BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は、第二の刺客登場。楽しんでいただけたら幸いです。
『懐かしいなあ。イーサンとこうやってあの村の探索をしてね……おっと、これはまだ、あなたたちにとっては未来の話、でしたね?』
そんなことをぼやきながらルンルンと鼻歌をしながら先行するエヴリンを、ビリーと二人で追いかける。それ聞こえるの私だけなんだけど、いいのだろうか?風車が見えてきた。レオンが聞いたハ二ガンの情報によると湖もこの先のルートらしいが、村人が消えた礼拝堂の方が怪しいからそっちを調べてから向かうらしい。
『あ、二人とも待って。村人がいる』
「ビリー、止まって。村人がいるみたい」
空を浮いていたエヴリンがそう言って手で制してきたので、物陰に隠れて様子をうかがう。どうやら農場の様だ。あれほどの戦闘をして騒ぎが聞こえていただろうに、まるで何事もなかったかのように、農業に勤しむ村人たちが見えた。ここまで普通だと不気味だ。でも普通に牛とか鶏が飼われている。ゾンビだったら食欲からあり得ない光景だった。ところでこの建物なんで扉も窓も全部封鎖されてるんだろ。
「殲滅するか?」
「騒ぎを起こしてあのコルガドとか言うのにバレて逃げられると面倒だ、できるだけ隠密しよう」
「あんたに従うぜ」
『見張りは任せて』
エヴリンに見張ってもらいながら、柵を乗り越え小屋の物陰を移動して隠れながら、奥へ続く道を目指す。よし、このまま……風車小屋の中から……と思いきや、風車小屋は柵で思いっきり閉鎖されていた。下の柵が刺さった穴にずれた跡がある、つまりこれはいつも閉じられているわけじゃないということだ。
「……閉じられてる
『向こう側にスイッチがあるか見てくる』
「マグナムなら壊せそうだが……どうする?」
「さすがに弾の無駄だよ。マグナムの弾って貴重なんだよ?エヴリン、どう?」
『スイッチらしきものがなかったから上まで見てきた。なんか風車小屋の二階にある歯車が一つ取れてたよ、閉じられているのはそのせいみたい。いつもは回ってて開きっぱなしって感じだね』
「歯車が外れてる?でも、そんなのどこに……」
「……ここは二階があるみたいだ。そこから、村の上に行けないか?」
エヴリンとの会話が聞こえないながらも察したらしいビリーの進言で、風車小屋の二階を目指す私達。私は気が急いて、焦っていたのは間違いない。
『うん?赤い光……?』
「待て、アリサ!」
赤い光が横目に見えたな、と思った瞬間。トラップのワイヤーに引っかかり、爆発。服は政府の科学者が開発した防刃防弾防爆だから問題ないが、私自身はそういうわけにもいかない。私が強いのはあくまで再生速度だけで、体表まで堅いわけじゃないのだ。こんな、初歩的なトラップに引っかかるなんて……
「かふっ……」
『アリサが爆発したー!?この人でなしー!』
「アリサ!?しっかりしろ!」
結果、私は左半身が焼けただれ黒焦げの状態で倒れ伏す。やっばい。焼けたダメージは再生が遅いのだ。これは、だめだ。今の爆発の音で、村人が引き寄せられる。なんならコルガドも気づいて逃げ出すかもしれない。最悪だ。
『ああ、もう!こういう時触れられないのもどかしい!』
「ビリー、私を置いて逃げて……」
「置いていけるか!バディだろ、今は!」
『よく言ったビリー!』
そう言って私を左肩に抱え上げ、お米様抱っこして上を目指すビリー。下から村人が迫る音や声が聞こえる。このままじゃ、追いつかれる。
「歯車の場所もわからないんだよ……私なら、多少ボコボコにされても大丈夫だから……」
「そんな問題じゃねえだろ!」
外の上通路に出て、走るビリー。その先は、あの一階が閉鎖されていた建物だった。二階の窓から入ると、案の定歯車が置かれていた。こんな、単純な……。でも、戻るには下に戻らないといけない。あの村人の軍勢をどうにかしないと……。するとビリーは私を二階に下ろし、歯車をしっかり持たせるとマグナム二丁を構える。
「しっかり持っていろ。こうなったら、奴らを殲滅する」
『なんか伊之助……じゃないや、イノシシの頭を被って大鎚を持った大男がいた!巨大チェーンソー男よりはやばそうじゃないけど、気を付けて!』
「やばいのがいるってエヴリンが言ってる……駄目だよ、ビリー」
