BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。昨日は久々にエヴレム以外を投稿してました。他のも書いていきたいんだけどやはり勢いが強いこれが描きやすい。

今回はオルタナティブ二大戦力VS実は一番厄介なビビ。楽しんでいただけたら幸いです。


fileUC:14【オルタナティブの首魁、そして切札】

 アトラナートの力を受け継いだ鳴雲友子は、南極から帰還した後も上司である幹部たちB.O.W.にしごかれながら、己の使える能力を模索していた。クトゥガとの決戦時には引き出せた力も、思う様にいかない。エヴリンからは「理解度が足りないからだ」と言われた。それはそうだ。友子はロイタラー以外と顔を合せなかったためろくな面識がない。それに、ロイタラーは意思疎通すら難しかった。だから友子は、エヴリンに教わって自らの内に語り掛けることにしたのだ。〝力”としてとあるネットワークから自らを見守っている、先達に。

 

 

【( ゚Д゚)】

《「アンビリバボー!この世界の創造主から教わったとはいえまさかここに来れるとは!」》

 

「アトラナート様の力を受け継いでおいて、なんたる体たらくだ貴様」

 

「喧嘩売るのはやめろラフネック」

 

「……ちっ。アトラナートを受け入れたお前が俺達に何の用だ」

 

「ケケケケッ、中々可愛いじゃない?」

 

 

「友子。なんでも言って。私たちは、なにがあろうと貴女の味方だよ」

 

 

「……私は、みんなを侮られたくない。そのために、お願い。使い方を教えて」

 

 

 そうして、オルタナティブの〝切札”は誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リサと友子と裁判長のチームは、ジェーンドゥー軍団の視線を掻い潜りながら、ネズミB.O.W.を探していた。電気室やペレを目指していた他の二チームと違い、目標がない。強いて言うなら裁判長を守ることだろうか。

 

 

「安全な部屋なんかはないわ。一度、外にいるであろう他のメンバーと合流して裁判長を預けたいところだけど」

 

「多分、無理だね。ジェーンドゥーたちがもう塞いでいると思う。何ならもう既に外で暴れているかも……」

 

「そんなぁ……」

 

 

 リサと友子の言葉に、嘆く裁判長。これでもエヴリンは、裁判長が一番重要で失ってはならないと考えたため一番実力を信用できる、地獄を息抜き怪物たちのヒエラルキーのトップに立っていた経験を持つリサと、オルタナティブが束になってようやく勝利できた怪物アトラナートの力を受け継いだ友子の、つよつよコンビに任せたのだ。むしろこの場所で一番安全まである。

 

 

「そんなお荷物抱えていて、大丈夫かしらあ!」

 

「見つけた、見つけたわ!」

 

「かくれんぼが上手いわねー!」

 

「来た。私が……」

 

「いや、私にやらせて。……ソーカ・ソーダース、ジェーンドゥー。貴女がアンブレラを不起訴にしてくれたおかげでね、こちとらストレスが溜まってるのよ!」

 

 

 獣人ジェーンドゥーが三人、素早い動きで駆け抜けて廊下の角から顔を出し、突撃。蜘蛛脚を展開し前に出ようとする友子を手で制し、あくどい笑みで背中の触手を展開、三本ずつ触手を点滴でも打つかの様に突き刺した両腕の擬態を解いて、長いそれを地面につけるゴリラのナックルウォークの様な体勢で身構えるリサ。そのまま両腕を振り上げたかと思えば、勢いよく床に叩きつけた。

 

 

「そんなこけおどし…!?」

 

「がはあああっ!?」

 

「で、でたらめすぎる…!?」

 

 

 瞬間、メキメキメキ!と前方の床が扇状に隆起して、瓦礫の杭となって獣人ジェーンドゥーたちを串刺しにして持ち上げ、天井に叩きつける。瓦礫の杭と天井にサンドイッチにされたジェーンドゥー三体は、絶命した。触手で突き刺すことで補強した腕の筋力を上げたことで使える、めったに出さないリサのフルパワーによる惨状だった。

