BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
地獄となった裁判所でのジェーンドゥーの暗躍。楽しんでいただけたら幸いです。
コツコツ、と屋根裏から廊下に降り立ったジェーンドゥーは裁判所内を堂々と歩く。既にパンデミックが起きてゾンビが蔓延る中を、悠然と歩く姿は堂々としたモデルの様で。しかしその実態はこの地獄を生み出した元凶そのものだ。
「フーンフフーフーン♪」
襲い掛かるゾンビを、鼻歌混じりに涼しい顔で取り出した金と黒で彩られた特注のガバメントで撃ち抜いていくジェーンドゥーは、探し物を見つけると腰を下げて微笑んだ。
「みーつけた♪」
それを手に取り、躊躇なく力強く口付けするジェーンドゥー。濃厚なウイルスを流し込まれてみるみるうちに変貌していくそれを満足げに眺めながら、背後から近づいてきたゾンビの頭部を見ないで撃ち抜いた。
「無粋な真似は、だ・め・よ?……いい感じになったわね」
「熱イィ………」
体温が異常に高いのか燃え盛る赤黒い炎に包まれた姿をしているそれを見て満足げに頷き、顎に手をやるジェーンドゥー。
「そうね、貴女の名前は……ハワイの火山の女神、ペレにしましょう。仲間を増やすわよ、ペレ」
「熱イナァ……」
何故か素直に言うことを聞くペレを引き連れ、群がるゾンビを蹴散らしながら悠々自適に歩くジェーンドゥー。ペレが長い腕を振るって火炎を蛇が床を這うように放ってゾンビを燃やし尽くしていく。
「もう用済みのオルタナティブはお片付けしなくちゃね?すべてはアンブレラの、た・め・に♪」
ガバメントの銃口から漂う硝煙をフッと吹き消したジェーンドゥーは次の目標を見つけて妖艶に笑った。
彼女こそアンブレラの隠し球。どんな組織にも売ることはなかった、アンブレラに忠実な最後の切札。彼女がいる限りアンブレラの破滅はありえない。最凶、最悪。悪夢を蔓延らせる
ビリビリと痺れながら、カルロスが外に目掛けてアサルトライフルを連射するのを眺める。あれはたしか、念のためバッグに入れて持ってきてた装備だ。アンブレラ相手だから万が一があると思っての指示だったけど、本当に起きたのか。しっかしびりびりするなぁ……私でこれだからネメシス動けないんじゃねこれ。
「他の奴らが応戦している!安全なところまで案内する!ついてきてくれ!」
「な、なにが起きているんです…?」
「クインティアさん、これは……」
「アンドー弁護士、裁判長。心して聞いてくれ。仲間によれば裁判所内でバイオハザードが起きた。ガリバー検事、裁判は後回しだ。まずはこの面子で脱出する」
「そのバイオハザードもお前たちの自作自演ではないのか?」
「貴様、ふざけるなよ」
「クイ…ンティア。意味ないわ」
こんな時でも構わず元気な姿で挑発してくるガリバー検事に殴りかかろうとするクイーンに、リサが呼び掛けて止める。……あれ。なんだろ、違和感。
「っ、ちっ。お前も庇護対象だ。運がよかったな、検事殿」
「ではエスコートをお願いしよう」
「ガリバー検事なんでそんな肝が据わってるんです…?」
アンドー弁護士がツッコむ中、ようやく回復したので浮かび上がってメンバーを確認する。この法廷内に死人はなし、傍聴人や裁判官たちは全員逃げれたらしい。バイオハザードが起きたなら生き残っている可能性少ないけど、それは外のメンバーが何とかしてくれていると信じよう。この場にいるオルタナティブは私、リサ、クインティアことクイーン、オメガ、グラ、ユウコ、ネメシス、カルロス。庇護対象はアンドー弁護士、ガリバー検事、裁判長だ。しかし、この中に私たちを攻撃してきたピンク色の長い何かの主が潜んでいる。恐らく、クイーンみたいに擬態ができるタイプだ。そうなるとオルタナティブだろうが関係ない。みんなを疑わなきゃいけない。この極限状況でだ。この情報は共有するべきじゃないな、私だけが気にしている方がいい。
「ネメシスはまだダウンしているか……この中だと一番力持ちなのは私ね。ネメシスは私が抱える。掩護は任せたわ」
リサがネメシスを背負いながらそう告げる。カルロスが懐からハンドガンを取り出しクイーンに投げ渡した。受け取ったクイーンはマガジンを取り出し弾数を確認、再装填する。
「よし、エヴリン。先導してくれ」
『任せて。どれどれ……っと。うわあ』
