BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はVS二人組。楽しんでいただけると幸いです。
数刻前。BSAAのテラグリジアに派遣されるメンバーが集まったそこで、ジャック・ノーマンが、テレビに映った二人組のガスマスクを被ったB.O.W.二人の写真をホワイトボードにつけてバン!と叩く。
「マリア。セレナ。テレビで放送されていたとき、あのガスマスクの二人はそう呼び合っていた。私はこの名前に聞き覚えがある。マリア・マキアとセレナ・マキア。かつてヴェルトロに所属していて、思想の違いから私自らヴェルトロから追放した双子の姉妹だ」
ホワイトボードに続けて張られたのは、証明写真らしい。黒髪で金色の垂れ目の女性と、白髪で赤いツリ目の女性。髪も目の色も形も似てないが、二卵性らしい。
「元ヴェルトロ…?」
「ああ、双子を含めて全部で五人いた。もしかしたら彼らがヴェルトロを騙る者たちかもしれない」
そう言って、三枚の証明写真を取り出して名前と、でかでかと
「マリア・マキア。セレナ・マキア。ともに25歳。マリアが姉でセレナが妹だ。ヴェルトロに入ったのは、マリアの方が元シスターで、人々を救う手段と見てだった。だが奴は人間を人間とは思っていない。妹とその他としか認識できていない。セレナも同様だ。人を人とも思えない奴らはただ、自分たちを迫害した村を亡ぼすためにヴェルトロを利用しようとしていた」
次に示したのは、金髪をツインテールにして翡翠の瞳の炎の様な髪留めを付けた天真爛漫そうな童顔の女性。証明写真であるにも関わらずニッコニコな笑顔である。
「バニカ・ロイド。24歳。何かが燃えるさまを見て興奮する異常者だ。ヴェルトロにいれば遠慮なく人を燃やせると考えていたらしい。ニュースで放火魔として逮捕されていたのを見たのが最後だ」
次に示したのは、長髪でひげを蓄えたホビットを思わせる大男。潰れた右目にクマの爪痕と思われる三本の傷があり、痛々しい。
「マッシュ・ボウマン。47歳。自然を愛する男だったが、戦場で血肉を見て人が変わってしまった。今では血肉を美しいと追い求める危険人物になってしまった」
最後に示したのは、銀髪をオールバックにした初老の男。ニヒルな笑みはダンディな気配を醸し出している。
「そしてガブリエル・ジョーンズ。奴は私の親友だった男で、環境を汚す人間を滅ぼすためだと環境汚染兵器「
「他の偽ヴェルトロも、この四人だと?」
「おそらくは。全員恐るべき狂人だ。目的のためならB.O.W.になることも厭わないだろう。気を付けてくれ。やつらは、他人を同じ人とは思わない」
そう伝えたノーマンは、苦々し気な表情を浮かべていた。
テラグリジアの空を飛ぶヘリの中で、プサイは端末で連絡を取っていた。
「ノーマン殿。ビンゴでござる。ハイウェイを爆走していた大男のガスマスクの下の素顔は、マッシュ・ボウマンでござった!あの右目の傷、間違いないでござる!」
《「やはりか。わかった。こちらもジャンから情報を得た。沖合のクイーン・ディードという名の豪華客船が怪しいようだ。私達は急行する。プサイ、君達は……」》
「皆まで言わなくてもわかっているでござる。逃げ遅れた人々の避難でござろう?」
《「……頼む。ガブリエルたちは我々の汚点だ。恥ずかしい限りだが……」》
「拙者たち、仲間でござろう?今更でござるよ」
《「……ああ。我が仲間に救いあれ」》
人気のない、テラグリジアのビルの一つの最上階にあるダンスホール。本来は最新科学で極上の娯楽を提供するはずだったそこで、赤い方…マリア・マキアと青い方…セレナ・マキアの二人……B.O.W.〝カルコブリーナ”は、燃える街を大窓から見下ろしながら手を握り、クルクルと舞い踊っていた。
「見てごらんなさい、セレナ!ああ、美しい!人間を名乗る者たちの無様な姿!わたくし、滾ってしまいます…」
「そうですねえ、マリア。私たち以外の誰かが不幸になる瞬間とか、たまらないです」
その周りには、20を超えるFBCの兵士たちが倒れており。全員が全員、装備を砕かれた状態で絶命している。そして周りの壁には夥しい弾痕が。囲まれた状態で放たれた無数の銃弾をものともせず、20名以上のFBCを全滅させたらしい。
「……ビルに生き残りがいないか調べに来たら、とんだ当たりなのだ。強いぞ、ヨナ」
