BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今章のキーとなるハンターλがさっそく登場。楽しんでいただけたら幸いです。
fileUC:1【ハンターλ】
アナーヒタとの戦いの裏で。クイーンとシェバの二人による、アンブレラ薬品倉庫での戦い。ハンターπたちに取り囲まれ、二人が奮闘する中で。それを上から確認したキャメロン博士は、ハンターπたちに時間稼ぎを任せて、薬品倉庫の最奥へ進む。そもそもここはアンブレラの薬品類を保管する倉庫、に見せかけた裏でハンターπを開発していた場所の一つであり、ウールヴヘジンで手柄を立てたキャメロン博士に任された研究所だった。
「オルタナティブが来た!最初で最後のチャンス、決して無駄にはしないわ……セルゲイ様からの勅命!果たして見せる!」
最奥の部屋、アークレイ研究所のタイラントが安置されていた部屋の様に培養槽が鎮座しているそこでキーボードを叩き、起動シークエンスを進めていくキャメロン博士。その先の培養槽には、青色の液体に沈む特に変哲のない手足と顔以外が黒いボディースーツに身を包んでいる様な姿の、緑が混ざった金色の髪を短く首元で揃えた女性が呼吸器を付けられて目を瞑り浮かんでいた。
「ウールヴヘジンの成功を私は無駄にしない!リンダ・パール……彼女のT-ウイルスと菌根に適合できる遺伝子を培養し、ハンターの基盤に組み込みクローニングした、私の最高傑作、
そしてエンターキーが押されるとともにバチっと電流が培養槽に放出され、目覚めるラムダはじっとキャメロン博士を見つめ、コンコンと普通の右手の一差し指で培養槽の強化ガラスを叩いて示すラムダ。
「おお、素晴らしいわラムダ!今、開けてあげる!」
モールス信号で「開けて」と伝えてくるラムダ。知能の高さが伺えるその行動にキャメロン博士は感動し、培養槽を開くコードを打ち込むキャメロン博士。蒸気が放出され、開いた隙間から青い液体が漏れ出し、キーと音を立てて蓋が開き、濡れたボディースーツを煌めかせたラムダが出てきて、歩こうとしてバランスを崩しよろめいたのをキャメロン博士が支える。
「無理をしないでラムダ。貴女はまだ、生まれたばかりなのだから。気分はどう?悪くない?」
「……悪くない、ぜ」
男勝りな口調でキャメロン博士の問いに答えるラムダ。その口からピンク色の舌がだらんと垂れて、床につくほどに長いそれがうざったいのか首に巻きつけマフラーの様にした。同時に、ボディースーツが波打つ。まるで動作確認の様だった。
「貴女の使命は脳内にインプットしているはずよ。そしてそれができる能力を私は与えた。今、オルタナティブがこの研究所を襲っているわ。すぐに作戦を実行に移して……私は投降して囮になるから、それで」
そう言った瞬間、頭を振ったラムダの伸ばした舌に上半身を巻き付かれて締め上げられるキャメロン博士。なにが起きたのか信じられないという表情を向ければ、舌を左手で握ったラムダはあくどい笑みを浮かべていた。
「ラムダ、なにを…!?」
「なにを、だ?必要な行為だとわかってんだろお母様。素の私じゃ任務は実行できない、だから。こうするんだよ」
「ぐぅ、あああっ……」
「安心していいぜ?あとは私が引き継いでやる。アンブレラを救うこの計画を遂行してやるさ」
器用に舌を動かして喋るラムダ。バキバキバキ!と骨が砕けて折れる音が聞こえ、キャメロン博士の悲鳴が消えていく。そして。一分もたたずに研究室の扉を蹴破り、クイーンとシェバが突入してきた。
「投降しなさい!キャメロン博士!」
「一緒に来てもらう。裁判で証言してもらうぞ!」
「……ええ。観念したわ」
そこには、キャスター付きの椅子に腰かけくるりと振り返ったキャメロン博士が、妖艶な笑みを浮かべていた。
二週間前のことを思い出す。そうだ、私たちはキャメロン博士という証人を手に入れて、勝てると思って最後の戦いを仕掛けた。担当検事がキャメロン博士と打ち合わせに行ったり、被告であるアンブレラ総帥オズウェル・E・スペンサーをついに法廷に引きずり出したり、上手くいっていたんだ。しかし、キャメロン博士が突如失踪。トイレに行ったっきり見張りの警官もろともいなくなったという話だ。慌ててシェバたちが辺りを散策しているが、まだ見つかってない。どこに消えたんだ…?
