BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。明日は誕生日なので特別編を投稿したいと思います。去年の九月一日が179 file6:0【体験版、少し未来の彼女たち】だそうです。なんと0編の真っただ中。一年の間にどれだけ書いたんだろう。

今回はアナーヒタとの決戦。楽しんでいただけたら幸いです。


fileDC:20【ポセイドンの槍】

 蛇の胴体を利用してテティスに巻き付き、転倒してゴロゴロ倉庫内を転がりながら取っ組み合うヨナ。殴りつければ殴り返し、噛みつけば噛みつき返すという子供の喧嘩の様な戦いが行われる。巻き付くことでテティスは全力を出し切れていなかった。

 

 

「放せぇええええ!!!」

 

「放したらレオンを追いかけるでしょうが!」

 

 

 ヨナに巻き付かれながらなんとか立ち上がり、コンテナにヨナを背中から叩きつけるテティス。しかし、叩きつけられた傍からテティスの体に纏わりついて締め上げるヨナ。全身を締め付けられ、意識が飛んでいくテティス。そのままヨナはコンテナの上部を掴み、締め上げている下半身ごとテティスを持ち上げ、腕の力だけで跳躍。

 

 

「天から……堕ちろッ!!」

 

「がはっ、あああああっ!?」

 

 

 螺旋の様に回転を加えてテティスを頭からコンテナに叩きつけた。大ダメージに呻くテティスは、力が抜けた瞬間にさらに締め付けられる。極め技と同じで、どう足掻こうにも開放されない。

 

 

「私はグラと相棒の関係なのよ!アイツのパチモンなんかに負けてたまるか!」

 

「誰が……パチモンだああああああ!」

 

 

 ヨナの啖呵にブチ切れ、全身の肉の鎧を弾き飛ばして分裂。ヨナに巻き付かれたままのサメイドのテティスと、その外で実体化したカリハリアスに分かれ、体格が変わったことでヨナの拘束が緩んで、サメイドのテティスも抜け出してしまう。

 

 

「カリハリアス!」

 

「グオオオオアアアアアッ!!!!!!!」

「「「キシャァアアアッ!!!」」」

 

 

 怒りに燃えるサメイドのテティスの呼び声に共鳴し、咆哮をあげて四つ足で突撃するカリハリアス。ヨナは身を捩って渾身の拳をカリハリアスの頭部の口の上に叩きつけて叩き潰すも、まるで手ごたえがなく巨腕に鷲掴みにされ、三つ首鮫に噛みつかれる。

 

 

「があっ…!?」

 

「カリハリアスはそいつと遊んどけ。私は、ご主人様のところに…!」

 

「待ちなさい…!?」

 

 

 戦闘に向いてないサメイドの姿になってなお常人離れした身体能力で尻尾で床を叩いて跳躍、天井の通路に飛び乗って走るテティスに、ヨナも尻尾を振るってカリハリアスを吹き飛ばして追いかけようとするも、カリハリアスに尻尾の先端を掴まれて引きずり戻される。

 

 

「わかったわ。まずはお前を秒殺する…!」

 

「グオオオオアアアアアッ!!!!!!!」

「「「キシャァアアアッ!!!」」」

 

 

 全身筋肉の蛇の拳が、虚無の鮫へと叩きつけられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「既に、血のサンプルは手に入れた。マヌエラなど、くれてやる」

 

「アナーヒタァアアアアアアッ!!!」

 

 

 一方、玉座の間。挑発するアナーヒタ目掛けて巨脚を振り下ろすV・コンプレックス。しかしそれは、クラウザーのアンモナイトの触手指に巻き付かれ引っ張られることでアナーヒタは回避。拘束されて転がされ気を失っているマヌエラの傍の玉座が蹴っ飛ばされて宙を舞った。

 

 

「クラウザー…!どこまでもそいつの味方をするのか!」

 

「一応命の恩人だ。如何に外道だろうが、義理はある」

 

