BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はレオンとサセルドーテ。楽しんでいただけたら幸いです。
「くそっ…!」
駆ける、駆ける、駆ける。リディアを失い傷心気味のショウをマリオと武器商人に任せ、探索に出て洞窟を抜けた瞬間だった。森の中から飛び出してきたその怪物と目が合ったのは。
瞬間、感じ取ったのは、死。ラクーンシティの悪夢の最終盤、G7に追いかけられた時に感じたそれと全く同じ、死の予感。動かなければ死ぬという確信。
「あ、ぎ、わ、ぎぃいいいいいいっ!!!」
「銃が効かない…!?」
咄嗟にハンドガンで頭部を狙い撃つが、ガキンという鈍い音と共に弾丸が弾かれ落ちる。その長い腕で俺を掴もうとしてくるが、宙返りで何とか避けて踵を返し走り出す。あんなやつをショウたちのもとに向かわせられない、俺が引きつけないと。
「うおおおおおっ!」
走る、走る、走る。アシュリーがいる可能性が高い教会が見えてきたが立ち寄る暇はなかった。わかりやすくガナードで入り口を固められていたからだ。もっとも、その大半は通りすがりに襲い掛かった怪物によって頭部を噛みちぎられて物言わぬ骸と化してしまったが。
「
「あぎわぎい!」
「敵も味方も関係ないのか!?」
そのまま逃げようとしたガナードも長い手で掴まれて瞬く間に貪られる。捕まったらどうなるか見せられて、恐怖が脳裏を支配する。なんだ、あのバケモノは。強さは間違いなく村長の方が上だ。だが、原始的な恐怖は今まで出会ってきた怪物と比べ物にならない。ギョロリとした目玉がこちらを捉える。身がすくむ。
「あ、ぎ、わ、ぎぃいいいいいいっ!!!」
「ひっ……」
動け、動くんだ俺の足!動かなきゃ、死、死。死……あ、ダメだ。足が震えて、転倒して……目の前には、両手で大地を引っ掻き、脚をドタバタと振り回しながら、突進してくる怪物の顔がすぐそこまで迫っていて。
「…こんなところで終わりか」
迫ってくる瞬間がゆっくりと感じる。走馬燈ってやつか。実際はこんな感じなんだな、と思考の片隅で思う。プラーガの卵とやらが植え付けられて、死ぬかもしれないという考えがさっきから拭えなかった。その結果がこれか。アシュリーに出会う事すらできずに終わるなんて、アリサに申し訳が立たない。ああ、そういえばアークと近々飲みに行く約束していたな。守れなくて、すまない。
その瞬間だった。鬼気迫る殺気を纏った白狐の面の忍者が踊りかかり、その怪物の頸椎に苦無を突き立てた。
「これ以上、させるか!……でござる!」
「あ、ぎぃいい!?」
悲鳴を上げ、長い腕で忍者……ショウの服を掴んで投げ飛ばす怪物。ショウは地面に叩きつけられるもすぐ体勢を立て直し、こちらに駆け寄ってきた。怪物は悶え苦しんでどたばたと暴れている。
「レオン殿!無事でござるか!」
「ショウ!お前のおかげで助かった……だけど、プラーガを植え付けられた俺は遅かれ早かれあいつらと同じように……」
「生きるのでござる!なにがあっても!リディア殿に生かされた拙者たちは生きねばならない!それが、生かされた拙者たちの責任でござるよ!しっかりなされよ!レオン・S・ケネディ!」
「!」
ショウに言われて、ハッとする。そうだ、諦めるのだけはだめだ。バイオハザードを撲滅するまで、俺は。諦めることなんて、許されていない。
「……だがどうする?今の不意打ちも、効いてないぞ」
「あぎわぎぃいいい!!!」
弱気を振り払い、あらためて状況を確認する。怪物は頸椎に突き刺さっていた苦無を引き抜いて投げ捨て、両腕を振り上げて咆哮を上げている。
「大丈夫でござるよ、あの苦無には麻痺、毒が……!?」
「効いてないみたいだが!?」
ショウは悠然と身構えていたが、怪物は特に止まることなく腕を振り回して俺達を捕らえんと迫ってきて、ショウは俺を抱えて大きく飛び退いた。
「こやつ、新陳代謝が異様に高いでござる!性質は、ゾンビに近い!」
