BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。本日9月1日で誕生日を迎えて27歳になりました放仮ごです。今回は誕生日ってことで特別編。ちょっと後の物語、つまり4編のプロローグを解禁します!楽しんでいただけたら幸いです。


file4:0【大統領令嬢失踪事件】

 アンブレラコーポレーションが瓦解した後の世界。テロ組織〝ヴェルトロ”が引き起こしたラクーンシティ事件以来の大規模バイオテロ、テラグリジア・パニックが起きて間もない2004年夏末。アメリカ政府は騒然となっていた。アメリカ合衆国大統領令嬢、アシュリー・グラハムが行方をくらましたのだ。

 

 マサチューセッツ州にある大学へ通う20歳の学生で、品行方正で人当たりもよく、よくできた娘だった。それが突如、行方をくらました。それも、最後にいたとわかっている場所に、干からびたボディガードの変死体と血みどろの跡を残して、だ。ボディガードは、少なくとも10人はいた。それが、干からびて死んでいた一人を除いて、護衛対象の大統領令嬢ごと姿を消した。

 

 これには政府高官であるアダム・ベンフォードやディレック・C・シモンズ、ウィルソン国防長官、ロン・デイビス上院議員、そして怪事件だとして2001年に設立されたアメリカの対バイオテロ部隊組織「FBC」正式名称Federal Bioterrorism Commissionの長官モルガン・ランズディールも大混乱であり、中には最近になって反アンブレラ組織オルタナティブを中心に再編成されたバイオテロ対策部隊Bioterrorism Security Alternative Alliance…通称「BSAA」の仕業じゃないかと囁かれる始末。

 

 

「アンブレラが無くなった今、アメリカに最も近しいB.O.W.がいるのはBSAAだ。これは確かな事実ではないのかね?」

 

「その通りだシモンズ!奴らを即刻拘束し始末するべきだ!」

 

「ふざけないでいただきたい。確かに彼らはB.O.W.だ。だが、自分たちの力で立場を手に入れ、信頼を勝ち取ったはずですな。シモンズ高官。デイビス議員」

 

「では。君は彼女たちがやってないと断言できるのかね?オブライエン。飼い犬の手綱はちゃんと握っていると?」

 

「彼女たちは人間です。差別はやめていただきたいですな。長官殿?」

 

「みんな、落ち着いてくれ。まずは大統領令嬢の居場所を把握しなければ話にならないだろう」

 

 

 BSAA人間代表クライヴ・R・オブライエンがシモンズ、デイビス、モルガンとバチバチに討論する中、アダムがそもそもの問題を表明する。ウィルソン国防長官が手を挙げた。

 

 

「まず、大統領令嬢は生きているのかね?現場は血みどろだったらしいが」

 

「おそらくは。アメリカ政府にとって最大のカードだ。むやみに殺すことはしないでしょう」

 

「他国からの攻撃という可能性は?」

 

「声明がない。現時点ではその可能性は低いと見ていいだろう」

 

「そもそも本当にB.O.W.が使われたのかすら怪しい。周辺で怪物の目撃情報は一切出なかった」

 

「BSAAの連中のように人間に高度な擬態できる可能性は?」

 

「あれは、エヴリンと呼ばれるB.O.W.たちだけが認知できる超存在の力によるものです。断言できませんが、その可能性は低い。それ以外の方法で擬態ができるとなると話は別ですがね」

 

「そのエヴリンとやらが暗躍しているかもしれないじゃないか!オブライエン、貴様にも見えないのだろう!?」

 

「落ち着いてくださいデイビス議員。シモンズ、君もだ。どうしたんだ、君らしくもない」

 

「すまないアダム。だが大統領令嬢の失踪となるとな……」

 

 

 会議はまとまらない。まとまるはずがない。ここにいる6人のうち4人が後ろめたいことをしているので当たり前だが。これでまだ国として体裁を保っているのだから魔窟である。するとそこに、スーツを着た男が入ってきた。