「最悪ね。此奴等たしか、テレビに映ってたやつらよ。部下に別の階確認させておいて二人で最上階に来て正解だったかも」
そこにやってきたのは、グラとヨナのコンビ。既に擬態を解いて臨戦態勢であり、間髪入れずにグラが牙マシンガンを放つ。しかしそれは、牙マシンガンで破壊されたガスマスクを外し、眼をがん開きにして三日月の様な笑みを浮かべた彼女たちの体を、すり抜けた。
「なっ…!?」
「あらあらまあまあ。有情無情の区別なく、地獄の底までお付き合いしてもらいましょう」
「塵芥に過ぎない貴方たちが私達姉妹を害そうとした罪、贖ってくれますよね?」
「はや…!?」
瞬間、それぞれの両手を握り合ってマリアを中心にクルクル回転し、投げ飛ばされたセレナが華麗に宙を舞って蹴りかかってきたのを、蛇の体で身を捩って回避するヨナ。しかし、関節の動きを無視して鞭の様にしなった蹴りが首に突き刺さり、たまらずえづく。
「がはっ!?」
「ヨナ!この!…!?」
「きゃー」
咄嗟にセレナに噛みつくグラ。しかし、あまりの手ごたえのなさに目を見開く。あっさりと、セレナの上半身はグラに噛みつかれてなくなっていた。下半身だけが、ぱたりと崩れてドロドロに溶けていく。あまりのことに目を見開いたヨナとグラは、さらに驚くことになる。
「生まれて初めて喰われた感想はどうでしたか?セレナ。興奮しました?」
「あー、びっくりした。そんなこと知りませんよ。あっちの私に聞いてください」
なんと、マリアから分裂する様に、再びセレナが現れたのだ。優雅にお辞儀をして、パチン、と。即座に生やした右手でフィンガースナップするセレナ。瞬間、グラの口にあるセレナだったものが膨れ上がり、まるでウニの様に多数の棘を生やしてグラを貫き、爆発した。
「a。ぐえっ!?」
「サメさんみたいですけど無駄ですよ?私たちはプラナリアの力を得て真に一つとなったのです」
「ああ、この力を与えてくれたあの方には感謝をしなくてはなりません!私達姉妹が、一つの生物として存在している……その事実だけで、濡れますわ……」
「プラナリア、だと?」
プラナリア。扁形動物門三岐腸類に分類される動物の総称で、高い再生能力を持つ。どれくらい強いかと言うと、「千切れた破片が何らかの力で運ばれ、その先で復活することで分布を広げた。」という嘘のような学説が有力説となるくらい強く、細片に神経を含めばかなり細分して再生する、千切れば千切った分だけ自身の分身を増やしていく生物である。そしてこのカルコブリーナという2人で1人の個体は、その能力を片割れの再生に全力を注いでいた。故に、片方が死んでも直ぐにもう片方から再生する。
「グラ、しっかりして!」
「さあ踊りましょう。死の舞踏会です」
「すごいの、見せちゃいますね」
「客は貴方がた二人」
「死ぬまで楽しんでいってくださいませ」
クルクルクル、と。再び両手を握ったまま回転し、倒れたグラを心配するヨナを囲む様に、円を描いて高速で踊るカルコブリーナ。ヨナは尻尾を振り回して迎撃するも、舞うような動きにはまるで当たらない。その勢いはどんどんスピードを上げていき、手放した瞬間、弾かれたように四方八方から蹴りの嵐がヨナに叩き込まれていく。
「ぐううううううっ!?」
「名残惜しいですが、これにて閉幕」
「満足、しちゃいました?」
崩れ落ちるヨナを背景に、再び手を握って優雅にお辞儀し、口づけを交わすカルコブリーナ。しかしそんな余韻なんか知ったことかと言わんばかりに、巨体が落ちてきた。
「
「……無粋だと思わないのですか?」
「お邪魔虫は呼んでません!」
マリアが滑るように移動し、ローリングソバットを叩き込む。しかし、それ……ガンマ・オルカには通じない。一回転して尾鰭が叩きつけられ、マリアはぐしゃりと壁に叩きつけられて散った。即座にセレナから分離し、臨戦態勢をとる。
「虫?どこに目を付けてるのかしら。私は、海のギャングよ」
ガンマ・オルカVSカルコブリーナ。開戦。
偽ヴェルトロの正体判明。ルビコッコの素顔で確信に至った感じ。
そしてプラナリアの力を持つ百合姉妹、二人で一人のカルコブリーナ。グラとヨナを手玉に取るぐらい強いです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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