BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は実は生き残っていたあのキャラが覚悟を決める。楽しんでいただけたら幸いです。
私は死んだ。死んだ、はずだ。シザースを殺したネプチューン・テティスに攻撃をして返り討ちにされて?違う。そのはるか前に、私は死んでいた。親友の父親に誘拐されて、取れるだけ臓器を奪われ、親友の部品にされて。臓器を失った私は、凍り付いて永遠の眠りについていた。
それを目覚めさせ、人でなしにした者がいた。アナーヒタ・ウェスカー。海の神を自称する女。彼女はハヴィエを殺して実権を手に入れると、冷凍保存された少女たちの死体を片っ端から自らの作り出したP-ウイルスで実験し、異形に変えてきた。その中で適合し、目覚めたのが私たちチーム・アトランティスと後に呼ばれる四人だ。ナンバーはチーム・アトランティスに所属していて何番目に適合したのかというナンバーだ。
A1ハープーン。本名、アルシア。ミックスコアトル村でも有名なアイドル的な娘で昔から陽気な性格で年の近い私たちを引っ張っていた。
A2シザース。本名、クリスティーナ。ミックスコアトル村のハンターの娘で、昔から大柄な体格で豪快な性格だった。
A4ドリル。本名、ココ。本当は私たちの中でも最年長なのだが、何故か縮んでしまったらしい。おっとりした性格でいつもマイペースに本を読んでいた。
そして私ことA3ナックル…本名、ヴァージニア。姓も持たない平凡な村娘だ。たまに村に遊びに来るマヌエラとは親友の関係だった。
ミックスコアトル村に住んでいる以外はあまり面識がない私たちは、ハヴィエ・ヒダルゴ率いる「聖なる蛇たち」に攫われて、私たちはあの子を生かすために殺された。恨んでないと言えば嘘である。でもあの子はそんなことを望んでいなくて、ハヴィエが勝手にやったことだというのは知っている。だけどハヴィエが死んだと聞かされて、私たちはこんな異形にされて、行き場を失った怒りの矛先を囚われのマヌエラに向けるのは自然だった。教会で追い詰めた時にマヌエラがロクに抵抗しなかったのは、そう言う理由もあるのだろう。あの子も、私たちに負い目を感じていた。
アナーヒタに心酔する三人と違って、私の心のよりどころは同じ境遇の三人しかいなかった。でもそれが、あっけなく殺された。テティスにダム下まで落とされながら、常人より並外れた五感でそれを感じ取った私は、絶望した。もう生きる意味なんてないと、嘆いた。でも、ダムの下から、テティスに攫われるマヌエラが見えて。
今更だけど、親友として。マヌエラを助けないと、と。そう思ったのだ。
でも、片腕を失い、尻尾を叩きつけられて全身がズタボロで瀕死の状態の私が助けられると思ってない。だから、最後の手段をとる。混乱に乗じてアナーヒタの城に侵入した私が辿り着いた先にあるのは、T-Veronica植物。ハヴィエが残し、アナーヒタが実験のために温室に保管していた異形の球根。これに、私は我が身をささげる。どうなるかはわからない。だけど、少なくとも今以上の力を手に入れられるはずだ。私がどうなってもマヌエラだけは……!
クラウザーのヒレブレードによる刺突を、体勢を低くしゃがんで回避するレオン。そのまま足払いを叩き込むが、アノマロカリスそのものの右足が独自に動いて勝手に回避、腰のウミサソリの尾を振るってきたのを、ナイフで受け止め弾き飛ばされる。ハンドガンを構え、ヘッドショットを狙うもカブトガニの兜で弾かれてしまう。ならばとショットガンに持ち替え狙うも、左腕のアーケロンの甲羅を盾にされて通じない。
「どうした、
クラウザーのアンモナイトの右拳が迫るも、咄嗟に掌を自分から押し付けるようにしてタイミングをずらし、受け止めて宙を舞うレオン。そのまま踵落としを叩き込むも、右肩のメガロドンの頭部が勝手に動いてレオンの足に噛みついて受け止めると、クラウザーはアンモナイトの触手指でレオンを締め上げて持ち上げると、床に叩きつけ、そのままグルングルンと回転して床に引きずり、壁に叩きつけるとそのままヒレブレードを構えて突進。咄嗟に横に避けたレオンの頭部の場所に突き刺さり、壁ごと引き裂いて引き抜いた。
「やるな、
「ぐあっ…」
メガロドンの頭部に噛みつかれた脚を、救急スプレーで応急手当てするレオン。痛みを和らげるためにハーブを丸めたタブレットの容器を取り出し口に放り込む。まだ、行ける。そこに放たれる牙の弾丸。メガロドンの頭部をこちらに向けたクラウザーだ。咄嗟にナイフで斬り払いながら、問いかける。
「マヌエラはどうした…!」
「マヌエラならそこだ」
そう言ってヒレブレードで指した方に、縛られたマヌエラと、その横の玉座に座りこちらを愉しそうに眺めているアナーヒタと思われる水着に白衣の女性と、その横に控える純白の武者姿の何者か…雪姫がいるのを確認するレオン。まだ敵は残っているのに、味方に邪魔されるなど冗談ではない。
「任務はどうした、あれほど誇りに持っていただろう!クラウザー少佐!」
「俺は、教え子たちの様に無様には死なない。死にたくない。そうならない「強さ」こそが俺の誇りだ!」
「そんな、ナイフも握れないような姿になってまで…!何が誇りだ!」
レオンのナイフとヒレブレードが激突する。クラウザーの様に、力づくでぶつけるのではなく力を受け流すようにして、攻撃を受け流すレオンに。クラウザーは、決して無様ではない上に自らの教えで戦う教え子がまだここにいると、見せつけられて。認められないとばかりに、アンモナイトの触手指を伸ばして鞭の様に振り回した。
「右腕を失い、相棒のナイフを破壊され、殺されそうになって!それでも、折れないと!貴様はそう言えるのか!
