BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
というわけで村編前編のラスボス、エルソルとの対決です。楽しんでいただけたら幸いです。
半年前。ロス・イルミナドス教団の本拠地であるサラザール城の広間にて。黒いローブを纏った信徒たちが数十名、真ん中を開けて規則正しく列をなして「御神体」に礼拝していた。それは、巨大な琥珀に封印されたプラーガのミイラだった。琥珀の前には紫色のローブの壮年の男、ロス・イルミナドスの教祖であるオズムンド・サドラーが両手を掲げており、その前、信徒たちの中央に首を垂れている人物がいた。
「シスター・マヌエリタ。孤児の生まれにして敬虔なる信徒よ。我らが君主はお前の信仰に報いるべく、偉大なる神体を授けることを決められた」
ロス・イルミナドスの信徒の中でも上位であることを示す血の様な赤い布で、信徒の欲望を試すべくきわどいスリットが入った、赤い修道服を身に着けたオレンジゴールドの長い髪のシスターだった。その微笑みの中から見せる、鋭く眩しい金色の瞳は確かな意思を感じさせ、歪な程に良過ぎる抜群の肢体は万人の欲情を誘う。本当にシスターなのか疑問符が浮かぶが、邪教なのでこれで正しいのである。
「ああ、ついに私も真の意味で神に隷属できるのですね…!」
「その通りだ、シスター・マヌエリタ。そして、信徒の中でも最も信心深いお前には特別な神体が授けられる……“支配種”である。お前のその強き意思を残して、我が君主に貢献できるのだ。これは大変名誉なことである。支配種を与えられるのは私も含めてお前で6人目だ」
そう言って、掌大の
「ああ、これが…!」
「この“卵”を取り込むのだ。そうすることでお前は人の身を棄て、我等の真の同胞アルカナードとなることができる。審判者たるこの私オズムンド・サドラー、聖名
そう言うなり、躊躇せずに琥珀を口に含むマヌエリタ。琥珀は体温で溶けてひび割れ、内包された支配種プラーガが体内から寄生し、その身体を作り変えていく。
「ぐっ、がっ、ああああああああっ!?」
さすがの信仰心も肉体を急激に作り変えられる激痛には耐えられなかったらしく、悶え苦しむマヌエリタ。それを、高所から見守る仮面の女がいた。ネズミを模した目元だけ隠す仮面をつけた、赤いマントの様な上着の下は黒いインナーでショートパンツにタイツを履いた煽情的な姿は教団とは思えないが、彼女もれっきとした幹部であり“君主様”の誕生の一因ともなった人物。その臀部のショートパンツの隙間から生えたネズミの尻尾が正体を表している。以前テラグリジア・パニックを引き起こした個体とはまた別の、ジェーンドゥーの一人であった。
「
メキメキメキッと音を立ててマントを押しのけてその背から触手が伸びる。その先端に生えた刃に頬擦りしながらジェーンドゥーはシスター・マヌエリタの変異を見届けた。
「『モールデッド・プサイ……参るでござる!』」
変異を完了するなり、次々とエルソルの触腕を斬り裂いていくモールデッド・プサイ。しかし斬り裂いた先から次々と触腕が伸び、まるで蜘蛛の巣の様にさらに複雑に張り巡らされていく。
「『この出力……コルガドの比じゃないでござる!アルベラと同じ支配種でござるか!?』」
「ご明察です。私の名はエル・ソル。太陽の名を与えられし支配種アルカナードの一人です」
そう言いながら、暗がりからエルソルの頭部が伸びてきた。見るなり斬り裂かんとするも、張り巡らされた触腕が四方八方から伸びてきて、爪先があと数センチのところで止められ拘束されてしまう。
「フフフッ……ただ伸びるだけではありません。私の体は短期間で伸縮を繰り返すため体温が異常に高いのです。故に、太陽」
「『あづっあああああっ!?』」
