BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。こちらではお久しぶりです。トラッシュばっかり書いてました。こっちもぼちぼち更新速度戻していこうかと思います。

明かされる、エルソルの胸の内。ちょっと短いですが楽しんでいただけたら幸いです。


file4:26【太陽をその手に】

「ったく、無事でいろよマリオ……もうこれ以上犠牲者は増やしたくねえ」

 

 

 マリオの鶴の一声で自分たちも教会に行くことになったルイス・セラは地下室の通路を歩いていた。途中で見かけた異様に伸びた腕に警戒しながら、その先を辿る。入口付近ではアリサ・プサイの二人しかあのエルソルと戦っていなかった。その性格から見て、不意打ちで捕らえて分断させたと考えた方が自然だと判断する。頭脳明晰(・・・・)な彼だからこその判断だった。

 

 

【ルイス。なにやら剣戟の音がします。考えられるのは】

 

「お坊ちゃんのところのメイドだろうな!まずいぞ、エルソルの能力は他者への寄生もある!」

 

 

 ドン・キホーテの言葉に頷きながら必死な形相で突き進み、閉ざされた扉を見つけると手にしたレッド9で錠前を破壊して中に入る。そこには、サーベルを振り回すアルベラと、椅子を手にして必死にそれを避けたり受け止めているビリーがいた。

 

 

「ビリー!アルベラは、操られているのか!?」

 

「俺は良い!それよりアシュリーだ!気を付けろ!」

 

「アシュリーだって?」

 

【危ないルイス!】

 

 

 瞬間、扉の陰に隠れていたアシュリーが蝋燭の燭台を手に奇襲。ドン・キホーテの警告の声に咄嗟にレッド9を盾に受け止めるルイス。そのまま押し返して廊下まで追い込むと、アシュリーは蝋燭の燭台を投げ出して駆け出した。

 

 

「っ、待ってくれ!俺達は敵じゃない!あんたを助けに来たんだ!」

 

「誰が助けてなんて頼んだの?この子は渡さないわ!」

 

「やっぱり、あんたが聖母様ってことか!ならなおさら逃がさないぜお姫様!」

 

 

 アシュリーを追いかけ、応接室に入るルイス。出口はここしかない、この中にいるはずだった。

 

 

「……騎士たる者の勇気、今こそ見せる時!一緒に行こう、お姫様。アンタに巣食う悪魔を追い出さなきゃいけない」

 

「そんなこと、頼んでないわ!」

 

 

 瞬間、タンスから飛び出して、ルイスを蹴りつけるアシュリー。その手にはどこから調達したのか豪勢な装飾のナイフが握られており、体勢を崩したルイス目掛けて振りかぶる。ルイスは咄嗟にレッド9の銃身で刃を受け止め、引っ張って床に押し倒すとナイフを取り上げる。

 

 

「はなしなさい!」

 

「悪いな。大人しくしてもらうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は、ビトレス・メンデス村長に拾われた捨て子だった。ビトレス様は敬虔な牧師でもあった。故に私も、神に祈りを捧げた。こんな温かい村に、優しいビトレス様に拾ってもらえた運命を心の底から感謝した。なのに、その幸せはあっけなく崩壊した。ロス・イルミナドス教団がある時やってきた。ビトレス様は別の神を崇めると言い出し、村人の多くは生きてるだけの屍と化した。それでもきっと救いはあるのだと、私も新たな神を信仰した。

 

 

 例え知り合いのすべてがバケモノに変わろうと。きっと、きっとこの地獄の先に平穏が待っているのだと、信じるしかなかった。故に信じ抜いた。決して疑わず、決して抗わず、真摯に信じ続け、異形へ変わろうとも受け入れた。神の声を聞いて、ああ、この慈愛に満ちたお方ならば尽くせる。そう確信して、この先にあるのは平穏な未来だと信じて仕えてきた。君主様のボディーガード兼お世話係も立候補した。なのに。なのになのになのになのになのに!

