BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はテラグリジアの主人公たるパーカー視点。楽しんでいただけると幸いです。
テラグリジア。ヨーロッパ側は気候変動対策、アメリカ側はアフリカ大陸の電力供給戦略という目的から米国政府とヨーロッパが共同で建設した巨大海上都市であり、建設に11年の歳月と膨大な資金を投じ、当時最新鋭のインフラ施設を有しており最大の特徴として、人工衛星「レギア・ソリス」を介した太陽光集積システムが存在。都市部には各所に発電用プラントとしてのソーラーパネルが配置されており、「レギア・ソリス」を中心とした新世代システムを用いた地球環境を配慮した海上都市という事もあり、建設段階から世界の注目を浴びた。
そんなテラグリジアの開発に反対していたのが過激派テロ組織とされた〝ヴェルトロ”だったのだが、BSAAに入ったことでノーマン達はテラグリジア建設を見守ることにしたため、妨害らしい妨害は行われなかった。実際、テラグリジアがちゃんと地球の環境に配慮したシステムを構築していたのもノーマン達が諦める理由となった。
しかし、2004年。突如として復活した〝ヴェルトロ”がテラグリジアを完成させた報復として、ウイルスを搭載した
これに対処すべく動いたのは、FBC。テラグリジアにおけるテロについては通常のテロにおいては欧州連合とアメリカには同等の権限があると定められていたものの、唯一バイオテロに関してはFBCが対処を主導するという事になっていたことにより、FBC以外の機関は事実上締め出される事になっていたが、バイオテロに関しては独自の権限を持つBSAAもオブザーバーとして代表のオブライエンを含めた部隊が出動していた。
しかし、脅威はそれだけではない。リ・ヴェルトロを名乗った人物もそうだが、それ以外に四体のガスマスクをつけた怪物が、テラグリジアの人間を蹂躙していた。ハンターたちの司令塔であるらしき、ヴェルトロの構成員と思われる者たち。
一つは、二人一組の女。報道ヘリを最初に撃墜した張本人であるこの二人は、地獄の中を優雅に舞いながら指示を行い、出くわしたものを惨殺していく。運よくFBCの兵士が片方の頭を吹き飛ばしたかと思えば、もう片方の相手をしている間にいつの間にか復活してコンビネーションで封殺される。
一つは、全身に貝の様な甲殻を持つ大男。人間を見つけたら問答無用で貝の様な掌で挟み込んで圧殺、ひき肉にしてしまう。自動車で逃げようとした家族すら、自動車ごと四人纏めて一つの肉塊にされてしまった。しかもこの甲殻、弾丸すら弾いてしまう戦車の様な大男だった。
一つは、テラグリジアを炎上させた張本人である、全身チューブに縛られているような容姿の年端も行かない少女らしきガスマスクの人物。両手から炎を噴出し、自分やハンターたちが巻き込まれることも厭わず火の海にしてしまう。ハンターや人間が燃えるのを見ながらうっとりと頬擦りしている様は人々を恐怖に駆り立てた。
「はあ、はあ……パーカー、早く閉めて!」
「わかっている!」
テラグリジアの中心にそびえる一番高いビルに逃げ込み、追いかけてくるハンターπを撃ち抜いて止めている間に扉の鍵を閉めたのは、FBCのエージェントである二人。髭を伸ばした男パーカー・ルチアーニと、髪を短く切り揃えた女性、ジェシカ・シェラワットだ。
「倒しても倒してもきりがない!……ここは地獄か?」
「ええ……〝テラグリジア”という名のね。ラクーンシティが壊滅して発足された私たちFBCが初めて出くわした大規模バイオテロだけど、できれば起きてほしくなかったわ!」
言いながら、曲がり角から飛び出してきたハンターαを咄嗟に長い足で蹴り飛ばし、ハンドガンの銃口を叩きつけるように口に咥えさせ、脳幹を撃ち抜くことで停止させるジェシカ。
「ハンターがこのビルにも…!」
「このままじゃ本部も持たないぜ。援軍がいる、俺達だけじゃ……仮説本部のこのビルに逃げれたはいいが、一緒に戦ってた他の連中は今頃……」
