BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は居城へ突入。楽しんでいただけたら幸いです。
テティス完全体、雪姫、そして古代種キメラへと変異したクラウザーを侍らせ、マヌエラのいる玉座の間へと向かおうとするアナーヒタ。すると、クラウザーに真っ二つにされ床に転がっていたハープーンがまだ生きていることに気付いた。
「あっ……ぐうっ……許さない……絶対に許さない……」
「あ、まだ生きてる。掃除するねご主人様」
「いや、待てテティス」
腕ごと真っ二つにされ何も抵抗できないハープーンの上半身をテティスが手に取って喰らおうとすると、その手からアナーヒタが奪い取って優しく抱え上げると、その瀕死の顔の唇に口づけした。固まるテティス。
「な、あっ……」
「A1ハープーン。P-ウイルスの被験者、その成功例第一号。良くやった……お前の戦いぶりを、我は永遠に忘れる事は無いだろう……褒めて遣わす」
そう言って、名残惜しそうに水路に亡骸を流すアナーヒタ。原液ではないP-ウイルスによる初めての成功例であるハープーンは、なんだかんだで特別だったらしい。その死を看過して、亡骸に口づけするあたり歪んでいるが。当然ではあるが、テティスは怒り狂ってクラウザーに殴りかかり、難なくアンモナイトの拳で受け止められてさらに怒っている。
「なんでっ、あいつらばかり…っ!」
「テティス。お前も特別だ。我はお前たちを愛しているのだから。行こう。マヌエラを使って、さらなる可能性を見つける。……外が騒がしいな」
銃声が聞こえてきた外に視線を向けるアナーヒタ。その先では……
数刻前。右脚を切断され、左腕を斬り飛ばされ、全身ズタズタに引き裂かれた状態で磔にしていた槍斧をヨナが引き抜くと、そのまま仰向けに大の字に倒れて睡眠し、回復中のガンマ・オルカを見下ろして、何とか無事ですんでいる己と違い傷だらけの女性陣を見たレオンは、意を決した。
「ガンマの回復を待ちたいところだが……ヨナ、メリカ。アナーヒタの元に連れていかれたマヌエラが何をされるかわからない、俺は行くが……君たちはどうする?」
「おいていくつもり?冗談じゃないわ。グラの名前が出た以上、他人事じゃいられない。アナーヒタをどうにかするまで帰るつもりはないわ。ガンマは……チーム・アトランティスも全滅したし、多分放っておいても大丈夫よ、あとから迎えにいくわ。メリカは?」
「私も……あれを放っておいたら、私の守りたいものまで侵すかもしれない……倒すしかないわ」
レオンの言葉にそう返す二人。レオンは頷き、「隠し事はしてられないな」と呟き、携帯端末を取り出してヨナに差し出した。
「これは……対ウイルス兵器プロトコルナンバー7600……これって、大統領特命?」
「今回のウイルスの正体を調べ、根絶するのが俺の任務だ。ガンマやマヌエラにも感染しているから根絶は難しくなったが……なんとかする。ワクチンがあれば万々歳だ。俺は必ずP-ウイルスの流出を止めなければならない。そのためには協力が必要だ。力を貸してくれ」
そう言って頭を下げたレオンにヨナとメリカは頷き、ヨナが顔をあげさせる。
「クラウザーがいても、同じことを言うと思うわ。やってやるわよ」
「大統領の命令なら、私も協力する」
「ああ、助かる……行くぞ!アナーヒタの居城へ!」
ジャングルを抜け、アナーヒタの居城にやってきたレオンたちは門前で足止めを喰らっていた。セキュリティは万全であり、警備していた兵隊がアサルトライフルで攻撃してきたのだ。応戦する三人。レオンがハンドガンを撃って陽動し、その間にヨナが蛇の体を用いて壁を這い上がり潜入、メリカが跳躍して門の中に突入、兵士を次々と蹴り飛ばす。しかし様子がおかしい。兵士のすべてが死に物狂いで攻撃してくる。まるで何かを恐れているかのようだ。ヨナとメリカが吹き飛ばし、レオンも侵入したところでスピーカーから声が響き渡る。