「その義理すら投げ打って、友のために戦っているあの少女を見て!お前は、なにも思わないのか!」

 

「邪魔をするなアアアッッッ!!!!」

 

 

 すると邪魔だと見たのか今度はアナーヒタをゆっくりと下ろしたクラウザーに脚が振るわれるが、クラウザーはヒレブレードを突き刺すことでしがみつき、蹴り飛ばされることを回避。そのままヒレブレードで斬り裂くように引き抜いてV・コンプレックスの足を切断。メガロドンの右肩を向け、牙の弾丸を連射して本体を狙う。

 

 

「隙だらけだぞ、怪物!」

 

「ぐうううっ!?」

 

 

 四肢がV・コンプレックスと一体化している上にもともと覆っていた頭部もドロドロと溶けて大部分が失われていたため、まともに全身を貫かれてしまうナックル…否、ヴァージニア。右目が潰れ、重要臓器を傷つけられ、海水と血が入り混じった血反吐を吐きながらも、脚を振り上げて一気に叩きつけるが、クラウザーはアーケロンの甲羅で受け止め、押し返す。それを横目に、レオンはアナーヒタにハンドガンの銃口を突きつけた。

 

 

「今のうちに……覚悟しろ、アナーヒタ・ウェスカー!」

 

「我を殺す、か。良い判断だ、褒めてやろうアメリカの狗よ。名は何だ?」

 

「レオン・S・ケネディだ」

 

「ふむ。ところでレオンよ、「ウェスカー」の名の意味が分かるか?」

 

「……ウェスカー計画の被害者だ」

 

「被害者?まあ、そう思うのも当然であろうな。だが、これにはもう一つの意味がある……〝天賦の才を持つ者”の称号なり!」

 

 

 そう言って白衣の懐からなにかを取り出すアナーヒタ。何かの骨を削って作られたらしい手のひらサイズの大きめのフォークの様なそれの中央に付けられたスイッチを押すと、ジャキン!という音と共にフォーク部分と底から突き出た突起が伸びて、三メートルに全長が伸びた小ぶりのトライデントとなってアナーヒタの手に握られた。

 

 

「やはり、これも美しい……クジラの背骨で作った、ポセイドンの槍。ミス・ポセイドンたる我に、相応しい武器である……!」

 

「……お前の神様ごっこのせいで何人死んだ?何人の尊厳を玩んだ?何人、犠牲になった!?」

 

「ごっこ遊びなどでは無いわ。我は正真正銘、海の神。逆に聞くが……貴様は今まで飲んできたスープの数を覚えているか?」

 

「人の尊厳と、スープを一緒にするな!」

 

 

 レオンが激高しながらハンドガンを構えるが、距離を詰めてきたアナーヒタの槍の三又の先端が銃口に突き刺さり、暴発の危険性を感じて一瞬動きが止まったところに打ち上げられ、ハンドガンが床に転がる。咄嗟にレオンはナイフを引き抜き、横薙ぎに振るったアナーヒタの槍と激突。火花を散らす。

 

 

「我はアナーヒタ・ウェスカー!ウェスカーの名に連なる生き残りの最年長!唯の人とて侮るなかれ。人間の可能性とやら、神たる我も見せてやろうではないか、レオン!」

 

「そいつは嬉しいね!」

 

 

 ヒュンッと風を切る音と共に首を掻っ切ろうとしたアナーヒタの槍の三又じゃない方を、スライディングで回避。スライディングキックをアナーヒタの脚に叩き込むレオン。しかし倒れそうなのを槍で床を突いて防ぎ、手放して体勢を立て直すと槍を引き抜き、そのまま三又で突きを叩き込むアナーヒタ。レオンはそれを、膝立ちして膝と左肘で受け止め、右手に握ったナイフを突き出す。

 

 

「甘いわ!」

 

「っ!」

 

 

