BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はエル・スモ・サセルドーテことハギーワギーもどきを瞬殺したアイツが本格参戦。魔改造済みです。ではどうぞ。楽しんでいただけたら幸いです。
それは、口の中で暴れるエル・スモ・サセルドーテをモグモグと咀嚼しながら先ほど見た光景を思い出していた。静かな湖畔が好きなそれは、知性を有していた。突如響き渡り静寂を破壊した銃声に怒り、その下手人と思われるものに食らいついた。
しかし食ってみれば、中々死なない同類で。銃を撃った人間じゃないとすぐ気づいた。まあムカついたので同類はぐちゃぐちゃにして取り込んだが、それはそれとして張本人を逃がしたのはいただけない。なんか近くの小屋に逃れた張本人たちの傍にあの御方の気配が現れたがどうでもいい。ムカついたし腹減ってるから喰うのは、当たり前だ。
「つまり?あのオルタナティブ裁判の事件で全滅したと思われてたジェーンドゥーの分身の生き残りがいて、レッドクイーンっていう超機密データを有した人工知能を持ち逃げした?しかも、テラグリジアで暴れたリ・ヴェルトロを作った可能性もある?」
『はい……エージェント・アンブラってのは多分そのジェーンドゥーかも……』
「エージェント・アンブラはそいつでほぼ確定でござるな」
「とんだ厄ネタがあったもんだな。その結果があのバケモノどもか」
泣く泣く白状させられた情報をアリサとプサイが通訳し、レオンの言葉にさらに縮こまる。いやほんと、ごめんなさい。でもナイを悪く言いたくなかったし、こんなこと政府に露呈したらBSAAの立場が脅かされるし……でも完全に後手に回ってしまったのは確定だ。なんなら、私が知ってる未来のプラーガとかそこまで強くなかったはずだもの。あの村長は頭おかしい。絶対ジェーンドゥーが絡んでるよ。
「私、大丈夫なのかな?アリサ……」
「大丈夫。絶対にアシュリーを救って見せる。そのために私はここに来たんだから」
「つまりだ。アシュリー嬢が寄生されてるのはほぼ確定。レオンのも取り払わないといけない。目指すべきはロス・イルミナドスに潜んでいると思われるジェーンドゥー。もう完全に自我まで持ってるからどうなるかわからん俺はこのままついてった方がまだ安全。ってことでいいんだな?皆々様。よし、やること決まったらこんなところさっさと離れようぜ」
【ルイス、自虐的なのはどうかと思います】
「お前のせいだよドン・キホーテ」
「どうしたでござるか?ルイス殿。そんな何か焦ったような顔で」
アリサがアシュリーを元気づけていると早口でまくし立てたルイスにショウが尋ねる。ルイスはまだ完全に信用できない。何かをあからさまに隠してると思うんだよね。でもロス・イルミナドスの敵なのは村長の反応的に確かっぽい。
「いや、俺がつく……じゃない、ロス・イルミナドスで生み出された化け物がこの湖に解き放たれてるんだ。そいつの危険性は奴らの中でもトップクラス……なんならあいつらの中でも持て余しているほどのバケモンだ。あの村長が何も対処できてないってだけでどれだけやばいかわかるだろ?ほら、逃げるぞ。早く!できるだけ離れるんだ!」
「それって、あのノッポアルカナードを捕食したデカいやつか?」
「ああ、奴でござるか。見た感じ湖から出れない感じでござったが」
「デルラゴでございますか?ルイス様」
「ああそうだ!
