BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうもどうも、お久しぶりです放仮ごでございます。ゼルダ無双厄災の黙示録を購入してドハマりしてプレイしまくったりその小説を書いたりしてて書けてませんでした申し訳ねえ。お待たせいたしました。

今回はウィンターズ家潜入編。個人的解釈が入ってます。楽しんでいただけると幸いです。


04:Another eveline【来訪】

『ねえねえカール』

 

「あん?どうしたエヴリン」

 

 

 新作であるシュツルムの調整作業をしているハイゼンベルクに、逆さまで語りかけるエヴリン。上着とシャツを脱いで黒いランニングシャツ姿のハイゼンベルクは試しにプロペラを回してみながら返事をする。

 

 

『ミランダがね、ミアを連れてきたんだけど』

 

「ミア?ミアってのは確か…お前がアメリカにいた頃のママだったか?お前が来てから三年になるが今更何をしようってんだ?」

 

『さあ。なんにしても、チャンスだよねこれ。ミランダはミアを巻き込んだ。十中八九イーサンが来る。ミアを誘拐したらイーサンが許すはずがない』

 

「イーサンってのは確かお前に完全適合したって言う人間か。ああ、なるほど……三年もありゃ餓鬼もできるわな」

 

『なんのこと?』

 

 

 合点がいった様子のハイゼンベルクに首をかしげるエヴリン。ハイゼンベルクはやれやれと息を吐きながらドライバーの先端を向けてお子様に言い聞かせるように言った。

 

 

「いいか?愛し合っている男と女が三年も平穏に一緒にいて、できるものはなんだ?」

 

『愛?』

 

「マジか。ピュアかよお前。子供だよ子供!」

 

『子供?イーサンとミアに?私以外の?』

 

 

 理解が及ばないのかポカンとするエヴリン。ハイゼンベルクもそういやこいつ見た目より幼いんだったなと思い出す。

 

 

『三年もあったらコウノトリが運んでくるの?』

 

「コウノトリじゃねえよ。愛し合っている男と女ががっついて合体したら餓鬼が生まれんだよ。お前に適合した男とお前に感染した女の餓鬼だ。ミランダの求める器に最適なんだろうよ」

 

『あー!なるほどー!子供を攫うためにミアを誘拐したんだ。入れ替わるために』

 

「そこだけ頭が回るんだなお前…ってことはそろそろ…ほらな。呼び出しだ」

 

 

 鳴り響く電話に向かうハイゼンベルクをよそに、エヴリンはこれからどうするか思考するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はこれよりとある場所に向かう。一応分身は置いておくが、数日間戻れないから留守の間は任せたぞ」

 

『私もミランダについて行くからよろしくね~』

 

 

 四貴族を招集して宣言するマザー・ミランダ、そしてエヴリン。ミランダはエヴリンを睨みつけるが、当の本人はどこ吹く風といった様に下手くそな口笛を吹くだけだ。

 

 

「いってらっしゃいませマザー・ミランダ。そしてくたばれエヴリン」

 

『くたばれはひどくね?』

 

「お気をつけて…」

 

『そのまま帰ってこなくてもいいぞーエヴリン!』

 

『うん、気を付けるねドナ。私は絶対戻ってくるからなアンジー!』

 

「村の事は心配しないでミランダ母さん!ちゃんとママの助けになるんだぞエヴリン」

 

『え。いやだ』

 

「せいぜい夜道に気を付けることだ。エヴリン、帰ってきたら新しいカラ殺装置を見せてやるから楽しみにしておけよ」

 

『うん!楽しみにしてるねカール!』

 

 

 四人から返事を受け取ったミランダが複数の烏となって飛び立ち、エヴリンもそれを追いかける様に高速で飛んで行き、四貴族はそれを見送るのだった。

 

 

「…マザー・ミランダはエヴリンなんかと一緒で大丈夫なのだろうか。娘たちが仲がいいのが信じられないぐらい性格が悪いのに」

 

「エヴリンはいい子よドミトレスク…」

 

『クソガキなのが玉にきずだけどな!ヴェェェイ!』

 

「エヴリンのおかげでライカンの研究はかなり進んでいるからなあ」

 

「まあなにされても気に障るだけだろうよ。なにせ物に触れないんだから心配する必要すらないぜ。そこんところわかってんのか?ドミトレスク」

 

「なにしでかすかわかったものじゃないわ!あんな危険因子、消せるものならば今すぐ消し去っている…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数日間、ミアに化けてウィンターズ家で過ごすミランダと、ふわふわ浮いてそれを見守るエヴリン。ミランダは村に残している分身がミア本人から聞き出した情報を元に演じている様で、上手く馴染んでいた。それが数日続いたある日、絵本をローズに読み聞かせるミランダにつまらなくなって欠伸していたエヴリンは、ミランダの前に浮かんで変顔を見せてみる。ミランダは一瞬どもったが耐えて見せた。

