BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はカルコブリーナとバルバリシアの決着。楽しんでいただけると幸いです。
距離を取って対峙している中で、突如天井をぶち抜いて落ちてきたハンター・プライムとその上に乗るシータにどよめく一同。ガンマの肉体を支配しているカルコブリーナの二人は目を丸くし、バルバリシアは両手を頭上で叩いてキャッキャと喜んでいる。
「ハンター・プライム……?まさか、負けたんですか!?あんな強いのに!?ジェーンドゥー様から賜ったとっておきが……」
「アハハハハハ!お仲間さんもやるねー!私も燃えて来たぞー!燃やしちゃうぞー!」
「あっつ!あたし炎は無理!」
バルバリシアが軽く腕を振って放たれた火炎放射に、慌てて飛び退くシータ。そこでようやく、クイーンとグラ、モールデッド・ラミアがいることに気付いた。
「あ、いたんだ。あたしたちは一人倒したけど、そっちはまだなの?ざぁーこ!あたしがやっちゃおうか?」
「『必要ないよ。もうチェックメイトだ』」
「チェックメイト?貴方たちがでしょうか?寝言は寝て言ってください!」
のしのしと距離を詰めて瓦礫の拳を振り下ろすカルコブリーナ。しかし、モールデッド・ラミアは振り返りもせず、右手だけで受け止めた。ビクともしないモールデッド・ラミアに、二つの顔が浮かんでは焦燥を浮かべて消えていく。金魚鉢の様な顔が揺らめいて動揺を表す。その横で、グラとシータが加わったクイーンがバルバリシアと相手取っている。
「な、なんで……ですか?さっきまで、互角以上に…!」
「『さっきと今じゃ決定的な違いがあるって気づいてないの?プラナリアって聞いた時からそう簡単に倒せないのは分かったから、手荒な方法だったけどここまで連れて来たんだよ』」
静かに怒りに燃えるモールデッド・ラミアの背後で炎が揺らめき赤く照らされるその姿は悪魔のごとし。その光景に怯み、四つの脚で後ずさりするカルコブリーナ。
「『P-ウイルスっていう最悪のウイルスがあってね。海洋生物の弱点を勉強する機会があったんだ。プラナリアなんて大当たりの部類だよね。塩水とか放射線とか弱点はいろいろあるみたいだけど……手っ取り早い方法がある。それは炎だ。再生する細胞が焼けてしまえば分裂もできないよね?まあ、B.O.W.全般が炎が嫌いだし得意な奴の方が珍しいんだけど。私もそうだし』」
クトゥガとかアレクシアとかその最たるだよねー、と呑気に話すモールデッド・ラミアに、カルコブリーナは戦慄する。
「炎…?まさか……!バルバリシア…!?でも、どうしてここにいるって……」
バルバリシアに視線を向けて狼狽えるカルコブリーナに、モールデッド・ラミアは舌をちろちろ出して左手で指さして見せる。
「『私は蛇だ。……ピット器官って知ってる?赤外線でわかるんだよね、熱量とか』」
「だというならば、道は一つ!貴女を殺してここから逃げるだけです!」
カルコブリーナの巨体が、勢いを伴って殴りかかる。しかし、横から尻尾を叩きつけられて転倒。そのまま縦横無尽に動くモールデッド・ラミアの両拳で滅多打ちにされ、ダウンするカルコブリーナ。炎で弱体化したパワーではもはや敵わなかった。
「くっ……まさか、そんな!ここで死ぬわけには…!」
モールデッド・ラミアを押し退けて壁に開いた大穴に突き進むカルコブリーナ。しかし、その会話を聞いていたクイーンとグラとシータにより、進路上にバルバリシアを誘導。喜びながら火炎を放射しながら追いかけるバルバリシアに行く手を炎で塞がれ、たまらず文句を垂れた。
「バルバリシア!どきなさい!貴女がいたら私たちは死んでしまうんです!」
「え?いいじゃん、炎に巻かれて死ぬなら本望でしょ?二人仲良く死にたいなら私が火葬してあげるよ?」
「なっ……!?」
あっけらかんと首を傾げたバルバリシアに絶句するカルコブリーナ。狂人だ狂人だとは思っていたが、ここまでとは思っていなかった。小首をかしげてモールデッド・ラミアとカルコブリーナを見比べたバルバリシアは、嬉々として両手をカルコブリーナに突きつける
「あ、もう戦う気はないの?じゃあ燃やしちゃっていいよね?ずぅーっと、燃やし甲斐がある愛だなあ!って思ってたんだ!ああ、安心して!プライムちゃんもルビコッコくんもルビカンテ様もみんなみんな燃やして火葬してあげるから!」
