BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はそんなチェイスな話。楽しんでいただけると幸いです。
ゴロン、ゴロンと。テラグリジア間の移動に欠かせないハイウェイを、異様なものが爆走していた。それは、殻がいくつも重なり合って縦になった五メートルはある巨大な青紫色のオオシャコガイの様なものであり、ハイウェイを使って逃げようとしている自動車を真っ二つに引き裂き、中の人間を轢き潰していくそれは、リ・ヴェルトロの一員。
「ひき肉……ひき肉いっぱぁい……!」
オオシャコガイの遺伝子を用いて改造された大男、ルビコッコだった。その名は「リビアの台風」を意味する。文字通り獲物を見つけたら衝動的に引き裂く台風のような存在だった。もう既に三周ぐらいしているルビコッコがいる限り、ハイウェイからの脱出は不可能だ。なんならテラグリジアの外に繋がっている橋を既にルビコッコが叩き潰しているため、ハイウェイはもはやただ走ることしかできない処刑場だった。
「見つけた!降下するぞ!」
そんな存在の真上を通過するのは、BSAAの文字がボディに記されたカーゴヘリ。空を飛ぶ獲物に、ルビコッコは腕を開いてストッパーにして急停止。貝殻が開き、開いた貝の中から四肢を飛び出せた、両腕に一枚ずつ貝殻が腕を覆う様につけられたずんぐりむっくりな巨体が、ガスマスクに包んだ顔を出す。薄い茶色の肌は貝柱なのだろうか。ごつごつとした見た目に反して柔軟に動いて、腰を捻ることなく近くの車体のスクラップを拾い上げ、ヘリ目掛けて投げつける。
「危ないな…!…よし、行ってください!プサイさん!」
華麗に回避するヘリを操縦するのはカーク・マシソン。BSAAに再編成されてから加入した優秀なヘリパイロットである。回避した後に体勢を立て直し、後部を道路に近づけるカーク。すると後部ハッチが開き、伸縮式のマシンタラップが展開。さらに空気駆動式のカタパルトによって、後方へと押し出して、バックの状態でも減速することなく発進を可能としたそれ……明かに改造してあるバイクが、ヘリの後部ハッチから飛び出し、車体をルビコッコに叩きつけ、その勢いで跳ねてハイウェイに着地する。
「ぐおおおおっ!?」
「来るがいいでござる!」
ヘルメットも被らずバイクの上から挑発するのは、太いふとももが露出した和風のノースリーブとミニスカートのような服をインナーの上から纏って、首に青いマフラーを巻いた黒髪をポニーテールにした少女、プサイ。最近、なにやら興奮していたエヴリンがおすすめした某特撮を視聴してバイクに目覚めた日本オタクである。
「ひき肉にしてやるぁああああっ!」
「行くでござるよ!」
柔軟な体を折りたたみ、巨大な貝形態になってゴロンゴロンと転がってくるルビコッコに対し、プサイはアクセル全開でウィリーしながら発進。改造されているがためにトップスピードが350kmを誇るバイクを巧みに運転して車間を駆け抜け、時にはスクラップとなって転がっている車体をジャンプ台替わりにして跳躍、着地して突き進む。
「プサイさんを援護しろ!」
「「「「おおー!」」」」
さらに、その上空を飛ぶヘリの後部ハッチから、バイクの整備などでプサイについてきていたBSAAの人間たちがひょこっと顔を出してロケットランチャーを構え、次々と発射。ルビコッコに炸裂させて妨害するが、少しスピードが落ちたぐらいで止まらないルビコッコ。さらにはどんどんスピードが増してきたルビコッコが、ロケットランチャーの衝撃で砕けたのか追走しながら放つ貝殻の破片の刃を飛ばしてくる攻撃を、プサイは道路を大きく迂回して回避、自分の頭目掛けて飛んできたものはスピードを維持したまま車体を横に傾けて回避する。
「こっちでござる!追いつけるでござるか!?」
「なめるなあああああ!!」
分かれ道に来たところで、ハイウェイが続く方ではなく街中に向かう道を選ぶプサイ。その挑発に乗ってルビコッコが追走する。車が至る所に停められ放置された道路を、車間を縫って突き進むプサイ。車を引き裂き踏み潰しながら迫るルビコッコ。プサイは右手で運転したまま爪が目立つ左手を伸ばし、車体からドアを引きちぎるとそのまま高速で回転させながら投擲。しかしオオシャコガイの殻を持つルビコッコはびくともせず弾き飛ばし、空に打ち上げる。
「なにかしたかああああ?」
「生半可な攻撃じゃ通じないのは予想通りでござるな」
