BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はVSジェーンドゥー。楽しんでいただけたら幸いです。
様々な環境に広く生息し、繁殖力が強いことが特徴の哺乳綱齧歯目ネズミ亜目の小型哺乳類「ネズミ」はそこらかしこにいる。生まれてから3〜4週間ほどで性成熟し、6〜8匹ほどの子供を産むずば抜けた繁殖力と、仲間の失敗を学習して罠を避ける知能や、地震や火事を察して逃げ出す危険察知能力、最低限の環境さえ揃っていればすぐさま適応する適応力の高さと、電線をかじって漏電火災を起こしたり、ペストなど病原菌の主要な媒介者にもなりうる、害獣としてトップクラスのスペック。それ故に昔から『ゾウの天敵はネズミ』だと信じられてきた程だった。
非力な生物の代名詞とされることもあるがとんでもない。もし、ネズミが本当に弱い生物だったなら現在の地球上にネズミが大量にのさばってなどいない。人間の方がほんの少しだけ多くて覇権を握っただけである。そんなネズミのうちアンブレラのヨーロッパ支部を住処としていた個体が偶然RT-ウイルスの入った容器を壊して感染して誕生したのが、ジェーンドゥーだった。名前もそのまま、当時突然現れ正体不明だったために「
H.C.F.が蜘蛛に目を付けて研究をしていたのと同じ頃、偶発的に生まれたジェーンドゥーを、当時本部を構えていたラクーンシティが崩壊する真っただ中で余裕がまるでなかったアンブレラは、最後の希望として確保して調教した。飴と鞭である。アンブレラの言うことを聞けば待遇がよくなって、アンブレラに反することをすれば害となると教え込んだのだ。知能が高くそのことを学習したジェーンドゥーはすぐにアンブレラに忠誠を誓い、あれよあれよと弁護士の地位を獲得し的確な弁護や邪魔者の始末などでアンブレラを破滅から救った。アンブレラの上層部しか知らないアンブレラの切札はこうして生まれた。いわばジェーンドゥーは、アンブレラの救いの女神だった。
「お前が黒幕なら、倒せば終わりなのだ!」
『だめ、グラ!』
「あら、やる気?アナーヒタ・ウェスカーのお気に入りでも容赦しないわよ?」
ジェーンドゥーを名乗ったネズミ女に、間髪入れずグラが大口を開いて突撃。しかし作戦になにもあったものじゃないただの突撃であるそれは、高速で足を振り上げたジェーンドゥーに顎を蹴り上げられたことで失敗に終わる。天井に頭から埋まったグラはギャグみたいだが、それだけで瀕死だった。RT-ウイルスやT-ウイルスの濃度が違う。こいつ、純粋に身体能力も高いぞ。
「しぶといわねー。お片付けしないと」
「ラムダ!」
ガバメントを構えたジェーンドゥーが倒れ伏したラムダの頭部を目掛けて発砲。同じハンター故か、オメガがラムダを抱えて回避する。息はあるが、致命傷だ。これ以上の傷を受けたら命に係わる。
『クイーン!みんな!ラムダを生かして!大事な証人だ、ジェーンドゥーは死なせて全部なかったことにするつもりだ!』
「大当たりよお嬢ちゃん。貴女がエヴリンね。よくもアンブレラを引っ掻きまわしてくれたわねー。私の頭脳が貴女さえいなければ全部うまく行ってた、って言ってるけどあってる?未来人さん」
『……なんでわかるのか知らないけど、はずれかな?私がいてもいなくても、アンブレラは滅んでいたよ』
未来人だと言い当てられたのは驚いたけど、クイーン達には知られているから問題ない。それに、私が来なくても正史ではアンブレラは滅ぶのは間違いない。
「あらそう。なら、そんな未来、いらないわ!」
「アンブレラが滅ばない未来の方がいらないよ!」
ユウコが異形の蜘蛛を思わせる形状に変異させた両腕を胸の前でクロスし、振り下ろした勢いで五指から糸を伸ばして廊下を斬り刻んでいく。しかしジェーンドゥーは涼しい顔で身を縮こませたりイナバウアーしたり腰を突き上げた四つん這いのネズミの様な体勢で回避しながらユウコに接近。背中から伸ばした蜘蛛の脚が叩き込まれるも宙返りで回避し、縦回転。強烈な踵落としを頭頂部に叩き込んでダウンさせてしまった。
「ぐふっ……」
「はぁい、次♪」
「すたぁず…!?」
そのまま距離を詰めてきたジェーンドゥーに、私たちを守るように立ちはだかったネメシスが拳を振り下ろすも、拳を尻尾で貫かれて受け止められる。肘まで貫通した尻尾にネメシスは悲鳴を上げ、そのまま尻尾だけで振り回され壁に投げつけられ、壁に埋められてしまった。細長い尻尾なのにどんなパワーだ。
「パワーなら、負けないわよ!」
「あーらら。真っ向勝負する気は私にはないの」
リサが擬態を解いた右腕を叩きつけるも、ひらりひらりと軽やかな動きで回避するジェーンドゥー。そのまま素早い後ろ歩きでお辞儀する様に粉塵に紛れて姿を消した。
『リサ、気を付けて!ラムダも裁判長もアンドー弁護士も守らないと!』
「そう言われても、どこに…んんっ!?」
「ぷはっ。ごちそうさま」
腕を振り回していたリサの背後からジェーンドゥーが出現。振り向いたリサの唇を奪い、濃厚な口づけを交わした。思わず顔を押さえる。イーサンとミアで慣れているとはいえ子供なんだぞー!……チラ見。顔を赤らめたリサが倒れ伏して痙攣しており、ジェーンドゥーは姿を消していた。
『リサ!?この感じは……ラクーンシティでネメシスにやられた時のアリサと同じだ!多分、高濃度のT-ウイルスを流し込まれたんだ!適応に時間がかかるよ、クイーン!』
「へえー。適応しちゃうのね。厄介だわー。私の濃厚ウイルスキスが実質効かないなんてひどいじゃない」
『情報筒抜け!』
「喋るからだバカ!」
「んんー!?」
クイーンと言い争っている間に、口を塞がれた悲鳴と共にばたりと倒れる音。今度はオメガが顔を真っ赤にして目を回して倒れ伏していた。愛娘みたいなオメガがやられて怒り狂う私。
『なんてことを!この子はまだ子供みたいなもんなんだぞ!