 

 

「ひええええええっ!?」

 

「はえ-……さすがオルタナティブのリーダー。本気、初めて見たよ」

 

「……この先にはもう進めないわね。引き返して別の道を進みましょう」

 

 

 悲鳴を上げ、完全に腰が抜ける裁判長。呆けてジェーンドゥーたちの末路を見上げる友子。恥ずかしそうに擬態して元の一見清楚なワンピースの令嬢姿に戻るリサ。振り返って、首を傾げる。今進んできたはずの通路が、なかった。黒い壁が代わりにできていた。

 

 

「……壁?」

 

「素晴らしい。なんたる力か。我が創造主の分身をああも簡単に滅ぼすとは、恐れ入った」

 

 

 高圧的な女の声が響く。四方八方から聞こえるその声に、動けない裁判長を囲んで背中合わせに身構えるリサと友子。触手と蜘蛛脚を背中から展開して臨戦態勢だ。

 

 

「だがしかし、相性というものは存在する。本能は逃げろと言っているが、我等の過半数が我が勝利を確信している。逃げる理由はどこにもない」

 

「どこにいるの?姿を見せなさい」

 

「お前たちはネズミ(我ら)を侮りすぎた。時間を与えた時点で我らの勝ちよ。お前たちは既に、我らの(はら)の中だ!」

 

 

 

 瞬間、壁が。天井が。瓦礫の杭が。そして目の前の黒い壁が、一斉に崩れた。それはすべて、漆黒の鼠。ペストの病魔の名を冠する〝ビビ”に変異したネズミたち。それが、千匹以上。壁や天井から忍び寄り、三人を包囲していたのだ。

 

 

「カーバンクルは「知能」ペレは「病魔」そして我らが司るは「繁殖」なり!我らはすべてが雌雄同体の〝つがい”!二匹さえ残れば、我らは無限に増え続ける!我らは災厄の化身!無限に広がる闇そのもの!そして我らは創造主へと、生贄を捧げ続ける!我らが創造主へと転生を果たすのだ!我らが在る限り、ジェーンドゥーは不滅なり!」

 

 

 それがリサと友子と裁判長を津波の様に飲み込んだビビの正体。繁殖し続けるべく雌雄同体となったネズミのB.O.W.の群れの統率意思。そしてそれは、増え続けた傍からジェーンドゥーへと変異を果たす。それが、ジェーンドゥー軍団の正体。ネズミの最も厄介なところ。繁殖力に特化した怪物だ。さすがに繁殖を続けるためには餌が必要でありそのために共喰いもしているため実は効率が悪い。

 エヴリンがいたらバイバイン、を連想するだろう。皮肉というべきか、ネズミが天敵である猫型ロボットの未来の道具であり5分ごとに2個→4個→8個→16個→32個→64個…と増えていき、1時間後には4096個に、2時間後には1677万7216個に、それからわずか15分で1億3421万7728個になってしまう栗饅頭が地球を覆い尽くす瀬戸際だった物語である。

 それには劣るが、それでも十分な速度。たった一時間足らずでここまで繁殖するビビが、ネズミ算式で地球を覆い尽くすのは時間の問題だ。ジェーンドゥーに変異したら繁殖こそできなくなるが、結局鼠を変異させることは可能なので何の慰めにもならない。なんなら、普通に脅威だった同系統のカラスであるモリグナより性質(たち)が悪かった。そして本来餌になるしかないそれに、真正面から戦う二人がいた。

 

 

「ロイタラーの、押し通す力!」

 

「ひ、ひえええええっ!?」

 

 

 裁判長を抱きかかえながら、蜘蛛脚のみでビビの群れをかき分けて飛び出したのは、人面巨蜘蛛ロイタラーの〝押し通す力”を引き出した友子。同時に、ビビの群れが吹き飛ばされる。両腕を振り回して片っ端から薙ぎ払うリサだ。

 

 

「リサ!裁判長をお願い!」

 

