BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は地獄も地獄、極々、地獄。楽しんでいただけると幸いです。
テラグリジアに紛れこませた複数の鼠と感覚を共有して数多の戦いを見守りながら、隠れ家にしてあるとある街のBARのカウンターで、ジェーンドゥーは頬杖をついてウイスキーを呷っていた。
血の雨を生みだし、かつての戦友を地獄に引きずり込んだルビカンテ。
不死の肉体で猛威を振るい、二人だけの世界を形作り邪魔者を屠殺するカルコブリーナ。
脅威の強固な外殻を有していて、ハイウェイを爆走し人々を惨殺していたルビコッコ。
生物の神秘である耐熱耐性をその身に宿し人々を燃やし、街を炎上させ、それを嬉々として愉しむバルバリシア。
最上の力を持ち狩人の群れを率いて他を蹂躙する狩人の長、ハンター・プライム。
今回のために、依頼人である「魔女」の要望にあつらえて、クローン培養で生み出したプライム以外はわざわざ刑務所から脱獄させた凶悪犯たちを素体にして、依頼人から提供された新型ウイルスとジェーンドゥーの高い知能で生み出した、ジェーンドゥーをして凶悪と言わしめる個体たち。
しかし既にカルコブリーナとルビコッコとバルバリシアの三者、いや四者が脱落した。残りのルビカンテとハンター・プライムも相手が相手だ、時間の問題だろう。
「……とまあ、そう思うわよね。恐らく「魔女」さんも焦っているはず。自分たちが手柄を立てる前にBSAA相手に全滅しそうって。素の戦闘能力ならそうかもね。だってあっちには五年ものあいだバイオテロと戦ってきた経験があるんだもの。相当搦手を使わないと勝てないわ。プライムもタネが割れたらそれまでだし」
カランコロン、と。ウイスキーの入ったグラスの氷を揺らすジェーンドゥー。酔っているのか顔を赤らめながら、一気に呷る。
「ぷはぁ。でもね、BSAA。貴方達が相手にしているのはこれまでにいなかった人種。いや、アレクシア・アシュフォードやアナーヒタ・ウェスカーとは戦ってたっけ。でもこういうのは初めてでしょ?純粋な、きょ・う・じ・ん♪狂ってるやつは強いわよ……?」
そう告げたジェーンドゥーと繋がっているネズミの視線の先で。クイーンの渾身の水大砲を喰らい、吹き飛んで顔を何度も打ち付けながらゴロゴロと転がっていくバルバリシアが、腰を突き上げてまるでゾンビの様に立ち上がる。その光景を見て、ジェーンドゥーは三日月の様に弧を描いて嗤った。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」
「……嘘だろ?お前、腹に風穴が……」
どてっ腹に貫通した大きな穴をあけた状態でなお、立ち上がり狂笑を上げるバルバリシアに、思わず後ずさりするクイーン。
「アハッ、知ったこっちゃないね!こんなので死ぬわけがないよ!だって、人間は荼毘に付して死んでいくんだよ?水なんかで死んだら、火葬されないじゃん!」
お腹の風穴に手を付け、掌にべったりと付着した血をぺろりと舐めたかと思えば、掌を発火させて炭にした血を鼻で吸うバルバリシア。恍惚な表情は薬物中毒のそれである。
「あっは……焼けた血の匂い、さいっこー!まだまだ燃やすものはこんなにあるんだ!炎は消えない!私と炎の中で地獄まで踊ろうよ!クインティア・モリアーティ!」
「……死んでもごめんだ!」
咄嗟に合掌し、穿水を放つクイーン。掌から業火を放つバルバリシア。水蒸気爆発が発生する中、両者は飛び出し、拳と脚が交差した。
一方、テラグリジアをカーゴヘリで飛び回り、生き残りを救助していたプサイたち。救助した人間に水筒に入ったあったかい緑茶を振る舞っていた友子は、蜘蛛の第六感でそれに気づいて顔をしかめ、窓に近づき視線を外に向け、それを見つけた。
「プサイさん、あれ……!」
「ユウコ殿、どうしたでござるか…!?」
友子に言われて窓を覗き込んだプサイは思わず絶句する。ビルの壁面をゴリゴリ削りながら、こちらに向かって突き進んでくる、粉々にひび割れた巨大な二重のアコヤガイが見えたのだ。
「嘘で、ござろう!」
「プサイさん!」
それに気づくなり、回避は間に合わないと判断し、扉を開けて外に飛び出すプサイ。こちらに向けて突き進んでくるアコヤガイ……いやもはや貝柱が亀裂からはみ出している肉塊の様なそれを、BSAAでも随一の脚力を持って、ビルの屋上まで蹴り飛ばし、自らも着地した。
「えへ、えへ……俺が、肉塊……綺麗だろ…?もっと、もっとだああ……えへ、えへへえへへへへ」
「なんの冗談でござるか。マッシュ・ボウマン」