 顔を横に逸らしてそれを回避し、槍を引き抜いて一回転。薙ぎ払い、レオンはバックステップで距離をとるとナイフを逆手に持ち替え、ジャブの要領で斬撃を叩き込む。動きが変わったレオンに、槍を両手で構え防戦一方のアナーヒタ。槍の穂先を蹴り上げてレオンの胴体に突き刺そうとするも、レオンはナイフを空中に投げて気を逸らすと自らは槍を受け流すように一回転。落ちてきたナイフを手に取ってアナーヒタの手首を峰で打ち槍を手放させると、そのまま刃先を首筋に付きつける。

 

 

「ここまでやるとは、見事……!」

 

「クラウザーからの教えだ。接近戦ではナイフの方が速い。覚えておけ」

 

 

 そう言って首を搔っ切ろうとするレオン。しかしそれは。

 

 

「ご主人様に何をするぅ!」

 

 

 乱入してきたサメイドのテティスに体当たりされて、失敗に終わった。床に叩きつけられ、ダメージに呻くレオン。もし完全体なら死んでいたが、まだ非力なサメイドの姿だった為に命は拾った。しかし、状況は最悪だ。見れば、V・コンプレックスもクラウザーに攻めあぐねている様だった。

 

 

「よい所に来たな、テティスよ。あの、ナックルの成れの果てを、殺せ」

 

「はいよろこんで!来い、カリハリアス!」

 

 

 言われるままに呼び出した複数の肉塊に分裂して飛んできたカリハリアスを集束させ、完全体に変貌するテティス。跳躍しながら右掌の口からシュモクザメの槍斧を手にして、その場に突き刺すと新体操でもするかのようにグルグルと丸鋸の様に高速回転して、槍斧を手にしたまま空中に飛び上がり、V・コンプレックスの頭上まで舞い上がる。

 

 

「テティスゥウウウウッ!」

 

「ご主人様以外が私の名前を気安く呼ぶな!死にぞこないが!」

 

 

 V・コンプレックスがドロドロに溶け落ちかけている胴体から胞子型の小型生物を射出するも、テティスは槍斧の刃を下に向けながらグググッと空中で身構えると、尾鰭をスクリューの様に回転させて加速しながら急降下。小型生物を貫きながら、ヴァージニアの胴体に刃を突き立てた。

 

 

「くそっ……まぬ、えら……」

 

「ご主人様に詫びろよ」

 

 

 そしてそのまま、抉りだすようにヴァージニアは腹部から胸部まで掻っ捌かれて、海水と血を噴き出しながらドロドロと溶け落ちていくV・コンプレックス。それを見届け、アナーヒタは嗤う。

 

 

「……脆いな。折角、マヌエラからの血を得たのに、使い物にならんとは。そしてレオン・S・ケネディよ……感謝する。人の身には最早、何の未練も無い」

 

「くっ…させるか!」

 

 

 そう言って恐らくP-ウイルスが入れられているのであろうボトルを取り出すアナーヒタ。自らも変異しようとしていることに気付いたレオンは、銃が近くにないことを確認すると咄嗟に近くに転がっていたアナーヒタの槍を手に取り、投擲した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すべての運が味方した。思うところがあったのか、V・コンプレックスの最期を見届けていたクラウザー。空中から降りてくる途中だったテティス。壁に埋まってから動かない雪姫。ヴァージニアが命を懸けて作りだした最後の「隙」。腹心の三人の守りが消えた瞬間を、レオンは掴んだ。そして。

 

 

「馬鹿、な……!?」

 

 

 自らの槍に腹部を貫かれて、アナーヒタは信じられないとばかりに目を見開き、崩れ落ちたのだった。その手からこぼれたボトルが無情に床を転がり、中身がこぼれていった。




ナックルことヴァージニア、アナーヒタを道連れに散る。V・コンプレックスが隙を生みださなければこの結果は生みだせませんでした。

ポセイドンの槍を使うアナーヒタ。この槍の元ネタはお気に入りの映画「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」に登場する「オシリスの槍」です。投げ槍として使うのも元ネタ基準。あのギミック大好きなんだ。二階建てバスの死闘もホント好き。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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