その様子をちらっと確認し、車体を傾けて十字路をスピードを落とすことなく右に曲がるプサイ。ルビコッコは左腕を出してアスファルトを突いて自らの体を傾けると、そのままスピードを落とすことなく右に曲がって追走する。しかしそれは罠だった。
「待ってたよ!」
そこにいたのは、ビルとビルの間に張り巡らされた蜘蛛の巣の上に某蜘蛛男の様に頭を下にして脚を上にした体勢で掴まる友子。あらかじめ知っていてここまで誘導したプサイは車体を斜めにしてスライディングの要領でわずかな下の隙間を潜り抜けて回避したが、ルビコッコは対応できずに蜘蛛の巣に突っ込み、ネットの要領で捕縛されてしまう。慌てて変形して手足をばたつかせるも、蜘蛛の巣が絡みついて離れない。プサイはバイクを止めてその様子をうかがう。
「さっきの合図のおかげでタイミングがわかったよ、さすがプサイさん」
「咄嗟に扉を打ち上げさせたがよかった、気付いていたでござるな」
「おまえら……いつまで勝った気でいるんだあ?」
瞬間。両手の貝殻を打ち付け合ってひび割れさせて、鋭い爪の様にしたルビコッコが拘束から脱出。そのままラリアットの要領で両腕を振り回して糸を引き裂き、車を打ち上げ爆散させながらプサイと友子に迫るが、友子は糸をビルの上に伸ばして退避。プサイは何を思ったのかバイクから飛び降り、しかし右手は左ハンドルを握ってブレーキを握りながらエンジンをふかし続ける。
「お前もひき肉の仲間入りだああ!」
「させるか!」
そのまま貝の爪を振り上げるルビコッコの両腕を、ビルの壁面に張り付いた友子が糸を伸ばして拘束し、動きを止めるがしかし、あまりの馬鹿力に引っ張られ落とされ、慌てて壁面に掴まる。
「逃げて!プサイさん!」
「逃げる?サムライなら、逃げないでござる!」
「うがあああああっ!!!」
瞬間。ブレーキから解き放たれたバイクが凄まじい勢いで、プサイの右手にハンドルを握られたまま射出。ルビコッコの顔面に炸裂して殴り飛ばし、そのまま凄まじい勢いで回転しながら飛び上がるそれを、掴み続けるプサイ。グルングルングルングルンとエンジンのマフラーから爆炎が放出され、その勢いで竜巻の如く回転しながら、自らの体で引っ張って重心を変え、螺旋状に回転しながら急降下するプサイ。危険を感じ取ったのか殻を閉じて防御体勢となるルビコッコ。
「守りなどぶち抜こう!最高速度で、喰らうでござる!」
さらに加速したそれをハンマーの如く上からルビコッコに叩きつけるプサイ。衝撃波が吹き荒れて止められた車のガラスを割っていき、そして。身に纏っていた貝殻がすべて砕け散り、貝柱が人型の様になった姿でのびたルビコッコと、バイクの残骸がその場に転がった。
「………うわあ」
「何か言いたいことがあるなら言うでござるよ」
「いや、まさかバイクを武器にするなんて……」
「せっかく作ってもらった愛車を犠牲にする苦肉の策だったでござる……」
「それたしか、うん十万かかったって聞いたけど……怒られないかな」
降りて来た友子のそんな言葉にびくっと肩を震わせるプサイ。
「……人の命が優先でござるからしてゆえ!ゆ、許されると思うでででござるるるよ?」
「声が震えてるよ……捕獲して情報を聞き出そうって提案したの私だから一緒に怒られるよ……」
「ユウコ殿!かたじけないでござる!……ところでこの御仁は一体?」
そう言って、死んでいるらしく身動きしないルビコッコのガスマスクを手に取り、取り外すプサイ。その顔を見て、二人は顔を見合わせる。
「……つまり、そういうことでござるな?」
「他のメンバーも絞れるかもね。何人いるかわかればでかいよ」
その後、ヘリの迎えを待って二人は戦利品のガスマスクと、プサイが名残惜しかったらしいハンドルの残骸を手にその場を離脱したのだった。
さすがにそんなに時間をかけてられないので出オチです。ルビコッコ結構やばかったんだけどね。
オオシャコガイの遺伝子を使ったルビコッコ。ひき肉が大好きな異常者です。人型の貝柱が横になった巨大貝殻に挟まれる様に背負い、さらに両手に分離してある貝殻を身に着けたみたいな感じの、近いのはブギーマンかな?
サムライ、メイド、そして新たにバイク乗りのステータスを手に入れたプサイ。エヴリン並みに雑食な日本オタク。バイクでアタックはデビルメイクライ3のダンデと、仮面ライダーギーツのフィーバーブーストフォームから。どちらも2004年からしたら未来である。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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