BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はコルガドに代わるボスが登場。楽しんでいただけたら幸いです。
ああ、本当になんてことをしてしまったんだ。あの悪魔を野放しにしてしまったら、比喩表現なく人類が滅びてしまう。あのとき、昔意見を出したキメラ・アサルトのことなんて思い出さなければ。あんなアイデア浮かばなければ。あの女が来なければ。あんなものを持ってこなければ。俺が、世界を滅ぼしてしまう。あのプラーガ共に、地獄にされる。
【つれないですね。私達を生みだした事実は受け入れて我々につけばいいだけの話では?】
うるさい黙れ。もういい、もう、いいんだ。
「あぐっおおおおう……」
エル・コルガドを倒した私たち。しかしプサイは自らの肉体の甚大なダメージに呻き、空き家の一つを借りて休んでいた。
「えっと……大丈夫?プサイ」
「アリサ殿ほどじゃないとはいえ再生できるのにも限度があるでござるよ……」
「あんだけ地雷とトラバサミを受けてマグナムで撃ち抜かれてるんだから当然だ。むしろなんで生きてるんだ?」
「同感です」
「同僚とメイドの目が冷たいでござるぅううう!」
『戻ったよ。一応湖の近くまでは来れたみたい……なにしてんの?』
偵察から戻ったエヴリンが首を傾げている。プサイ曰くこうなった原因ほとんどエヴリンの“時間稼ぎ”のせいなのになんて言い分だ。
「エヴリンのせいでこうなってるって聞いたけど」
「?私に見えない誰かがそこにいるんですか?」
「安心しろ、俺にも見えないからな」
『まあいいや。ここから離れた方がいいみたいだよ』
「離れた方がいいって……それはなんで?」
『ここの入り口のトンネルから村人の大群が来てるから。ありゃ完全に私達を潰す気だね』
「っ、不味い!」
プサイがいるため一応バリケードをしておいた扉は避けて、窓から外に飛び出す。あとにビリーとアルベラ、エヴリンが続く。見れば、トンネルから次々と村人が溢れ出してきていた。とんでもない数だ。家の数と人数がどう数えても合わないんだよなあ…!
「……アルベラ。一応聞くけど、支配種らしいけど、もしかしてあれに命令できる?」
「……以前なら可能でしたが、現在の支配種はあくまで「自我を保つ」それだけの
「その偉大なる君主って一体……」
『来るよ!』
「ちい!」
マグナムは温存したいのかハンマーを手に飛び出すビリー。真っ先に飛び込んできた若者ガナードの頭をフルスイングで粉砕する。その脇を抜けてきた女ガナードがアルベラに組み付いてきて、サーベルで腕を斬り裂かれて胴体を蹴り飛ばされて後続に激突。私もハンドガンで近づいてくるのを迎撃しながら、抜けてきたガナードに銃を握ってない左手でラリアットを叩き込んで、何とかプサイのいる家に近づけさせない。
「不味いぞ!きりがない!」
「くっ……こうなれば聖体を開放して……!」
「奥の手はまだ隠しててアルベラ!とにかく、プサイが回復するまで持ちこたえて!」
『でもこの感じ、扇動してるやつがいるっぽい…?』
エヴリンがそう言って上に飛び上がり、なにかを見つけたらしい。エヴリンが指さした方向を見やる。そこには、白馬に乗ったナポレオンみたいな恰好の異形がいた。なんというか、人型の蟲というべきか。三角帽子とナポレオンジャケットを身に着けているだけで、ミイラ染みた顔は左目が潰れていてオレンジ色の単眼がギョロギョロ動き、明かに人ではない異様に長く細い枝みたいな四本の指と、下半身は服すら身に纏っておらず強固そうな白い外骨格に覆われている。異形のナポレオン、ともいうべきだろうか。
「我こそは偉大なる君主より“皇帝”の位を与えられた【
「私が忠誠を誓ったのはもとより1人でございます。そうではない上に、私の恩人を殺したあなた方に与するつもりはありません!」
「その裏切り宣言、しかと受け取った!ならば死すのみである!我輩に続け、
「ブルルルルルルッッ!」
その宣言と共に村人が横に移動し、その中央をパカラッパカラッと白馬を走らせ、突進してくるエル・エンペラドール。その手には背負っていた馬上槍が握られており、アルベラ目掛けてひた走る。
「ずおりゃ!……なに!?」
「なんて動き…!」
「くっ…!?」
その白馬の脚を破壊しようとビリーがハンマーを横薙ぎに振るうも跳躍して避けられ、私の放った弾丸はすべて馬上槍を巧みに回転させて弾いてしまい、その刺突が、咄嗟にサーベルを振り上げたアルベラと激突する。しかしあまりに馬力が違いすぎるのか、アルベラは吹き飛ばされて家屋に飛び込んでしまった。私達はガナードが押し寄せてきて、倒すので精一杯だ。