貝殻が完全にひび割れてなお、筋骨隆々の貝柱の様な血まみれで今にも千切れそうな肉体を誇示するルビコッコに、プサイはクラウチングスタートの体勢で構える。そしてルビコッコが手を伸縮させ伸ばしてきた瞬間、屋上を駆け抜けて飛び膝蹴りを顎に叩き込んでいた。
「お前も、肉塊、なれ!」
「っ…なんとぉおおおお!?」
しかしニヤッと笑ったその巨体はびくともせず、脚を掴まれて、伸びる腕に空中で振り回され、屋上に叩きつけられ、血反吐を吐くプサイ。そのままもう一回振り上げようとした貝柱の腕が、プサイが左腕を振るっただけで細切れになる。
「お、俺の腕が肉塊…?」
「お望みとあらば、死ぬまで斬り刻んでやるでござるよ!」
「…う、ん…?」
ヨナが目を覚ますと、そこには信じられないようなものを見る目で前を向いているグラがいて。その視線の先を見て、眼を見開く。
「ごぼ、ぼぉ……まずっ、にげっ、これ……たべちゃ、だめなやつ……ごぼぼっ」
そこには、人間態で口を押えてふら付くガンマがいて。久しぶりの姿だな、と思うより先に。その口の端から垂れている半透明の液状のなにかを見て、それに気づく。ああ、プラナリアの二人を食べてしまったのかと。プラナリアと言えば、ヨナでも知っている特性がある。P-ウイルス事件が起きて、その報告会をしていた時に真っ先にベロニカが「一番危険だ」と告げた生物。やろうと思えば無限増殖ができる生物、それがプラナリアだと。
「ごぼぼぼぁ!?」
そしてついに押さえていた腕を弾き飛ばしてガンマの口や耳や目から溢れだしてきたそれが、でろでろとした人型をとって、ガンマの右肩に座るように上半身を形作ると、恍惚とした様に両頬に手を添えた。
「あぁ……セレナと一緒に死ぬつもりだったのですが、生き永らえてしまいました……これも神の思し召し……」
すると、更に溢れだしてきて左肩を陣取り上半身が形作られ、やれやれと言わんばかりのポーズをとる。
「神なんて信じてないでしょうマリア。神様だって言うなら、この力を受け取ることを提案した私にするべきです。さあ私を女神と崇めなさい、そしてキスしなさい」
「ああ、セレナがそう言うのなら喜んで…!」
ガンマの両肩でイチャコラしていた四つの目が、ヨナとグラに向けられると、まるで巻き戻るようにしてガンマに吸い込まれていき、普通のガンマに戻った。しかし喉を押さえ、苦しむガンマに駆け寄ろうとするヨナとグラを、ガンマが手で制する。
「ゴボッ……ぐえっ、逃げて、ヨナ、グラ……ああ駄目ですよ逃げたら。私たちの新たな肉体のおもちゃになってもらわないと。そうですよぉ、私達以外の人間を名乗る皆さんはプチッと潰されるべきなんです。ゴボボボォァ!?」
ガンマの声のまま、別人の様に喋った次の瞬間、再び溢れだしたそれがガンマを中心にさらに増殖し、壁を引きちぎり天井を崩して椅子などの装飾品を取り込み、鎧を形作っていく。それは、半透明な液状の鎧で接着する様に鋼鉄の鎧を着込んだ怪物。四つの脚に、ビルを削り取って作られた巨大な腕。ガンマは四肢を取り込まれ、頭部は金魚鉢の様な半透明な液状の球体で覆われていて、その表面はごぼごぼと泡立ちマリアとセレナ、二つの顔を交互に形作って歪な笑みを浮かべる。天井がなくなり、実質的な屋上となった劇場で、それは舞う様に一回転する。
「カルコブリーナ、再演です!」
「……まずはガンマを取り戻すわよ」
「話はそれからなのだ」
ヨナとグラも擬態を完全に解いて身構え、大きく腕を振るって叩きつけて来たカルコブリーナの一撃を回避、カウンターに尻尾と尾鰭を叩き込む。
―――――汝、一切の望みを棄てよ。ここからが本当の地獄である。
魔女の正体はわかったかな。由来はFGOでもおなじみあの伝説に登場する魔女から。
バイオの世界で一番やばいのは何時だって狂人である。マーカスとかアイアンズとかアレクシアとかね。これ別にジェーンドゥーが蘇生能力持たせてたとかじゃなくて、純粋な精神力で復活してきてるんですよね。
カルコブリーナ完全体(仮)。モチーフはゼンゼロの二面ボスです。双子形態は三面ボス。ルビコッコは一面ボス。バルバリシアは本日実装されたあのキャラ。はい、サブクエ全部終わらせて暇なぐらいドはまりしました。ホロウって場所がバイオみありすぎて親和性高いと思うんだ。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きなラムダ編オリジナルB.O.W.は?
-
ハンターλ
-
ギルタブリルV2
-
ジェーンドゥー(ナイ)
-
ジェーンドゥー(量産型)
-
ペレ
-
カーバンクル
-
ビビ
-
デッドエンド・ギルタブリル