「オメガももう出会ってから五年たってるだろ……」
『実質五歳!いやその前から活動してたけどどっちにしてもまだ子供ー!』
「失礼しちゃうわねー。私だって実質五歳よ?」
『猶更アウトだよ!?』
声だけ聞こえてきたのでツッコむ。アンブレラもどういう教育してるんだ。ヘカトちゃんとかもそうだったけど情操教育おかしいだろ。でもやばいぞ、このまま今戦えるクイーンとカルロスまでやられたら全滅だ。グラとネメシス天井と壁に埋まってから身動ぎしかしないし!無理矢理入って合体するしかないかこれ。
「卑怯者!出てこい!」
「はいはーい。出てきて、あ・げ・る♪」
「ぐあっ!?」
裁判長とアンドー弁護士を守るように立ってアサルトライフルのライトを粉塵に向けるカルロスの目の前に、天井に這っていたのかスタッと着地するジェーンドゥー。そのまま尻尾だけ動かしてアサルトライフルを弾き、胸ぐらを掴んで引っ張り、キスしようとする。カルロスは人間だ、高濃度のウイルスなんて移されたら終わりだ。
「させるか!」
「おっとー。なら、貴女からよ!」
それを、粘液糸を右手から伸ばしたジェーンドゥーの右手にくっつけたクイーンが引っ張って阻止。しかしジェーンドゥーは引っ張られた勢いのまま跳躍、クイーンに両足でがっしりとホールドして腕を拘束すると、驚いているクイーンにそのまま口づけした。やばい、やられた……あれ、待てよ。確かクイーンって……。
「……あら?」
全然ダウンしないクイーンに訝しむ様にいったん口を放して首を傾げ、もう一度口づけするジェーンドゥー。それでも効かなくて困惑している中。擬態をいったん解いてヒルの塊に戻ることで拘束から逃れたクイーンは卍固めの形でもう一度クインティア・モリアーティに擬態してジェーンドゥーを逆に拘束してしまった。
「あいたたたたああ!?ギブ、ギブ!」
「生憎だったな。私は群体だ。ヒルの一匹だけ濃厚感染しようが拘束されようが関係ない!」
『天敵ってやつだねえ』
そこらへんは普通に生物なのか、卍固めにされて痛がりギブアップするジェーンドゥー。まあ逃がす理由はないのでそのまま続けるクイーン。すると、炎が放たれて炎に弱いクイーンはヒルにばらけてしまい、ジェーンドゥーが解放されてしまった。先ほどネメシスから尻尾を巻いて逃げ出したペレだった。ビビに、カーバンクルもいる。その中央でジェーンドゥーは髪をかき上げ余裕の表情で妖艶に笑う。さっきまで涙目で痛がってたくせに。
「私はネズミの女王。この子達は私の意のままに動くの。それに炎に弱いみたい?形勢逆転ね、クイーン・サマーズ」
「クイーン・サマーズですと!?」
「気にするな裁判長。それより自分の命を大事にしな」
ジェーンドゥーの言葉に驚く裁判長を庇う様に立つカルロス。そりゃリサの正体とか言われてたクイーン・サマーズが普通にそこにいたって知ったら驚くわな。でも駄目だこれ。ただでさえ強いのに、タイラント級が三体も追加されちゃった。ジェーンドゥーがいるからさっきみたいに脅かしても逃げないんだろうし、どうしよう。そう思った時だった。
「ふざけんなよ……クソアマ!ギルタブリルⅤ2!」
「任務、受諾」
いつの間にかラムダが起きていて、壁に寄り掛かって立ち上がっていて。呼びかけと共に、壁を粉砕してギルタブリルが現れる。そういやそいつがいた!ラムダが操作できるのか!ギルタブリルはそのままネズミB.O.W.三体を相手取り、ジェーンドゥーもレーザーを回避するのにかかりきりになる。
『今だ、クイーン!撤退!』
「カルロス、撤退するぞ!グラとネメシスにユウコ、あとリサとオメガを……いや無理か…?」
「私なら、大丈夫だよ…」
ユウコが起きて。ダウンしている四人と…しょうがないからラムダを連れて、裁判長とアンドー弁護士を引き連れ私たちはちょっと離れたところの部屋に雪崩れ込むのだった。さて、どうしよう。困ったことに本当に強いぞ…?
ノリがちょっと初期っぽくなった。
濃厚なT-ウイルスとRT-ウイルスを内包している故の身体能力に、尻尾やガバメントを駆使した攻撃。そして普通の人間ならまず助からないウイルスキス、とかなり凶悪なB.O.W.に仕上がりました。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きなマヌエラ編オリジナルB.O.W.は?
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