BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
「事実」は見方次第で変わる。楽しんでいただけたら幸いです。
スーツを身に纏いこざっぱりしたカルロス。傍聴席はまたネメシスみたいなのが来ると思っていたのか安堵している。
「証人。名前と職業を」
「俺はカルロス・オリヴェイラ。今はオルタナティブに所属している。その前はU.B.C.S.に所属していた」
「補足説明をしよう。U.B.C.S.。
「なにが言いたい?」
不機嫌そうなカルロスの問いかけに不敵に笑うガリバー検事。
「機嫌を悪くしたならすまない。だが、アンブレラに拾われて置きながら反アンブレラ組織であるオルタナティブに鞍替えした。この理由を述べてもらいたい」
「……俺はお前たちの味方はしないぞ」
「それは承知の上だ。ラクーンシティ事件を生き残った君の発言に意味がある」
「では、尋問を」
~証言開始【なぜアンブレラから鞍替えしたのか】~
①「俺は確かにならず者だ。アンブレラにスカウトされ、有事の際に動けるよう訓練してきた」
②「あの日、俺はU.B.C.S.の仲間たちと共にラクーンシティに溢れかえったゾンビから民間人を救出するために出動した」
③「みんな誰もゾンビの存在なんか信じてなかったさ。だが、いくら弾丸を撃っても立ち上がる奴らに信じざるを得なかった」
④「だが、ミハイル隊長率いる俺達の部隊はゾンビの襲撃を受けて壊滅した。あとから知ったが裏切り者のニコライ・ジノビエフの仕業だ」
⑤「あいつはアンブレラと繋がっていて、俺達とゾンビやB.O.W.に殺し合わせてデータを得る腹積もりだった」
⑥「俺達は隊長含めた数人だけ生き残り、助けた市民を駅に集めて地下鉄で逃がす計画を立てた。そんなときだ、ジルとアリサ、リサの三人と出会ったのは」
⑦「アンブレラの悪行を知らされ、市民の救助もある男の妨害により失敗。生き残った俺達はアンブレラに反旗を翻したってわけだ」
「話を聞く限り……悪いのはアンブレラとしか思えないのですが…?」
そうカルロスの証言を聞いた結論を述べる裁判長。さすがカルロスだ。ちゃんと順序を考えて事実を説明した。なんで検察側がこの証言を黙認しているのか知らないが、これなら逆転できるかも!
「では、尋問を。この証言に矛盾があるはず……そこを突けば突破口が」
「カルロス一応私たちの味方なんだが矛盾をつく理由はあるか?」
「なぜこの証言をガリバー検事が黙認しているのか。その矛盾こそが理由かもしれないんだ」
~尋問開始【なぜアンブレラから鞍替えしたのか】~
①「俺は確かにならず者だ。アンブレラにスカウトされ、有事の際に動けるよう訓練してきた」
「スカウト、というと?」
「俺は傭兵だった。南米某国で反政府共産ゲリラとして活動していた。政府軍に組織が掃討された後に、アンブレラ社からスカウトされて入隊したんだ。高額だったよ」
②「あの日、俺はU.B.C.S.の仲間たちと共にラクーンシティに溢れかえったゾンビから民間人を救出するために出動した」
「理由は聞かされなかったのですか?」
「原因不明のバイオハザードが発生したとしか伝えられなかった。それでも輸送ヘリによって市中心部へ30人ずつのチームに分けられた1個中隊約120名が投入された。本気が伺えたさ」
③「みんな誰もゾンビの存在なんか信じてなかったさ。だが、いくら弾丸を撃っても立ち上がる奴らに信じざるを得なかった」
「バイオハザードが起きたのにゾンビは信じてなかったと?」
「せいぜい凶暴化した市民としか考えてなかったのさ。今ほどゾンビが信じられてない時代だ。だが、相対すれば嫌でも痛感する。あれはバケモノだとな」
④「だが、ミハイル隊長率いる俺達の部隊はゾンビの襲撃を受けて壊滅した。あとから知ったが裏切り者のニコライ・ジノビエフの仕業だ」
「ニコライというのは?」
「腕は誰よりも立っていた嫌味野郎さ。嫌味はきついが、実力があるから誰も言い返せなかった。裏切り者だとは思わなかったが」
⑤「あいつはアンブレラと繋がっていて、俺達とゾンビやB.O.W.に殺し合わせてデータを得る腹積もりだった」
「それをどうやって知ったんですか?」
「地下鉄で脱出する際、アンブレラの刺客と思われる人間ダニエル・ファブロンが現れてな。調子に乗ってペラペラ全部吐いた。そのダニエルにはニコライも殺されかけていたが」
⑥「俺達は隊長含めた数人だけ生き残り、助けた市民を駅に集めて地下鉄で逃がす計画を立てた。そんなときだ、あの三人と出会ったのは」
