BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はついに四貴族との邂逅。楽しんでいただけると幸いです。
第六話‐Four aristocrats【四貴族】‐
燃え落ちるルイザの家を後にして。悪魔のクレストを手に外に出るために門に手をかけて、ふと思い至った。
「そういえば、見張りの男は何処に行った…?」
『逃げたんじゃないの?』
するとすぐ近くから銃声が二回鳴り響き、同時に男の悲鳴。何事かと門を開けると、そこには見張りの男が何者かに首を絞められて持ち上げられている光景があった。
「やめて…!ミランダ様!」
「ふふふ…」
グシャリと音を立てて、崩れ落ちた男から何かを掴み取ったミランダと呼ばれた人物は、こちらに目もくれず踵を返すと歩いて姿を消した。
「今のは一体…誰なんだ?」
『今のがマザーナントカかな?変態みたいな格好してたね』
「ミランダだろ。良く見えなかったが…」
『へんてこな仮面付けてて背中に輪っか付けてるのはどう考えても変態だよ…追いかけようよ、ローズマリーのこと知ってるかも』
「そうだな」
ミランダが消えて行った方向に向かってみると、途中であの謎の老婆を発見。あちらもこちらに気付いたのか一瞥してきた。
『ダッシュババア!お前がマザーナントカか!』
「いやそれはないだろ…身長とか違うし」
「また虚言か、ついに狂ってしもうたか?無理もない。皆死んだ。そうとも、皆に死が訪れたのじゃ…はははは…アーハハハハハハ…」
『狂ってるのはお前じゃい!』
それな。迂闊にエヴリンと対話した俺も狂ってると言われても言い返せないが。すると杖で地面になにやら書き始めた老婆。なんだ?なんかの紋章か?それからダンマリになってしまったので、怪しいが先に進むことにした。
『ねえねえイーサン』
「なんだ?」
悪魔のクレストを城門にはめ込み、二つのクレストの向きを調節しているところに話しかけてくるエヴリン。意外と微調整が難しい。
『マザーナントカ?とかいう変態仮面が消えた先にあのダッシュババアがいたよね?』
「ああ、そうだな」
『あのダッシュババアがマザーナントカなんじゃないの?』
「ルイザの家で聞いた話だと変わり者の婆さんだって話だったが。だけど一見別人にしか見えなかったぞ」
『私みたいに感染した人に幻覚を見せれるとか?』
「あんなことできるのお前だけだろ。それに感染した覚えはないぞ」
『ライカンに思いっきり噛み付かれてたじゃん』
「あー……」
そう言われたらそう思えてきた。ウイルスの類だったら噛み付かれた時に感染した可能性もあるのか…とりあえずクレストの位置を調整し終えるとどういう仕掛けなのか門が開いたので、城の敷地に入る俺とエヴリン。
「行けば命はない、か。エレナ、悪いな」
『命は投げ出すモノって誰かが言ってた』
「縁起でもないなそれ」
堀にかかった跳ね橋を抜け、洞窟に入り階段を上がると樽がいくつも置かれた物置の様な場所に出た。奥に鉄門とレバーがあったので、レバーに手をかける。
『イーサン!なんか来た!』
「なに?」
「これはこれは。まだ生き残りがいたとはな。タフな奴がいたもんだ」
エヴリンが警戒の声を上げ、男の声が聞こえて振り向くと、そこには黒いソフトハットと丸いサングラスをかけた髭面で、オリーブ色のロングコートを羽織って鉄のハンマーを肩に担いだ異様な男がいた。咄嗟にショットガンを向けるも、なにかに引っ張られて男の手に飛んで行ってしまう。ならばとハンドガンを取り出すも同様に取り上げられる。周囲に落ちていた歯車やネジなどのジャンクが何故か浮かび上がり、異様な雰囲気を醸し出している。
『うわ、なにこれすごい!かっこいい!超能力!?』
「言ってる場合か!くそっ、ナイフで…!」
『ナイフも飛んでっちゃった!?丸腰のイーサンとか逃げ回るしか能がないよ!』
「お前なあ!」
「なんだ?誰と喋ってる?狂っちまってるのか?つまらねえなあ…」
ナイフまで取り上げられ、お手上げだ。じりじりと後退しながら、様子を見る。
