BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はエルソルとアルベラの話。楽しんでいただけたら幸いです。
教会の地下室。エルソルの手足が張り巡らされた牢獄の様な一室に、ビリーとアルベラは手足を縛られた状態で吊るされていた。
「さて、このマッチョマンはともかく……どういうつもりなのですか?ラ・ルエダ・デラ・フォルトゥナ。敵に与するだけでなく、教団の者たちまで手にかけて。我らが君主にどう言い訳するつもりなのですか?」
首を伸ばして頭部を持ってきて、そう問いかけるエルソルの眼前には、吊り上げられサーベルに手を伸ばすこともできないアルベラが。ビリーは悔し気にそれを見ていることしかできない。アルベラは少し考えてから告げた。
「……彼らは、私の恩人の恩人でございます。それに私は、決して君主様に忠誠を誓ったわけでは…!」
「ならば、ラ・サセルドティサに告げ口してもよいのですよ?」
「っ……それでも、私は義理を通すのでございます!」
エルソルから出された名前に一瞬顔をしかめて唇を噛み締めるも、迷いを振り切って宣言するアルベラに、今度はエルソルが顔をしかめる。
「エル・ソル!いや、シスター・マヌエリタ!目を覚ましてください!貴女の信奉する神は、あのような……ぐうう!?」
「アルベラ!」
そのまま、説得しようとしたアルベラの腕があらぬ方向に捻じ曲げられて骨をへし折られてしまい、激痛に悲鳴が上がる。ビリーはそれを見て拘束を引きちぎろうとするが、彼の鍛えられた肉体でも不可能だった。それを冷ややかな目で見降ろし、エルソルは笑みをその顔に貼り付けた。
「その人間の時の名はとうに捨てました。我が聖名こそは
そう言って、どこからともなく右手を伸ばして持ってきたエルソルは、その掌をアルベラの背中に押し付ける。広げられた五指が伸び、アルベラに絡みついていくと、エルソルは自ら腕を捻って手首から先を引きちぎった。すぐ手首の先が再生し、グーパーと握って開いてを繰り返して調子を確かめるエルソルは、拘束を緩めて五指に絡みつかれたアルベラと、それを驚愕して見ていたビリーを開放する。
「ぐっ、ああああああああっ!?」
「アルベラ!しっかりしろ!」
「私は万人を等しく照らす太陽。誰であろうと、私の導きからは逃れられません。さあ剣を握りなさいアルベラ。君主様の刃としての責務を果たすのです」
「くそっ、アルベラを放せ!」
バキボキバキ、と嫌な音を立てて全身を縛られて無理矢理立たされるアルベラからエルソルの右手を引きはがそうとするビリー。しかし、その助けは当のアルベラ本人に突き飛ばされて転がることで止められる。アルベラは悔し気に唇を噛み締めながら、サーベルを引き抜いて両手で構えた。
「逃げ、て……あぐああああっ!?」
「なっ……なんのつもりだアルベラ!?いや、操られているのか!」
そのまま苦悶の声を上げながらサーベルを振り回し、ビリーは咄嗟に腰からナイフを引き抜いて受け止め弾いていく。見れば、絡みついた四肢が蠢いて縛り上げたアルベラの体を無理やり動かしていた。
「太陽は異端者を導くのですよ。これは罰です。アシュリー様の前で我等の忠誠を崩さんとするアルベラ、貴女への」
「アシュリーだと……!?大統領令嬢が、ここに?くそっ……」
「私ならここにいるわ」
すると、檻の向こう側にアシュリーが立っていて。檻の中で無理矢理戦わされるアルベラとビリーを眺めて嗤っている。
「アシュリー・グラハム…!?なんのつもりだ、俺達はあんたを助けに……」
「私は自分からここに来たのよ。助けなんて求めてないわ」
「うああああああっ!」
アシュリーを問い質すも、アルベラが襲い掛かってくるのでそちらに集中しなければならないビリー。ナイフで刃を弾き、アシュリーの告げた言葉を脳裏で噛み砕いていく。そして導き出された答えは。
「……つまり、あんたがこいつらの君主ってことか!?」
「当たらずも遠からず、だよね?エルソル」
「そうですね、アシュリー様」
ビリーの問いかけに笑い合うアシュリーとエルソル。なんとか抵抗しようとしているのかミシミシと音を上げながら斬りかかるアルベラ。受け止めるビリー。場は混沌としていた。
『あれプラーガに寄生されてるとは言え元は人間なのかなあ!?エンペラドールみたいな馬みたいに別生物の可能性ない!?』
「こんなものぉ…!」
「ゴムみたいでござる…!?」
一方その頃、エルソルの手足が絡みついてもがくアリサとプサイ。なんとか引きちぎったり斬り裂こうとするも、アリサの超パワーでも少し伸びる程度でびくともせず、さらには絡みつくだけでなくまるでの蜘蛛の糸か溶けたゴムの様に粘着いて手首にくっついてしまったために爪を振るうこともできない。エヴリンは手出しができない。万事休すだった。
『どうしようどうしようどうしよう……はっ!いいことを思いついたけどどうする!?』
「なんでもいいからなんとかして!早く脱出しないとビリーたちが!」
「なんでござるかエヴリン殿!なんでもするでござるよ!」
『こらプサイ!そういうこと簡単に言っちゃいけません!……プサイと合体してモールデッド・ハンターになる!』
「そういや合体能力あったね!」
「いつでもよいでござるよ!」
エヴリンが飛び込むと、プサイの体が瞬く間に菌根で覆い尽くされ獣の様な顔を形作り、小柄なれどマッシブで肩幅が広く、脚部は肉食獣のようにかかとが高く浮き、常に折り曲がっている前傾姿勢で、頭と首の境目が分からなくなったその姿は原形のハンターを思わせ、その首からはマフラーを思わせる菌根が伸びていた。そのケモノは左手に生えた鋭い爪を、間接を無視した動きで振るって拘束を引き裂いた。さらにアリサを拘束している腕も斬り裂いて脱出させると、蠢いて襲い掛かってくるエルソルの手足を前に、アリサを庇う様に構える。
「『モールデッド・プサイ……参るでござる!』」
寄生体から生まれた能力なのに、自分の一部を寄生させて操るとかいう能力を披露したエルソル。アルベラ曰くもとはシスターだったそうです。そしてもう完全に敵側のアシュリー。
そんなアルベラとビリーのピンチに、地味に初登場モールデッド・プサイ。モールデッド・オメガは南極編で一度出ましたがプサイ単体だと初めてです。モールデッド・ハンターを御することができる精神性のプサイとの合体なだけあって、必ず凶暴化するモールデッド形態の中だと最も精神が安定する形態です。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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