BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、またお気に入りが減って悔しいので続けて書いた放仮ごです。
感想や活報コメントでなんとなくお気に入りが減る理由が見えてきました。初期のイーサンとエヴリンのコンビが見たいのかな?という結論。そもそも今章は「イーサンに味方しなかった幻影エヴリン」が主人公なので、イーサンと善玉エヴリンの絡みが見たい方はアナザーエヴリン編が終わるまでお待ちください…一応本編軸の番外ストーリーも考えてますので。

今回はドミトレスク家の崩壊。楽しんでいただけると幸いです。


08:Another eveline【嘲笑】

「あら、ベイラ、カサンドラ。エヴリンまで。どうしたの?」

 

 

 ソラリウムで暖かい日光を浴びて日向ぼっこしていたダニエラが、いつの間にかソラリウムに入って来ていたベイラ、カサンドラ、エヴリンに喜色満面の笑みを浮かべる。エヴリンはともかく、他の2人は自分と違って積極的にイーサンを狙っているはずだったが、お茶会でもしに来たのだろうか、と呑気に考える。

 

 

『ベイラとカサンドラと話がついたからダニエラもどうかなって』

 

「フフフッ…ダニエラもいらっしゃい」

 

「貴方もエヴリンの家族になりましょう?」

 

「え?え?三人とも、何を言ってるの?」

 

 

 訳が分からないと首をかしげるダニエラに、カビの流動体と化して近づき両腕を拘束するベイラとカサンドラ。三姉妹で最も狂気的で妄想に取り憑かれているダニエラも、危機的状況に気付いたのか蟲に分散して逃げようと試みるも、出入り口はカビで塞がれて出ることは叶わず、再び流動体となったベイラに追いかけられて必死に蟲状態で狭いソラリウム内を逃げるダニエラ。しかし、人型のカサンドラがエヴリンに頷き、柱に取り付けられたレバーを下げたことで事態は急変する。

 

 

「カサンドラ、何を…ァアアアアア!?」

 

 

 天窓が開いて冷気が吹き込み、凍り付いて人型に戻り床にのた打ち回るダニエラを見下ろすベイラ、カサンドラ、エヴリンに。ダニエラは寒さに凍え、見上げる事しかできない。

 

 

「ア、アアアアア……カサンドラ!なんてことを!死んじゃうじゃない!?なんでこんなことするの!?………なんで、貴方達は影響を受けてないの?」

 

「私達は生まれ変わったのよ!エヴリンの姉として!」

 

「ああ、なんであんなに拒絶したのか分からない…」

 

『ダニエラも私の本当のお姉ちゃんになって?答えは聞いてない♪』

 

 

 そう言ってベイラとカサンドラをカビの流動体にし、凍り付いたダニエラを包み込んで取り込んでいくエヴリン。

 

 

「夢よ…これは夢。イヤ。私まだ…死にたくない…」

 

 

 そんな断末魔を残して、三姉妹最後の一人も消えて行った。舌なめずりしてお腹を擦り、カビの流動体を蠢かしてベイラ、カサンドラ、ダニエラを形作り控えさせるエヴリン。

 

 

『気分はどう?ダニエラ』

 

「最ッ高の気分だわ!ありがとう、礼を言うわエヴリン」

 

「これからは永遠に一緒よダニエラ」

 

「でもエヴリンと私達三人だけじゃ寂しいわ。もっと増やしましょう、エヴリンの家族を!」

 

『手始めにドミトレスクだけど……三人とも死んだってことにした方がいいかな』

 

 

 そう言って三姉妹を流動体に戻して消し去り、ふわふわと浮かんでドミトレスクの元に向かうエヴリン。イーサンに全てを押し付けようと悪い笑みを浮かべていたが、ドミトレスクの後姿を確認するなり悲壮感に満ちた顔に変えて話しかける。

 

 

『ドミトレスク!大変大変!ダニエラまでやられちゃった!』

 

「なんですって!?エヴリン、貴方がついていながら…!」

 

『だって私、接触できないしイーサンが攻撃してくるよって教えるぐらいしか…』

 

「くっ、役立たずね。あの男め……私から大事な物を奪った落とし前はつけてやるわ」

 

 

 怒り心頭と言った顔でズンズンと去って行くドミトレスクを余所にほくそ笑むエヴリン。これでイーサンを殺してくれるなら御の字、負けるとしてもその前に取り込んでしまえばいい。

 

 

『カール風に言わせたら最高のショータイム、せいぜい楽しませてよね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして場面は城の終盤へ。死花の短剣による反撃を受けて竜の姿に変貌してイーサンと激突するドミトレスクを、上空から見守るエヴリンとその内部にいる三姉妹。

 

 

『お母様ったら、荒れてるわね。止めれるかしら?』

 

『お母様のあんな姿、初めてだわ。ちょっと嬉しいかも』

 

『イーサンに私達三人とも殺されたって聞かされてるからしょうがないけど』

 

『三姉妹への愛を少しでも私に向けてくれたら嬉しかったのに』

 

 

 そんなことをぼやきながら、空中戦を繰り広げるドミトレスクとイーサンを見物。どう見ても有利なのはドミトレスクのはずなのに、明らかにイーサンに圧倒されている光景を見てエヴリンの言ってたことを痛感する三姉妹。

 

 

「よくも娘を救うなどとふざけたことを!私の娘を殺しておいて!この…人間風情が!」

 

「ふざけんなドミトレスク!三姉妹は誰一人殺した覚えはないぞ!」

 

「嘘おっしゃい!現にベイラも、カサンドラも、ダニエラも!全員いなくなってるのよ!貴方の他に誰がいるってのよ!」

 

