BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
※20250321
素で間違えてリディアの元上司をニコライにしてたのでセルゲイ・ウラジミールに修正しました。
今回はショウとリディア掘り下げ回。楽しんでいただけたら幸いです。
拙者は捨て子だった。ただ犬上鞘という名前が書かれたお包みに入れられて山道に捨てられていたらしい。そんな拙者を赤子の頃から育ててくれた村がばいおはざーどの実験場にされた。ただただ平和でのどかで、優しい村人たちが住む村だったのに、たった一晩で地獄と化した。
ちょうど天ヶ沢鉄舟との取引で日本に来ていたオルタナティブ……のちのBSAAが駆け付けてきて、ゾンビに喰い殺されそうだったところをプサイ殿に助けられ、その姿に憧れた。オルタナティブに加入して、彼女に師事した。彼女に気に入られるため忍者の末裔だと嘘をついたのは今でも後悔している、だけどその嘘を本当にするために死にもの狂いで訓練して、最強と称されるプサイ分隊に配属された。プサイ殿の様にばいおはざーどの魔の手から誰かを救いたい、そう思った。
私は軍人だった。ソビエト連邦時代の戦争に身を投じていた。落ちこぼれだったが国のためだと、超人兵士を生みだすソビエト軍の計画に志願し、肉体改造で肉体の経年劣化を止められた強化人間……と言えば聞こえはいいが、ただ常人より頑丈でちょっと身体能力が高いだけで凡人なのは変わらなかった。それでも終焉を迎えた後も戦い続けたが、B.O.W.が実装されてお役御免となり、時代に忘れ去れるはずだった老兵だった。アンブレラに雇われ、セルゲイ・ウラジミールのもとで兵士をしていた私は、クリス・レッドフィールドたちに敗北し……BSAAにスカウトされた。こんな私でも必要としてくれる場所ができたのだ。BSAAに殉じようと、ただ老獪なだけの経験と技術を捧げ、最強と称されるプサイ分隊に配属された。ただ私は、私を必要としてくれる者たちのために戦いたい、そう思った。
気を失ったレオン、建物の瓦礫に埋まったショウとリディア。理外の力を得た己とそこそこ渡り合えた人間にしては強い者たち三人を見下ろすビトレス・メンデス。レオンの頭上で脚を振り上げ容赦なく踏み潰そうとした瞬間、耳を押さえて踏みとどまった。
【………】
「―――――desastre?本当に、そうするのですか?」
虚空に向かって尋ね返すビトレス・メンデス。desastreと呼ぶナニカの声に頷くと、懐からその大きな体からすれば小さく見えるが通常サイズのアタッシュケースを取り出した。蓋を開くと、上蓋の裏に小型の銃の様な器具が取り付けられ、クッションで保護されている内部には小さな影が中に入っている八本の試験管が納められていて。ビトレス・メンデスは銃型の器具を取り出すと、試験管をつまんで器具に装填。気を失っているレオンの頸に突き刺すと、中身を注入する。
「……仰せの通りに」
そのままショウのもとに向かうが、瓦礫の下には誰もおらず首を傾げる。瞬間、後頭部に衝撃。振り返ると、空中回し蹴りを行って着地したショウがいた。
「レオン殿に何をしたでござるか…!」
「ジャポネーゼは礼儀がなってないな。懲りないのか貴様は」
「懲りないでござるよ!プサイ殿を奪った奴らの仲間が敵とあらば猶更でござる!」
「よく言ったショウ!意地でも倒すぞ!」
さらに、瓦礫の中から銃弾が一発、胴体に炸裂してビトレス・メンデスは足踏みして後ずさりする。頭から血を流したリディアがドラグノフを構えて瓦礫の中から顔を出していた。
「リディア殿!」
「生きていたのか、ルスキー……!」
「よくもぶん投げてくれたな……死ぬかと思ったぞ」
「ならば潔く死んでおけ!」
近くの荷車を掴み、振り回してショウを牽制してからぶん投げて攻撃。リディアは弾丸を一発はなって軌道をずらすと瓦礫から離れ、走りながら狙撃するという荒業を披露。さらにショウがスライディングしながら右脚の脛を斬り裂き、ビトレス・メンデスは体勢を崩したところを弾丸を頭部に受けて転倒する。
「むう…!」
「これでも再生するか…!」
「だが、すぐに治るわけではござらん!たたみかけるでござる!」
そう言いながら宙返りして両足でビトレス・メンデスの頭部を挟んで宙返りした勢いのまま引っ張り、無理矢理体勢を崩すと、リディアがピンを抜いた手榴弾を放り投げて引き抜いたデザートイーグルで狙撃。すかさずショウが離れてビトレス・メンデスだけに爆発が襲い掛かる。
「この程度で私は倒れん…!」
爆発を右手で薙ぎ払ったビトレス・メンデス。地面に手を突っ込み、岩盤を引っこ抜いてショウに叩きつけ、崩れた瓦礫をリディア目掛けて蹴り飛ばすも、リディアはスライディングで回避しながらデザートイーグルを連射。顔、肩、鳩尾に次々と炸裂、さらに岩盤を粉塵に紛れて回避していたショウが刀を肩口に突き刺し、右腕を斬り裂こうとするも胸ぐらを掴んだビトレス・メンデスに投げ飛ばされる。
「なめ、るなあ!私はこの村の村長!ビトレス・メンデスだ!」
