BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は村編後編第一話ということで、今までの振り返り回です。楽しんでいただけたら幸いです。
「エル・ソルが負けましたか……御身の身柄も奪われたと。由々しき事態ですね」
村の最奥に聳える巨大な古城。その執務室にて、まだ幼く見える銀髪を首の後ろで括ってナポレオンみたいな三角帽子を被った小柄な金眼の少女が、紅い背表紙にロス・イルミナドス教団の紋章が描かれた本を読んでいた顔を上げる。そこには、黒いローブに包まれた長身の人物が立っていて。
《……そこにはラ・ルエダ・デラ・フォルトゥナの姿があったとラ・フエルサから報告を受けています。粛正しますか?》
まるでガスマスク越しの様に聞こえる不協和音のような声が響き、ローブの下からカチカチカチと何かが小刻みにぶつかる音と共に、ローブの下の眼が赤く輝く。明らかな異形。しかし、少女は気にすることなく、側近である異形に歩み寄り手にした乗馬鞭を突きつけた。
「なに勝手に人のお気に入りを粛正しようとしているんです?彼女は私のものです。如何に執事の貴方といえど、手を出すことは許しません。彼女を傷つけていいのは私だけだ。貴方はヴェルデューゴと違い会話できるのが利点なのに、余計なことしか言いませんね?
そのまま、ブンッと風切り音を上げながら乗馬鞭を振るう少女。それは、無抵抗だったとはいえ自身の三倍以上の身長はある異形の身であるラ・フスティシアを吹き飛ばし、壁を粉砕して廊下に転倒し更にその向こうの部屋まで壁を突き破って倒れ込むほどの威力を見せた。それは、「力」に関するラ・フエルサ……ビトレス・メンデス以上の怪力であった。
《……申し訳、ございません……私などが不躾でした……》
「フフフッ……なに。心配しなくても、彼女は私の元に戻ってきます。死んでもね。それよりも、御身の身柄の方が不安です。万が一にも、余所者たちに存在を知られ害があってはならない。エージェント・アンブラの開発した派手なやつを用意しなさい。聖名
《……御意。ガナードライダーも派遣します……我らが母、
その言葉に、少女……ラ・サセルドティサは怪しく微笑むのだった。
あの手足の長いバケモノをお化け魚に喰わせて撃退し、近くの小屋で休息をとっていた俺達のもとにやってきたのは、明らかに満身創痍なアリサたち。だが1人足りず、代わりに三人増えていた。男がルイスでメイドがアルベラ、そしてビリーに抱えられているのがアシュリーだろう。だが、なんで。
「アリサ。マリオは……どうした?」
「……ごめんなさい。私がいながら、守れなかった……」
「アリサ殿……」
「あいつがいなかったら、全滅していた。面目ない…」
『マリオは勇敢だったよ……』
そう言って泣き崩れたアリサをプサイが支え、ビリーが悔し気に拳を震わせる。……そうか。マリオが、繋いでくれたのか。
「マリオ。お前の勇気は、無駄にしない……アシュリー嬢を救えて、よかった」
「不覚でござる……拙者が離れなければ……」
『私の知る限りあそこまでバケモノ染みているのそういないよ』
「仕方ないでござるよ、ショウ殿。その手足の長い奴を誘き寄せないと拙者達は教会に入ることすらできなかった。あのリディア殿……の自爆でも倒せてなかった村長相手は、恐らくショウ殿達がいても変わらなかったでござる。エヴリン殿も、過去でも類を見ない強敵だったと言っている」
「俺の知る限り、ビトレス・メンデスのタフさは最強だ。気に病むことはないぜ」
そう告げるプサイとルイスは悔し気に声を震わせていて。こう言ってくれているが、俺たちがいればなにか変わっていたかもしれない。そんな考えばかり頭によぎって……悔しかった。そんな、お通夜の様な空気に差し込む希望の光があった。
「あれ、私……え、アリサ?アリサ!」
「わっ。アシュリー!気が付いたんだ!よかった、正気だ!」
『寝起きにしては元気だね!?』
目が覚めたのか、ビリーの手から離れてアリサに飛びつく少女、アシュリー・グラハム。アリサはアシュリーの護衛兼親友だったらしいから当然か。そうだ、気を引き締めなければ。俺の任務はこの子の救出だ。それを命を懸けて成し遂げてくれたマリオには感謝しなくては。
「正気って何?私、えっと、なにがあったの…?」
「えっと、それは……」
「失礼する、アシュリー嬢。俺はレオン・S・ケネディ。アリサの友人で合衆国のエージェントだ。アリサと共に失踪した君を捜索・状況に応じて救出する任務を受けてここに来た」
『まずはアイサツ。アイサツは大事って古事記にも書いてある』
「アシュリーでいいよ。かしこまらないで。でもあれ、レオンとアリサがいる理由は分かったけど、他の人たちは……?如何にも人間じゃ無そうな人もいるけど」
プサイに好奇の視線を向けるアシュリーに、プサイは一礼する。この場にいるBSAAの面々の隊長なんだから当然か。エヴリンについては……言わない方がいいだろう。俺にも見えないし。
「拙者はプサイ・ウィンターズと申す者で、BSAAのエージェントでござる。こちらは拙者の部下でビリー・コーエンとショウ・イヌガミ。我々は独断でここに調査に来て、レオン殿たちと合流したのでござる」
『紹介されなくて寂しいエヴリンだよ!』
「……私はアルベラでございます。現地の人間で、訳あって協力しております」
「俺はルイス・セラ。ハンサムなプーさ。……悪い、冗談だ。俺も現地人でね、協力してる」
【私はドン・キホーテ。ルイスの相棒です】
「え。女の子が浮いて、腕が喋って……」
「「「「「「「あ」」」」」」」
アシュリーとドン・キホーテ以外の全員の声が重なった。ドン・キホーテは仕方ないにしても。え、まさか。エヴリンが、見えている……?