「そうじゃないとは言い切れない。だけど、俺は!最後まで、諦めない!その体現者を、俺は知っている!」
仲間が全滅して。折れかけて。それを何度も繰り返して、折れかけて。でも諦めずに戦い抜いて、絶望から勝利をもぎ取った少女を自分は知っている。だからレオンは、諦めない。そんな信念に燃える瞳に、クラウザーは怯んだ。
「今だ!」
「しまっ…!?」
その隙を見逃すレオンではない。突進し、装甲が胸部しかない胴体目掛けて体当たり。クラウザーは呆気に取られて、変異前よりも柔らかく無防備となった弱点ともいえる箇所に攻撃を受けてバランスを崩し、転倒。レオンはそのままハンドガンを構え、撃ちながら玉座の間を駆け抜ける。
「うおおおおおおおおっ!」
「せっかく強力な力を手に入れたというのに何を遊んでいるのだ……雪姫」
「承りました」
アナーヒタ目掛けて放たれる弾丸を、雪姫が間に立って抜刀。驚異的な身体能力で弾丸を全て斬り落とす。それでもレオンは諦めず、駆け抜けた勢いのまま跳び膝蹴り。瞬時にダイオウグソクムシ形態となった雪姫が腕部で受け止め、薙ぎ払った。なんとか受け身をとるレオン。
「強いな、アメリカの狗。我のペットにならないか?」
「冗談が下手だな。アナーヒタ・ウェスカー。ここで止める…!」
そうハンドガンを構えるレオンだが、アナーヒタの前に控える雪姫、背後から迫るクラウザーと大ピンチだ。ナイフも引き抜きながらどうしたものかと考えていると、屋根が貫かれ、巨大な何かが玉座の間に突き刺さった。
「今度はなんだ…!?」
「何事だ?」
アナーヒタたちも驚いている。どうやら敵の思惑通りではないらしい。すると天井に爪の様なものが突き刺さり、屋根が引っぺがされる。そこにいたのは、超巨大怪生物。巨大な肉塊のような胴体から数本の棘と蜘蛛の様な6本の節足が生え、電子顕微鏡で見たウイルスそのものの形を彷彿とさせるフォルムで、肉食恐竜の頭蓋骨を思わせる頭部が花弁の様に開いてそこから見覚えのある上半身が出てくる。下半身と両腕が怪生物……V・コンプレックスと一体化した、甲殻を脱いだナックルだった。開いた頭部からぼたぼたと肉色の海水が落ちてくる姿は、腐っているようにも見える。
「アナーヒタァアアアアアアアッ!!!!!」
「ナックル…?貴様、まさか、あれを…!」
「マヌエラを……私の親友を、解放しろッッッ!!」
そう言って、最初に突き刺した脚を振るうV・コンプレックス。咄嗟に雪姫が両腕を盾に防ごうとするも、質量差まではどうしようもなく蹴り飛ばされて壁に埋まる。
「不覚……」
「……実に愉快なり!マヌエラと違い、P-ウイルスとT-Veronicaの特性が相反し合っている。恐らく、長くは持たぬはず。故に貴様の力……もっと見せるが良い、ナックル!」
「私の名前は、ヴァージニアだあああああっ!!!」
親友として。怪物は、人間として立ち向かう。
V・コンプレックス
本来のダークサイドクロニクルズのラスボスを務める怪物。本当はハヴィエがT-Veronica植物と融合して変異する。作者である放仮ごは初見時道中で弾を使いすぎて(主にアレクシアのせい)ハンドガン縛りでこれと戦うことになり、初見からバッドエンドを見ることになったトラウマ。歴代ラスボスの中でも普通に強いと思う。なんならほっとけばパンデミックもできるやべーやつ。
今作ではナックルが生贄となることで変異。コントロールに成功し、雪姫を一撃で倒す大戦果を挙げる。しかし体液を海水に置換するP-ウイルスと塩水で枯れる植物メインのT-Veronicaは相性最悪であり、簡単に言えば「早すぎた巨神兵」みたいな状態になってる。自爆覚悟の最期の力。
レオンVSクラウザー。エヴリンから諦めないことを、クラウザーから戦い方を学んだレオンは強いぞ。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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