「ここもいつまでもつかはわかないわ。ハンターとその人型はともかく、なんなのよあのタイラントと……あのバケモノは」
文句を垂れながら荒々しくエレベーターのボタンを叩くジェシカに、パーカーも頷く。その髪と装備がちりちりと焦げていた。
「同感だ。指令室に一時退避しよう。あいつのことも報告しなければ」
「そーれ、だーれのことー?」
「「!」」
瞬間。地獄に似合わぬ陽気な声と共に、出入り口の鉄の扉が赤熱したかと思えば一瞬でぶち抜いて、火炎が壁を焼いた。途轍もない高熱であるそれの縁に手で触れて乗り越えてきたのは、パーカーとジェシカと行動していたFBCの部隊を全滅させたバケモノ。
「アッハ!逃がさないよー?」
「バケモノめ…!」
背中にガスボンベを背負い、そこに突き刺さっているチューブ状の触手が両腕から二本ずつ伸びていて、黒いスカートで素足を露出した戦闘服に身を包んだ全身がそのチューブ状の触手で縛られているかのような煽情的な姿のガスマスクの少女。その両手に開いた風穴から炎を噴出し、瞬く間にエレベーターまでの通路を燃やして、自らも炎に包まれることすら厭わず炎上させていく。
「バケモノはひどいなー。私にはバルバリシアって名前があるんだけど。可愛いでしょ!」
「何が可愛いもんか!お前は、俺たちの仲間を殺した!そのガスマスク、ヴェルトロだろう!お前らはどこまで奪えば気が済むんだ!」
「えー?あの人たち、幸せだったと思うよー。炎に飲まれると、息ができなくって興奮して、あったかいんだよ?知ってた?知ってた?私、だから炎大好き!燃やすのも燃えるのも大好き!」
「なら、勝手に燃えてろ!」
残弾数6発のハンドガンを構え、撃ちながら突撃するパーカー。ジェシカだけでも本部のある上階に行かせよう、という目論見だ。バルバリシアと名乗った少女は全身のチューブから飛び出した炎を纏って弾丸をものともせず両手を掲げて火炎放射を行い、パーカーを焼き払う。ローリングで何とか火を鎮火させたパーカーはナイフを引き抜き斬りかかるも、炎を纏って赤熱した右手で刃を受け止められ、ドロドロとナイフが融解。パーカーは胸ぐらを掴まれて持ち上げられ、炎が放たれ炎上する。
「ぐうああああああっ!?」
「私はねー、チューブワームの遺伝子をベースに改造してもらったんだー。知ってる?海中火山近くに生息している生物でー、熱耐性が高いの!私の体にーこのチューブを通じてー直接ガスを通してー炎を使ってるんだよー!可愛いよね!」
「パーカー!」
パーカーの身を案じたジェシカがハンドガンを手に戻ってきて。その弾丸を炎で受け止めて、パーカーを握っていない左腕を向けて火炎放射を行うバルバリシア。炎の熱風に吹き飛ばされて壁に叩きつけられるジェシカ。チン、とエレベーターの到着を告げる音が鳴った。
「あ、エレベーター呼んでくれてたんだ!手間が省けたよー!この上に生き残りが集まってるんでしょ?」
「ま、て……」
歓喜するバルバリシアに燃えたまま投げ捨てられ、それでも脚に縋りついて止めようとするパーカー。バルバリシアはめんどくさいと言わんばかりに落胆した動きを見せると、ガスマスクに覆われた視線をパーカーに落とす。
「じゃまなんだけど。もっとお熱くいきたい?」
「穿水!」
すると、エレベーターの方から水流が放たれてパーカーを燃やしていた炎が消火。その水はそのまま勢いを増してウォーターカッターの様になり、バルバリシアの胸を穿って吹き飛ばし、壁に叩きつける。呆然とするパーカーに手を差し出したのは、蜘蛛の巣の様な意匠のコートに身を包んだグラデーションが目立つ髪の人物。
「FBCだな?BSAAのクインティア・モリアーティだ。救援に来た」
登場、バルバリシア。チューブワームの遺伝子を用いて生み出されたB.O.W.です。P-ウイルス由来だと自滅するやつ。自分ごと炎上させる狂人です。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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