BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。Wi-Fiが通じなくなってネットができなくなってずっと活動休止してました。申し訳ねえ。ついでに勘も鈍ってて書き上げるの遅くなりました。

今回はエル・トーレとの決着。楽しんでいただけたら幸いです。


file4:11【エル・トーレ】

「家ごときで私を閉じ込められると思うなよ!」

 

 

 エヴリンを見送り、全力で助走をつけてドア目掛けて飛び蹴り。しかしとんでもないしなやかさでボヨンと跳ね返り、壁に叩きつけられる。堅くするんじゃなくて柔らかくすることで打撃に対応してきた……頭がいいなこの野郎!

 

 

「なら得物を使うまでじゃい!」

 

 

 ハンドガンを乱射して扉と壁の間を破壊しようとするも、穴を開けた傍から板やらが継ぎ足しされて修復される。厄介極まりないなこれ。是が非でも出さないつもりか。

 

 

「セバスチャンさんは殺されないかもだけど、ビリーがやばい!開けろお!」

 

 

 床から湧き出てきて殴りかかってきたマネキン肉人形の手首を掴み、ひっくり返して勢いよく扉に叩きつけるも、マネキン肉人形が逆に爆砕。ビクともしないな本当に。……扉がダメなら、壁を壊すか…?

 

 

「エヴリン曰く、握力×スピード×体重=破壊力!」

 

 

 拳を堅く握りしめ、できるだけ素早く拳を振るい、そこに斜めに叩き込むことで全体重を乗せて、壁をぶち抜かんと振り抜いた。しかし、変な手ごたえと共に、衝撃が跳ね返ってきて腕がバッキバキに折れて吹き飛ばされ、さらに壁から生えた杭に胸部を串刺しにされる。

 

 

「あがばっ!?……いたたた、わたしじゃなかったら死んでたぞ!」

 

 

 杭をへし折りながら床に降り立ち、血をドバドバ落としながら杭を引き抜き投げ捨てながら考える。柔らかいだけじゃない、衝撃を吸収する様になんかゴム質とかにしてるな。厄介極まりない。腕を再生させながら考える。どうしよう。殴ってだめなら私どうしようもないんだけど。いや待て。殴るだけが私の本分じゃない。そう!即ちやることはひとつ!……蹴るか!

 

 

「エヴリン曰く、蹴りの方が拳より何十倍も強い!ほあちゃー!」

 

 

 蹴った瞬間、あ、ダメだって確信した。なんというか、手ごたえがマジでない。ぐにょーんと伸びるゴムでも蹴った気分。そしたら当然、衝撃が自分に帰ってくるってことであり。蹴りの衝撃がそのまま跳ね返ってきて、ゴムまりの様に吹っ飛び、やっぱり杭が生えてきた天井に叩きつけられお腹を串刺しにされる。

 

 

「ぐはっ!?げほっ、げほっ!?……うーん、どうしたものか」

 

 

 口から大量に血を吐き出し串刺しにされ、返しがついた杭に磔にされぷらんぷらんと足を揺らしながら腕を組んで考える。うーん、どうしようね。私にできることって殴る蹴るオンリーだからなあ。銃も効かないしこれまずいのでは?私がダメってことならビリーもダメってことだし。プラーガにはエヴリンも通じないから帰ってきてもどうしようもないよね。私にできるのなんて、あとは背中から触手を伸ばすか取り込んだ寄生体を取り込むぐらいしか…………あ。

 

 

「……プラーガも寄生体だっけ」

 

 

 拳もダメ。足もダメ。銃弾もダメ。というか多分、打撃がダメ。なら……!

 

 

「串刺し返しだあああ!」

 

 

 背中から触手を伸ばして杭から無理矢理脱出、そのまま足を広げて右手を床に着けて支えた前傾姿勢で背中から触手を伸ばして攻撃。刺突攻撃は予想してなかったようで、すんなり突き刺さって、私はそのまま触手に意識を集中させて、壁の向こうに広がっていた肉を押し広げていく。家が、いや、エル・トーレが悲鳴を上げるかの如く家鳴りを起こし、次々と支柱を伸ばして串刺しにしてくるが、いくら串刺しにされようが止まらない。こちとら痛みには慣れてるし、服だって頑丈だ。

 

 

「寄生体なんて、何年も前に体験済みじゃい!」

 

 

 なんならと、串刺してきた支柱に噛みつき、木の皮を食い破り中の肉を噛みちぎって咀嚼する。ラ・エンペラトリスの時に気付けって話だけど。もしかしたら時間があれば取り込めてたかもしれない?そんなことはどうでもいい、だがひとつだけわかる。私は、こいつらの天敵だ。

 

 

「ここだ!」

 

 

 触手で肉壁の中のプラーガと思われる神経?を探り当て、触手を絡みつかせて締め上げる。

 

 

 

 

GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA⁉⁉⁉⁉⁉⁉‼

 

 

 

 

 

 この世のものとは思えない特大の悲鳴が家中から上がり、床が盛り上がって波打つと窓が開き、外に吐き出される。見れば、ビリーとセバスチャンさんも同じく吐き出されて横を転がっていた。

 

 

「大丈夫!?ビリー!?寄生されてない!?」

 

「俺は大丈夫だ……って、口元血まみれだけどどうした?」

 

「大丈夫、これ私のじゃないから。セバスチャンさんは……気絶してるみたい?それよりも……!」

 

 