 

 

「どうしたんだミア?」

 

「大丈夫。大丈夫よイーサン。やがて少女は暗い森の中心へとたどりつきました」

 

『こうすれば見えないかな?』

 

「……邪魔をするな」

 

「え?」

 

「……と言いながら、美しい金の歯車をつけた鉄の馬があらわれました」

 

 

 絵本との間に顔を挟んで見えなくするエヴリンに冷えた声で一言呟き、それに困惑するイーサンを誤魔化す様にアドリブを交えて絵本を読み続けるミランダ。とんでもない役者根性だった。

 

 絵本を読み終わり、イーサンがローズを寝かせに行ったので料理に取り掛かるミアの姿をしたミランダに、語りかけるエヴリン。

 

 

『ねえ。何時までこんな家族ごっこを続けるの。アレから一週間だよ。早くローズを連れて帰ろうよ。私も悔しがって泣き叫ぶイーサンが見てみたいしさ』

 

「…お前を喜ばせるのも癪だ。もう少しここにいようか」

 

『もしかしてだけどさ。貴方がもう味わえない家族って存在に絆されてる?』

 

「…………そうかも、しれないな」

 

 

 エヴリンの問いかけに、ナベの中身をかき混ぜながら聖母の様な笑みを浮かべるミランダ。味見をしていると、エヴリンが信じられないとでも言いたげな表情を浮かべる。

 

 

『え、認めるんだ。エヴァはいいの?』

 

「よくない。よくないが……もう少し、この平和な時間を謳歌したいんだ。今私は、満足している」

 

『でもあなたはミアじゃないよ。ローズもエヴァじゃない。イーサンだって貴方の夫じゃない』

 

「わかっている、わかっているが…」

 

「ミア?ローズを寝かしつけてきたけど…どうしたんだ?」

 

 

 そこにイーサンが戻ってきて。ミランダは平静を装って料理に戻る。エヴリンは不満げだ。

 

 

「いいえ。なんでもないわ、独り言よイーサン」

 

『ヒステリックかと思えば優しくて、完璧なミアだね!』

 

「できたわ。いただきましょう」

 

 

 そして食卓で食事を囲むミランダとイーサン。幸せそうなミランダに、エヴリンも顔を綻ばせていたがその幸福は続かなかった。クリスとその部隊ハウンドウルフに襲撃されたのだ。死んだミアに擬態して逃れるミランダ。回収されるイーサンとローズ。ミランダは死んだふりをしながらも怒りに拳を握り震わせる。

 

 

『ほら。偽物の家族なんて、そう長く続かないんだよ、ミランダ』

 

 

 一瞬でぶち壊された幸福。エヴリンはそれを静観し愉悦の笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミアの死体として護送車に乗せられていたミランダ。擬態を解いて乗っていたハウンドウルフを全滅させてローズを抱え、翼を広げて村に向かうミランダを追いかけるエヴリン。

 

 

『どうだった?家族ごっこは楽しめた?』

 

「……悪くはなかった。エヴァを取り戻して続きを興じるとしよう」

 

『でもイーサンを殺さなくてよかったの?私を殺した人間だよ』

 

 

 横転した護送車の側に置いてきたイーサンを思い出してそう問いかけるエヴリン。ミランダは村の教会に舞い降りて翼を縮めながら答える。

 

 

「イーサンは私の新たな家族になれるかもしれない。エヴァを蘇らせるには四貴族の命を捧げる必要がある。お前とその眷属を倒した実績があるイーサン・ウィンターズに始末させ、そして家族として迎えよう。我ながら妙案じゃないか?」

 

『ええ………殺すの?四貴族を』

 

「奴等には黙っておけよエヴリン。反抗されては困るからな。奴等は用済みだ。こうして器が手に入ったのだから」

 

『…でも、友達だもん。黙っていられるわけが…』

 

「お前を消せる方法が分かったと言えばどうだ?」

 

『!』

 

 

 ハイゼンベルクの元へ向かおうとしていたエヴリンが止まり、信じられないと言う表情で振り返る。ミランダは続けた。

 

 

「お前の消滅は即ち死だ。お前も死にたくはないだろう?」

 

『……卑怯者』

 

「邪魔をさせてなるものか。我が百年の悲願は必ず叶える…!」

 

 

 そして、イーサン・ウィンターズの来訪と共に、狂気に塗れた村での激動の一日が始まった。




あの偽ミアの幸せそうな表情は嘘じゃなかったとしか思えなかったのでこんな解釈になりました。クリスの襲撃さえなければ案外永遠に家族ごっこを続けていたんじゃないかな。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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