと同じ区分にされるのももう嫌だ。「テティス完全体」だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは、ガンマ・オルカ。お前だ」

 

「げほっ!?…この!」

 

 

 一瞬のうちに足を切断され、体勢を崩すガンマ・オルカに、尻尾をバネの様に使って跳躍してきたテティスの裸足が喉元に突き刺さる。えづきながらも左手で殴りかかるが、その左腕も一瞬で斬り裂かれて海水が飛び散り宙を舞う。

 

 

「ガンマ!」

 

「あぶなっ。当たったらどうする。鮫は意外と脆いんだぞ」

 

 

 レオンとメリカがハンドガンで狙い撃つが、驚異的な動体視力と反射神経を使い刀で弾丸を斬り払うテティス。頬が裂けて口をパカッと大きく開くと、まるでミサイルランチャーの様に牙が動き、一斉に射出。射出されえるたびに再装填され、絶え間なく連射され続けるそれはグラの牙弾とは比べ物にならない、牙の弾幕がレオンとメリカ、ドリルに襲いかかる。

 

 

「うわああああっ!?」

 

「ぐうっ!?」

 

「きゃああ!?」

 

「こっちだ、テティス!」

 

 

 腹ばいとなり、右腕の力だけで滑走して移動するガンマ・オルカに、牙が生え揃ってにこやかに笑ったテティスはまるで泳ぐ様に身体をしなやかに動かし簡単に並走してみせると、刀を掌に出てきた小さな牙の生え揃った口の中に飲み込むと、代わりに明らかに口以上の大きさの武器を吐き出した。シュモクザメの頭部を模した先端の槍斧だった。

 

 

「はい、ドーン!」

 

「げふっ!?」

 

 

 並走しながら両手でクルクル回転させ、柄の方を下から叩き込んで打ち上げるように滑走中のガンマ・オルカをひっくりかえすテティス。横にグルグル空中を回転して目を回すガンマ・オルカはそのまま地面に勢いよく叩きつけられ、さらに槍斧の先端を地面に突き刺して支柱にしたテティスが柄を握って新体操でもするかのようにグルグル回転。

 

 

「回れ回れ大回転!」

 

 

 まるで回転ノコギリの様になった頭部の背鰭(?)でズタズタにガンマ・オルカを引き裂き、天高く打ち上げると槍斧を掴んで自らも飛び上がり、槍斧の刃を下に向けながらグググッと空中で身構えると、尾鰭をスクリューの様に回転させて加速しながら急降下。槍斧でガンマ・オルカの胴体を貫きながら地面に叩きつけ、地面に磔にしてしまった。

 

 

「がはああああっ!?」

 

「よっと。あー、目が回る……次は誰かなー」

 

 

 串刺しにした槍斧にしがみついていたテティスはガンマ・オルカに突き刺さった柄を支柱にくるりと回転してから着地。右掌の口から今度はコバンザメを模した拳銃を作り出すと握ると、ひょいっと軽い動きでその場から動くと、今の今までいた場所に衝撃波が着弾。ハープーンだ。そのまま舞踏のように、次々と放たれる衝撃波を避けていきパレオをひらひらとはためかせるテティス。

 

 

「そんなに連射すると、嫌でも場所わかるよ?」

 

 

 そして銃口になっている頭部をあらぬ方向に向けて引き金を引いた。するとマシンガンの様に牙が連続で射出され、ダムから河口を挟んだ反対側にある崖の一画に飛んでいき、噴水の様な水飛沫が上がった。

 

 

「ハーちゃん!?」

 

 

 慌てて通信を確認するドリル。ハープーンとの通信が途絶えた。絶望し、膝から崩れ落ちる様子を見てコバンザメ銃を掌の口に入れながら嗤うテティス。

 

 

「なにがチーム・アトランティスだ。ご主人様の精鋭部隊だ。私一人で壊滅できるような強さなのに?冗談でしょ」

 

「あぁああああっ!」

 

 

