BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
本作トップクラスに人生に呪われた双子カルコブリーナのマリアとセレナ戦です。楽しんでいただけると幸いです。
とある田舎の村で、その双子は生まれた。名門マキア家の出ながら男遊びが激しい16歳の母親から生まれ、父親が別々ながら同時期に生まれてきたという珍しい双子だった。ただでさえ田舎では双子なだけで不吉な存在とされた上に、この双子がきっかけで母親の婚姻は破綻、高校生でありながら双子を生んだ負担は大きく、しかし体裁もあって放置もできず。双子は当たり前のように迫害され。自業自得でありながら成人した母親は村から出奔して都会にわたると、まだ4歳と幼い双子を捨てて蒸発した。
その時点で双子は気づいていた。ああ、自分たちは愛されてないのだと。互いが互いしかいないのだと。双子は教会に保護されるも誰も信用せず、二人だけで助け合って生きてきた。それでも姉のマリアは愛を知ろうとシスターになってうわべだけの愛をばら撒いた。妹のセレナはただ一人の男への歪な恋心を静かに燃やし続けた。姉は外に、妹は内に。それぞれで愛を知ろうとして、そして。マリアは愛を媚びへつらう人々に絶望し、セレナは男のあまりに悍ましい本性を知って失望し。自分たち以外の人間がすべて悍ましい何かに見えるようになった。
二人は互いだけを愛することにした。そして、自分以外の悍ましい何かを排除することを決めたのだ。手始めに迫害した村に復讐を。そして、自分たちを棄てた母親がどこかにいる世界を滅ぼさんと。
プラナリアの力を有したB.O.W.カルコブリーナ。意味は「霜を踏みにじる者」。幾星霜の世界を踏みにじる双子の舞踏は、止まらない。
グラとヨナのコンビを倒し、愛を確かめるように口付けしていたカルコブリーナの元に天井を突き破って落ちてきたのは、ヨナの緊急通信によるSOSを受信してモリグナの翼で様子を見に来たガンマ・オルカ。マリアの蹴りを耐え抜いてカウンターの尾鰭で吹き飛ばしたガンマ・オルカは、即座にセレナから分離して復活したマリアを見て首をかしげる。
「ああ、なるほど。ヨナとグラの二人が負けたのはおかしいと思ったけど。そのふざけた能力なら仕方ないか」
「ふざけたとはひどいですね。これは私たちが真に一つになった証明の力」
「ふざけているのはそっちでしょう。シャチでカラス?ふざけてるんですかぁ?」
シャチのような姿でカラスの翼を腕に生やしているガンマ・オルカにツッコむセレナ。するとガンマ・オルカも不格好なのはわかっていたのか解除して腕をもとに戻す。
「ああ、ならこっちならお気に召すかしら。てんっさいなめないでよね。
そう唱えるとともに一回転。尾鰭が長い蛇の尾となって襲撃。2人纏めて薙ぎ払おうとするが、瞬時に気付いたマリアがセレナを空中に投げて薙ぎ払われ、空中で二人に分離。挟み込む様に着地して、同時に蹴りを叩き込んできたのを、尻尾を尾鰭に戻したガンマ・オルカが蟲の甲殻の様に変形した両腕で受け止め、弾き飛ばす。
「
「硬い…!?」
「次から次へと…!」
「やったことは褒められないけど執念だけは一人前の兄の防御よ。
そのまま右腕を蜘蛛を思わせる赤黒い甲殻のものに変え、五指の先から糸を出して振るって斬撃。斬り刻まれるカルコブリーナだったが、斬撃は効果がないのか再生しながら回転、ガンマ・オルカの腹部にそれぞれ右脚と左脚を叩き込み、蹴り飛ばす。
「ぐはっ!?」
「私達は線の攻撃には強いのです。多彩なようですが、愚鈍なようですね」
「塵芥に過ぎない貴女が私たちの蜜月を邪魔した罪、贖っていただけますよね?」
「……イチャコラなら別のところでしなさい。犬も喰わないわ。私は喰うけど!」
そう言って腹ばいとなり、濡れている身体を使って滑走し突撃。大きく噛みつく攻撃を行うが、舞うようにして回避、すぐさま距離を詰めての蹴りによるインファイトに持ち込まれる。超音波ソナーで動きが読めるとはいえ、互いが互いをフォローする連撃に大柄なガンマ・オルカでは対応しきれず、姉妹の蹴りを連続で叩き込まれていく。
「いい加減に、しろ!蹴りは嫌な思い出しかないのよ!」
洗脳されてた時にメリカに蹴りまくられた記憶を思い出したガンマ・オルカは激昂。怒りのままに両腕を叩きつけ、舞う様に回避していくカルコブリーナを追いかけていく。
「はいはい、鬼さんこちら~」
「手の鳴る方へ…!」
「ぶげらっ!?」
