BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。どうしても書きたいシーンがあるのでこっちを優先している今日この頃。

どうもわけありっぽい少女との珍道中。楽しんでいただけると幸いです。


♯3‐【保安官補佐】‐

 ジャックに鍵を閉められたので、しょうがないのでこのまま中腰で地を這って進むことにする。色々ガラクタが置いてある。土埃具合からだいぶ放置されていることが分かる。猫のケージに子供の車のおもちゃ…アンティークっぽいコイン?はもらっておくか。しかしそれにしても……。

 

 

「家の中より軒下の方がきれいに感じるのはやばいな」

 

『ちゃんと掃除してほしいよね。カビ以外』

 

「???」

 

 

 とんちんかんなことをいうエヴリンに首を傾げながら明かりを頼りに先を急ぐと、とある部屋にある穴に出た。なんでこんな穴空いてるんだ?

 

 

『これは私も知らない。湿気そうなのにね』

 

洗濯部屋(ランドリー)か…」

 

 

 机を中心に洗濯機が複数置いてある。エヴリンを入れても5人家族だろうにこんなに必要か?しかも凄まじい悪臭だ、ろくに洗濯もしてないと見た。入ってきた穴は見た所地震か何かで崩れたのか?放置する理由もわからんが。そういやさっき廊下通った時も階段らしきものが崩れ落ちていたな。なにがあったらああなるんだ。

 

 

「おっ、電話。110番…かからないな。これは内線か?」

 

『そういえばジャックは民宿を開くのが夢だって言ってたかな?』

 

「その名残ってことか。おっ、見取り図だ。今いる建物は本館というらしいな」

 

 

 机の上に載ってた見取り図を手に取り見てみる。……思った以上にでかいな。だが思った通り、あの仕掛け扉の先がホールで玄関があるようだ。

 

 

『あ、ここに薬液とハーブがあるよイーサン』

 

「ナイスだエヴリン。……やっぱりお前、幽霊かなにかなんだな」

 

 

 エヴリンの指差した棚の引き出しを開けるとご丁寧にセットで置いてあったので回復薬にクラフトしながら、音もしなかったことから開くことなく引き出しの中身を言い当てたエヴリンに訝しげな視線を向けると、心外だと言わんばかりに胸を張ってきた。

 

 

『ばれてるっぽいから隠す意味もないかなって。まあそんな感じだよ。この私はジャックたち、ベイカー家には見えない。入れない部屋の偵察とかはできるから存分に使い潰してよ』

 

「やっぱり、虐待で殺されたのが無念なのか?」

 

『うぇ!?…えっと、まあ、無念なのは合ってるけど……うーん、まあそんな感じ』

 

「違うんだな」

 

 

 どうやら隠し事に向いてないらしいエヴリンに溜め息を吐く。悪い奴じゃなさそうだ。ひとまず信用するしかないな。

 

 

『あ、ここにはキーピックがあるみたい』

 

「なあ、頼むから一言言ってからそうしてくれ。心臓に悪い」

 

『えへへ、驚く反応新鮮だからさ』

 

 

 いきなり浮かんだかと思えば傍の小箱に首を突っ込んだエヴリンにビビりながら注意するとエヴリンは悪戯が成功した子供の様な顔を出すとニヘラと笑った。カランカランと音が鳴る小箱を手に取り開けると、何であるのか知らんがキーピックが一個だけ入っていた。

 

 

「これであのテープを…」

 

『それはやめよう。変に歪んだらキーピックとしても使えなくなるよ』

 

「それはたしかに」

 

『このイーサン脳筋だあ』

 

「おい、俺はシステムエンジニアだぞ」

 

『嘘だあ』

 

「殴るぞ」

 

『殴れるものなら?』

 

 

 ムカつく顔で踏ん反り返っているエヴリンにいらっとして手を顔に突っ込むと「ひゃん」と小さな声を上げて部屋の天井ギリギリまで逃げるエヴリン。どうやら感触はあるらしい。

 

 

『やめてよ!?なんか嫌だから!』

 

「悪い悪い。だがちょっとした制裁に使えそうだな」

 

『悪い顔だあ』

 

「なんか言ったか?」

 

『なんでもないとです』

 

「なんだそのなまり」

 

 

 ぼやきながら探索を終えて外に出ようと扉の鍵を開ける。一応耳を当ててみるが何も聞こえない。

 

 

「エヴリン、見て来てくれ」

 

『えー、こんな年端もいかない女の子に…』

 

「ジャックたちには見えないってさっき言ってたろ」

 

『…うー、こわい。言わなきゃよかった…』

 

 

 ぶつぶつ言いながら扉を擦り抜けて外に出るエヴリン。GOサインが出るまで待った方がいいな、また足を斬られたらたまらない。そう思って待っていると、プルルルルルル!と甲高い音が鳴った。さっきの電話か?ジャックに居場所を悟られたらたまらないと咄嗟にすぐ手に取り、おそるおそる耳に当ててみた。

 

 

≪「よくやったね、イーサン」≫

 

 

 聞こえてきたのは廃屋で電話をかけて脱出口を教えてくれたゾイと名乗っていた女性の声。多分味方だ。

 

 

「ゾイだな?あいつらはいったいなんなんだ!?」

 

