BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。絶賛台風の直撃を受けながら書いた話となります。昔から悪運は強いから大丈夫、きっと、メイビー。

今回はVSジャック。楽しんでいただけると幸いです。


♯4‐【教習所】‐

「おっ、やるか?仕方ない、お前もここで殺してやるとしよう。あの子は悲しむだろうが、それですべて解決だ」

 

 

 言いながらスコップを叩きつけてくるジャックの攻撃を、バックステップで回避。同時に背中に出入り口の扉がぶつかって、さっき同時に閉じ込められたことを確認する。逃がす気はないってか。

 

 

「おらあっ!」

 

『折れたァ!?』

 

「ん?なんかしたかあ?」

 

 

 手にした手入れされてない方のナイフを勢いよく肩目掛けて振り下ろすが、骨に当たった感触がした瞬間ぽきんと折れて刃がころころと転がる。嘘だろ、似た様なナイフでルーカスの手首斬り落としてたとかこいつどんな怪力だ!

 

 

『そもそも人間の頭蓋骨をスコップを貫いている時点でアホみたいな怪力だよ!』

 

「それはそう。があっ!?」

 

 

 スコップが勢いよくスイングされたのを咄嗟に左腕を防御に使い、作業机まで殴り飛ばされる。くっそ、折れたなこれ。いや待て、ランドリーで拾ったハーブと薬液で作っておいた回復薬を…。

 

 

『うわあ、見事に腫れてるねえ。真っ赤だあ』

 

「独り言喋っている暇があるのか?おい、今は俺が遊んでやってるんだぞ!虫けらみたいに踏み潰してやるぞ。マーガレットに聞かれちゃまずいがな?へっへっへ」

 

 

 いや、ジャックを野放しにしとくのも不味いか。手持ちは……一応食器棚から持って来た手入れされてないフォークがあった!

 

 

「クソッたれ!」

 

「馬鹿め、そんなの当たるか…ぐおおっ!?」

 

 

 効かないのは百も承知。奴の頭上の照明目掛けてフォークをぶん投げる。まっすぐ飛んで行ったフォークは電球を破壊して火花の滝がジャックに降りかかる。よし、今のうちに回復だ。回復薬を患部にぶっかけると見る見るうちに痛みが引いていく。痛くない。

 

 

「よし」

 

『よしじゃないと思う。あ、それ……』

 

「うん?」

 

 

 エヴリンが何かに気付いたようで指差した方向・・作業机の上を見ると、そこには見覚えのある鍵があった。俺の車の鍵!すかさず手に取って置かれていた俺の車の運転席に向かう。

 

 

「でかした!」

 

『いやー、それほどでもー』

 

「おいおい、やってくれたなイィイイイサァアアアン!」

 

 

 頭に手をやって照れてるエヴリンを尻目にいざ乗り込もうとすると、ジャックが火の粉の滝を振り払って迫って来ていた。その呼び方やめろ怖いから!

 

 

「クソッたれ!」

 

「があっ!?」

 

『それは痛い』

 

 

 咄嗟に開けたドアの勢いで殴りつけ、怯ませる。鼻を押さえてフラフラと後退するジャック。でも悠長に鍵を回してる余裕がないなこれ。

 

 

『来るよイーサン!』

 

「ポケットナイフでどこまでやれるか……無理にでも保安官補佐から銃をもらっておくべきだった………待てよ?」

 

 

 

 あることに思い至り目を背けて確認してなかった保安官補佐の遺体を確認する。投げ出された右手の傍に、オートマチックのハンドガンが転がっていた。占めた。だが、ジャックの向こう側か…いや、怯んでいる今なら!

 

 

「うおぉおおおおっ!」」

 

「くそっ、いてえ…鼻が曲がったじゃねえか……ぬおおああああっ!?」

 

『悪質タックルかな』

 

 

 さすがにポケットナイフまでぽっきり折れたらたまらないので、渾身の体当たりで右肩を奴の鳩尾に叩き込み、大きく転倒した隙を突いて走り拳銃を奪取。ついでに足元まで転がってきたスコップを手に取り構える。これで形勢逆転だこの野郎!

 

 

「がはっ……やりやがったなイーサンこの野郎。俺のスコップを返せ」

 

『やっちゃえイーサン!』

 

「誰が返すか。さすがにこれならお前もタダじゃすまないだろう……!」

 

 

 もう殺してでも脱出することを決意してスコップを大きく振りかぶり、ジャックの頭部に叩きつける。ゴキャッと嫌な音がして、首が歪に曲がったジャックが再び倒れ伏す。緊張が崩れて両手に握っていたスコップが滑り落ちからんころんと転がる。

 

 

「やったのか…?」

 

『まだだよイーサン。スコップを回収して離れて!』

 

 

 エヴリンの警告の声を聞いても咄嗟に動けなかった。目の前の光景が信じられなかったからだ。明らかに死んでいる角度、というか頭部が背中側にぶらんとぶら下がってるのに起き上がるなんて、悪い夢だと思いたかった。だが未だに痛みが残る腕が現実だと嫌でも教えてくれる。ジャックは手探りで自分の頭を掴むとよっと軽い掛け声と共に首を戻し、ゴキゴキと音を鳴らして角度を調整、にやりと笑う。

 

 

「ぷはあ。さすがに息ができないと苦しいなあ、イーサーン?」

 

『うわあ。やっぱりジャック一番適合してるんだ……下手したらイーサン以上…?』

 

「バケモノかよ、クソッたれ!」

 

「お仲間じゃないか、仲良くしようぜイィイイイサァアアアン!」

 

『こわいこわいこわいこわいこわい!』

 

「御免こうむる!」

 

 

 目をガン開きにしながらスコップを拾い上げて突進してくる咄嗟に構えたハンドガンを三連射。左肩、右胸、眉間に炸裂し怯むが効いた気がしない。たまらず車の運転席に入ってドアを閉め、エヴリンも隣に座った(?)のを見届けながらシートベルトを取り付けると鍵を回す。

 

 

「早く早く、早く動け…!」

 

「いやお前じゃない。俺が運転してやる」

 

『ギャーッ!?びっくりしたなあもう!?』

 

 

 次の瞬間、ドアウィンドウが突き破られて首を掴まれる。くそっ、負けるかあ!

