BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はエイダのその後。前回がパニックホラーなら今回はサイコホラーかな?楽しんでいただけたら幸いです。
※エルソルの見た目がまんま過ぎたので修正しました
「うっ……ここは?」
エイダが目を覚ますと、どこかの立派な部屋の中だった。金が豪勢に使われている豪華な装飾で、天蓋付きベッドに戸棚が並び、下にはふかふかな絨毯が敷かれている。エイダが座らされているクッション付き木の椅子の前には大理石のテーブルがあり、色とりどりのケーキが乗せられたケーキスタンドに匂いから紅茶の入っていると思われるティーポッド、そして三つのティーカップが置かれている。縄……ではない粘着くロープ状のなにかで後ろ手と両足を拘束されてなければお茶会でも開くのかと錯覚していただろう。
「あら、起きたのね?」
「貴女は…!?」
これまた豪勢な赤く塗られた扉が開き、顔を出した人物に目を見開くエイダ。そこにいたのは、先日失踪したというアシュリー・グラハムその人だった。自分と違って拘束されている様子もなく、自然体で向かいの席に座るアシュリー。聞きたいことはいくらでもあったが、そこは冷静な凄腕の女スパイ。すぐに平静を取り戻すとまずは状況確認することにした。
「ひとつ、聞いてもいい?」
「いいわよ。お茶請けはチーズケーキでいいかしら」
「……私は何でここにいるのかしら」
紅茶を注ぎ、チーズケーキを皿にとってエイダの前に置き、紅茶を淹れたティーカップをエイダの口元に運ぶアシュリー。匂いを嗅いで睡眠薬の類は淹れられてないことを確認したエイダは一口啜り、一息入れると問いかけた。
「いけずね。答えは簡単よ。暇を持て余してたから、お客様として連れてきてもらったの。ああ、拘束は許してね?貴女は素手でも強いって聞いたからそうせざるを得なかったわ」
「聞いたって誰に……」
これでも自分は企業や組織に潜み込むことを生業とするスパイの身だ。情報の隠匿は基本。なのに、名前どころか詳細がバレていることに違和感を感じて問いかける。すると返ってきたのは、別の声だった。
「私が見てたのです。貴女の戦いを」
再び扉が開いて出てきたのは、非常に細く柔軟に動く“腕”と“足”。ぎょっと驚くエイダは思い出す。意識を失う直前に自身を捕らえた“腕”を。血色がいいのかピンク色に見えるそれは妙に力の入ってないふらふらした動きで扉を押しのけ、その手足が繋がっているものを引っ張り出す。出てきたのは、先刻相対したサセルドーテとは別ベクトルの異形。めりはりの効いたシルエットの赤い修道服の裾やスカートから細すぎるにもほどがある四肢が伸びた、ふわふわした髪型のオレンジがかった金髪の美女だった。
「……貴女は」
「私は君主様から太陽の位を与えられた、君主様を見守る太陽【
「驚いたでしょ?私も最初はそうだったわ。彼女を見たら誰だって驚くけど、すっごく優しいいい人なのよ」
「アシュリー様ったらお上手ですね」
四肢をくねらせて渦を巻くような体勢でアシュリーに頬擦りするエルソルに、顔を引きつらせて戦慄するエイダ。バケモノと特に何でもない様に触れ合うその姿は、異様そのもの。正気なのかどうかすら怪しい。
「……私をどうするつもり?」
「どうって……お茶会するだけよ?私と、エルソルと、貴女で。エルソルしか話相手がいなくて…刺激になる話を聞かせて頂戴。例えば……サセルドーテはどうだった?」
「サセルドーテ……?」
「貴女を襲った大きな子です。自己紹介もできないから覚えられてないなんて哀れで悲しくなります……」
「あの子は私に害するものを排除してくれる猟犬なの。貴女を襲ったのは悪いと思っているわ。でも、可愛かったでしょ?」
「可愛い……あれがね」
ニコニコと問いかけてくるアシュリーに、苦笑いを浮かべるエイダ。可愛いなんて思えるはずがない。なにせ喰われかけた上に、捕まった末路すらこの目で見ている。アレが可愛いだなんて正気を疑う。
「みんなみんな、私の新しい家族なの。もうすぐ生まれてくるこの子の……アリサも誘って、みんなで一緒にすむのよ。素晴らしいと思わない?」
「…貴女」
優しい顔でお腹を撫でるアシュリーに、エイダは戦慄する。シルエットはそうでもない、そうでもないのだが、一つだけ確信できた。
アシュリーの中に、なにかがいる。
遂に登場アシュリー。その実態は……。
太陽のアルカナード、エルソル登場。モチーフは前回のサセルドーテに続く「POPPY_PLAYTIME」の第ニ弾に登場するクリーチャー、マミー・ロングレッグスです。アシュリーの話相手らしい。なんで太陽なのかは後々。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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