≪「死にたくなかったら騒がない方がいいよ。黙って聞いて。その屋敷から出ないと」≫

 

「出たいがガレージはテープで塞がれていてホールとやらへの扉は謎の仕掛けで閉まっていてもうどこにもいけないんだ」

 

≪「メインホールから出られる。そのためのアイテムはガレージに置いてあるからどうにかしてガレージに入って」≫

 

「だからテープで塞がれていて…食卓でナイフをかっぱらったけどこれじゃ切れないんだ」

 

≪「あいつらろくに手入れもしてないのか…何か探して。私じゃどうしようもない。あと、腕のはコデックスって言うの」≫

 

「腕?」

 

 

 右腕を見てみる。何もない。左腕を見てみる。今気付いたがなんか黄色い心電図みたいなものが映ったデジタル時計みたいなものが付けられてた。…うわあ、今気付いたけど切り口が痛々しい。ホッチキスかなにかで留められてるのか?無意識に見ないようにしてたんだな…

 

 

≪「失くさないで。大事なものだよ。それで私は貴方の状況を見れる。その表示が緑、黄色、赤の順で不味い状態だってことだから気を付けて。でも、今までの奴等よりは安定しているね」≫

 

「ああ、それなら…」

 

 

 エヴリンのおかげ、と言おうとしたがやめた。唯一かもしれない現実の味方に頭がおかしいやつとか思われたくない。

 

 

≪「それなら?」≫

 

「いや、なんでもない」

 

≪「そう。じゃあ、またね」≫

 

「お、おい待て!?」

 

 

 引き留めるが一方的に切られてしまった。くそっ、もう少し事情を聞きたかったんだが……。すると扉から擦り抜けてエヴリンが戻ってきた。

 

 

『戻ったよイーサン。なにかあった?』

 

「ああ、エヴリン。ゾイって女から連絡があった。特に進展はないが」

 

『ああ、ゾイか……信用していいよ。数少ない、というか唯一と言ってもいいまともなやつだから。それよりイーサン、窓の外から明かりが見えたよ。誰かいるみたい』

 

「それジャックじゃないだろうな…行ってみるか」

 

 

 少しでも音を出さない様に静かに扉を開けて外に出ると、エヴリンの言う通り窓から明かりが。あれは黒人か?あの服は、警察!さっきのブザーのか!たまらず駆け寄って窓に掴みかかる。

 

 

「おい!頼む助けてくれ!」

 

「おわっ、びっくりした。ちょっと落ち着いて。あんた、ここの人間なのか?つまり…住んでいるのか?」

 

「俺が?そうじゃない、違う!そうだったら助けなんて呼ばない!攫われて監禁されてるんだ、助けてくれ」

 

『開口一番助けてくれって言う家の人がいるかね』

 

「そうか。実はこの辺りで失踪事件が起きたと通報があってね。君の言うことが本当なら情報は正しかったのか」

 

「なんだって?いや、それどころじゃない。助けてくれ、この家のイカレた奴等に今にも殺されそうなんだ!」

 

「そうか。あんたもあんまりまともな人間には見えないが…信じよう。じゃあガレージがあるだろ?そこで話そう」

 

『まともな人間には見えないよね。この手見たら』

 

 

 エヴリンが指差して言ってくるが黙ってろ。これ言い方間違えてたら俺まで疑われてたやつだ。

 

 

「待ってくれ保安官。ガレージの扉の制御盤がテープで塞がれていて開けれないんだ。なにか刃物はないか?」

 

「保安官補佐だ。そういうことなら」

 

 

 そう言ってズボンのポケットに手をやり、取り出したそれを窓ごしに渡してくれた。

 

 

「ポケットナイフでいいか?」

 

「ああ、助かる!今ガレージを開ける!」

 

『イーサンは念願のまともな武器を手に入れた!』

 

「まともかどうかは微妙だがな」

 

 

 保安官補佐がガレージの方に向かったのをいいことにぼやく。正直携帯していた銃が欲しかったがさすがにやばいやつだからな。受け取ったそれを手にガレージに向かい、テープを切り裂いてボタンを押すと開いたガレージの中に入ると、既に入ってたらしい保安官補佐が調べているところで俺に気付くと笑顔を向けた。気難しそうだけどいい奴みたいだ。

 

 

「よし、来たな。じゃあまず事情を話して……」

 

『危ない!?』

 

「後ろだ!」

 

「なに?」

 

 

 保安官補佐の後ろで出入り口が閉まって行き、入ってきたジャックの姿に思わず叫ぶと、保安官補佐は咄嗟に拳銃を抜いて後ろを向くがその瞬間、頭部を突き抜けるスコップ。崩れ落ちた保安官補佐を踏みつけて、ジャックは嗤う。

 

 

「逃げられると思っていたのか?おめでたいやつだな、イーサン!」

 

『さすがにドン引き』

 

「くそがっ…!」

 

 

 咄嗟にポケットナイフと、食卓で失敬した手入れされてないナイフを手に取る。やるしかない…!




言葉を選んだおかげでちょっとまともになった保安官補佐、撃沈。某泣けるぜの人はいいました。接近戦は銃よりナイフの方が速い。

ちょくちょく謎めいたことを言うエヴリン。なんなんでしょうね?

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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