BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回からBIOHAZARD7【feat.EvelineRemnants】をお送りします。幻影エヴリンが、倒される前と言うか7の最初からイーサンに付きまとっていたらと言うIFです。7版イーサンとエヴリンの漫才、楽しんでいただけると幸いです。
♯1‐【謎の少女】‐
アメリカのルイジアナ州ダルヴェイ郡の片田舎に存在するベイカー農場と言うらしい不気味な屋敷に行方不明の妻のミア・ウィンターズから連絡を受けて探しに来た俺ことイーサン・ウィンターズ。ボロ屋敷の中を探索するうちにミアを見つけ、一緒に脱出しようと試みるが突如姿を消してしまう。
そしてミアと再び出会った時には狂気に陥り襲いかかってきて、包丁で滅多刺しにされるわ、バリケードに投げつけられるわ、バリケードの残骸である鋭い木材の破片で殴りかかられるわ、咄嗟に反撃して斧で切り殺してしまうわ、何故か復活したミアに報復だとばかりにドライバーを突き立てられた左腕をチェーンソーで切り落とされるわと散々な目に遭い、一度はミアを諦めて、電話の女の声の言うとおりに脱出しようとしたところを不意打ちの拳を受けて倒れてしまった。
「ここはどこなんだ…?どうなってる…?」
『あ、起きた?やほやほー』
目を開けると、目の前には嗤っている少女の顔が何故かドアップであった。困惑するしかないんだが。え、誰。と目を白黒させていると
『ルーカスったら、なにしてくれるのもー。じゃ、クッソ不味い料理を楽しんでね?』
そう言って手を振りながら驚きの軽やかさで俺の前からどく少女。俺の目の前にあったのは、とんでもない場所だった。丸眼鏡をかけた白髪混じりの額から頭頂部にかけてがハゲ上がった頭に口ひげを蓄えている血色の悪い髭親父と、髪はボサボサの血色が悪い壮年の女性、鼠色のパーカーを着用していてフードを被っている痩せ細った体型の無精髭を生やした男性、車椅子に乗って焦点の合わない目でどこかを見ている老婆が囲む、なにかの臓物にしか思えない『料理』がタバスコや胡椒などの調味料と共に並べられており、老婆以外は特に怖気づくこともなく口に入れていた。さっき飛んできたのはこの『料理』か?一目見て吐き気がこみ上げてきたがなんとか我慢する。…さっきの少女は何処だ?すると俺が目覚めたことに気付いたらしい壮年の女性が嗤う。
「ようやく起きたの寝坊助さん。夕食の時間だよ」
「何だ、誰だお前らは?ミアは何処だ?」
「食べな。美味しいんだから」
「い、いや遠慮しとく……」
「遠慮することはないよ。家族なんだから」
家族?家族だって?『料理』を勧めてくる女性の言葉に首を傾げる。何を言ってるんだこいつは。するとフードの男が皿に乗った『料理』を投げつけてきやがった。なにをする!?
「この馬鹿には何言ったってわかりゃしねえよ!」
「ルーカス!なにやってんだい!」
「食事の時はマナーを守れ!」
黙々と食っていたかと思えばそう叫んでルーカスと呼ばれたフードの男の手を掴んで手にしたナイフで斬り落とす髭親父。……なんだろ、ミアにあんな目に遭わされたせいかスンッとした感情で見てしまう。
「いってえな!何すんだよ!ったく勘弁しろよ親父!」
「おいどけマーガレット。こんな行儀の悪い手は捨ててやる」
『あははっ!目を白黒させてる!だよね、こんな一家団欒おかしいよね?』
さっきの少女の声がどこからか聞こえて慌てて周りを見渡すがどこにもいない。マーガレットと呼ばれた壮年の女性を押しのけて隣の部屋のゴミ箱に握ったルーカスの手首から先を投げ捨てた髭親父はそのまま俺に近づいてきた。
「よそ見はいいが、好き嫌いはいかんぞ。夕食はちゃんと食わんとな?」
「いや待て、本当にいらないんだ。お腹がいっぱいで…」
「さあ食うんだ。ちゃんと食わんといかんぞ。食えよ、ほら食うんだよ」
『食べないと酷い目に遭うから食べた方がいいと思うよー?あ、でも一口だけね?三口食べてしまったクランシーは死ぬほど悶えてたからね!』
手でつまんだ『料理』を押し付けてくる髭親父に、少女の声の言うとおりに嫌々ながらも口にする。瞬間、あまりの不味さに吐き捨てた。なんだこの、形容しがたいクソみたいな味は!?動物のモツとは雲泥の差だぞ!?なんの内臓だこれは!?
