BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
ガンマ・オルカも加えての対決。楽しんでいただけたら幸いです。
1999年1月。クトゥガとの対決から一週間後のアンブレラ南極基地跡地傍のクレバス。レオンやアリサを始めとした調査隊が南極基地跡を調査する中、水着白衣ではなく普通に防寒着を身に纏った完全装備のアナーヒタ・ウェスカーは一人クレバスの底にやってきていた。そして見つけたのは、バラバラの状態で半ば氷漬けになっている黒い戦闘服に身を包んだ金髪オールバックの女。
「生きていたか。運のいい男だな弟君。いや今は妹君か?」
「……アナーヒタか。何の用だ」
それ…アルバート・ウェスカーことアルテ・W・ミューラーは血が繋がってないと言えど姉代わりに無様な姿を見られたからかそっぽを向いて生意気な言葉を口に出す。アナーヒタはけらけら笑いながら救出作業を開始する。
「我自ら〝ウェスカー”の救難信号を辿ってきてやったのになんて言い種だ。南極に近い南米支部の支部長が我でよかったな」
「アンブレラの狗に助けてもらう謂れは無いぞ…!」
「我もわかっているさ。アンブレラが落ち目なのはな。十分な研究設備を手に入れたら高飛びするつもりだ。それまでは我が研究の成就のためにアンブレラは利用する。安心しろ、お前を突き出したりしないさ。数少ない家族だ」
「……そういえば海洋生物が好きだったな。理解できんが……ただで助けてもらうわけにもいかない。対価に情報をくれてやる」
「ほう。それはさぞ価値のある情報なのだろうな」
氷漬けになった捥がれた腕を手にして笑うアナーヒタに、四肢がもがれた状態で転がるアルテは続ける。
「ネプチューン・グラトニーという鮫のB.O.W.がアークレイ山地の研究所に存在していた。NESTに保護されたのちにアンブレラを離脱したようだが。先刻もオルタナティブの一員として散々邪魔してくれたものだ」
「ほう?ネプチューン・グラトニー……海神の名を冠するとは興味深い。写真はあるか?」
「私のPDAに保管されている。存在を把握している他のB.O.W.もだ。早くここから出して……おい、待て。私を助けてからにしろっ」
傍に転がっていた、モニターがバキバキに割れてるだけで比較的無事なPDAを拾い上げると自らのPDAと繋げてハッキングしデータをコピー。情報を見ていくと、にやりと笑う。
「なるほど、これがネプチューン・グラトニー……なんと素晴らしい造形と生態だ。海の神秘!海の可能性!生命の冒涜!実に美しい。欲しい…!今、どこにいると言った!?」
「あの忌々しいオルタナティブだ。お前の好みだと思っていたがそこまでとはな。理解できん。まだ蟲の方が機能美に長けているだろうに」
「わかってないな弟君。機能美じゃないんだ。生態、神秘、可能性!海はすべての生命の源だ。そこに生息する彼らこそ生物の頂点だ」
そう言ってアルテを氷から解放するアナーヒタ。寒さで弱っている菌根の触手を伸ばし、氷を砕いて四肢を繋げていくアルテを興味深そうに眺める。
「気持ち悪いな。海洋生物でもそこまでの再生力はないぞ?」
「余計なお世話だ。こんな無様を晒すなど……」
「しばらくは療養するべきだろう。私の研究所に滞在するといい」
「なら、ちょうどいい。培養施設を貸してくれ」
「問題ないが、何故だ?」
「これを培養したい」
そう自慢げに掲げるアルテの手には、ノスフェラトゥ・イグニスの肉片が握られていた。
「
二重に響く声が、轟く。確かにガンマ・オルカが喋った。だが声が二つ。それも、ガンマ・オルカのものではなく、ナックルとハープーンのものだった。ギリギリギリッと拳が握りしめられ音を上げる。肘から衝撃波が放たれ、ロケットエルボーの要領で跳躍すると、強烈なパンチを叩き込むガンマ・オルカ。咄嗟にシザースの鋏を盾に防御したミス・ポセイドンは吹き飛ばされるも、ポセイドンの槍を突き刺して急ブレーキ。イッカクの角から電磁波を放って攻撃するが、衝撃波で散らすガンマ・オルカ。
「ネプチューン・グラトニーに似ているから気に入っていたが、ふざけたやつめ…!」
「ぐっ……二人同時は、精神に負担が……
一瞬、顔をしかめて頭を押さえ、ダブルスレッジハンマーを床に叩きつけて衝撃波の波を叩き込むガンマ・オルカ。まともに受けたミス・ポセイドンの体が崩れていく。正確には、鱗の様な肉塊が衝撃波が伝導して離れていく。
「我の肉体が…ハープーンの衝撃波か。だが、貴様の肉体も追いついてないぞ?」
衝撃波や拳の反動でズタボロのガンマ・オルカの肉体。【
「ガンマも限界だ、俺達も!」
「乗って、レオン!」
「弱っている今なら!」
「何とかなると思ったか?浅はかだな!」
高速で蛇行するヨナの背に乗りながらハンドガンを乱射するレオン。メガロドンの牙を乱射しながら突撃するクラウザー。しかし、ミス・ポセイドンは頭部と股の三つ首の牙をかち合わせて衝撃波を発生。弾丸を吹き飛ばして三人の動きを止め、掴みかかってきたガンマ・オルカにシュモクザメのハンマーを叩きつけて、ナックルの拳並みの威力を出して吹き飛ばし、カニの鋏を閉じることで衝撃波も発生させてレオン達も吹き飛ばす。チーム・アトランティスの四人の力を再現しているという悪夢のような状態だ。
「見せてくれたからな。再現は可能だ」
「まだだ!」
