BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回は最近はまっているホラーゲームの影響を受けまくった回となります。

今回はようやく登場、エイダのターン。楽しんでいただけたら幸いです。


file4:20【スレンダーマン】

 村のはずれの掘っ立て小屋にて。アリサたちのプサイを取り戻す戦い、レオン達と村長たちの戦い。二つの場所で行われた戦いの一部始終を監視カメラで監視していた人物がいた。ニット生地の赤いタイトワンピースに丈の長いレザーのブーツ姿の、黒髪を短くまとめた美女。エイダ・ウォンである。

 

 

「……ウェスカーに言われて調査しにきたはいいけど、ラクーンシティと同じぐらい地獄ね……」

 

 

 ウェスカーこと現アルテ・W・ミューラーの部下だった彼女もまたFBCに所属しており、アルテの指示を受けて新型B.O.W.の雛型になるとされるプラーガ。その「アンバー」と呼ばれるサンプルをロス・イルミナドスから奪取するのが目的……だったのだが。

 

 

「アルカナードと呼ばれる強化個体、サドラーすら崇める「君主様」の存在……事前情報と全然違うじゃない?」

 

 

 FBCの仕入れていた情報と全然違う実状に思わず文句を零すエイダ。少なくとも。一年前までは、たしかにロス・イルミナドスの教祖であるオズムンド・サドラーが完全にトップだったはずなのだ。なのに、様子見のため仕掛けたカメラが拾ったアルカナードが言うにはそのサドラーすら崇める何かがいるという話だ。そもそもアルカナードってなんだ。私聞いてない。

 

 

「……そもそもこの状態で「アンバー」が存在しているかどうかすら怪しいけど……ずっとここに隠れているわけにもいかないわ、ね?」

 

 

 身支度を整え、扉を開けて外に出たエイダは、目の前の光景に首を傾げる。なんかいる。木々でほとんど隙間なく鬱蒼としている中に、木の間に隠れるようにとんでもなくでかいなにかが、いる。いる、というよりこちらへのそのそと歩いてきていて偶然隠れているだけの様だった。長い手足を木々の隙間に伸ばして、すらりとした巨体を無理やり潜り込ませてなにかがやってくる。

 

 

「……」

 

 

 パタン、と。視線が合う前に静かに扉をそっ閉じするエイダ。これでもラクーンシティでモリグナを始めとしてバケモノどもと渡り合った身だが、その経験が言っている。ヤバい。アレはヤバい。見つかったら死ぬ、間違いなく。悠然と歩くその姿は、獲物を捜す捕食者のそれだった。

 

 

「近いのは都市伝説の“スレンダーマン”かしら……あれもプラーガ?」

 

 

 スレンダーマンだったら見ただけで死ぬので勘弁してほしいと思いながら、エイダはそっと窓に下から目元だけ出して敵を確認する。それは、ギョロリとした二つの眼玉を動かして獲物を捜している様だった。一対の手足に目に口、もとは人間の様だったがそれは異形そのものだった。エイリアン、とでもいうべきだろうか。

 

 非情にのっぽというか長い巨体。Uかもしくは横にした三日月を描く様に大きく湾曲した頭部に、大きな二つのオニキスの様な真っ黒なハイライトのない目玉。人を捕食することに特化している鋭い牙が生え揃った大きな口。村人のものと思わしき服装は普通だが、両腕両足が異様に長く肥大化しており、肘や膝のところに袖先があるぱっつんぱっつんであり、その手足の先端は小指と薬指、中指と人差し指が一体化して三本指になっている。正しく異形。エイダは知る由もないが、その正体は「教皇」に冠したアルカナード「エル・スモ・サセルドーテ」であった。

 

 

「あ、ぎ、わ、ぎ…………」

 

 

 知性がないのかそれとも喋る機能を持たないのか、鳴き声ともつかぬ掠れた声を上げるサセルドーテ。そのまま首をゆっくりと横に傾げると、エイダと視線が合ったかと思えば木々をかき分けて小屋に迫るサセルドーテ。それは捕食者のそれだった。

 

 

「冗談じゃない…!」

 

 

 咄嗟にエイダは手にしたマシンピストルで壁に丸く穴を開けると中心を蹴破り、外に飛び出して全力疾走。決死の逃避行を開始する。しかし、鬱蒼とした木々はエイダにのみ牙をむき、細身な彼女であっても間を抜けるのは至難の業。なのにサセルドーテはそんなの知ったことかと言わんばかりに細く長い手足で木々をかき分けて隙間を縫って凄まじい速度で追ってくる。

 

 

「コレでも喰らいなさい!」

 