『あー、それは聞かない方がいいと思うなあ。どうしても知りたいなら後で冷蔵庫を見るといいよ』
「なんだいこのクソ野郎が!吐きやがったよ!ジャック!こいつ吐きやがった!」
「おいうるせえぞマーガレット!」
「せっかく作ってやったってのに!」
「お前向こうに行ってろ!」
「なんだいふざけやがって!」
『実際不味いからしょうがないと思う』
ヒステリックに喚き散らすマーガレットと呼ばれた女性と、怒鳴り散らすジャックと呼ばれた髭親父。だがこっちは不味さでえづいててそれどころじゃない。
「あのクソ野郎許さないよ!せっかくあたしが作ってやったってのに吐きやがって!」
『マーガレットももっと美味しいもの作ろうよ。ルーカスもほら、タバスコぶっかけてるぐらいだよ?』
マーガレットは怒りながら部屋を出て行き、少女の声が響く。なんだ、誰もこの声に反応していない。俺にしか聞こえていないのか?
「今日家族になったばかりのお前にはわからないだろうがこいつは我が家にはとっておきのご馳走でな?分かるか?」
『あーあ、ジャック怒っちゃった。これ以上怒らせると不味いよ~?』
「悪かった、刺激的な味だったんで思わず吐き出してしまったんだ」
ナイフを手にそう言ってくるジャックの機嫌を損ねるのはやばいと少女の声で判断し取り繕う。するとジャックは納得したのかナイフを下ろしてくれた。ルーカスと呼ばれた男みたいに腕を斬り落とされるのはごめんだ。……あれ、ミアに斬り落とされたはずの腕がくっついているし指も動く。なんでだ?
「まあいい。ならゆっくり食べようじゃないか。マーガレットも呼び戻すから……ああ?」
「あーくそ、面白くなりそうだってのに邪魔しやがって!またあのサツが来やがったんだ」
「一家団欒の邪魔もするのか、クソ警察が」
するとベルの音が鳴り響き、あからさまに顔をしかめるジャック。同じく忌々しそうに顔をしかめたルーカスによると警察らしい。しめた、なんとかこの状況を伝えて助けてもらおう。
『駄目。逃げようなんて考えたら殺されるよ?私、イーサンには死んでほしくないんだから』
すると少女の声が咎めてきた。何なんだお前は。
「いいか。大人しく待っておくんだぞ。すぐ戻ってくるからな。おいルーカス、いくぞ!」
「へいへい。俺の腕どーすんだこれ、ハーブ庭に落ちてたっけかな」
そう言ってジャックと、ごみ箱から自分の手首を手に取ったルーカスはこの食卓を去って行った。残されたのは俺と謎の老婆のみ。さっきからうんともすんとも言わないが生きてるのか?
『失礼だな。ちゃんと生きてるよ!』
「…それは悪かった。お前は何なんだ」
『え。…えーと、私はエヴリン。今あなたの頭の中に話しかけています……なんてね?』
ひょこっと老婆の後ろから顔を出すさっきの少女。黒いワンピースとブーツを着ていて不気味だ。エヴリンというらしいがそんなところから喋ってたのか。なんであいつらに聞こえていなかったのかわからんが……本当にテレパシーでも使えるのか?まあそんなことはどうでもいい、なんとか脱出しないと……この拘束、なんとか取れないか?
「お前は何でこんなところにいるんだ?ここの子なのか?」
『うん、ここの子だよ。あれ、脱出するつもりなんだ。またしん……ごほん。今度こそ殺されてもいいの?』
「殺されたくはないがこのままここにいたらどの道死ぬだろ。警察に助けを求めるのは当たり前だ」
『ふーん。出られるといいね?』
そうにやにや笑うエヴリンにイラつきながらも体を揺らして床に椅子ごと倒れ込み、拘束から解放される。手首は何でか知らないがやっぱりくっついてるな。
「よし」
『よし、じゃないが?今の音でみんな戻ってくるよ』
「どこか隠れるところはないのか?」
『うーん、ガレージとか?』
「案内してくれるか?」
『じゃあついてっていい?邪魔しないから』
「好きにしろ」
老婆がなにも反応してないから多分幽霊かなんかだと思い込むことにする。とにかく、脱出しないとな。
今回を書くためによく見てたらルーカスの前にタバスコらしきものが置いてあってこれでしのいでたんかなとか妄想してる。
正体が分からないままエヴリンを連れ歩くイーサン。だいぶ運命が変わります。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。