「先ほど30人のチームがいたと言ってましたね。カルロスさん以外に生き残ったのは?」
「裏切り者のニコライと、俺の親友のマーフィー、タイレル。隊長のミハイルだけだ。あとは全員死んだ」
「あの三人というのは」
「ジル・バレンタイン。アリサ・オータムス。リサ・トレヴァー。前者の二人はS.T.A.R.S.で、後者の一人はその被告席にいるやつだ」
⑦「アンブレラの悪行を知らされ、市民の救助も妨害により失敗。生き残った俺達はアンブレラに反旗を翻したってわけだ」
「反旗を翻したとは……具体的には?」
「ウイルスのワクチンを手に入れて、アメリカ政府に渡してラクーンシティを救おうとした。だがその前に滅菌作戦が行われ、間に合わなかった。俺と生き残りのタイレルと隊長はジルと行動を共にしてアンブレラの悪行を調べていた。それがひと段落ついたからオルタナティブと合流したんだ。リサとは知り合いだったしな」
アンドー弁護士の尋問にどよめく傍聴席。カルロスはわかってないのか首を傾げている。
「S.T.A.R.S.のメンバーと知り合いだったのですか?」
「え、何か悪いか?ラクーンシティのヒーローだぞ。特にアリサとその相棒クイーン・サマーズのコンビは有名だった」
「まだ状況がわかってない様だなカルロス・オリヴェイラ。先ほどこの法廷では、S.T.A.R.S.こそB.O.W.やウイルスを生みだした黒幕であり、リサ・トレヴァーこそクイーン・サマーズと名乗っていたバケモノが姿を変えているものだという話になっているんだよ」
「は?なんでそんなことになっている?そもそもクイーンは……」
そう言って視線を弁護士側に向けてきたカルロスだったが、クイーンがひと睨みで黙らせる。ここにいるのはクインティア・モリアーティなのだ。さすがにそれがクイーンだと暴露されるのはこま………る。待てよ?使えるか、これ。
「さて、裁判長。ここで重要なのは、事実かどうかも怪しいアンブレラが黒幕という仮説ではなく。U.B.C.S.はアンブレラが本拠地としていたラクーンシティで起きたバイオハザードに対抗するために編成した組織で、私設部隊であるU.B.C.S.を派遣していた事実だ」
「だからそれは、俺達を殺し合わせるために…!」
いやまあ。アネットの頭を覗いてるから私たちは事故でウイルスが流出してしまって、アンブレラが直接の原因じゃないのは知っているからなんとも。洋館事件も事故らしいし、アンブレラの仕業だという証拠がないのが惜しい。
「わざわざスカウトしてまで編成し派遣した組織を犠牲にするわけがないと言っている。そもそも証拠はあるのか?そのニコライ何某に証言させるか?」
「いや、ニコライは……死んだ」
「殺したの間違いじゃないのかね?そもそも、何故君が生き残ったのか、君も実行犯の一人でS.T.A.R.S.及びオルタナティブの企みに加担していたからではないのかな?ニコライ何某はそれに気づいて殺された、の方がしっくりくると思うが?」
「なんだって…!?」
「アンブレラは私設部隊を派遣した。これは事実だ。潔白とまでは言い切れないが、アンブレラが悪ではないとわかっていただけたかな?」
「こいつ…!ふざけたことを抜かすな!」
たまらず、カルロスがガリバー検事に殴りかかる。しかしそれは、すました顔のガリバー検事の右手で受け止められた。
「なに?」
「凶悪犯を普段相手しているものでね。こういう荒事には慣れている。必要なことは証言してもらった。用済みだ。法廷侮辱罪で退廷してもらおう」
「くそっ、すまないリサ…!」
詫びながら連れてかれるカルロス。これはいよいよまずいぞ。
「次の証言はリサ・トレヴァー……被告人にしてもらおう。オルタナティブがなぜ作られたのか。君は何者か。潔白だというのなら証明してみせるがいい。もっとも、君の経歴は真っ黒だろうがな?」
「っ……!」
どこまで知っているんだ。このガリバー検事という男…!
逆転裁判風証言&尋問。弁護士と検事に差がありすぎますね。U.B.C.S.を派遣したのも事実だし、そもそもラクーンシティ事件も洋館事件も事故で起きてるからアンブレラの仕業っていうのも違う気がするから、多分原作の裁判も波乱があって五年間続いたんだろうなと。
ニコライも死んでるからニコライが悪だと証明する材料もない、というか関わった悪人アルテとアイザックス以外全員死んでるから証拠がマジでないのがつらいところ。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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