「…誰だお前、何者だ…?」
「ほう…よそ者か。面白え」
「があ!?」
『イーサン!?』
その瞬間、男が放り投げた俺のナイフが凄まじい勢いで俺の腹部に突き刺さる。さらにハンドガンとショットガンが顔面に激突、歯車やら浮かんでいたジャンクが次々と俺に殺到し、俺を包み込んでいき、あまりの重さに膝をつく。意識も朦朧としてきた。霞んでいく視界の端でオロオロするエヴリンと、俺に歩み寄ってくる男が見えた。
「ミランダが見たら喜びそうだ…」
「くそっ、が…」
『イーサン!イーサン!?あれ、私も意識が…ぐぅ』
……聞こえてるぞ。俺の意識が消える時に、呑気に眠れていいなあお前は。そんな関係ないことを考えながら、俺の意識は途絶えた。
『イーサン!イーサン!私が起きてるってことは目を覚ましたよね!?』
「エヴ、リン…?」
次に目が覚めた時、俺を包んでいた鉄くずが崩れて開けた視界には、古びた鉄の手錠をはめられた俺の腕と、俺を繋げた鎖を引きずる男の姿。次の瞬間には視界いっぱいに心配そうな顔のエヴリンがドアップで映る。前が見えないからどいてくれ。
「お、起きたか。エヴリンってのはお前の娘の名前か?いい名だな。いい子にしてろ。もうすぐだ」
『そうでーす、イーサンの娘でーす!…あ、また意識が…しっかりしてよ、イーサン…ぐぅ』
調子に乗りながら横になってすやすや眠り始めるエヴリン。面目ない…頭への衝撃はかなりでかかった様で、また意識が途絶えた。
「…他の者では力不足でしょう。
『そこどいてよブサイク!アタシが見えないでしょ!』
『イーサン!イーサン!今度こそちゃんと目が覚めた!?』
騒騒しいエヴリンの声で目が覚める。そこにはエヴリンではなく、花嫁衣装を着た不気味な人形が動いて俺の顔を覗き込んでいた。それにかぶさるように現れて人形に怒られて退いた人間なのかどうかも怪しい醜悪な男が。その奥にはとてつもなくでかい貴婦人と、黒づくめの衣装でベールで顔を隠した女と思われる人物と、さっきのサングラスの男が椅子に座っていて、一番奥には仮面を被って黒いローブを身に着けた背中に輪っかを付けた見覚えのある女が立っていて…その真ん中でエヴリンが居心地悪そうに浮いていた。……なんだ、夢か。また寝よう…
『夢じゃないよ現実だよ!?現実離れしてるけどね!?えっとね、紹介するね!態度も身長も顔も全部クソデカオバサンと、まさにダンディなオジサン略してマダオと、黒ずくめ陰キャと、マザコンブサイクと、ご存じマザーナントカ変態仮面、あとなんかキャラが被ってる気がしないでもないクソガキ人形だよ!』
「ブフッ、笑わせるなあ…腹痛い、クククッ…」
「それに我がドミトレスク家にお任せていただければあなた様に最高の血をご用意することを約束いたしますわ。…失礼な男ね。ここで殺してしまおうかしら」
『アタシの顔見て笑うとかブッ殺されたいの!?ヴェェェイ!ねえ、起きたよおー!』
「待て…つまり…テメエらうるせえぞ!てめえもだ!起きたと思ったらなに笑ってんだ、どんな精神してやがる!?」
「あ、悪い」
一気に説明を捲し立てて笑わせてくるエヴリンと、なんか熱心に説明を続けていたエヴリン曰くなにもかもクソデカオバサン、滅茶苦茶荒ぶったあと黒づくめ陰キャさんの手に収まる謎のクソガキ人形に、怒鳴り散らすサングラスの男。黒づくめ陰キャさんとマザコンブサイクとやらとマザーナントカ変態仮面ことミランダ(多分)だけ静かにしていた。男に怒られたので素直に謝る。…いや、謝ってる場合じゃなかった。ここはどこだ?
マダオ(ハイゼンベルク)がお気に入りなエヴリンさん。原作と違って武器を全て取り上げたり強キャラ感。いや強キャラなんですが。四貴族とマザーミランダは第一印象で呼んでるエヴリンだけど悪意はない、多分。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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