クイーンに言われて壁をすり抜けて状況を確認して、げんなりする。カルロスが撃ち殺してきたのだろうゾンビの死骸たちに群がるゾンビの群れがそこらかしこに点在していた。これ抜けるの骨だな。
『グラ、牙マシンガン用意。他に生存者見えないからぶちかましちゃえ』
「了解なのだ!」
グラに指示して、牙マシンガンで一掃。こちらに気付き牙の弾幕を抜けて襲い掛かってくるゾンビをクイーンとカルロスが撃ち、それも抜けたやつはオメガと友子が爪と糸で斬り裂いて首を飛ばした。その光景を驚き、怯えた様子で見るアンドー弁護士と裁判長。
「す、すごい……これが、オルタナティブ……」
「ほ、本当に味方なんですよね!?信じますよ!?」
「それはどうかな。こうして地に落ちた信頼を回復しようとしているのかもしれない。なにせバケモノだ、信用はできません」
「お前、助かりたいのかそうでないのかどっちだ」
この期に及んでディスってくるガリバー検事にクイーンがツッコみながら、先を急ぐ面々。とにかく、他のみんなと合流しないと。いや、生き残りを連れてもう外に出てるか。ディランがいれば猶更だ。
「エヴリン、どんな感じだ?」
『おかしい。なんか、ゾンビの死体が増えてきた』
「それは、他の奴らが倒したんじゃないのか?」
『腕や頭部がなかったり何かしら欠損してるのがいたかと思えば、燃えてる死体もある。他にも人骨が転がってることもあるし……』
「なにかがいるってことか。警戒するぞ」
「誰と喋っているんですかね…?」
「オルタナティブには目に見えない仲間がいるらしいですよ」
こそこそ話す裁判長とアンドー弁護士が見えたので、横に行って笑顔でダブルピースする。
『やっほー、ぴーすぴーす』
「こんな戯言をほざく奴など信用ならんな……」
『さっきまで首絞められてたくせに余裕だなあ』
「お前もさっきまで痺れてただろう」
『それはそう』
奇妙な死体が転がる廊下を進むしかない。先に行って、何がいるのかを偵察するかあ………。待って。なんでこんなレベルの奴がいるの?ひえっ、目が合った!やだ!慌てて壁を抜けてみんなの元に戻る。
「どうしたエヴリン、そんなに血相変えて」
『やばいのいる!それも、三体!』
「なんだって!?」
瞬間、凄まじい速度で高速で縦回転する何かが壁をがりがりと削りながら突進してきて。咄嗟に、前に出たオメガが斬り飛ばす。続けて、床を蛇の様に這う炎が襲い掛かり、ユウコが前に出て糸の壁で防御。いつの間にか背後に出現した巨体の伸ばした手を、グラが尻尾で弾いてカルロスが撃って攻撃。しかし巨体は弾丸を受けてもびくともせず、溶けるようにして姿を消す。暗くて全然見えないけど、やばいのはわかる。恐らく全員タイラント級だ。
「チュッチュッチュ……我輩、カーバンクルの牙を弾くとは、貴様天才だな!?」
そう壁に張り付いてオメガを指さすのは、理知的な雰囲気の四角いメガネをかけた、出っ歯の毛むくじゃらの少女。Tシャツ一枚だけ身に纏っていて全部隠れてるぐらいのかなり小柄だ。140㎝くらい…?
「熱イィ……ペレェ……」
そう廊下の先でぼやくのは、燃え盛る赤黒い炎に包まれた、手足が長く細く長い尻尾が伸びたシルエットの三メートルののっぽな巨躯を前傾姿勢にしている人型の……多分女?燃えててよくわからないけど照明が落ちてて暗い廊下がめっちゃ明るい。
「無礼者!我等の恩情をなんと心得る!だがこの我、ビビの闇の手を防ぐとは、中々の強者であるな。褒めてやる」
背後で実体化した最後の女はもうなんかよくわからない。灰色のコートとマント、手袋に身を包んだ細身のタイラントを思わせる女だ。燃えるやつほどじゃないけどタイラントぐらい大きい。黒真珠の様な肌と黒い白目に輝く金の眼はもう、中二病だなあという感想だ。
『気を引き締めて。ふざけてるけど、強いよ!』
「今の攻防で分かっている!」
クイーンが答え、ビビと名乗った奴のマントの中から出てきた鋭い爪と硬化した腕が激突した。
前方のペレ、横のカーバンクル、後方のビビ。ジェーンドゥーの刺客です。この短期間で変異させて、何らかの方法で従えてる模様。この時点でかなりやばいのがわかります。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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