BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は最終決戦。アナザーエヴリン編の根幹が明らかに。楽しんでいただけると幸いです。
「ふざけるなぁああああああ!」
激怒した。この三年間溜め込んだイーサンへの怒りが、取り込んだことで鎮静化されていた怒りと恨みが一気に爆発した。許せない、許さない、許してなるものか。菌根の波で村の家屋や残骸を取り込み、村そのものの巨人とも言うべき姿となり全身から放った触手を、両腕のブレードで斬り裂き道を切り開くイーサン。濁流の様に迫る巨大な拳を、両手を突き出して受け止めるクリス。そのまま拳を連続で叩き付けてきて岩の様に硬質な巨拳を粉砕され、唖然とするしかない。ムキになって触手を波の様に叩き込むも、やはり防がれる。
「相変わらずの馬鹿力だな、クリス!」
「お前こそ、相変わらず人間離れ激しいなイーサン!」
楽しそうに称賛し合うイーサンとクリス。ミアとローズを守りながらハウンドウルフも銃で撃って対抗しているが、先行する二人の大暴れっぷりにミア共々どん引きなのが笑えるが、笑いごとじゃない。ふざけんな、ふざけんな。
「イーサンは化け物だぞ!私と同じ、化け物だ!なんでそんな、受け入れてるんだお前らア!」
巨体自らを巨大な波として押し潰さんとするが、カビで盾を形成したイーサンがシールドバッシュを、拳を握ったクリスがパンチを放ってせき止めてしまった。お前ら本当に人間か!?イーサンは違うけど、なんで今の、最強にまでなった私と張り合えてるんだ!
「ピアーズともこうしてまた共闘したかった…B.O.W.であろうと人の魂ある限り、それは人間だ」
「嬉しいこと言ってくれるな。今の俺はゲロから生まれたんだが?」
「絵面はあれだが俺は一向に構わん!帰ってこないよりよっぽどいい!」
「信じてくれて、ありがとよ!」
イーサンが右腕を変形させた盾で押し止め、アサルトライフルで仮初の顔を狙うクリス。窓ガラスで形成された目が割れて破片が散乱…せずにカビの奔流で飲み込み、口からショットガンの様にガラスの破片がいっぺんに射出すると、咄嗟に前に出て盾で庇うイーサン。そんな攻撃が効くか!
「攻撃は逆効果か。どこを狙うべきか…やはり、胎児によく似た菌根本体か。どこにある?」
「エヴリンの本体に触れる事さえできれば…だが、どうやって?」
「いや、外装を破壊するぐらいなら…ロボ、アレの準備はできているか!?」
「こんなこともあろうかと既に用意できてるぜボス!」
なにやら企んでいるようだがさせるか。地下から菌根を伸ばし、一番最後尾のミアとローズを狙って湧き出させる。ローズはもらう、ミアは殺す!この二人を狙えばお前は必ず…!
「ミア!ローズ!」
「イーサン!?」
そうだ、助けるために飛び込むよねえ!孤立すればイーサンもクリスも怖くないんだよなあ!ミアを拘束して取り込み、ハウンドウルフは蹴散らし、ローズは保護する。こうなったら意地でもローズだけ奪って後は全部殺してやる。…あれ、なんで私、ローズに執着してるんだっけ……。
「ミアを返せ!エヴリン!」
蹴散らしたハウンドウルフが倒れている、ミアを取り込んだ菌根の壁まで駆けてきたイーサンが、ミアを無理やり引き剥がしてきた。なら、逆に取り込んでやる!あの生き地獄で二回も精神を保てるはずがない!
「誰が返すかバーカ!」
「イーサン!」
「ミア、お前だけでも…!」
菌根の波の上に巨大な私の上半身を形成し、巨大な右手を伸ばして、ミアを突き飛ばしたイーサンに叩きつける。カビで黒いドームを形成して防ぐイーサンだったが、それもろとも押し潰して取り込んだ。もうミアはどうでもいい。何時でも食べれる。今はもう一人の厄介な奴をどうにかするのが先決だ。
「今度こそイーサンは死んだよ。クリィ……ス?」
「あいつがそう簡単にやられるとは思わんがな」
クリスの方を見てみると、手にはペンライトの様なものが握られ、赤い光を巨大な私の上半身に向けていた。見れば、蹴散らしたハウンドウルフの数が足りない。一人、離れていた…?
「準備はいいか、ロボ!座標にブチかませ」
「ビンゴ!やったぜ!」
「ウアァアアアア!?」
強力な爆撃が巨大な私の胸部に炸裂、半壊させて右胸に移動させていた菌根本体を露出させる。よく見れば、菌根に浸食されて無力化したクリスの爆弾がある。これが狙いだったようだけど、馬鹿なのかな!
