BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
というわけで待望の4編第一話。楽しんでいただけると幸いです。
file4:1【マリオ・フェルナンデス・カスタニョ】
俺はマリオ・フェルナンデス・カスタニョ。しがないヨーロッパの片田舎の警官で、ただの巡査だ。そんな俺は、相棒と共に、カウボーイとカウガールを後部座席に乗せて田舎道を走っていた。なんでもアメリカ政府のエージェントというやつらしい。はあ、やだやだ。エリート様たちの送迎かよ俺達は。これが警察のやることかね。つい最近もテラグリジアでバイオテロが起きたご時世だ、そんな大事件が起きるよりはマシかもしれないがね。写真を手になにやら考えに耽っているカウボーイと、外をじっと見つめているカウガールに、いたたまれなくなって助手席で手持無沙汰だった俺は問いかけた。
「なあ教えてくれよ。署長直々に命令されたんだ。アンタらを手伝えってさ。こんな山奥になんのようだ?面白いもんなんか何もないぜ。この近くには寂れた村しかない。ちょっと先にでかい古城はあるが、観光ってわけじゃないんだろ?此処だけの話だが、秘密を教えてやる。この森では遭難者が後を絶たない。いわゆる?神隠しってやつだ」
「……神隠し」
「先週もハイカーの捜索があったばかりだ。だが、捜索していた警官の一部まで消えてしまった。おかしな話さ」
「おいやめろ、マリオ。下手なことを言って告げ口でもされたらどうする?」
「へえ、マリオっていうんだ。主人公みたいな名前だね?」
「よく言われるよ。俺はスーパーじゃないけどな。主人公にもなれないただの
俺の名前は言わずと知れた日本産のゲームの主人公の名前。よくその名で揶揄われたもんだ。だが何度も言われれば、意識するもので。
「私はアリサ・オータムスっていうんだ。ほらレオンも」
「……レオン・S・ケネディだ。さっきの質問の答えだが……俺達は、迷子を捜しに来た」
「アシュリーっていうんだ。見たことないかな?」
そう言ってアリサと名乗ったカウガールが差しだしてきた写真を受け取り、相棒にも見えるように持つ。金髪ショートヘアの白人で、童顔な一方、抜群のプロポーションだ。モデルかなにかか?
「言っておくけど要人の令嬢だから変なこと考えない方がいいよ?男の視線は女の子にはすぐわかるんだからね?」
「悪い。悪かったぜ、カウガール。その冷めた眼はやめてくれ」
よこしまな考えを見抜かれたのか、カウガールにジト目で睨みつけられてしまった。参ったなこりゃ。しかしまあ、偶然ってのはあるんだな。
「しかし要人の令嬢でエリートが二人も派遣されるなんて、よっぽどVIPなんだな。……いい情報があるぜ。俺はこの嬢ちゃんを見たことがある」
「ほんと!?」
「その情報、確かか?」
「ああ。駐在所で道を聞かれて答えてやった。喜べ、聞かれたのは今から向かう村の場所だ。なあ相棒?」
「あの子か。行方不明者が多いからやめとけって言ったんだけどな。“デザストレが待ってる”ってよ」
「デザストレ……?」
「多分ありゃ訛りだな。恐らくは“デザストル”。スペイン語で「災厄」って意味だ。正直、ぞっとしないな」
カウボーイの零した単語の意味を教えてやると、深刻そうな表情を浮かべるカウボーイとカウガール。何かあるのか?
「アシュリー……本当に、攫われたわけじゃ、ない?でもなんで、こんなところにまで……」
「それに、災厄を意味する単語……まさかと思うが、今回もB.O.W.の仕業か?アンブレラの残党…?」
「BSAAがいくら潰しても出てくるよね……」
B.O.W. BSAA、どちらも聞いた名称だ。テラグリジアのあれだろう。この二人は関係者なのか?と思ったが、相棒に“余計ないことを言うな。絶対面倒ごとだぞ”と言わんばかりの視線を向けられてやめた。同感だ。面倒ごとの匂いがプンプンするぜ。
「こんな時間から四人でピクニックってわけだ。別嬪さんもいて嬉しいね」
「最高だろ?アリサはすごい奴だ。とある街ではヒーローと呼ばれていた」
「昔の話だよ……」
「なかなか言うじゃないか。にしてもヒーローか。興味があるね」
そう尋ねて期待した視線を向けて見れば、迷っていたカウガールは折れてくれたようだ。
「……ラクーンシティって知ってる?」
「知ってるさ。消された街だ。あの事件はこっちにも伝わっている。……おい待てまさか」
「私、そのラクーンシティの警官だったんだ。S.T.A.R.S.って言えばわかるかな」
「アンブレラ裁判で犯人にされそうだったあのS.T.A.R.S.か?」
一年ぐらい前にテレビで放送されていたニュースを思い出す。あれは世界が注目した事件だった。
「おい、マリオ」
「……悪い。今のは失言だった」
「ううん。気にしてないよ。無罪を勝ち取ったからね。ラクーンシティのみんなからはヒーローと呼ばれてた。だけど、私は……救えなかった」
「でもそれは、カウガール。あんたのせいじゃない」
「うん、ありがと。マリオは優しいね」
「そう言われたのは何年ぶりだろうな。ヒーローだろうがアンタは女だ。俺が守ってみせるぜ」
「……うん。頼りにしてるよ」
そのちょっとした間が気になったが、俺達を乗せた車はそのまま山道を突き進んでいった。
「着いたぞ……この辺だ。悪い、野暮用だ。ちょっと待っててくれ。すぐ戻る」
「野暮用?」
「…アリサ。その、……言いにくいが、あれのことだ」
「あ、え、ご、ごめんね!?」
「こっちが恥ずかしくなるぜ。悪いな」
随分冷える。水を飲み過ぎたか?いや、あんな美女と一緒の車にいたんだ、喉も乾くさ。手ごろな木陰を見つけ、一服する。……早く戻らないとな。
「ん?」
なにかの気配がして振り向いたが、なにもいない。……気のせいか。
「戻ったぜ。行こう。この先が例の村だ」
まさかのマリオ視点。RE4で名前が明かされた時から書くっきゃねえ!と決意したキャラでした。相棒の名前も公開されてください頼む。
レオンとアリサが参戦。そして原作と異なりマリオが無事の姿で車に戻ってきて……?
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きなリ・ヴェルトロ編オリジナルB.O.W.は?
-
カルコブリーナ
-
バルバリシア
-
ルビコッコ
-
ルビカンテ
-
ハンター・プライム
-
ハンターπ改