BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は高速カー(?)チェイス。楽しんでいただけたら幸いです。
とある孤島の一室。真っ暗な中にモニターがいくつも並ぶそこで、エル・カロ及びベイクロに取り付けられたカメラを介して、エージェント・アンブラと名乗っている人物……ネズミを模した目元だけ隠す仮面をつけた、赤いマントの様な上着の下は黒いインナーでショートパンツにタイツを履いた煽情的な姿のジェーンドゥーの一個体はエヴリンたちを観察していた。
「ラ・エンペラトリスは失敗だったわね。せっかく実験のし甲斐があるアリサ・オータムスの肉体を乗っ取れたのに、人間を侮りすぎた。侮れるわけないじゃない。別の私は、ただの弁護士にしてやられたのだから」
一年以上前にもなるオルタナティブ裁判での出来事を思い出して苦虫を噛み潰したような顔を浮かべるジェーンドゥー。よほどただの弁護士に負けたのが気に喰わないらしい。
「まあいいわ。ベイクロの出動要請が来たお陰で敵戦力を確認できたし。ウイルスではできない、意志を伴った
ジェーンドゥーの叫びに呼応するように、戦車とは思えないドリフトでデルラゴを追従していたエル・カロの回転砲塔が、エル・ディアブロの刃の猛襲を爪で弾いて反撃しているモールデッド・プサイを狙う。
「わたしの体を返せ貴様ァ!」
「『それどころじゃないでござるのに!』」
さらに、四台のベイクロが意思疎通できるのか同時にその車体を横からデルラゴに押し付けてスピードを緩め、無理矢理軌道を安定させ、必中の準備を行う。それを見咎めたのは、元軍人であるがゆえにエル・カロの動向を見ていたビリーだった。
「こいつら厄介でござる…!」
「対処しきれません…!」
「同感だ…!」
『物量とは。参りましたね』
「ぼやいている暇があったら手を動かして!」
車体を押し付けながら上部から触手を伸ばして切り刻もうとしてくるベイクロたちの攻撃を、アシュリーを守りながらショウとアルベラとルイスとレオンとアリサがそれぞれの近接武器で弾いて対処する中、ビリーはマグナムを手にモールデッド・プサイとエル・ディアブロの斬撃の応酬を見切って回避しながら駆け抜け、一発エル・ディアブロに叩き込んでから反動の勢いのままデルラゴの背を助走して跳躍した。
「ぎ、ぎゃああ!?」
「うおおおおおっ!」
「!」
鮮血が飛び散るのと同時、車両の隙間から覗いていた眼が見開かれ、慌てて操縦桿が切られてエル・カロは横にずれるも、その車体の横にビリーは右手だけでしがみつくことに成功した。瞬間、ずれながらも狙いは外さなかったエル・カロの榴弾が放たれる。それは狙いを外しながらもモールデッド・プサイ目掛けて突き進む。
「『ちい!』」
エル・ディアブロにとどめを刺そうとしていたもののそれに気づき、咄嗟に拳を握った右腕を振り上げて弾き飛ばしたモールデッド・プサイ。榴弾は弾かれて遥か前方の木に激突、へし折れる。鋼鉄をも砕く硬度を誇る菌根で覆っていたが故に吹き飛びこそはしなかったものの、大きく弾かれた左腕は渦を巻く様に捩じれて脱臼。使い物にならなくなってしまった。
「『いっづう……』」
「死ねえ!」
「させるか!」
咄嗟に右腕を握りしめて嵌め直そうとするモールデッド・プサイに、マグナムで撃たれたダメージから立ち直ったエル・ディアブロの刃が迫るも、ドン・キホーテに変形させた右腕でベイクロの対処をしていたルイスが、二つの人格を一つの体に有しているが故に持つ余裕を用いて気づき、レッド9を発砲。頭部の眼球が撃ち抜かれて大きく体勢を崩すエル・ディアブロ。
「ぐあっ……なんてな、ばあ!」
