BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はルビコッコとの決戦。楽しんでいただけると幸いです。
ほとんどのBSAAが一堂に会している一方、外ではまた別の激闘が行われていた。ビル間を駆け抜ける人影と、それを追いかける巨体。プサイとルビコッコだ。UFOの様に回転しながら空を舞うアコヤガイと、ビル間を駆け抜ける忍者は悪い夢のような光景で。さらに通り抜けたビルが次々と倒壊していくのだからたまったものじゃない。海の上から避難船に乗りそれを見ているテラグリジアの住民は青い顔をして見守っている。
「くっ……!」
「ひき肉ぅあああああっ!!」
ルビコッコは巨大なアコヤガイの様なUFOの様に回転してビル間を四肢で弾いて跳ね返ることで空を舞い、空中から四肢である貝柱を高速で連続で伸ばしてきて。流星群の様に降り注ぎビルを破壊する拳の雨あられから、とにかく跳躍を続けてギリギリで回避するのを繰り返すプサイ。切り刻んだ部位や砕けた貝殻は再生はしていない。シンプルに、ただ単に四肢を高速で伸縮させているのだ。斬られた腕も伸ばせば元の大きさだ。すなわち、ゴリ押しだった。
「これ以上、街を破壊するなでござる!」
電波塔の柱の壁面に着地、爪を突き刺してしがみついたプサイは、そのまま柱を支柱にしてクルクルと回転。爪を引いて柱を斬り裂くことで勢いよく飛び出したプサイは、回転するルビコッコに遠心力を伴った両脚蹴りを叩き込むがしかし、次々と放たれた貝柱の拳で滅多打ちにされ撃墜されてしまう。
「ござぁあああああ!?」
「逃がぁすかあ!」
四階建ての建物に落ちていったところに、大気や瓦礫を巻き込んでサイクロンの様になったルビコッコが襲来。建物を倒壊させ、瓦礫と共にプサイは打ち上げられ、空中に舞い上がった。
「くっ、空中戦……受けて立つでござる!」
プサイは同じく舞い上がった瓦礫を蹴って加速、ルビコッコの周囲を回転しながら打ち上げられていく瓦礫に次々と飛び乗って、加速し続け、すれ違うたびに斬りつける。それは、G3との戦いでモールデッド・ハンターとして行った必殺の技。対象が死ぬまで切り刻み続ける、斬撃の嵐だ。
「うおおおおおおおっ!?」
「ミンチになれえ!」
しかし、通じない。高速で回転する肉塊は斬撃を弾き飛ばし、逆にカウンターで拳を叩き込んでくる。それも、一瞬の交差で無数にだ。ズタボロにされたのは、プサイの方で。逃げ場のない空中に飛び出したのが運の尽き、無数にも見える速度で連続で放たれた拳が次々と叩き込まれて、血反吐を吐いて打ち上げられ、べちゃっと12階建てビルの屋上に叩きつけられるプサイ。
「……はあ、はあ。本部からは引き離せたが、どうしたものでござるかな」
FBCの本部になっている中央の一番高いビルから遠ざけることはできたプサイだが、困った。まるで勝てるビジョンが見えない。勝てる気がしない。もはや災害に生身で挑むようなものだ。それでも、プサイは自分の言った言葉を思い出す。
―――――「泣いていい。逃げてもいい。ただ諦めるな、でござる」
「……エヴリン殿は諦めずにこの未来に繋げた。拙者も諦めないでござるよ」
ギュンギュンともはや生物では出せない音を出しながら迫る肉塊UFOに、プサイは左手の爪が鋭い中指を突き立てた。
「いい加減に、するでござるよ!」
「肉ゥウウウウウ!!」
瞬間、今の今までいたビルがサイクロンに飲み込まれて倒壊する。次のビルに飛び移るなり、ルビコッコが来る前に貯水タンクの留め具を斬り裂いて外すと、自慢の脚力でサッカーボールの様に蹴り上げるプサイ。グルングルンと回転して水をまき散らしながら迫るそれに、ルビコッコは拳の連打で破壊することで突破。しかし、それを目くらましにプサイはいなくなっており、ルビコッコの突撃がそのビルを倒壊させた。
「肉塊……どこだぁあ……?」
崩れ落ちていくビルの瓦礫の間を旋回してプサイの死体を探すルビコッコ。そんな彼のアコヤガイである胴体に衝撃が走る。それは、こちらに蹴り飛ばされた瓦礫だった。
「おぬしを倒すには弾が足りぬからな!サムライとしては正々堂々倒したかったでござるが……許せ!瓦礫吹雪の陣!」
瓦礫に隠れて一緒に落ちていたプサイ。次から次へと瓦礫を蹴り飛ばしながらルビコッコの周りを跳び回り、次々と瓦礫を打ち付けていく。それはまるでルビコッコを取り囲むような陣形で。ルビコッコは貝柱に瓦礫を打ち付けられ血を流し、回転を緩めて墜落していく。しかしただでは終わらない。
「しまっ……ござぁあああああっ!?」
「肉塊になれええええ!」
ルビコッコは墜落しながら四肢を伸ばし、右足が変形した貝柱の手でプサイを鷲掴みにすると、道連れに瓦礫が降り注ぐ地表に勢いよく激突したのだった。
「あいたたたた……頭を打ったでござる……」
80m以上の高さから落ちてきたのに頭を打っただけで済んだプサイは頭から血を流しながら瓦礫の山を押し退け立ち上がる。その背後のさらに大きな瓦礫の山を押し退けて、アコヤガイの装甲が完全に砕け散って貝柱の大男となったルビコッコも姿を現した。