レオンとショウ、アルベラの言葉にルイスが焦った顔でそう告げた、その時だった。全員の体勢が崩れる凄まじい地響き。同時にカラスの群れが森から一斉に飛び立つ音。何事かと、唯一干渉されずにすんだ私が小屋の天井から顔を出して確認。絶句する。なんじゃそりゃ。
「どうしたの、エヴリン?」
『逃げてアリサ!早く!早く!いいから逃げてえええええ!?』
私の焦った声に、アリサとプサイちゃん、そしてその二人の反応を見て私の言ってることを察したビリーが同時に動き出す。アリサはアシュリーをお姫様抱っこしてレオンとルイスを背中からの触手を巻き付かせて、プサイはショウを米俵でも担ぐかのように持ち上げ、ビリーがアルベラを抱きかかえて、同時に小屋の壁をプサイの蹴りで突き破って脱出。その瞬間、小屋だったものが大きな口に飲み込まれて咀嚼された。
「……嘘でしょ」
アリサが絶句する。見た目はオオサンショウウオ、だろうか。だろうかとなったのは、異様なフォルムをしてるからだ。全体の色は苔むしていて緑っぽい。恐らく撃退するためにモリがいくつも突き刺さった背中からはいくつもの触手が蠢いて背鰭みたいになっていて、尻尾は太く見るからに強靭。なにより脇腹に、大きすぎる巨体を持ち上げ歩くためなのだろう、オオサンショウウオ特有の脚が四本、丸太の様に太いのが生えていた。嗅覚に頼っているためか目は完全に退化していて大口だけの顔が特徴的だ。しかしそのサイズ、20m以上。魔改造オオサンショウウオとしか言えないそれはもはや怪獣級のバケモノである。これは確かに悪魔と名付けられたのも頷ける。なんか前にラクーンシティで見たネプチューン・ルスカに似てる気がする。
「グオオオオオオオァアアアッ!!!」
「っ!」
デルラゴが吠えた瞬間、アルベラがサーベルを手に突貫。しかしその強固な皮膚に刃は通らず、弾かれる。続けてショウとプサイちゃんが爪と日本刀を手に跳躍して頭上から奇襲。しかし、背中の触手が伸びて二人を薙ぎ払って防御した。ビリーとルイス、レオンの放った弾丸もまるで意に介してない。そして、それはこちらを向いて、のしのしと、ゆっくりではない速度で歩き出した。移動要塞過ぎませんかねえ!?
『プサイちゃん!合体!』
「それしかないでござるな!」
「『モールデッド・プサイ……参るでござる!』」
咄嗟に私はプサイちゃんに飛び込み、モールデッド・プサイになって跳躍して飛び蹴り。凄まじい衝撃が顎に直撃し、デルラゴの巨体が浮いた。その間にアシュリーを連れて逃げるみんな。追撃に爪を突き刺さんとするが、触手が伸びてきて雁字搦めにされる。慌てて指だけ動かして切り裂いて脱出。宙返りしてデルラゴの上に着地すると、妙なものが湧き出るように現れた。
「うるさいうるさいうるさいうるさい!しっずかにしろぉおおおっ!!」
「『人……じゃないでござるな』」
「エル・ディアブロ…アイツはわたしをそう呼んだぁ!」
そこにいたのは、肉の触手が絡みついてできた、触手を長髪の様に伸ばしている、右目だけその間から出した女の形をしたバケモノ。遠目で見たら人間に見えるかもしれないけど、グロテスクだ。脚を形成している触手がデルラゴに繋がってるし、恐らくこの巨体に寄生したプラーガの本体の触手が、疑似餌のような役割で外に出てきたのだろうそれ……エル・ディアブロは怒りのままに両腕に刃を展開して襲い掛かってきた。アリサたちを追いかけて揺れるデルラゴの上で、
「そんな貧弱な刃でえ!」
「『でやっ!でござる!』」
左手にしか生えてない爪と、両腕についている刃では防戦一方だった。蹴りも織り交ぜるが、触手がばらけてすり抜けてしまい、引き抜くとまた戻るので有効打にならない。首狩りしても効くかどうか怪しい。せめて本体の居場所がわかればなあ!
「切り裂かれて餌になれ!お前らはうるさくするだけでその程度の価値しかない!例え、我が君主がいようと!縄張りを侵す奴は許さない!」
「『ぐうっ…!?』」
凄まじい速さで振るわれた刃に足を斬り裂かれ、体勢が崩れたところを押し倒され、迫る刃を何とか手首を掴んで受け止め眼前まで押し込まれる。デルラゴ中に巣食っている触手の膂力なのかすさまじいパワーだ。これは、まずい……!?
「プラーガは目が弱点だ!」
「ぎゃあ!?」
すると、銃撃音と共にエル・ディアブロが吹き飛んだ。倒れたまま振り返ると、どうやって登ってきたのかルイスが立っていて。
「お前か……ルイス!我らが父よ!」
「『え』」
「……お前らを生んだのは俺の最大の罪だよ」
ディアブロの言葉を受けて、ルイスは苦虫をかみつぶしたかのような顔を浮かべていた。
移動要塞デルラゴとディアブロ。悪魔の名を冠するのは伊達じゃなく、「主」や生みの親にも牙をむく超問題児です。なんと水陸両用に進化しました。
そして今作のルイスの正体も判明。アルカナードの生みの親。ちなみに母親はエージェント・アンブラらしい。アルベラは知ってし言おうとしてたけど言う機会がなかっただけ。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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