『私を疑わない辺り、馬鹿だよねドミトレスク。いや、私を侮ってるのかな?』

 

 

 言い合いしながら撃ち、噛み付きの応酬をする二人に嘲笑するエヴリン。塔を伝って黒カビを登らせながら隙を窺う。そして、誤魔化しきれないダメージを受けたドミトレスクが塔に降り立った時を狙い、四肢を拘束。塔の頂上に縫い止めた。

 

 

「なっ…動けない…!?イーサン、イーサン・ウィンターズ!何をしたァ!」

 

「俺は何もしてないぞドミトレスク!何はともあれとどめだ、喰らえ!」

 

 

 身動きが取れず、黒カビを引き剥がそうと悶えているところにスナイパーライフルをありったけ叩き込まれるドミトレスク。塔の頂上の石床を頭突きで粉砕し、剥がれた右腕でイーサンを掴み道連れにせんとする。

 

 

「おのれ!よくも…ウィンターズ!だけどお前も道連れよ!遅すぎたわね…お前は二度とローズに会えない!己の無力さを知るがいいわ!!」

 

「くっそ…!?」

 

『はいダメ。死んじゃ駄目だよ、ドミトレスク』

 

「なっ、エヴリン…!?」

 

 

 塔の中を落ちて行くドミトレスクの四肢にこびりついた黒カビが増殖して広がり、塔の壁からも湧き出てきた黒カビに包まれ、傷口から侵食していき顔まで覆われて黒カビの塊となったドミトレスクが最下層に激突。ドミトレスクをクッションにしてイーサンも着地し、暴れるドミトレスク。

 

 

「きさ、貴様……エヴリン!なにを!?」

 

「エヴリンだと!?あいつがいるのか…?があっ!?」

 

『死んだら私の家族になれないじゃん。そんなの、三姉妹も悲しむよ?』

 

 

 イーサンを壁まで吹き飛ばし、もがき苦しみ黒カビから逃れようとする竜姿のドミトレスク。しかし顔以外黒カビで塗り潰され、脳内もエヴリン至上主義へと書き換えられていくことに恐怖を覚えるしかなく。さらには周囲に黒カビが三つの人型を作り出したかと思えば、ベイラ、カサンドラ、ダニエラまで現れてクスクスと嘲笑を浮かべるのだから、真実を知るには十分だった。

 

 

「まさか貴様…エヴリン!私の娘たちを殺したのは…!」

 

『殺すだなんて人聞き悪いなあ。三人とも取り込んで私の家族にしただけだよ。この城から出すにはこうするしかなくてさあ、私もどうにか三人を三人のままここから連れ出そうと色々考えて、それでもこれしかなくて嫌だったんだけど………ベイラが自殺志願者なんだもん。死なれたら嫌だから、やり方を変えたんだ。あ、カールにも内緒だよ?こんなみんなを家族にする行為、ミランダと同じだから絶対反対するもん』

 

「ああ、エヴリン……お前への憎しみが、薄れて行く…なんなのこれは、お前は私の娘なんかじゃないのに…なんでこんなにも愛お、しく……」

 

 

 体を弄繰り回されて竜型から人型に強制的に戻されたドミトレスクが力なく手を伸ばし、膝から崩れ落ちた。顔まで取り込まれ、ぐちゅぐちゅと嫌な音を立ててエヴリンの肉体、菌根の一部へと作り変えられていく。そんな原型さえなくなったドミトレスクから確かな愛を感じ取ったエヴリンは子供の様にはしゃいだ。

 

 

『だよねだよね!ドミトレスクは四貴族の中で最も家族を大事にする人だもん!私の新しいママになってくれるよね!やった、やった!ミアより優しいママを手に入れた!私を見捨てない、私を嫌ったりしない、私を何よりも優先して、私を守ってくれる、誰よりも優しくしてくれるママ!ああ、ドミトレスクは大嫌いだったけど………私の理想のママとしてなら家族になれるよね!』

 

 

 まるで魔法の様に、指揮者の様に両手を振るってカビを流動体として操り、ベイラ達三人の中心に三メートル近い人型を形成していくエヴリン。そして形作られた新生オルチーナ・ドミトレスクは傅いて、今までエヴリンには絶対見せなかった優しい笑みを浮かべる。

 

 

「ええ、エヴリン。愛しいあなたを嫌う輩は全員私が噛み砕いてやるわ。手始めにそこの死にぞこないを…!」

 

『待った。イーサンに手を出すのはまだ。今戦っても勝てないよ。もっと家族を増やして、邪魔者のミランダを消して……お楽しみは、それからだ』

 

 

 カビの流動体を操りフラスクを手に取って、イーサンの目前に置いてドミトレスク一家を消し去って頬杖を付き、ジーッと眺めて笑うエヴリン。

 

 

『ああ、愉しみだなア……イーサン、イーサン。イーサン!私を絶望させて、惨たらしく殺した貴方を絶望させて、この手で縊り殺すその瞬間が、とても、とても、待ち遠しいよ』

 

 

 そして父親は目を覚ます。目の前に宿敵がいるとはつゆ知らず、首を傾げながらドミトレスク城を後にした。別の自分の様に、エヴリンを側に引き連れて。




ダニエラのくだり、信じてた姉妹から苦手な冷気を浴びせられて拘束されるトラウマレベルのやつ。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

アナザーエヴリン編、そろそろ小休止欲しい?

  • 本編コンビの話が見たい
  • はよ終わらせて次の番外編書いて
  • ハイゼンベルク生存ルート後の話が見たい
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