 

 

「俺の愛車に…なにしやがる!?」

 

「がっ!?」

 

 

 咄嗟にジャックの腕に噛み付き、噛みちぎるとさすがに怯んで離れて行く。ぺっと肉片を吐きだしてもう一度回すとエンジンがかかった。よし!

 

 

『およそ人間じゃない反撃方法だったね』

 

「うるさい。行くぞおらあ!」

 

「がっ!?いいぞ!いいぞ!もっとこい!」

 

 

 そのままフラフラと前に出てきたジャックに向けてアクセルを踏み込み車体で体当たり。そのまま壁に叩きつけるがジャックは嗤って挑発してくる。お望みとあらばもっと喰らわせてやる。

 

 

『いいぞもっとやれー!』

 

「喰らえ!」

 

「があっ!?このクソ野郎が」

 

 

 そう言い捨てて轢かれたまま姿を消すジャック。…あれ?どこに…まさか車体の下に?

 

 

「エヴリン、ちょっと見て来てくれ」

 

『やだよ!?最悪スプラッタ映像見ることになるのやだよ!?シャイニングを見る百倍嫌だよ!?』

 

「何でシャイニング…?」

 

「運転荒いぞイーサン。俺が教えてやる」

 

「『!?』」

 

 

 泣き喚いて拒否するエヴリンに首を傾げていると、車の屋根を引っぺがされて、慌てて俺の膝まで転がり込んできたエヴリンの代わりに助手席に乗り込みハンドルを握ってくるジャック。くそっ、主導権を奪われた!

 

 

「何なんだお前は!?」

 

『私の席なのにー!』

 

「いい車を持ってるじゃないか。見る影もないがな?」

 

 

 そのまま俺の足まで掴んでアクセルを踏みっぱなしにさせてガレージ内を爆走させるジャック。次々と正面から激突して煙を噴いてきた。

 

 

「どこで運転を覚えた?ガレージ内を走ることは習わなかったのか?」

 

「くそっ!そんなもん習う奴いねえよ!?」

 

『やめっ、やめっ、迂闊に私も降りれないからー!?』

 

 

 俺にしがみ付いて涙目で振り回されるエヴリンを横目に、さっきの衝突で突き出た鉄骨に向けてハンドルを切ると俺の足を押さえる手を動かしてバックさせるジャック。何をしようとしているのかすぐ分かった。

 

 

「おーいいねえ、一緒にドライブを楽しもうぜ!」

 

「おい、待て、やめろ!?」

 

「もう終わりにしよう、俺達で」

 

『…え?ってそれどころじゃなかった、イーサン!レバー!』

 

「!」

 

 

 勢いよくアクセルを踏ませて鉄骨に向けて爆走するジャック。咄嗟にエヴリンに言われた通り、外側についているレバーに手をかけると、座席シートが倒れて寝そべるような体勢となり、次の瞬間激突。シートベルトを取り外して、外れたドアからなんとか転がり落ちて確認するとジャックは側頭部を鉄骨にぶつけて目を見開いたまま沈黙していた。傷が痛々しい。

 

 

『いやー、危なかったね』

 

「お前は無事には見えないが」

 

 

 一方、エヴリンは思いっきり鉄骨が頭を突きぬけて血を流している状態で満足げに笑っていた。物理は効かないんじゃなかったのか!?と驚いていると、浮かぶように鉄骨から離れると元通りの姿に戻るエヴリン。

 

 

『驚いた?驚いた?ちょっとだけなら姿を変えることが……みゃー!?』

 

「ああ驚いたよ。これはほんのお礼だクソガキめ」

 

 

 どやっと踏ん反り返ってたのでその顔に腕を突き抜けさせると悶絶するエヴリン。立ち上がり離れてから一息ついていると、ガソリンが引火したのか炎上する我が愛車。ローンも残ってたんだが…

 

 

『何年ローン?』

 

「13年…」

 

『うわあ、それは悲しいね』

 

「悲しんでくれて俺の愛車も報われるだろうよ…!?」

 

 

 適当にエヴリンに応えていると、炎上する車から誰かが降りてくる。よろよろと歩くその姿は燃えていて判別が難しいが、背丈からしてジャックだった。

 

 

『ぎゃー!でめんと―!?』

 

「くそっ…」

 

 

 咄嗟に銃を構えるも、次の瞬間車が爆発してその衝撃をもろに喰らい転倒するジャック。今度こそやったか?と身構えていると、再び起き上がって俺の拳銃を掴んでくる黒焦げジャック。

 

 

「何なんだお前は!?」

 

『しつこすぎるよ!?』

 

「いいかしっかり見ておけよ。今から面白い物を見せてやる」

 

 

 そう言って顎に銃口を突き付けたジャックは自ら引き金を引いて頭部を撃ち抜かれ、崩れ落ちた。

 

 

「なんなんだクソッたれ!!!」

 

『……ごめんねジャック』

 

 

 悪態を吐く俺の横で、何故か申し訳なさそうにジャックを見下ろすエヴリンが妙に印象に残った。




結構オリジナル味のある戦いとなりました。ジャックが原作以上にバケモノになったけどまあ許容範囲内、のはず。

清涼剤エヴリン。鋭い人なら今回で正体が分かった人もいるかも?

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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