そう言うと、触腕が凄まじい熱を放ち発光。触腕から灼熱が押し付けられて、悲鳴を上げるモールデッド・プサイ。そのまま解放されたかと思うと、触腕が伸びてきてモールデッド・プサイの頭部を鷲掴みにすると次々と床、壁、天井と軽々と叩きつけ、さらに掌が発光。発熱した掌に握りしめられて焼かれるモールデッド・プサイは強制的に変身が解除されてしまった。モールデッド形態の弱点の一つ、熱に耐え切れなかったのだ。
「ぐうう……」
『強すぎるってば……いや
「同感でござるが……早くビリー殿とアルベラ殿のもとに向かわなければ」
「弱い者いじめは好きではありませんが……降参しないのなら仕方ありませんね…」
ニコニコと笑いながらプサイの脚を掴み、振り回して投げつけ、触腕の巣に絡めとり、発光して灼熱を浴びせんとするエルソル。
『プサイちゃん!灼熱が来る!…アリサ!』
「私を忘れるなあ!」
そこに、ナイフを握ったアリサが突貫。プサイを拘束している触腕を斬り捨てるアリサ。すると感心したように声を上げるエルソル。
「助かったでござる、アリサ殿」
「モールデッド形態が負けるなんてよっぽどだしね。別行動するより、ここで倒して急いだほうがいい!」
「あらあら。大人しくしていてほしかったですね……!」
すると、四方八方から拳を握った触腕が迫る。アリサはナイフを振り回して迎撃していたが、多勢に無勢。ナイフをすり抜けた拳が鳩尾を打ち、さらに頬を殴られて次々と全身を殴りつけられる。それでも、吹き飛ばされることなく耐え抜くアリサ。
「我慢比べなら、相手になるよ…!」
「貴女本当に人間なんですか…!?」
「アリサ殿は人間でござるよ!」
ならばと全身を鷲掴みにしてそのまま発熱して焼こうとするも、プサイがアリサを掴んでいる腕を全て斬り裂いた。そのまま床を蹴って壁に勢い良く着地すると、跳躍。壁から壁へと跳躍を繰り返し、次々と触腕を斬り裂いていくも、斬り裂いた傍から伸びた触腕に殴りつけられる。あまりの変異速度にさすがのプサイも舌を巻いた。
「なんたる変異か…!これが支配種の力でござるか…!?」
『それにしたって異常だよ!』
「だけど、攻撃手段が物理と熱ぐらいなら耐えられ……」
「いい加減にしてください!」
「なっ…!?」
「ぐっ…!?」
『ぎゃあ物量!?』
しかし、天井に張り巡らされた腕の巣から、触腕が雨の様に大量に伸びてきて、プサイとアリサを押し潰す。そのまま地面に押し付けられ、身動きが取れないプサイとアリサ。さらに灼熱が襲い掛かり、激痛に悶えるしかない。
「太陽は罪人含めてあまねく千差万別に照らすもの。決して逃げられはしません。認めなさい。貴方たちに満が一つの勝利もありません」
万事休す。エヴリンはできるかどうかもわからないコンティニューを検討した、その時だった。
「お、おい!」
「おや?他にも仲間がいらっしゃったのですか?」
地下室の入り口から聞こえる男の声に、エルソルが、プサイが、アリサが、エヴリンが振り向く。そして誰もが驚愕する。そこにいたのは。
「その人たちから離れろ!お、俺が……マリオ・フェルナンデス・カスタニョが相手になるぞ!」
超人たちには決して及ばぬ凡人、マリオが震えながら立っていた。
実は支配種だったエル・ソル。人間っぽい言動だったのはアルベラと同じで人格が人間だからです。初登場時はちょっと適当になってた容姿もちゃんと描写しました。能力は伸縮し枝分かれする手足と、発光・発熱。そして支配種特有のフィジカルです。一応人間態のモチーフは原神のロサリアです。
君主の正体も判明。それは巨大な琥珀に埋め込まれたプラーガのミイラ。ジェーンドゥーも関わっているのも明言、というか幹部ですね。
そして男気マリオ。なんでここに。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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アルベラ