『私が見えてるの…?』
「ゆ、幽霊なの!?」
『や。違うけど。……プサイちゃん。これって』
「……プラーガが寄生しているルイス殿やアルベラ殿、そしてレオン殿にも見えてないエヴリン殿が見えていることから見るに、恐らくアシュリー殿にはRT-ウイルス、もしくは菌根に由来するものが使われている可能性が高いでござるな」
「え、そんなのどこから……」
「………」
狼狽えるアリサに頷く。RT-ウイルスは、まあうじゃうじゃいるBSAAやハンターπのせいでそうは思えないが、希少性が最も高いウイルスだ。理由は単純で、まず定着するのが難しい。今や謎のディーラーの手により世界に出回ってるG-ウイルスすら、あまり人を選ばず変異し凶悪な怪物を生み出すのに、RT-ウイルスは適合しなかったら問答無用でアナーキアになる。適合できたそのほとんどが動物で、適合できた唯一の人間がアルテ・W・ミューラーしかいないことから、どれほどヤバいかわかる。そこから派生した今は一例しか存在しないW-ウイルスやP-ウイルスの方が優しい時点でその凶悪さがわかるだろう。すると、アルベラが手を上げた。
「恐らく、エージェント・アンブラが持ってきたのだと思われます」
「エージェント・アンブラ?」
「一年と少し前、突如ロス・イルミナドスに接触してきて様々なウイルス兵器の取引を行い、現在は幹部の一人として、プラーガの研究を前任者から引き継いだ女性です。私は幹部ですらない戦闘員の端くれで会ったことはありませんが、彼女の協力でアルカナードが誕生し、ロス・イルミナドスは大きく体制を変えました。アンブラというのは偽名で、なんでも理念を名前にしたと……」
「アンブラ……女性……ウイルスを大量に所有している……」
『か、隠しきれないか…?』
アリサの並べた言葉に、一人の女性が浮かぶ。現在はBSAAに所属している、政府に最も危険視されているアンブレラの切札だったB.O.W.「ジェーンドゥー」ことナイ・ウィンターズ。だが危険視されていたのは彼女単体ではなく、その能力。ジェーンドゥーは複数存在でき、その生き残りが存在しているかもしれない、と。そしてここ一年で増大したウイルステロの数からみても、やはり。
「ジェーンドゥーか、アリサ」
「うん、レオン。……どういうことか聞かせてくれる?エヴリン」
『えっと。その。パーレイ……?』
怒りの視線をエヴリンがいるであろう虚空に向けるアリサ。その後、十数分間パントマイムみたいな尋問が目の前で行われた。アシュリーはなんか目を輝かせてた。アリサの親友だと言うし聞かされてたんだろうな、愉快な守護霊エヴリンのことを。正直そこまで俺も詳しいわけではないが。……別の世界線にいたというエヴリンが見えた俺が少し羨ましい、とそう感じた。
今更だけど退場者多いのにパーティーめっちゃ多いな?エヴリン、レオン、アリサ、プサイ、ビリー、ショウ、ルイス、アルベラに+してアシュリー、あと時々武器商人。退場者はメガネとマリオとリディア。現状9人ですってよ奥さん。でも分けたら各個撃破されるししょうがないんだ。
一気に三名のアルカナード判明。一人は原作キャラです。そしてアルカナードが生み出す原因となったエージェント・アンブラの存在も判明。あの女です。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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