BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。のんびりネタ集めしながら書いてる毎日です。

今回はモローとの一幕。楽しんでいただけると幸いです。


03:Another eveline【実験】

 ドナ達とのお茶会を楽しんだ次にエヴリンが訪れたのは、ドミトレスク城・ベネヴィエント邸・人造湖・工場の中心にある寒村。そこではマザー・ミランダを崇拝する村人たちが元気に過ごしていた。

 

 

『村人には見られるなよってミランダが言ってたけどどういう…』

 

「ねえねえお父さん、なにあれ?」

 

「なんだエレナ。どうしたって…なんだありゃ!?」

 

『あ。こんにちは』

 

 

 ふわふわ浮いていたら影が重なってしまったのか、少女に気付かれてしまいその父親が驚愕の声を上げてきたので笑顔で手を振るエヴリン。なんで見えるのかはとりあえず置いといて、この際だから可憐な容姿で人気を得ようという魂胆だ。

 

 

「うわぁああああ!?」

 

「幽霊だぁあああああ!?」

 

『え、ええ……この村、吸血鬼も狼男も半魚人も動く人形も改造人間もいるんだけどなあ……』

 

 

 しかし村人は阿鼻叫喚となり自らの家に引きこもってしまい、残されたエヴリンはポツーンとその場で立ち(浮かび)尽くす。じんわりと涙が出てきた。

 

 

『こんなに可愛い女の子を見て逃げ出すとか酷い』

 

「お前、余計なことしてくれたなあ」

 

『お、モローじゃん』

 

 

 追いかけて家の中にも入ってやろうかと試みていると、聞こえてくるのは間の抜けた声。振り向くと、そこには何やら蠢いているズダ袋を背中に担いだサルヴァトーレ・モローがいた。

 

 

「モローじゃんとはなんだ失礼な。モローさんと呼べ。俺様の方が年上だぞ」

 

『ええー、呼び方強要するの四貴族でモローだけだよ。器小っちゃーい』

 

「ぐっ……好きに呼べ。俺様は忙しい」

 

『それは?』

 

 

 エヴリンが指差したのはモローの背で元気に跳ね回るズダ袋。モローはそれを見て勢いよく振りかぶって地面に叩き付け、ズダ袋はシン…と鎮まる。

 

 

「こいつぁ、実験に使う村人だあ。お前のおかげで三人しか攫えなかった」

 

『実験!それ、見てもいい?』

 

「ああ?なんでお前に見せなきゃならねえ。俺様はミランダ母さんのためにも成果を出さなきゃいけないんだ…」

 

『実験ならベイカー家でもやってたんだよね。少しは知識あると思うよ?』

 

「ほう?」

 

 

 それを聞いて目を輝かせるモロー。大方、エヴリンの経験が実験に新たな刺激を与えてくれるとでも思ったのだろうとエヴリンは推察する。正直モローは大嫌いだが、実験は興味があった。

 

 

「いいだろう……ついてこい。診療所に行くまでの間にその実験とやらの詳細を教えろ」

 

『それはいいけど…診療所?』

 

「俺はドクターをやっている」

 

『え、似合わな。呪術師とかの方が似合うよ?』

 

「うるさい、余計なお世話だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむう、特異菌はやっぱり個人差で影響が変わるのか」

 

『トラヴィスはわかりやすく他のモールデッドとは違ったね。あとモールデッドにならずに死んだ人間もたくさんいるよ』

 

「それはライカンも同じだあ。条件は一体…それさえわかれば」

 

『条件は分からないけど、誰よりも特異菌に適合していた奴はいたなあ』

 

「なんだと!?お前、それは誰だ!?」

 

『いやだ。教えない。というか思い出したくもない』

 

「思い出せえ!そいつはもしかしたらミランダ様の求める器になりえるかもしれないんだぞ!」

 

『わあ!顔を近づけるな!キモい!』

 

「なんだとクソガキぃ!」

 

 

 そんな口論をしながら診療所までやってきたモローとエヴリン。引き摺ってきた村人たちを出してモローの能力である粘液で拘束し、声も出せなくする。

 

 

『気持ち悪いけど便利だね』

 

「そうだ、この利便性は他の四貴族共にはない。俺様こそが四貴族で最も優秀なんだ。ミランダ様の悲願を叶えられるのは俺しかいない」

 

『カールの磁場操作の方が便利そうだしかっこいいけど』

 

「…………それは正直、俺もそう思う」

 

『負けを認めてて草』

 

 