担当検事であるケン・ブリュースターは狼狽えるばかりで、アンブレラの顧問弁護士であるソーカ・ソーダースに押されっぱなしだ。クインティア・モリアーティとして検察側の席に立っていた私だったが、雲行きの怪しさを感じた時には遅かった。私の知らない、まだ結成されたばかりであろうオルタナティブの映像が弁護士から証拠映像として流されてしまったのだ。
「ご覧ください!兵士を襲うこの怪物たちを!合成映像や特撮なんかではありません、これは1998年11月に実際に起きたものを撮影した映像です。続けてこちらをご覧ください」
次の映像では、アンブレラの輸送トラックを襲うヘカトちゃんの光景。これは、アンブレラがケルベロスやサーベラスを輸送していたトラックを襲撃して未然に防いだもののはずだが、肝心の中身が映されてない。あるのは、アンブレラのトラックをオルタナティブが襲ったという事実だけ。これはまずい。
「これはアンブレラがラクーンシティの避難民に薬品を送り届けるためのトラックです。ここに記録も残っています。それを、オルタナティブの幹部とされる一人、ヘカトが襲った…。検察側はアンブレラがB.O.W.を秘かに開発・売買していると主張していましたが、とんでもない!アンブレラはむしろその逆!彼等、オルタナティブに罪を擦り付けられた被害者なのです!」
「おい、どうにかしろブリュースター検事!」
「あんな情報は聞いてなかったぞクインティア女史!どうなっている!?」
「いやあれは……」
「あれは?なんだというのです、オルタナティブのクインティア・モリアーティさん。嘘偽りのない事実だと?」
「うぐっ」
ソーダース弁護士の問いかけに言い返せない。嘘偽りではない。肝心のところを映してないだけで、実際の映像を使われている。さっきの戦闘映像も、B.O.W.を使ってた兵隊を撃退していたシーンを、B.O.W.を蹴散らすシーンと編集されてしまっている。ブリュースター検事も何も言い返せない。これはまずい、傍聴席の人々の印象が最悪だ。アンブレラが被害者で、オルタナティブが加害者という構図が出来上がってしまっている。こうなればもう、アンブレラの有罪判決は叶わない。疑惑が出てしまった以上、判決を決めることはできないからだ。
こうして、アンブレラの裁判は一時保留となり。後日、オルタナティブの裁判が新たに始まることとなってしまった。被告はリサ・トレヴァー。エヴリンの代わりの顔役だ。私は今度は弁護士側で、肩身が狭いながら座っていることしかできない。暴れられたらどんなに良かったことか。暴れた瞬間アウトだ。弁護士は急遽オルタナティブのスポンサーである天ヶ沢鉄舟に呼び出された日本の新人弁護士、
「裁判長。我々検察は第一の証人を召喚したいと思います。オルタナティブの幹部の一人であり、件の映像にも〝出演”していたネメシス氏を呼ぼうと思う」
「なんだって?」
『なんて?』
思わずエヴリンと一緒に声に出た。すると、傍聴席や裁判官がどよめく。当たり前だ。歯茎丸出し隻眼の大男が入ってきたら誰でもこうなる。だがおかしい、エヴリンが待機を命じていたはずだが、なぜここにいる。
「証人。名前と職業を」
「すたぁず」
「……名前と職業を!」
「すたぁあず!」
もうそれでいいから時間を稼いでくれネメシス。私とエヴリンはたまらず頭を抱えた。
勝ち確定だったはずがものの見事にひっくり返される、これぞ逆転裁判。
セルゲイの命令で生み出されたらしいハンターλ。製作者はウールヴヘジンも作ったキャメロン博士。能力やモチーフ、請け負った任務がこの時点で分かった人はすごい。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きなマヌエラ編オリジナルB.O.W.は?
-
シーデッド
-
ネプチューン・テティス(サメイド)
-
A1ハープーン
-
A2シザース
-
A3ナックル
-
A4ドリル
-
変異マヌエラ
-
カリハリアス
-
リーサルガイド
-
変異ヒルダ
-
雪姫
-
ブレード
-
バイパー
-
A5ガンマ・オルカ
-
テティス完全体
-
変異クラウザー
-
V・コンプレックス(ナックル)
-
ミス・ポセイドン(アナーヒタ)