「アルベラ!?」
『あ、やばい。コルガドとか可愛いレベルに別格だこれ。アリサ、ビリーを連れて逃げて!プサイは私が!』
慌ててプサイを隠している家屋に飛び込むエヴリンだけど、それは無理な相談だ。こいつを放っておいたらアルベラが殺される。私達を助けてくれた人を見捨てるわけにはいかない。そうこうしてるうちに村人たちに取り囲まれ、その中心で私たち二人と対峙するエル・エンペラドール。
「ほう?我輩に逆らうか。神体を授かっておらぬ人間風情が…!」
「うるさい。アルベラはもう私たちの仲間なんだから!家持ち上げてぶつけるぞこのやろー」
「お前の馬と俺の弾丸、どっちが速いか勝負しないか?奇しくも俺は、あの伝説のガンマンと同じ名を持つ、“ビリー”だぜ…!」
ビリーと二人して挑発する。隙さえできれば、このエンペラドールさえなんとかなれば他はどうとでもなる…!そうだ、隙さえできれば、時間さえあれば、BSAA最速の矛が動ける…!すると
「挑発など無駄だ。縊り殺すのは変わらん。そして、我輩は手を出さなくてもよい…!群がれ
「っ…!」
「どっしり構えているやつほど簡単な奴はござらんな」
「む?」
その瞬間だった。似非サムライ言葉と共に、一陣の風が舞った。三角帽子を被った頭が、三つに寸断され、ずり落ちていく。その背後に、プサイが降り立っていた。
「お、お、おおおおお?」
「斬り捨てソーリー、でござる」
そう言って爪を日本刀の様に血を振り払う様に振るい、腰に添えるプサイと共に、ぼとりと落ちるエル・エンペラドールの頭部。勝った、と確信する。あとはガナードを蹴散らして、アルベラを助けて、レオン達と合流してアシュリーを助ける!それだけだと、考えを纏めて。それを見て、真っ白になった。
「……くはははっ、馬鹿めっ。我輩は不死身だ」
「ござっ!?」
しかし次の瞬間、崩れ落ちた頭部の口が動いて声を出したかと思えば、白馬の上に乗った首無しの体が動き出し、馬上槍をプサイに突き刺して大きく投げ飛ばしてしまった。空中で体勢を立て直して着地するプサイ。首無し騎士は、首の断面から触手を伸ばして頭部を回収すると寸分たがわず元通りにくっつけてしまった。そんな馬鹿な!?
「伏兵がいたとはな。我輩も油断していたのは認めよう。それで、どうする?圧倒的な数の差、不死身の我輩。突破する術はあるのかな?」
「不死身なんて、いるはずがない…!G生物だって殺せたんだ…!」
「同じ不死身を豪語していたマスターリーチの野郎も倒せたんだ。倒せねえ理由はねえ!」
そう意気込む私とビリー。と、その時だった。カランコロンと転がってきたなにかが、突如発光した。眩い光が周囲一帯を包み込む。咄嗟に目をつぶれたからよかった。ビリーも大丈夫そうだ。でも、いったい何が?と思っていたら異変が起きた。ガナードたちが、エル・エンペラドールが異常に苦しみの声を上げたのだ。
「なに!?ぐおおおおおおおおおっ!?」
「え、なに?」
「なんだ…?」
「ござ…?」
「おい、あんたら!今のうちだ!」
そこに、低く妙に印象に残る声が聞こえ、その方向を向くと一番奥の建物から男が手を振っていた。その横でエヴリンが手を振っている。どうやら彼がそれ……スタングレネードを放り投げたらしい。私はビリーとプサイと顔を見合わせると頷いて、アルベラをビリーと一緒に肩を貸してその建物の中に逃げ込むのだった。
「よう、無事でなによりだ」
「あなたは?」
「俺か?俺はルイス・セラ。ハンサムなプーさ」
ルイスと名乗った男は扉に閂をかけながらそう明るく笑った。
不死身を豪語するアルカナード、エル・エンペラドール登場。皇帝の名の通りナポレオンがモチーフです。
そして登場、みんな大好きルイス・セラ。今作では既にちょろっと登場してましたね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
人間オリキャラ(半オリも含む)で誰が好き?
-
サミュエル・アイザックス
-
天ヶ沢鉄舟
-
犬上冷
-
南雲友子
-
ミゲル・グランデ将軍
-
メリカ・シモンズ
-
アナーヒタ・ウェスカー
-
安堂竜次(アンドー弁護士)
-
裁判長
-
マリオ・フェルナンデス・カスタニョ
-
犬上鞘
-
リディア・シェパード
-
セバスチャン・アギレラ
-
アルベラ