 

 

「報告です!大統領令嬢の行方が確認取れました!」

 

「なんだと!?」

 

「監視カメラにも映らず失踪したのにどうやって!?」

 

「それが……パスポートの使用記録が残っていて……三日前に、ハーバードヴィル空港から旅客機に乗って国外に出ていたことが判明しました」

 

「ハーバードヴィル!?そこはたしか、デイビス議員の出身地じゃないか?」

 

 

 全員の視線がデイビス議員に向けられる。デイビス議員は冷や汗をたっぷり流してブンブンと首を振って否定した。

 

 

「ま、待て!私は今回はなにもしてない!誓って本当だ!大統領の娘になんぞ手を出すわけが……」

 

「つまり……他の罪はあると?デイビス議員、話を聞かせていただこう」

 

 

 国防長官がいたのが運の尽き。デイビス議員はその場で逮捕され、駆け付けた警備隊に連れてかれる。それを見届け、アダムはスーツの男に尋ねる。

 

 

「それで、大統領令嬢はどこに?」

 

「それが……スペインの辺境の小さな空港で消息が絶たれました」

 

「スペイン?どうしてそんなところに……」

 

 

 謎が謎を呼び、大統領令嬢失踪事件は、スペイン辺境の調査として二人の人間に任されることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 会議していたビルから降りて来たオブライエンは、ビルの前に停められていたジープに迷うことなく突き進むと、周りの目を気にしてから後部座席に乗り込んだ。

 

 

「スティーブ。発進して」

 

「了解、リサ」

 

 

 スティーブ・バーンサイドが運転し、その隣に禿げ頭でメガネの武装した男が乗ったジープが発進する。オブライエンの座った席の隣に座っていた、白い帽子で顔を隠し白いワンピースの上からジャケットを着た黒髪の女性…BSAA代表取締役であるリサ・トレヴァーが尋ねる。

 

 

「オブライエン。首尾はどうかしら?」

 

「難しいですな。せっかくここまで上げてきた信頼が、今回の件で一気に崩れてしまった様だ。リサ嬢」

 

「そうでなくても嫌っている奴が多そうだったわね」

 

 

 オブライエンのいたビルを睨みつけるリサ。

 

 

「アメリカ政府から二人、大統領令嬢の消息が絶たれたスペイン辺境に派遣されることになりました。喜ぶべきことに、レオン・S・ケネディ捜査官とアリサ・オータムス捜査官の二人が任命されました。経験豊富なこの二人を起用するのは本気が伺えますな」

 

「そう、あの二人が……BSAAは動くなって事ね。そんなに私たちが怖いのかしら」

 

「そりゃそうですな。今最も力を手に入れている組織だ。もし私に協力を持ちかけず、そのまま武装組織として続けていたら今頃全面戦争になっていたのは目に見える。一応製薬企業連盟預かりだから目を瞑ってもらっているのが現状ですな」

 

「クリスやジル達元S.T.A.R.S.が所属してくれたことは嬉しいけど、それが逆に圧になっているのね」

 

「あの最強を誇ったバジリブ共和国を打ち負かした時点でだと思いますな。あれはインパクトが強かった」

 

「アメリカも信用できないのだから奴らに与するつもりもないけどね」

 

 

 街中を走るジープの中でそんな会話を繰り広げるリサとオブライエン。スティーブも途中まで聞き耳を立てていたが、さっぱりわからないとわかってからは運転に集中していた。

 

 

「それでなんですが、リサ嬢。よければ……」

 

「わかっているわ。隠密に長けたプサイの部隊とエヴリンを送り込む。こっちはこっちで調査してた~とかにすれば言い訳もたつでしょう。そこは任せたわ」

 

「やれやれ。交渉役の腕の見せ所ですな」

 

 

