BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はまさかの展開に。楽しんでいただけたら幸いです。
「キシャアアアアアアアッ!!!!」
メガネの警官の死体が突如変貌した蜘蛛のような怪物が、口から現れた単眼をギョロギョロ動かしながら、胸部から生えた六本の脚を動かして村を練り歩く。それを、物陰から確認するアリサたちと、鐘塔の上からドラグノフで狙うリディア。アリサたちの方に迫る怪物の気を逸らすべく、その足を狙って狙い撃つ。
「キシャッ、キシャアアアアアアアッ!!!!」
左足が一本撃たれて千切れ、悲鳴を上げて体の向きを変え、鐘塔の上に陣取るリディアを見つける怪物。そのままわさわさと脚を動かして鐘塔の壁を這いあがっていく。
「隊長!」
「うむ、ナイスでござるリディア殿!」
「手裏剣でござる!」
脚を千切ったリディアに怒りで気を取られていて周りが見えていない怪物目掛けて、プサイとショウが躍り出る。ショウが手裏剣を投げつけ、メガネの警官の脚に炸裂させて千切れはせずとも怯んだところを、プサイ必殺のドロップキックが怪物の背中……メガネの警官の胴体に炸裂、逆エビ折りになりながら鐘塔に突き刺さり、へし折れた鐘塔の上からリディアが飛んで家屋の屋根に逃れると同時、粉塵が広がった。
「さすが隊長だぜ!」
「プサイの本気の蹴りなら……」
「久々に見たが、やはりB.O.W.は末恐ろしいな」
「やったか!?」
『マリオダメ、やったかはフラグ!?』
マリオの建てたフラグに物申すエヴリン。それと同時、プサイの苦悶の声が響いた。
「ぐ、ううっ…!?こ、の……!」
『プサイちゃん!』
メガネの警官の死体は鐘塔の瓦礫に埋もれている。しかしそこに、異形の形跡は、ない。プサイは自らの体にしがみついて脚で四肢を拘束し、頭に胴体を取りつかせている蜘蛛の様な単眼の「蟲」を相手に必死に抵抗していた。
「キシャッ、キシャアアアアアアアッ!!!!」
「「隊長!」」
「プサイ殿!」
慌てて駆け寄るビリーとショウ、ドラグノフを構えるリディア。しかし、プサイの四肢を無理やり動かして爪を振るう「蟲」の抵抗に近づけず、レオンはそれを見てあることに気付いた。
「そうか!あのメガネの警官にも、俺達が戦っている間にああして体内に侵入されて…!」
「ああなったってのか!?あれは一体なんだ!?」
『……もしかして、プラーガ…!?』
「プラーガ?知っているの、エヴリン!」
マリオの問いかけに反応したのは、この場においてはアリサとプサイにしか見えないし聞こえないエヴリンの声。アリサの質問に、エヴリンは頭を指でこねくり回して記憶を引き出そうとする。
『えっと、えっと……一時期ウイルスに代わって覇権を握っていた寄生生物だってことしかわからない!あーもう、こんなことならクリスからちゃんと学んでおけばよかった!いや学んでたかもしれないけど忘れちゃったね!あれ何十年前なのかな!』
「寄生生物…!じゃあ、引きはがさないと…!」
プサイの蹴りで蹴り飛ばされてきたビリーを受け止め、下ろしてからプサイに駆け寄るアリサ。ショウが素早い身のこなしで翻弄し、当たるかどうかのギリギリをドラグノフの弾丸が霞めて、プサイを操るプラーガを追い詰めているところだった。アリサが駆け寄ってきたのを見て、プサイの爪を振るうプラーガ。肉体の限界を超えて振るわれた速度に、パワータイプのタンクでしかないアリサは避けれるはずがなく。振りかざしていた右腕が肘から先を斬り飛ばされて鮮血が飛び散った。
「アリサ!」
「ぐうっ……このお!」
「「キシャッ!?」
しかし負けじと斬り飛ばされた腕を掴み、そのまま鈍器としてプラーガを殴りつけるアリサ。リーチが伸びたそれは鞭の様にしなり、ビシバシとプラーガを打ちのめしていく。血の気の引くマリオ、レオンもビリーもショウもリディアもあまりの凶行にドン引いた。
『アリサは相変らずアグレッシブだなあ。って、不味いよ!アリサ!』
「え、なに…!?」