「もしかして死ぬ気なの?私と一緒に、村ごと仲間すら巻き込んで!」
「……」
「でも残念だったね、これはもう爆弾としては使い物にならない!いくら撃っても爆発は…」
「そうみたいだが、俺の目的はそれじゃない。イーサン、やれ」
「え?」
クリスに言われて上げた右手をまじまじと見つめる。その瞬間、菌根で形成された右手の硬質な手の甲を突き破って刃が突き出てきた。そんな、まさか!?
「そんな、なんで耐えられるの…!?」
「何度取り込もうが、ミアとローズを残して死ねるか!」
出てきたのは、ローズを抱えたイーサンその人。振り払おうとした右腕を、クイック・モールデッドの様な四肢でしがみ付いて駆け昇ってくる。その先にあるのは……不味い、爆発のせいで再生が遅れて…!だけど、このまま菌根から刃を出して串刺しにしてやる…!
「ジャックの言葉だが借りるぞ………お前も家族だ!」
「え…?」
その一言で、串刺しにするのを躊躇してしまい、イーサンに菌根本体に触れられてしまった。流れ込んでくるイーサンの強靭な意志。菌根の中にいる私が、消される…!?私を油断させるために家族と呼んだのか…怒りがこみ上げる。
消されてたまるかぁあああああ!
「嘘だ、嘘だ、嘘だ!今更、私を家族と言うなぁあああ!」
菌根の精神世界。雪原で、大人の姿の私とイーサンが激突。殴り合う。体格は関係ない、意志の強さが勝つ。だから、あんな言葉で揺らいでいたら負ける!
「ミアがベビーシッターしてたんだろ!なら、俺の家族で違いないはずだ!子供にはなあ、怒ってやる親が必要なんだよ!だから、いい加減……エヴリンを解放しろ!菌根!」
「やめろォオオオオオオオ!?」
私のものじゃない、絶叫が菌根で形成された「私」から聞こえる。気付けば、浮遊感が私を襲っていて。私は、また幽霊の様な状態で、ローズを抱えたイーサンの側……菌根の外を漂っていた。
『え?』
「よう、エヴリン。正気に戻ったか?」
『え?え?』
「それを返せェエエエエエエ!!」
落下したイーサンが両足と右手を地面に付けて着地し、左手に抱えたローズをあやしながら私に問いかけてくる。眼前には、クリスと復活したハウンドウルフが銃撃する、カビと家屋の残骸で巨大な私の上半身を形成した菌根が。…あれ?なんで、私がここにいるのに、アレは動いているの?
「お前に取り込まれた時に分かったんだ。お前の不安を煽って誘導して、四貴族とミランダを取り込ませて力を蓄えていた意思の様な物を。恐らくは菌根の意思だ」
『菌根の、意思?』
「そもそもお前は、四貴族を生かしてミランダを倒そうとしていた。なのに、俺に殺されたくないからと取り込んでいった。そこに違和感は感じなかったか?」
『たしかになんで、って思ってた…けど、イーサンへの恐怖が理由だと思ってたから…』
「それを利用してエヴリンを自分の人格にしようとしたんだ。お前はエヴリンじゃない何かになりかけていた。この答えに行きついた奴がいた。お前のことを誰よりも考えていた奴がいた。そいつから答えを教えてもらったんだ。ハイゼンベルクって言うんだがな」
『カール………ごめんね、ごめんね…』
「クリス、こっちだ!」
クリスとハウンドウルフを誘導しながら村の中心部から離れるイーサン。聖杯の広場を抜け、祭祀場を抜け、橋を渡りやってきたのはカールの工場だった。なにを…?
「エヴリィイイイイイインンン!!」
まるで津波の様に襲いくる菌根そのものと言ってもいい怪物。あんなもの、どうすれば……!
『ごめんなさいごめんなさい!私が爆弾を無力化しなければ…!』
「いや、問題ない。ハイゼンベルクに託されたのは、お前の事だけじゃない…!」
手をかざすイーサン。すると工場の庭に捨てられたスクラップが浮かび上がり、集束していく。それはまるでカールのあの力で。
「自由を愛した男の力、貸してもらう!」
形成されたのは、腕が生えた芋虫かバイクの様な機械の怪物だった。
カビ人間イーサン、ハイゼンベルクの力を得る。序盤でエヴリンの猛攻を力ずくで押し込んでたのはハイゼンベルクの鉄槌を軽々と扱う怪力故でした。
それと肩を並べている本当の化け物であるクリス。筋肉は裏切らない。
そんなわけで黒幕は菌根そのもの。意思と言うか本能に近いものです。赤文字は菌根の意思がエヴリンを乗っ取って喋ってた言葉でした。つまり、三姉妹を取り込んだのは菌根の意思で、それで歯止めを効かせなくさせたのが真相でした。
次回、長かったアナザーエヴリン編完結。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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