 オルタナティブ改めBSAA。世界をB.O.W.の脅威から守るため、今日も元気に暗躍中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スペイン郊外にある寒村。そこで、複数の村人に囲まれた20歳の女性が、村の教会を目指してふらふらと歩いていた。アシュリー・グラハムその人である彼女は、特に村人に掴まっているとかではなく、自主的に歩いていた。その様子は、ふら付いている以外は特段おかしいところはない。眼が光ってたり、皮膚に文様が浮き出たりなんてしてない、至って普通だ。

 

 

「ふふふ……待っててね。

 

 

 

 

 

―――【EvelineRemnantsChronicle】file4【アシュリー・グラハム編】

 

 

 

 

 

 

 

―――――desastre」




衝撃!オルタナティブはBSAAの前進だった!テラグリジア・パニックも無事(?)起きた模様。

~知らない人のための紹介コーナー~

・アシュリー・グラハム:言わずと知れた「バイオハザード4」のヒロイン。自分から行方不明になりハーバードヴィルの空港に乗ってスペインに渡ったらしい。どういうことだろう?

・テラグリジア・パニック:2004年前期に発生したバイオテロで、海上都市テラグリジアで発生したラクーンシティ事件以来の大規模バイオハザード。最終的にFBCが敢行した滅菌作戦と称した、太陽光を利用し発電することを目的としていた衛星レギア・ソリスの攻撃を受けることにより都市ごと沈み、多くの犠牲者が出てしまった。リベレーションズシリーズに置いてすべての始まりと言える重要な立ち位置の事件。

・FBC:2001年(つまりDC編の間)に設立された対バイオテロ部隊で、合衆国政府が裏でアンブレラと癒着し、B.O.W.の開発や取引をしていたことが公になることを避けるために設立された組織。簡単に言うとアメリカの保身のための組織。

・BSAA:原作では「アンブレラ社の瓦解によって拡散した生体兵器が世界中で悪用される」という事態に直面した製薬会社の組合「製薬企業連盟」が国際世論からの責任追及を危惧し、共同で資金を拠出して2003年から2004年にかけてクリスやジル達オリジナル・イレブンを中心に結成されたバイオテロ対策部隊。簡単に言うと製薬企業の保身のための組織。なのだが、今作ではクリス達が合流したオルタナティブが製薬企業連盟をバックに再編した組織となっている。人間のメンバーが結構増えた。

・クライヴ・R・オブライエン&モルガン・ランズディール:『バイオハザード リベレーションズ』に登場するBSAAとFBCの代表。今作ではオブライエンは完全なBSAA代表ではない。

・アダム・ベンフォード&ディレック・C・シモンズ:『バイオハザード6』に登場するのちの大統領と大統領補佐官。現在はともに高官で親友の関係。アダムはレオンやセルケトの恩人。

・ウィルソン国防長官:『バイオハザード:インフィニットダークネス』に登場する元軍人ながら国防長官にまで登り詰めた強硬派の政治家。なにがとは言わないけどバイオ史上トップクラス。

・ロン・デイビス上院議員:この一年後に当たる『バイオハザード ディジェネレーションズ』に登場する小悪党。その事件が起きる前に取っ捕まってしまった。

・ハーバードヴィル:『バイオハザード ディジェネレーションズ』の舞台であるアメリカ中西部の工業都市。ウィルファーマ社の研究所をハーバードヴィルへ誘致したのがデイビス議員。なお、ウィルファーマ社はT-ウイルスのワクチン開発を行っているが、うまくいっていないらしい。誰かがいない…?

・スティーブ・バーンサイド:ベロニカ編から続投。オルタナティブ改めBSAAのメンバーとして頑張ってる。護衛兼ドライバー。

・ハゲてるメガネのおっちゃん:一応ネームドキャラ。頭突きが得意。あれれー?なんでここにー?


次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きな世紀末編オリジナルB.O.W.は?

  • ウールヴヘジン
  • ネルトゥス
  • カトプレバス
  • モールデッド・ヘカトンケイル
  • ミゲル・グランデ変異体
  • メリカ・シモンズ変異体
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