しかし、そうこうしているうちに殴られながらもその衝撃を利用してプサイの背中に移動していたプラーガが、触手を突き刺して開いた穴から体を潜り込ませていく。四肢も解放されたプサイは白目をむいて立ち尽くし、プラーガの五本の脚がプサイの背中でワキワキと蠢き、そして。一度閉じられた目が、再度開けられた時。赤く光り輝いていた。
「プサイ殿…?」
「…ケヒッ。いただいたぞ、強い
「お前、誰だ?プラーガ…?」
ショウの呼びかけににやりと嘲笑を浮かべるプサイに、全員が得物を向け、アリサが問いかける。するとプサイは背中の脚をワサワサ動かしながら嗤って答えた。
「村の者でもないのにプラーガを知っているのか?まあいい。俺はコルガド。改良型プラーガ【
「あの方…?」
「プサイを返せ!」
「やなこったあ!」
プサイの跳躍力と、背中から伸びた脚をバネにした大跳躍で屋根の上まで逃れるコルガドに、銃弾が襲い掛かるも並外れた反射神経で弾丸が爪で斬り伏せられる。アリサは、レオンは、プサイ分隊は、忘れていた。これまで頼もしい味方だったプサイが、敵に回ればどれだけ厄介なのかを。
「ケヒッ。ああ、素晴らしい身体能力だ……仮の体が一撃で潰されたんだもんなア。あの方からお前らの誰かの肉体をいただく命令を受けたが……こりゃ大当たりを引いたかあ!?ケヒヒヒヒッ!」
「プサイ殿を、返せでござる!」
壁を駆け上ったショウが、小太刀を手に斬りかかる。爪と、背中から伸びる脚による連撃を捌いていくショウ。足を狙ってリディアのドラグノフと、ビリーのマグナム、レオンのハンドガンによる掩護射撃が放たれるも、コルガドはプサイの体を可動域限界まで動かせるようで関節が外れるほど足を広げてしゃがみ込むことで回避。そのまま足を広げたまま背中の脚を動かして、足払い。ショウは転倒し、立ち上がって突き刺さってくる脚の攻撃をゴロゴロと避けて回避、穿たれた瓦に穴が開く。そのまま立ち上がろうとしたところをサッカーボールキックで蹴り飛ばされた。
『アリサ!』
「わかってる!」
その間に腕をくっつけたアリサ。グーパーして調子を確かめ、踏み込んで跳躍。瓦を吹き飛ばしながらコルガドの目の前、屋根の上に着地した。
「お前も、いいなあ。俺と同じ顔だが姉妹か?ケヒッ、ケヒヒヒッ」
「お前はプサイじゃない。その顔で下品に嗤うな…!」
アリサの右ストレートが放たれる。防ごうとした背中から伸びた脚をへし折りながら拳を顔面に叩き込み、しかし鼻血を垂らしながらも満面の狂笑を浮かべて掴みかかる、左手の爪をアリサの胸部に刺しこむコルガド。
「肉親でも容赦なしか!ケヒッ、面白いなお前え!」
「ぐうっ!?」
そのままアリサの心臓を爪で穿ちながら、屋根に叩きつけ、心臓に突き刺した左手をそのまま引きずって下の屋根まで落とし、踏み潰さんとアリサの上に着地……しようとするも、僅かにぶれて、その横に降り立った。
「ケヒッ?」
しかし背中から落ちた際にアリサが折りたたんだ脚によるドロップキックを腹に受けて横に打ち上げられ、隣の家屋の屋根に背中から叩きつけられた。そこに、室内を通って窓から屋根に出てきたレオンが、いつの間にか手に入れたのかショットガンを構えて、速射。起き上がったコルガドの胴体に炸裂して吹き飛ばす。
「投降しろ!プサイから出ていけ!」
「ケヒッ……やなこった。まだ神経を繋いでいる最中だ、半日もあればこのカラダは俺のもんだ…!」
「はあ、はあ、はあ……神経を、繋いでいる最中…?」
『ってことは、まだ間に合う!』
息も絶え絶えなアリサの傍でエヴリンが叫ぶがしかし、コルガドはそれを嘲笑う様に脚力と背中の脚で大跳躍。村の奥へと落ちていく。
「っ、待て!」
「お前らは殺すぜ!あの方の邪魔だあ!だが、今じゃない!このカラダをものにしたら殺してやるよ!」
そう言ってコルガドは完全に姿を消して。アリサの悲痛の声が響いた。
最高戦力の味方プサイ、まさかの乗っ取り。エル・コルガドはスペイン語のタロットカードから取りました。意味は「吊された男」。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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