 改めて、見やる。目の前で蠢く家だった怪物の姿を。正面の壁が開いて、二階にいたであろう本体の姿があらわになっていて、床からは肉の触手が蠢いて家を持ち上げているそれは、肉と木製の怪物だった。本体は、四肢が壁に埋め込まれた全身が赤黒い触手を巨大な人型に束ねた様な姿をして、顔が嘴の様に鋭く、先端が反り返った突起が頭から幾つも生えている。背中からも枯れ木の枝みたいに細い突起が生えていて天井と一体化しており、脚というか下半身は木の根みたいに枝分かれして地面と一体化しており、全身の至る所にオレンジ色に光る眼球が形成されていて、明かにそこが急所だった。

 

 

「……塔というよりは蠢く家、だね」

 

「同感だ。家かどうかも怪しいがな」

 

{きさま、きさまぁあ……よくも、よくもおおおおおおおお!!!!!}

 

 

 複数の声が重なったかのような反響する声を上げて私を全ての目で凝視して無数の触手を蠢かせ激昂するエル・トーレ。まあ、やつからしたら神経を弄られたようなもんか。そりゃ悪いことをした。だけどね。

 

 

「うるさい!セバスチャンさんの家族への渇望を利用して!偽りの家族を演じていたなんて、許さないんだから!」

 

聖母(サンタマリア)様の望んだとおり、幸せな家族を演じてやったんだ!何が悪い!お前たちさえ来なければ、この男は未来永劫幸せに生き続けたのだ!そんな幸せを奪ったのはお前たちだ!}

 

「いいや違うな。偽りの幸せは、どう足掻いても偽りでしかない」

 

 

 そう言って、ハンマーを手にしたビリーの一撃が、外壁に叩きつけられその巨体を揺らす。私もハンドガン・ルヒールを構えて、触手による攻撃や次々と生成され襲い掛かってくるマネキン肉人形の攻撃を避けながら、目を次々と狙い撃つ。さらに触手を背中から再度展開して触手を絡めとり、引っ張り上げて拘束。ルヒールで根元を狙い撃って触手を引きちぎると片っ端から左手で掴み取り咀嚼、のたうち回る触手をうどんでも啜るかの様に吸引する。

 

 

「不味い!もう一杯!」

 

「アリサ!?」

 

「心配しないでビリー!くっっっっっっそ不味いけど!」

 

「そうだろうよ!?」

 

 

 もぐもぐもぐもぐもぐごっくん。ひとつわかったことがある。プラーガの肉塊を取り込んだら再生速度がちょっと上がる。多分だけど、寄生体の手足をもぎ取って咀嚼しているみたいなもんで、寄生する力は本体に繋がってないとできないのだろう。ビリーがハンマーを振り回して解体工事でもしてるかの如くボコボコに粉砕している。それぐらい小さくなれば、十分かな。

 

 

「よっしゃ回復!さっきは受け流されたけど、外に出たならこっちのもんだ!」

 

 

 そう言ってその巨体とがっつり組み合い、力の限り持ち上げて振りかぶる。この先には橋が架かったちょっとした谷があるのは確認済みだ。

 

 

{馬鹿な……我が体は一戸建てだぞ……!?待て、まさか、きさま、やめろっ!?}

 

「うおお……すげえ」

 

「どっせえええええい!」

 

 

 

GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA⁉⁉⁉⁉⁉⁉‼

 

 

 

 谷底目掛けて巨体を放り投げる。エル・トーレは断末魔の声を上げながら転がっていき、粉々に砕け散りながら谷底に落下していった。すると、その声を聞いたのか、セバスチャンが起き上がった。

 

 

「……やつは、どうなった…?」

 

「セバスチャンさん。やったよ。怪物は、倒した」

 

 

 谷底を見やりながらそう告げると、殺気。セバスチャンさんが、私を突き落とそうと手を突き出していて。私は宙を舞っていた。こちらを見やるセバスチャンさん。その眼は真っ赤に充血していた。そうだ、この人も、特別なものとはいえ寄生されていて……!?

 

 

「灯台下暗し……だったか。そうだと思ったよ」

 

 

 落ちる寸前、右手を掴まれていて落ちずに済んで。代わりにセバスチャンさんが谷底に落ちていく。咄嗟に崖から伸びた根っこを掴んでもう片方の手を伸ばしていたビリーだった。

 

 

「お前は人が好すぎる、アリサ。それがお前の美点なんだろうがな」

 

「……ありがとう、ビリー。……でも、セバスチャンさんが……」

 

「手遅れだった。そう思うしかないさ」

 

 

 片手だけで地面に持ち上げられ、私が慌ててビリーを引っ張り上げる。……生存者だったのに。本当に残念だ。プラーガは、殲滅しないと駄目だ。そう決意していると。

 

 

 

 

「……セバスチャンさんは、死んだの……?」

 

「誰…!」

 

 

 声が聞こえて、銃口を向ける。そこに立っていたのは、クラシカルなメイド服に身を包んだ、どこかボロボロな様子の少女だった。




実はプラーガの天敵だったアリサ。味方とか重要キャラなら生存フラグなやられ方したエル・トーレ・手遅れだったセバスチャン。そして現れたのは見知らぬボロボロの少女……?

次回はクリスマス回を予定してます。エヴリンサンタが良い子のもとにやってくる。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きなリ・ヴェルトロ編オリジナルB.O.W.は?

  • カルコブリーナ
  • バルバリシア
  • ルビコッコ
  • ルビカンテ
  • ハンター・プライム
  • ハンターπ改
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