吹き飛ばされたヨナから飛び出すレオンはミス・ポセイドンの左腕にしがみつく。強力な威力を誇ろうが、しがみつけば打たれることはない。振り回されるもしがみつきながら何度も何度も蹴りを胴体に叩き込み、レオンは肘を顔面に打ち込む。たまらず右腕を振るって抵抗するミス・ポセイドンの体をガンマ・オルカが掴み、衝撃波を直接打ち込んで、ふら付く巨体。
「よく見ておけレオン。ナイフではないが、刃はこう使うのが効果的だ…!」
飛び込んだクラウザーがヒレブレードを胴体に突き刺し、ヨナがレオンの首根っこを掴んでを引きはがしてノコギリザメのブレードの範囲外に離れる。
「今よ!」
「やってしまえ、クラウザー!」
「うおおおおおおおっ!」
「ぐあああああああっ!?」
そして一閃。全力で振るったヒレブレードで腹を引き裂いて、ミス・ポセイドンは崩れ落ちる。荒い息を吐くクラウザー。その背後で、肉塊が脈動。飛び出して、クラウザーの左腕をアーケロンの甲羅もろとも噛みついて引きちぎってしまった。
「ぐうううあ!?」
「クラウザー!」
「まだよ、気を付けて!」
「解除…!乗って!」
咄嗟にガンマ・オルカは深化継承を解いて腹ばいとなり、マヌエラを咥えて三人を乗せてその場から水路に乗って離脱する。その背後から、巨大な三つ首鮫と化したミス・ポセイドンだったなにかが水路を噛み砕きながら追いかけてくる。どう見ても暴走形態だった。
「くそっ、バケモノめ!」
「クラウザー、大丈夫?」
「大丈夫ではないが……寝てもられんだろう!」
「外に出るわ!」
水路を抜け、外に飛び出し、シーデッドが群がる広場に転がるレオンたち。水路を粉砕しながら三つ首鮫も追いかけてくると、レオン達には目もくれずシーデッドたちを喰らい始めた。
「え、何事!?なんでガンマもいるのってかクラウザー!?」
「話は後よ、メリカ!気を付けて!あれがアナーヒタのなれの果て!」
混乱しながら駆け寄ってきたメリカも揃った面々の前で、次々とシーデッドや変異体たちを問答無用で貪り喰らっていく三つ首鮫はブクブクと膨れ上がっていき、破裂する様にさらに鮫の顔が出現。複数の鮫が群がって一つにくっついた様な肉塊から、上の方が人型の鮫肌による女体の上半身を形作り、両肩両腕が巨大な鮫そのものの巨人を形作っていき、頭部のサメの顔の口の下にアナーヒタの顔が形成される。広場を占領し尽くしたのは、ヤマタノオロチの様な無数の鮫で下半身を形作った巨人だった。
「まだだ、まだ終わらん…!我は海の神だああああ!!!」
ミス・ポセイドン第二形態。ウェスカーの名を持つ者のしぶとさは折り紙付きだった。
【
アナーヒタに助けられていたアルテ。ハヴィエにベロニカウイルスを渡せたのはこういう経緯でした。
そして暴走形態を経て、残りの部下を全て喰らって第二形態へ移行したミス・ポセイドン。イメージはリトルマーメイドのアースラ。ここまで行くとG生物みたいですね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きなマヌエラ編オリジナルB.O.W.は?
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シーデッド
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ネプチューン・テティス(サメイド)
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A1ハープーン
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A2シザース
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A3ナックル
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A4ドリル
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変異マヌエラ
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カリハリアス
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リーサルガイド
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変異ヒルダ
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雪姫
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ブレード
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バイパー
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A5ガンマ・オルカ
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テティス完全体
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変異クラウザー
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V・コンプレックス(ナックル)
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ミス・ポセイドン(アナーヒタ)