 

 大口を開けて迫ってくるサセルドーテに、エイダは咄嗟に手榴弾を取り出して振り返りながら投擲。すぐに前を向きなおし、爆発するタイミングで大きく跳躍して回転しながら木々の間を抜けて広場の様になってる場所に前転してから立ち上がる。

 

 

「あぎわぎぃいいい!!!」

 

「これぐらいで死んだらBSAAも苦労しないわよね…!」

 

 

 しかし、サセルドーテは素早く横に逃れていたため無事であり、エイダの前に回り込むように出てくる。伸ばされた手を回避し、マシンピストルを構えて連射するエイダ。サセルドーテは弾丸をその細い体をくねらせて回避、長い手足でまるで蜘蛛の様に四つん這いで高速で動き回り、手足を伸ばして胴体ごと頭部を振り回すという荒業でエイダの首を狙い、エイダは両足を地面に伸ばして広げて紙一重で回避。そのまま両手で地面を支え、両足を伸ばしてサセルドーテの顎を蹴り上げる。手ごたえがない。蹴られた瞬間に身を捩って避けていたらしい。

 

 

「見た目と違ってフィジカルお化けね…!」

 

「あぎ、わぎいぃいいい!!」

 

 

 蹴り上げた体勢から宙返りして着地するエイダ。スッとサングラスを装着し閃光手榴弾を投げて目くらましする。そもそも瞼がないのか光をもろに受けるサセルドーテは両目を押さえてふら付き、そこにエイダはマシンピストルを頭部に連続で炸裂させる。パスパスパスと小気味いい音を立てて弾丸が弾かれる。あの頭部、変形した骨で皮膚の下が守られているらしく、防弾性が高かった。

 

 

「……今の武器じゃ勝ち目ないわね」

 

 

 エイダは手榴弾を背後に投げつけてからハイキックを胴体に叩き込んでさらにサセルドーテをよろめかせると、同時に爆発。木々が倒れ、道を作り上げると踵を返して逃走を再開する。

 

 

「あ、ぎ、わ、ぎ……?」

 

 

 その爆音に反応したサセルドーテ。音がした方に四つん這いで全力で突撃する。エイダは迫りくる巨体に息をのみ、咄嗟に横の木々の隙間に飛び込む。するとサセルドーテは気づかないまま突き進んで行き、一息つく。

 

 

Ayuda, uohhhhhhhh(助け、うああああっ)!?」

 

 

 サセルドーテが突き進んだ先、哨戒していたのかちょうど徘徊していた村人ガナードがいて。サセルドーテは戻ってきた視界で朧げに人影を確認すると、慌てて逃げ出した村人の首根っこを掴むと持ち上げ、じたばたと抵抗もむなしく頭から齧り付き、頭部を齧り取ってしまった。

 

 

「あぎ、わぎっ……」

 

「…っ!?」

 

 

 ムシャムシャと頭蓋骨を噛み砕いて肉を貪るサセルドーテ。そのまま胴体を裂けるチーズかのごとく真っ二つに引き裂くと、そのままズルズルとパスタでも啜るかのように血を啜り肉を貪りあっという間に平らげてしまった。そして満足したのか、木々の間をかき分けて姿を消し。エイダは安堵して木の陰から出てくる。

 

 

「…あんなバケモノまでいるなんて冗談じゃないわよ……」

 

「あら?ならどんなのが冗談ですむのでしょうか?」

 

「え……?」

 

 

 しかし、背後から木に絡みついて迫ってきていた細長い腕に気付かず。女の声と共に四肢を巻き付かれ、仰向けに倒れて木々の間に引きずり込まれるエイダ。

 

 

「きゃああああああぁぁ……」

 

 

 思わず出た叫びは木々の鬱蒼さに飲み込まれて消えていき。その場を再び静寂が支配した。

 

 

 

 

 

 

 

「……?」

 

 

 聞き覚えのある声がどこからか聞こえて振り向くレオン。そこには木々だけでなにもなく。いや、二つのオニキスの様な目と目があった。あってしまった。

 

 

「あ、ぎ、わ、ぎぃいいいいいいっ!!!」




「教皇」に冠したアルカナード「エル・スモ・サセルドーテ」登場。モチーフは最近第四弾が登場した名作ホラーゲーム「POPPY_PLAYTIME」の第一弾に登場するクリーチャー、ハギーワギーです。「あぎわぎ」しか言わないのはそう言う理由。なんで教皇なのか?「長」とか「大」とかのワードが入ってるからという安直な理由です。どちらかというとこっちが吊るされた男な気もする。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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