「どこに村人がいるでござるか!」
「そこに人がいなければ、空虚な箱庭でしかない!」
「っ……」
啖呵を切るビトレス・メンデスだったがショウとリディアの返しに気圧され、それでもと拳を振り上げた体が硬直する。
「なに…?」
「ようやく効いてきたでござるな……麻痺毒付きの手裏剣…!」
「即効性は高いはずなんだがな、バケモノめ!」
「きさま、らあ……!」
ショウが言うには先の攻防で上半身に突き刺さっていた手裏剣に麻痺毒が仕込まれていたらしい。激昂しながら体を動かそうとするが、自らの剛力をもってしてもじわじわとしか動けない。
「これにて、御免でござる!」
「脳幹をゼロ距離で吹っ飛ばされたらどうしようもないだろ!」
そして、ショウの一太刀が胴体を大きく斬り裂き、接近してきたリディアにドラグノフの銃口を顎に突きつけられて、接射が炸裂。後頭部から弾丸と共に血が噴き出し、ビトレス・メンデスは倒れ伏した。
「……やったか?」
「それは祖国ではフラグというのでござるよ、リディア殿」
「………ご明察だ」
頭部が撃ち抜かれ、胴体を大きく斬り裂かれて。明らかな致命傷。なのに、ビトレス・メンデスは立ち上がる。その光景にぎょっと目を見開くショウとリディアの首を鷲掴みし、持ち上げて締め上げた。
「ぐっ、があ…っ」
「うかつだった…!?」
「認めよう。お前たちは強い。故に、そこのアメリカーノと違い、特別な祝福を与えよう。……と言いたいところだが」
そう言うビトレス・メンデスの視線の先には、今の戦いに巻き込まればら撒かれ砕け散った試験管が複数あった。
「……お前たちのせいで貴重な聖体が台無しだ。対価を払ってもらおうか…!」
「……なら私の命をくれてやる。生きろ、ショウ」
「リディア殿…?」
「なにを…!?」
首を絞められながらもリディアが懐から引き抜いたのは複数のピン。懐に仕舞っている大量の手榴弾のものであるそれに怯んで手を放したビトレス・メンデスのもとからショウを蹴り飛ばす。ショウが仮面越しに最後に見たのは、手榴弾を奪い取ろうとするビトレス・メンデスと、手榴弾を握りしめ笑みを浮かべるリディアの姿。
「ああ、いい人生だった」
【聖体を授かりし幸いなる子羊よ……。目覚めは近い……偉大なる我が主君の祝福を受け取り給え……】
「おい、大丈夫か!しっかりしろ!」
ショウが意識を取り戻すと、マリオが自身に肩を貸してどこか洞窟の中を進んでいる様だった。
「……ぐう、リディア殿……」
「意識はあるようだな?待ってろ、すぐレオンがいる安全なところに……」
「よう、お困りの様だな」
「ッ、誰だ!?」
聞こえてきた声に咄嗟にハンドガンを向けるマリオ。その先には、青い炎で照らされた男が一人いて。
「ヴェルカム!ストレンジャー……」
不死身の村長。支配種を宿したアルカナードは伊達じゃない。
というわけでショウとリディアの掘り下げ回でした。そして最後にはあの男も。正直RE版でもレオンと同じ声にしてほしかった(オリジナル版はレオンと同じ声を加工したもの)
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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サミュエル・アイザックス
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犬上冷
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南雲友子
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ミゲル・グランデ将軍
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メリカ・シモンズ
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アナーヒタ・ウェスカー
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安堂竜次(アンドー弁護士)
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裁判長
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マリオ・フェルナンデス・カスタニョ
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犬上鞘
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リディア・シェパード
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セバスチャン・アギレラ
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アルベラ