「だから毒が効かないのか…!」
「こやつは恐らくアルカナードの1人。ならばここは、武器商人から購入したこれで…!」
そう言ってショウが取り出したのは、青くカラーリングされたカプセル状のもの。これまで刀や苦無や手裏剣しか使ってこなかったショウがそれを握るとは、力不足を痛感したのだろう。
「眼を閉じるでござるよ!」
そう言って怪物との間に叩きつけるショウ。その直前に目を閉じていてもわかる閃光が辺りを照らし、苦しみ悶える悲鳴が聞こえた。
「あああ、ぎぎぎ、わわ、ぎぎぎぎぎぃいいいいっ!?」
「効いている!?」
「プラーガはもとより光に弱いという話!さらにあの目の作り、瞼がないようでござる!故に!」
「他のアルカナードと違って耐性がないのか!」
「今のうちに逃げるでござるよ!教会は後回しでござる!」
悲鳴を上げながら力なく両腕を振り回してぐらぐら揺れ、おぼろげにこちらが見えているのかよたよたと歩み寄ってくる怪物。その間に、俺とショウは道を駆け抜けていく。大きな鼾が聞こえる広場を抜け、湿地帯になっている区画を抜け、逃げていく。既に一度受けていたのか、すぐに視力を取り戻した怪物が隙間だろうが体をねじ込ませたり折りたたんだりしながら追いかけてくる。ほとんど障害が無いに等しい奴はどんどん俺達に追いついてきていた。
「マリオは!」
「武器商人のもとに預けてきた!ビリー殿たちが来たら合流する手筈になってるでござる!」
「なら俺達はコイツを倒さないとな!……どうやって!?あいつ、弾丸効かないんだぞ!」
「チェーンソー男でも探すでござるかな!」
「あいつはあいつで出てきてほしくないぞ!?なんか武器はないのか!?」
「生憎と手榴弾各種とマシンピストルしか買ってないでござる!」
「俺もショットガンとスナイパーライフルしか買ってない!しかもボルトアクション式だ!」
「追いかけてくる奴には不向きでござるなあ!」
「あんなのがいるなんて聞いてないからな!」
「あ、ぎ、わ、ぎぃいいいいいいっ!!!」
ひたすら走ると、湖が見えてきた。これが例の湖か。そんなこと言ってる場合じゃないな!くそったれ!
「不味い、行き止まりでござる!」
「なんだって!?」
分かれ道があったので、左を選んだのだが行き止まりだったらしく、断崖絶壁で下には湖面が見える。もう怪物は目と鼻の先。こうなったら!
「諦めるか!効くまで撃ってやる!」
「それしかないでござるな!」
それぞれショットガンと、マシンピストルを手に取って乱射する。炸裂してあちこちから血が噴き出しながらも、怪物は止まらない。ここまでか、そう思った時だった。
静かな湖畔に轟いた銃声が、それを呼び寄せた。
「あぎわぎぃいい!?」
ざぱーん!と音を立てて、湖面から巨大な何かが飛び出してきて、咄嗟に右と左に飛びのいて逃れた俺達の間に突進してきた怪物を一口で丸呑みにすると、そのまま湖面に沈んでいった。あまりに一瞬の出来事に、黙る俺達。
「……なんだ、今のは?」
「さあ……なんにしても、助かったでござるよ」
ここら一帯の生態系の頂点に立つのが、湖の怪物デルラゴであることを、俺達はまだ知らない。
デルラゴお披露目の犠牲となったサセルドーテ。湖畔で銃を撃ちまくるとデルラゴが出てきて喰われて即死するって小ネタですね。無印からこんなネタある辺り本当に細かいゲームだよね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
人間オリキャラ(半オリも含む)で誰が好き?
-
サミュエル・アイザックス
-
天ヶ沢鉄舟
-
犬上冷
-
南雲友子
-
ミゲル・グランデ将軍
-
メリカ・シモンズ
-
アナーヒタ・ウェスカー
-
安堂竜次(アンドー弁護士)
-
裁判長
-
マリオ・フェルナンデス・カスタニョ
-
犬上鞘
-
リディア・シェパード
-
セバスチャン・アギレラ
-
アルベラ