エヴリンの言葉を聞いて、弱々しくビリーを止めようとするも、ビリーは不敵な笑みを告げて、一回の扉を破壊しながら現れたハンマーを持ったイノシシ頭の大男の前に飛び降りる。
「任せろ。今の俺は、負ける気がしねえ」
振り下ろされたハンマーを、壁に向かって跳ぶことで回避。壁を蹴ってその反動で飛び回し蹴りをイノシシ頭に蹴り込むビリー。よろめいたイノシシ頭の両手の甲にマグナムをぶちかましてハンマーを落とさせ、ミドルキック。腹部を蹴りつけられたイノシシ頭はよろめいてその巨体で背後の村人たちを押しのけてひっくり返り、立ち上がったところに、マグナムをしまったビリーが両手で持って回転させながら投げつけたハンマーが飛んできて。ぐしゃりと、音を立ててイノシシ頭の頭部や村人たちを薙ぎ払った。グルグル回転したハンマーは宙を舞い、牛舎の壁にぶつかり拉げさせて止まった。そのまま、ハンマーを手に取り振り回して村人を殲滅するビリー。
『大男でも引きずってたあれをぶん投げるってビリー、人間だよね…?』
「……ははは、すごい……あれが、クイーンも信頼を置いてた人かあ……」
『アリサ、黙ってて!出血酷いから!って、アリサ!避けて!』
「え……?あがっ!?」
すると。窓から入ってきて背後から襲い掛かってきた蜘蛛の様な生物が私の背中に飛び込んできて。肉を裂いて体内に異物が侵入してくる感覚に、悲鳴を上げる。これって……もしかして、プラーガ……?プサイみたいに、私に寄生して乗っ取ろうと……?体内の肉を意図的に動かして追い出そうと試みるが、プラーガは私の神経に接続してきて肉体の主導権を奪ってきた。この強制的に奪われる感覚、寄生体ネメシスの比じゃない…!?
「だめ……やめて…………残念。いただきました」
『アリサを乗っ取った…?』
コルガドと違って丁寧な口調で私の口で喋るプラーガ。再生しきってない左腕の指を、麻痺していて動かなかったはずの指を動かして、首をコキコキ鳴らして身体の調子を確かめ、再生速度が上がって完治する。だめだ、主導権を完全に奪われた。背中から生えた触手に幕が張っていて足元まで広がり、マントの様だ。そのマントを翻したプラーガは嘲笑を浮かべた。
『アリサを返せ!害虫め!』
「害虫とはひどい。我々にはプラーガという聖なる名があるのです……そして私に与えられた真名は
『きもい性能だな!?』
「我々は本来、自我も知恵も持たない。だがしかし、偉大なる
『私のことを知ったなら、これも知ってる!?喰らえ!スゥウウ……ワアアアアアッ!!』
「無駄ですよ」
エヴリンが虎の子である超至近距離鼓膜絶叫を行うも、エンペラトリスと名乗ったプラーガは両耳を押さえて防御。私の記憶を読み取ったらしい完璧な防御に、苦虫を噛み潰したような顔をするエヴリン。
『なら、疑似・領域展開……!』
「それも知っています。私には通じないと思いますよ?我が身に菌根は存在しないので」
『ぐう!』
切札である精神世界に引きずり込む技を使おうとするエヴリンだったが、満面の笑みでそれを受け止めてしまうエンペラトリス。菌根由来じゃない……?それじゃ、エヴリンじゃ手も足も……。
「村人の殲滅が終わったぞ。アリサ、起きたのか」
『だめ、ビリー!くそっ、聞こえない!』
「…うん。今、降りるね」
そこにビリーがやってきて、下から私を呼ぶ。私の背中から伸びる異形のマントが下からじゃ見えてないのか…?私の振りをして受け応えたエンペラトリスが、嘲笑を浮かべながら降りる。どうしよう、私の油断のせいで、ビリーも、プサイも、みんな死んじゃう……。エヴリン、クイーン、リサ、誰か助けて…!
4の村名物、ワイヤートラップにまんまと引っかかったせいで起きた最悪の大ピンチ。尊大な性格なので情報をペラペラ喋ってくれましたが、絶対的優位なのは間違いないから仕方ないね。
ラ・エンペラトリスはマントもそうですが、名前の通り女帝がモチーフ。どうやら黒幕はいろんな種類の改造プラーガを作ってる模様。アリサが素体なのはオリジナルのリサのエヴリンとの合体形態がモールデッド・エンプレスなのが由来だったりします。このピンチを脱する方法はあるのか。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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