叩きつけた腕を回避され、セレナの飛び回し蹴りを側頭部に受けて蹴り飛ばされるガンマ・オルカ。倒れたところにマリアのサッカーボールキックが腹部に叩き込まれ、その巨体が壁まで蹴り飛ばされる。
「プラナリアだから非力だと思ってらっしゃるのでしょうか?」
「再生するのは何も傷だけじゃないんです。筋繊維なんかもちぎれた傍から再生するので、パワーだって桁違いなんですよ」
「とどめを刺してあげましょう。これも慈悲です」
「ああ、出た出た。マリアの慈悲。慈悲なんてないんでしょう?だって、こんな悍ましい奴らに向ける慈悲なんてありませんもんねえ?」
「慈悲だと言えば悦ぶんですよ。それを見ながら殺すことで、イイ気分になれるのです。言うなれば絶頂の様な」
「趣味悪ーい。そんなところも大好きですよ、マリア!」
「その口が悪いところも大好きですよ、セレナ!」
「……くそっ」
もはや敵ではないとばかりに放っておいてイチャコラするカルコブリーナに、倒れ伏したガンマ・オルカは考える。駄目だ、慢心と虚栄心しかない自分では、すぐに怒りに駆られて手玉に取られてしまう。冷静な思考が必要だ。なんなら体も大きすぎる。もう少し小さければ、そこまで考えて。ある考えに至る。
「……戻りたくなかったんだけど、仕方ないか。
立ち上がり、シャチを模したパーカーの様な部位に手をかけて、自らの顔を隠す、と同時に変異。今度は全身に変異が行き渡り、黒い部分が白く染まり、シャチからつるんとしたずんぐりむっくりなフォルムに変わっていく。そして、さらにそれがしぼむ様にして変異。少女の姿になったそれは、ググググッと伸びをする。
「……ああ、ひさびさのかんかくだぁ……」
不気味な口を模しただぼだぼの白い着ぐるみパーカーを身に着けた素足の真珠色の髪の少女となったガンマ・オルカ……否、ただのガンマはそう呟いて向き直る。異様な変異に警戒の視線を向けるカルコブリーナに、ガンマは笑う。
「じゃあ、けんかしよっか!」
「っ!」
体勢を低くして高速で突撃してきたガンマを蹴り上げるべく脚を振り上げようとするマリア。しかし、蹴り上げること叶わず。その圧倒的な防御力に目を見開く。ガンマ・オルカとなったことで失われていた往来の頑強さは、高速で走る地下鉄から飛び降りても中の人間たちが無事だった程。ただ強いだけの蹴りじゃ、貫けない。
「おらあ!」
「ぐはっ…!?」
「この…え!?」
「えへへへ……ラムダちゃんにはまけるけど、わたしもした、ながいよ!」
驚くマリアにガンマの頭突きが炸裂、セレナが蹴りで反撃しようとするも、口から伸びたピンクの舌が脚を絡めとって引っ張って転倒させ、そのまま額に翅の様な触角を生やすと鱗粉による炎を集束させる。
「
「なああ!?」
「マリア!復活したら、だめ!」
放たれたのは、極太の熱線。南極基地で猛威を振るったそれはマリアを蒸発させ、しかしすぐさま復活、分離しようとして。ガンマの舌に絡めとられたままセレナから分離して揃って拘束されたことに気付くマリア。
「ぐうっ!?しまっ……」
「放してください!」
「わたしはハンターだけど、オメガたちみたいに〝くびかり”はできない。だけど、〝まるのみ”はとくいだよ!」
そう言って擬態を解いて本来の姿に戻るガンマは、大口を開いて。カルコブリーナは、なにをするつもりなのかを理解して顔を青ざめさせる。
「そんな、私達がこんな……いえ、ですがセレナと一緒なら……」
「いやです!だけど…私達、ずっと一緒ですよマリア……」
「いただきまぁす」
カルコブリーナは抵抗することなく、縛られた状態で愛を確かめるかの様に口づけしながらガンマの口の中に引きずり込まれ、ガンマは人型に戻ると舌なめずりしてお腹を撫でる。
「ごちそうさまでしたぁ」
ガンマちゃん復活!ガンマ・オルカとは二重人格みたいな扱いになります。ガンマ・オルカは自信過剰で大きくてフィジカルに秀でた姿で、ガンマちゃんの方は冷静で小柄で防御力に秀でた形態となります。
カルコブリーナことマリアとセレナのマキア姉妹。モデルはFGOの「愛」に所縁ある獣たち、殺生院キアラとカーマとなります。マキアもまんま「カマキア」からです。在り方はどちらかというとカーリーの方が近いかも。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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