「それのどこに安心できると!ああもう、貴女も邪魔するんですね?死になさい!」
そのまま掌から火炎放射してくるバルバリシアにたまらず、瓦礫の拳で殴りかかるカルコブリーナ。しかし瓦礫が溶け落ちるその威力に水分を主にしているプラナリアの肉体が耐えきれるはずなく、瓦礫がドロドロと融解するのと同時に液状の体の大部分が蒸発し、解放されたガンマの体がぽてっと転がる。その口の端から液体がこぼれ、慌てて炎から逃げるようにガンマの中に引っ込んだ。
「ガンマ!くっ、近づけない…!?」
「あつっ、あつっ!こんの!ガンマおねえちゃん返しなさいよ!?」
「エヴリン!」
「『うちの子を燃やすな!』」
「きゃー!?」
そのままガンマを火炙りにしようとするバルバリシアに、助けようとしたが炎ではばまれるクイーンたちの叫びを聞いて、モールデッド・ラミアが尻尾を振るってバルバリシアごと炎を薙ぎ払い、口の端から液体を零すガンマを抱え上げて炎から離れる。吹き飛ばされたバルバリシアは宙を舞うも、器用に両手両足から炎を放出して飛行。むぅーっと頬を膨らませる。
「カルコブリーナは仲間の私が責任をもって燃やしてあげるんだから!邪魔しないでよ!」
「『うちの子殺すなって言ってんの!お前さては話が通じない系だな!?』」
「仲間にすら裏切られるなんて、ああ。やっぱり、世界は私達の敵なんですね……愛なんて与えてくれない……」
「『え?』」
抱えているガンマの口が動いて呟かれた二つの声に、衝撃を受けたかの様に固まるモールデッド・ラミア。その言葉は、その、命の危機だから引きずり出されたであろう渇望は。かつての、自分のそれだった。怒りが消える。代わりにわいてきたのは、同情だった。
「何言ってるの?燃やすのが愛だよ?二人揃って天国に火葬されるんだよ?さいっこーじゃん!」
「『…………いやでも、此奴は人をたくさん……』」
「いや!いやです!死にたくない!なんで、こんな、あんまりです!………エヴリン。この人たちは寂しくて、誰も信じられなくて、ただ二人だけで生きていくしかなかったんだ……私も、人を殺したよ。だけど、やり直せた、だから!」
炎でカルコブリーナが完全に弱ってしまったのか、意識を取り戻したガンマに、そう告げられて。敵であっても助けられるなら助けてきたのが
「……二人に同情したとか、一番苦しめられた
ガンマをクイーンに投げ渡して、モールデッド・ラミアはバルバリシアに突進、右わき腹から生えてきた巨腕でその身体を掴むと、壁に開いた穴から飛び出した。
「きゃああっ!?…って、そんなにでかかったっけ!?」
「『もう手加減しないぞ……』」
長い黒髪の様に変形した後頭部に、巨大な蛇が腰まで飲み込んでいるような形状をして境目には牙が生えている様な形状と化した下半身、ギョロギョロと絶え間なく動いて周囲を睨みつける六つの紅い瞳、壁を掴み蟲の様に動かしてその巨体を移動させる六本の腕、そしてビルに巻き付くことができるほどの巨体。ロックフォート島でクイーンたちを苦しめた巨蛇、ステンノーの記憶を引き出したモールデッド・ラミアは、一番下の右手で握りしめたバルバリシアに、五つの拳を振りかぶる。
「燃やし甲斐があるね!燃っえろーー!!!」
バルバリシアは自身を火達磨にしかねない勢いで全身から炎を放出してモールデッド・ラミアの全身を炎上させるが、それは怒りの炎に薪をくべる行為で。
「『死ね』」
「え、あ」
燃え盛る五つの拳が、小さな体を押しつぶす。同時に背中のガスタンクが破裂して大爆発。バルバリシアは、全身拉げて黒焦げになりながらアスファルトの地面に落ちていったのだった。
愛を知らないで、誰かに依存して、母親に確執があって、人を殺してばかりだった。エヴリンにめっちゃ刺さる境遇のカルコブリーナでした。乗っ取られてたガンマすら同情するレベル。
バルバリシアは特に悲しい過去はない、シンプルな外道です。燃やせばみんな一緒だよ(素)。エヴリンからしたら一番許せない人種。今作の炎を使う敵こんなんばかりな気がする。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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