「任せなさい!」

 

 

 それを見た友子は、空中から裁判長を投げ渡し、それを触手でキャッチしたリサは触手で巻き付けておんぶの様に裁判長を背負いながら、両腕を振り回しながらネズミの群れをかき分けていく。圧倒的なフィジカルに、後回しにしようと断じたビビたちが狙うのは、空中で身動きが取れない恰好の餌である友子だ。

 

 

「飛んで(はら)()る夏の虫!」

 

「私は確かに蜘蛛だけど、ただの蜘蛛じゃないよ!パペッティアの、操る力!」

 

 

 先程はエヴリンの力を借りて行使した、本来は他者を操るパペッティアの能力。ただこの力は応用がある。自らを操演人形の様に操ることで可能な空中移動だ。宙を舞い、壁や天井全てを覆い尽くして包囲していくビビの中心の空中に立つ友子。

 

 

「魔法でも使えるのか貴様!だが無駄だ、我らの胎からは逃げられない!」

 

「そうみたいだね…でも」

 

 

 どんどん覆い尽くされていく中で、友子は優れた視力でまだ覆い尽くされていない遠くを見やる。包囲を抜けさえすれば、なんとかなる。アトラナートから託された力だ、無様には、使えない。

 

 

「ポリポッドの、速き力!」

 

「神速が如き動きだと…!?」

 

 

 意を決して床のビビの群れに飛び込み、蜘蛛脚をシャカシャカ動かして高速で移動し蹴散らしていく友子。ビビは追いすがろうとするが、触れることすらままならない。進路上の足元にいたビビたちは蜘蛛脚に貫かれて無残な姿となっている。それでも増え続ける。だから負けないという確信が、ビビにはあった。抜け出せても、この数はどうにもならないと……だがしかし。アトラナート一派には、肉だろうが機械だろうが繋ぎ留めて肉体を紡ぎ続ける天才がいたのだ。

 

 

「我が闇に呑まれろ!」

 

「ジャンブルの、紡ぐ力!」

 

 

 津波の中から巨大な人型の形状を形作り、友子に手を伸ばすビビ。しかし、両足で床を踏みしめ、背中の蜘蛛脚を四本から八本に増やし、両手の五指と共に先端から蜘蛛の糸を飛ばす友子。計18本の糸は、ビビに突き刺さる傍から枝分かれして伸びて、バラバラだったビビたちを糸で繋ぎ、一つの塊に紡ぎ上げる。

 

 

「き、貴様…我らを一つに!?」

 

「もう逃げられないよ。……ラフネックの、斬り裂く力!」

 

 

 そして、八本の脚がラフネックの様な剛腕に変形し、それぞれの五指から糸が伸びて、5×10の斬撃が渦を巻いて、ビビたちを斬り刻んだ。一瞬のうちにすべての個体が一刀両断されたビビは、信じられないという表情を浮かべながら、その身体を崩してボロボロと崩れていく。急激な繁殖が祟ったのだろうか。塵となって崩れ落ちたビビの最期に残ったのは、ちっぽけな両断された漆黒のネズミの死体だけだった。

 

 

「さすが、我がオルタナティブの切札、といったところかしら。ユウコ」

 

「ビビの言うことが本当なら、これでジェーンドゥーはもう増えない。みんなに伝えに行こう、リーダー」

 

 

 後方で目を回している裁判長を背負いながら腕を組んで見ていたリサに、そう進言する友子。オルタナティブが誇る二大双璧の前に、災厄の化身ビビ、敗北。

 

 

 

 

 

 

「くっ……二匹ぐらい、隠れときなさいよ……」

 

 

 それを見ていたジェーンドゥーの一人が、踵を返して走っていった。




カーバンクルが「知能」ペレが「病魔」ビビは「繁殖」。ネズミの三大厄介さを司る三匹でした。ジェーンドゥーが無尽蔵に増えてた理由がこれ。

しかしリサと友子という反則まがいの二人には勝てませんでした。南無三。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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