《「何か騒がしいと思えば……オルタナティブとアメリカの犬であったか。お初にお目に掛かる、我こそはアナーヒタ・ウェスカー。またの名をミス・ポセイドン、海の覇者である。歓迎しよう、我が敵達よ。さて……敵の侵入を許した愚かな貴様らに預けた物があるな?我がペットに喰われたくなければ、それを飲むがよい。ただ餌になるよりは、新たな我がペットになって生きた方がマシであろう?まあ、共喰いしないかまでは、保証せぬがな」》
そう告げられた兵士たちが、焦ったように腰のポーチから小型のボトルを取り出し、レオン達が止める間もなくその中身を一気に飲み干した。次々と海水を溢れさせ、シーデッドや、海洋生物の特徴を持った女性へと変貌していく兵士たち。当たろうが外れようが変わり果てた己の姿に狂乱し、攻撃してくるのをメリカが目にも留まらぬ速度で蹴り飛ばしていく。
「行きなさい、レオン、ヨナ!マヌエラを助け出して!」
「頼んだ、メリカ!」
「ここは任せたわ!」
メリカをその場に置いて、途中でヨナがアサルトライフルを拾い上げつつ兵士たちの成れの果てを蹴散らしながら、鉄の扉をヨナが殴り開けて建物に突入するレオンとヨナ。監獄エリア、居住エリア、温室エリアとシーデッドやアヌビスが巣食う道中を何とか切り抜けながら、辿り着いたのは倉庫の様な広いエリア。
「ここは……資材置き場か」
「それに、冷凍保存された少女たちも……恐らく誘拐された子達をここで保存していたのね。でもなんのために……マヌエラの病気は一年前にP-ウイルスで治っていたはずよ。保存している理由もないし、誘拐はここ最近も起きていた……」
「私の餌にするためだよ」
そこに、天井の通路からそれが降りてくる。機嫌が悪い様子のテティス完全体だ。
「私は100匹以上の鮫が一つになったB.O.W. 自分でも制御できない食欲に支配されてるから、ご主人様は新鮮な肉を補充してたの。今も、一つに戻ったせいか食欲が抑えられない……蛇のお前は生け捕りにしろって言われてるけど、そっちの男は喰ってもいいよね…?」
「いいこと聞いたわ。少なくとも私は喰われないって事よね!」
「え」
「え」
そう言ってレオンの首根っこを掴み、勢いよくぶん投げるヨナ。レオンもテティスも呆気に取られる中、レオンはテティスの落ちてきた天井通路に臀部を打ち付けて転がる。
「テティスがそっから来たってことは敵の懐に繋がるはずよ!こいつは私に任せなさい!」
「行かせるか…!?」
「蛇は執念深いわよ?」
追いかけようとしたテティスの足に蛇の尻尾を巻き付かせ、飛び上がったところを引っ張って地面に叩きつけるヨナ。邪魔されたテティスは怒髪天だ。
「事故で殺してしまってもいいんだぞ?蛇風情が…!」
「私が恐れるのはこの世でただ一人。リサ・トレヴァーだけよ」
「っ、すまない!」
そうして取っ組み合う蛇と鮫を尻目に、レオンは通路を突き進んだ。
「はあ、はあ……もうアナ―ヒタ一人のはずだが……」
レオンの知る限り、チーム・アトランティスの四人とテティス、そしてヒルダ。アナーヒタの有する戦力は全部倒したか足止めされている。雪姫という客将がいることも知らないためであるが、予想だにしない敵が立ちはだかる。
「待っていたぞ、
「…クラウザー、なのか?」
玉座の間。水路が張り巡らされたそこの入り口に、異形の古代種キメラと化したクラウザーが立ちはだかる。レオンはショットガンを構えながらも驚きを隠せない。
「どうなろうと俺はジャック・クラウザーだ」
「クラウザー、死んだと伝えられたが……裏切ったのか!?」
「俺はこの「力」を与えられ、命を救われた恩に報いるだけだ。お前もこの力を得ればわかるさ……人間には、決して超えられない限界があるとな!」
レオンの放ったショットガンの一撃を、アーケロンの甲羅で防ぎながら距離を詰めるクラウザーの回し蹴りが放たれ、レオンは咄嗟に回避するもアノマロカリスの爪が壁を引き裂いて破壊する。因縁の師弟対決が始まった。
有象無象VSメリカ。テティスVSヨナ。クラウザーVSレオン。
アナーヒタはだいぶやばい奴。これで嘘はついてないのだから性質が悪い。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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