 悔しそうに声を絞り出すモローにエヴリンは腹を抱えて笑い転げ、不服そうに明らかに不機嫌になりながら村人の一人を手術台に乗せて革ベルトで拘束すると棚の上からカドゥが入った瓶とメスを取りだすモロー。

 

 

「…どうでもいいが、女子供が見るようなもんじゃないぞ」

 

『お気遣いありがとう。でも私、チェンソーで斬られた左腕とかスプラッター系は腐るほど見たから大丈夫だよ。なんなら臓物食べたことあるし。うえ、思い出させないでよ』

 

「…初めてお前に同情したぞ」

 

 

 麻酔を打つこともなく肉屋の格好をしていた村人の胸をメスで切り開き、カドゥをねじ込むモロー。さらに傷口を接合した後に赤い何かが入った注射器を取り出し、動脈に突き刺して注入した。

 

 

『それは?血、みたいだけど』

 

「ヴァルコラック・アルファから抜いた血だ。狼の血を与えてヴァルコラックになったのだから、奴の血を与えればそれ以上の効果が見られるだろう、とな」

 

『なるほど。なんかすっごい痙攣してるけど。暴れない様に麻酔を打っといたほうが良かったんじゃない?』

 

「………麻酔を打つとカドゥの効果が表れにくいんだ」

 

 

 ビクンビクンと拘束を引きちぎる勢いで暴れ出す肉屋だったものの四肢が見る見るうちに肥大化していく様に遠巻きに冷や汗を流しながら見守るエヴリン。手術台が重さに耐えきれずに潰されて粉砕し、拘束から逃れた肉屋は三メートル近い巨体で咆哮を上げる。衝撃で引っくり返っていたモローは歓喜なのか恐怖なのか分からない声を上げた。

 

 

「成功だ!ライカンでもウリアシュでもモロアイカでもヴァルコラックでもない、新たな実験体の誕生だ!」

 

『………ねえ、こいつさ。言いにくいんだけど』

 

「なんだ。気になることがあるなら言ってみろ」

 

『ドナのところの庭師とそっくりじゃない?』

 

「………………あー」

 

 

 エヴリンが言うのは、ドナ・ベネヴィエントの庭園を守る、庭師が変貌した巨人のこと。確かにそれとそっくりだとモローも気付く。作り方は全く違うはずなのだが。攫ってきた村人の一人をむんずと掴み、縦に引き裂きその血を浴びて肉を咀嚼する肉屋を見ながらモローは必死に弁解を考える。

 

 

「だ、だが凶暴性はこちらが上だ!肉に異様な興味を示している!これは別個のものと考えた方がいいだろう。ウリアシュに似ているからウリアシュ・ドラクと名付け……グアァアアアアア!?」

 

『モロー!?悠長にしてるから!』

 

 

 ボカン、と。うるさいと言わんばかりに名付けたばかりのウリアシュ・ドラク(肉屋)に殴り飛ばされ壁を突き破って人造湖の方にゴロゴロと転がって行くモロー。酔ったのか吐瀉物を撒き散らしながら転がって行くその姿にエヴリンは分かりやすく嫌悪感を示し、そのまま人造湖に落ちて行ったモローを眺める。

 

 

「クソオオオオオ!」

 

『水に入るとおさかなになるなんて便利な身体だね』

 

「最近落ち着いていたのにぃいいいいいい!」

 

 

 湖に入るなり怪魚の姿となりストレス発散と言わんばかりにひたすら泳ぐモローに、エヴリンはこれ以上の実験は見れそうにないなと思い至り、その場を後にして工場に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、住み付いた工場ではハイゼンベルクと語り合い、ドミトレスク城に赴いてはドミトレスクを煽り三姉妹に愛でられ、ベネヴィエント邸ではドナとアンジーと共にお茶会をたしなみ、人造湖ではモローの実験を見守る毎日を続けるエヴリン。母親であるミランダの元にも何度か訪れるも邪険にされて愉しめず、もっぱら四貴族の元で三年近く過ごしていた、そんなある日。ミランダが誰かを村に連れてきたのを目撃することになる。

 

 

『え、もしかして……ミア!?』

 

 

 ミア・ウィンターズ。エヴリンを愛することを拒んだかつての母親代わり。そして己を殺したイーサン・ウィンターズの妻。波乱の予感を感じないわけがなかった。




相変わらずの同族嫌悪の犬猿の仲。ちょっと若いエレナとか出したりして見ましたがあんまり想像できなかった。あと肉屋のウリアシュ・ドラクはヴァルコラック・アルファの血から生まれて、殴り飛ばされたから文書が無かったんじゃないかと言う仮説で書いてみました。

次回から原作時系列に入ります。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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