 

 

―――――――「……なら、その神に見捨てられたらどうかしら」

 

「っ!?!?!?!?!??」

 

 

 聞こえた、あの女の声。部下どころか幹部の仲間内にも知られていない、君主様にしか伝えていない私の急所、頸椎にナイフが突き立てられた。それはつまり、君主様に裏切られたことを示していて。地下室中に巡らせた体が急速に縮んでいくのを感じる。伸ばしに伸ばした四肢への制御が効かない。寄生した一部の操作もできなくて……。

 

 

「あ、ああああああああああっ!?」

 

『なんかバグり始めた!?』

 

「今がチャンス!とりゃ!」

 

 

 そのまま腕も頭部も体に戻っていっていく間に、プサイと呼ばれたニンジャ女に寄生していた掌をアリサ・オータムスに取り外され、踏み潰されて救助されてしまう。あの筋肉男の方でもアルベラにつけた掌を外されてしまった。

 

 

「ハァ、ハァ……」

 

 

 胴体まで戻ってきて、一息ついて頸椎に突き刺さっていたナイフを引き抜く。下手人の姿はない、逃げたのだろう。なんとか制御を取り戻したが弱体化している。バランスは終始崩れ、首と四肢が数メートル程度しか伸ばせなくなり枝分かれさせることもできない。だがしかし。あの、神を名乗る怪物だけは殺さなくては。四肢を動かし、巨体を地下室内で無理矢理移動させると、連絡して合流したのかアリサとアルベラたちが合流しているのが見えた。それも、見覚えのある男とアシュリー・グラハムとも合流していた。

 

 

「アリサ、無事だったか!」

 

「ルイス!アシュリーは!?」

 

「暴れていたが気を失った。マリオは!?」

 

「重体だったからプサイに任せてきた!ビリーとアルベラも、無事でよかった!いったい何が起きてるの!?」

 

【皆さん。話している暇はなさそうです】

 

『来る、来る!来るよおおおおお!?』

 

「逃がしてなるものですかァアアアアァアアッ!」

 

 

 四肢を高速で動かして突進する。撃たれようが知ったことか。このままアシュリー・グラハムを轢き潰す!アシュリーを背負って地下室から逃げようとしているらしいが知ったことか。神の名を冒涜した奴だけは、奴だけは!

 

 

「邪魔をするなア!」

 

「やばっ…!?」

 

 

 他の面子を逃がし、背中から触手を伸ばして壁に突き立て腕を交差して廊下を通行止めしたアリサ・オータムスに体当たり、諸共に地上まで飛び出しもみくちゃになる。アシュリー・グラハムは……外に連れ出そうとしている?腕を伸ばせば届く距離だ。逃がしはしない。

 

 

「でざすとれぇええええぇええっ!!」

 

「貴女は誰よりも優しいから、斬りたくはございませんでした」

 

「え……」

 

 

 瞬間、サーベルを構えたアルベラが飛び出し、私は体を支えていた左腕と両足を斬り裂かれて倒れ込んでいて。それでもと右腕を伸ばすが、起き上ったアリサの手に握られたナイフが頸椎に突き立てられる。それがとどめだった。私は力なく倒れ伏した。ボロボロと身体が崩れていく。アシュリーを連れて奴らが逃げていくのを、見ていることしかできない。

 

 

 

 

 

 

 

 ステンドグラスから差し込む太陽の暖かな光に。かつて崇拝した神を見た。

 

 

 

 

 

「ああ、我が神よ……我が罪にお許しを……この村に救済を……皆様に、太陽(かみ)の……祝福があらん事を……」

 

 

 

 

 

 太陽の光に手をかざし、その光に焼かれながら私は力尽き、完全に消滅したのだった。




 ただ神を信じることしかできなかった女、エル・ソル。同じ拾われた身であるアルベラに斬られ、太陽の名を持つも急所である頸椎を二度刺されたことで耐性を失い、太陽に焼かれて消滅という皮肉な最期でした。

ついにアシュリー救出。村前編終了です。長かった!(本音)

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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