「『なんでもありでござるかプラーガ!!』」
しかしぐるりと腰を伸ばして
「この、止まれえええええッ!」
足が地面につきそうになりながら、根性で走ってエル・カロに食らいつくビリー。エル・カロは前方しか見えないのかまるで意に介さず走りながら狙いを定めている。ビリーは右手で車体のくぼみを掴んだまま左手でナイフを抜いて隙間に差し込み、なんとか車体の上に乗り込むと、ようやく気付いたのか触手を出して排除しようとするエル・カロ。
「うおおおおおおっ!」
ナイフで斬り弾き、マグナムを触手の付け根に叩き込んで触手を引っ込ませたビリー。砲塔を両手で掴み、引っ張ると、僅かに軌道がずれて榴弾が放たれ、ベイクロの一体が被弾し爆散。ならばとエル・カロは自ら砲塔を回転させて咄嗟にしがみついたビリーを振り落とす方向にシフト。故に、戦車に狙われていない時間と、ベイクロ一体分の隙が生まれた。
「レオン様!行くでございます!」
「泣けるぜ!」
アルベラに手を掴まれ振り回されながら手榴弾のピンを抜き、ベイクロ三体に放り投げるレオン。ベイクロはそれを吐き出そうと急ブレーキして暴れるも触手じゃうまくいかず、遥か背後で爆発。その残骸を踏みつけながらエル・カロが迫る。
「アリサあ!」
「任せて、相棒!」
自分じゃどうしようもないピンチにビリーが吠え、アリサが応える。そうはさせないとばかりに反応したのはエル・ディアブロ。君主を喰い殺そうとした身ではあるが、一応仲間は仲間。
「その首置いてけ!」
「やなこった!」
しかしアリサは分かっていたと言わんばかりにイナバウアーしながらデルラゴの背中を滑って背後に回り込み、エル・ディアブロは上半身を捩じって対応しようとするも、その身体に何かが絡みついて動きを無理やり固定する。顔だけ動かせば、脱臼した腕を枝分かれさせて触手にして無理矢理振ってぶつけてきたであろう、モールデッド・プサイがいた。
「『正直お前に勝てる気はしないでござる。だが、援軍を恨むでござるな!』」
「どっこいしょ!」
その隙を突いて背後からエル・ディアブロの腹部にしがみつくアリサ。バックドロップの要領でエル・ディアブロを持ち上げる。
「なにを……!?」
「うおおおりゃああああ!」
モールデッド・プサイが手を放すと同時。バックドロップの要領で背後に放り投げるアリサ。デルラゴの背後に落ちていくエル・ディアブロ。どうやってまた追いつこうか考えるエル・ディアブロの視界に入るは、深淵の穴。それは、エル・カロからビリーがルイスの伸ばしたドン・キホーテの右腕に掴まって離脱するのと同時で。
「あ、あ、あああああ!?」
「!?!?!?!?」
砲塔の眼前に出てきたエル・ディアブロに反応しきれず、狙いを定めていたエル・カロは引き金を止めることができず。回転しながら発射された榴弾がエル・ディアブロに直撃。頑丈すぎるエル・ディアブロを吹き飛ばすことは叶わず、零距離で発生した大爆発がエル・カロを飲み込み、砲塔を通じて内部が焼き尽くされていき、エル・カロは内部の榴弾に引火し爆散した。
「な、なんとかなった……ビリー、ナイス」
「さすがに死ぬかと思ったぜ」
「『よし、このまま城を目指すでござるよ!アシュリーとレオンを助けなきゃ!でござる!』」
モールデッド・プサイは菌根を改めて操作し、デルラゴは進路を変えて森を踏み潰しながら突き進む。その目指す先にあるのは……。
ジェーンドゥー「ね、言ったでしょ?人間は侮れないって」(溜め息)
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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