 ドリルは泣き叫びながら頭の角を高速回転させ、竜巻を発生させて横方向にテティスを吹き飛ばすように放つ。戦闘力を持たないドリルの切札。トラックやらを巻き込んで回転させながら叩き込む。テティスはしかし、竜巻に真正面から突っ込むと手を突き出し、ドリルの回転する角を握りしめて無理矢理止めるとそのままへし折ってしまった。全神経が集中しており、生命活動と半分直結していると言ってもいい角を折られて、血である海水を涙のように垂れ流しながらへなへなと崩れ落ちるドリル。

 

 

「わた……私たちは、この任務を終わらせて……、また普通に、みんなで、過ごしたかっただけ……で……シーちゃん、ナーちゃん、ハー、ちゃん……ごめん、ね……」

 

「ご主人様への忠義はどうでもいいって?ふざけるな」

 

 

 そんなドリルを両手で掴み、裂けた口を大きく開いてその小さな体に(かぶ)り付くテティス。そのままバキボキと骨を噛み砕きながら丸呑みする様にぺろりと平らげると、舌なめずりすると唖然としているレオンとメリカに振り向いた。

 

 

「ごちそうさまでした。イッカクなだけあって美味しかった~……で?どうする?ガンマ・オルカさえ置いていけば、私としてはお前たちなんてどうでもいいんだけど。逃げてもいいよ?」

 

 

 レオンとメリカの背後に磔にされている瀕死のガンマ・オルカを指さしてそう告げるテティスに、レオンはナイフを掲げ、メリカはしゃがみ込む様に構えることで応える。テティスはため息をつき、一瞬でレオンとメリカの間に立つと、その顔を掴んでメリカは地面に叩きつけ、レオンはダムの外に投げ飛ばした。

 

 

「うわあああああ!?」

 

「人と兎が、鮫に勝てると思うな」

 

「速い……っ」

 

「逃げていいって言ったのに、お前たちは死ぬことを選んだんだ。覚悟はできてるよね?」

 

 

 そのままメリカの首を絞め上げながら、顔を近づけるテティス。しかし違和感が走り、体のバランスが崩れて倒れ込んだ。たまらず、メリカが抜け出して空気を吸い込んだ。

 

 

「げほっ、ごほっ!」

 

「え……?」

 

 

 立とうとしてもバランスが悪い体に首を傾げるテティス。メリカも困惑していると、聞こえないはずの声が聞こえた。

 

 

「ようやく効いたわね……起きたらバケモノがいる方の身にもなってくれないかしら」

 

 

 そこに、レオンを横抱きにしながら浮かび上がった、否、正確には下半身の尻尾で自らの体を持ち上げ浮いているように見せている中学生ぐらいの少女がダムの屋上に降り立った。

 

 

「え、ヨナ、縮んで、えええ!?」

 

「頭部までやられた状態で脱皮したから頭部分縮んじゃったのよ。悪い?」

 

 

 それは、頭一つ分縮んで一回り幼くなったヨナだった。ガンマ・オルカにやられてから脱皮で復活しようとしたがダメージがでかすぎて遅れに遅れての参戦だった。

 

 

「……なにをした?」

 

「猛毒を持つ私の牙を投げつけたのよ。ウェスカーにも効いた切札よ。……退いてくれないと困るんだけど」

 

「……やめだ、やめ。割に合わない」

 

 

 そう言ってバランスを崩しながらも跳躍するテティス。物陰に隠れていたマヌエラの傍に着地するとむんずと掴んで持ち上げた。レオンとメリカ、ヨナも予想してなかったのか驚き、助けようと動こうとするが、既にテティスはマヌエラを連れて跳躍してダムから離脱していた。海月の触手に刺されて不機嫌そうだ。

 

 

「こいつはもらってく。ご主人様へのおみやげだ」

 

「マヌエラ…!」

 

「レオン!」

 

 

 レオンとマヌエラがそれぞれ手を伸ばすが、届かない。テティスは聖なる蛇たちの居城へと去っていき、その場には磔にされたガンマ・オルカと、レオン達が残される。

 

 

「……くそっ。なにも、できなかった……クラウザー、本当に死んだのか?」

 

 

 無力に打ちひしがれるレオン。こうしてダム屋上での死闘は幕を閉じた。




竜巻を発生させる切り札を持っていたドリル、無惨。

ヨナもちょっと縮んで復活。ヘカトちゃんみたいに記憶は失ってませんが強化復活はできてません。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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  • ウールヴヘジン
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