「……どうやったら死ぬでござるか?」
「美しい血だぁ……もっと見せろお!」
「おっと、でござる」
右手の貝柱の拳を伸ばしてくるルビコッコの攻撃を、跳び箱でもするかのように両手で押して飛び越えて、ルビコッコの首に向かって宙を舞いながら爪を構え、振りかぶるプサイ。
「またつまらぬものを………斬れてないでござるぅ!?」
そのままルビコッコの頸を断ち切った……と確信していたプサイだったが、頸が斬れる寸前で亀のように頭部を胴体に引っ込められ回避されてしまい、返しの伸びる足による回し蹴りを受けて蹴り飛ばされる。さらに甲殻を失ったためか俊敏な動きで次々と四肢を振るい、嵐のような連撃が叩き込まれ、全力で駆け抜けて回避していくプサイ。
「肉塊!ひき肉!血肉!見せろぉ!」
「器用なやつでござるな……!」
一度頭上に持ち上げられてから勢いよく振り下ろされた右拳を、宙返りして蹴り上げ、近くに転がる自動車を蹴り飛ばすプサイ。ゴロゴロ転がっていく自動車はルビコッコのダブルスレッジハンマーが叩き潰し、興奮して口から血反吐を吐きながらも叩き潰した自動車を引きちぎり、二つの鉄塊にして両手で掴み貝柱を伸ばして絡みつかせ、ガンガンとぶつけて威嚇する。
「これ、お前、潰すのに、ちょうどいい…!」
「さっきまでの装甲の代わりでござるか?まるでヤドカリでござるな」
ガンガンと叩いて威嚇ながら迫るルビコッコに冷や汗をかき、後ずさるプサイ。腕が伸び、突撃してくる鉄塊をぎりぎりで避け、蹴り返そうとするも肉と鉄が絡み合ったそれを蹴り飛ばすことは叶わず。
「ぐっ、重い…!?」
逆に足を痛めてしまい、蹲るプサイ。すぐ再生するが、その十数秒の間、高機動力が失われたのは痛手だ。何か逆転の一手はないか、と片足だけで跳躍して鉄塊の追撃から逃れながら探して。それを見つけた。
「……斬撃や蹴りが通らぬのなら、やることはひとつでござるな!」
プサイの爪の一振りが、蓋を破壊。中からそれを取り出し、両手で握り右手の先のそれをくるくる回す。街の一角に備え付けられた放水口格納箱から放水用ホースを取り出したのだ。それをチェーンアレイの如く振り回し、勢いを増していく。
「そんなものぉおおおお!」
「エヴリン殿曰く、武器は結構侮れない!でござるよ!」
グルングルングルンと右手で振り回され遠心力を加えたそれが、飛び掛かってきたルビコッコの顎に炸裂。頭部を打ち上げて、後退させるとヌンチャクの様に振り回し、腹部、胸部、肩、太腿、頭部と次々と炸裂させていくプサイ。ルビコッコは距離を取って中距離に切り替えようとするも、その足にホースが巻き付いて引っ張られ転倒。尻餅をつき、その衝撃で鉄塊がアスファルトに埋まってしまい身動きが取れない。
「再生!続行でござる!」
その間に折れた脚を再生させたプサイが地を蹴り、宙を舞う。首狩りは通じない。だがしかし、それなら逃げられない様に〝穿つ”のみ!
「侍突き!」
全体重を乗せて急降下した、左腕による抜き手が、咄嗟に胴体に引っ込めた頭部の頭頂部から、ルビコッコの胴体を貫いた。
「ぐおぉおおおおおおおおあぁああああああっ!?」
血飛沫が飛び散り、頭部が飛び出て脳天を爪で貫かれたルビコッコは絶叫を上げ、しかしアスファルトに埋まった両手を動かすこと叶わず、暴れることもできないまま仰向けに倒れ伏して力尽き、その上から飛び降りて着地、爪に付着した血を軽く振るって飛ばすプサイ。
「諦めなければどんな奇跡も起こせるのでござるよ。あ、でも……さすがに疲れた、でござる」
しかし積み重なったダメージは誤魔化すことはできず。こちらに近づくヘリのローター音を聞きながら、プサイもまた倒れ伏したのだった。
ルビコッコは特殊能力が無くて、シンプルに変形する肉体だけが武器です。膂力だけで空を飛んでる頭おかしい奴。
※被害の規模一覧
ルビカンテ:特にクイーン・ディードから動いてないため付近の海域に酸性雨の影響が出てるだけなので実質皆無。
バルバリシア:街中に放火、FBCや住民も燃やして回って楽しんでいる。残虐。
カルコブリーナ:目について邪魔な人間だけを殺して回ってる。逆に言えば近づかなければ殺さない。
プライム:ハンターを率いているが、FBCの隊員を殺したのと襲撃しかしてないため意外と少ない。
ルビコッコ:避難民が大勢いたハイウェイを容赦なく蹂躙、まだ逃げ遅れた人間のいたビルを次々と倒壊させる。目的が血肉を見るためだけなので、被害数トップ。
ちなみにジェーンドゥーのお気に入りはルビコッコ。シンプルに強いからBSAAの虐殺をできると期待してたが、プサイが単独で相手取ったためその目論見は失敗に終わった。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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