BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はホール探索の続き。口を滑らせまくります。楽しんでいただけると幸いです。
「大空の狩人」というタイトルの絵を見ながら五分ぐらい、ライトの前で奮闘する。どうにかこうにかアイテム無しで起動できないかと手で鳥を作ったり、その辺に落ちてるものを上手く乗せて誤魔化そうとして見たが、ぴったり鷹に合わせないと駄目らしくうんともすんともしなかった。へんてこなギミックの癖して細かいな!?
『ねえ、無駄だってば。早く先に進もうよ。じゃないと…』
「じゃないとどうしたっていうんだ?」
『………ルーカスとかが来るかもよ?』
「あいつが来たぐらいでもう驚かないさ」
『まあルーカスなら恐くないよね。私は苦手だけど』
「なんでだ?あんなひょろいの」
『一番怖いから』
「……そうかあ?」
今のところ、変におちゃらけて凶暴な父親に手首を切断された可哀想な息子でしかないんだが。むしろ話せばまだわかりそうだったが。
『この家で一番の危険人物だから気を付けてねイーサン』
「見つけたら邂逅一番発砲すればいいんだな」
『そう、その意気!』
……割と常識人なエヴリンが苦言を呈することなくむしろ勧めてくるってことは相当ヤバいらしい。マジで気をつけよう。
「それで、三つ首の犬のレリーフを探すんだったか」
『本来の目的を思い出してくれて私嬉しいよ』
「それで、場所はわかるのか?」
『……いや、私も知らない間に隠されているものがわかるわけがないじゃん?』
「なんだ今の間は」
問い詰めると冷や汗をダラダラ流すエヴリン。なんでかはわからんが知ってるなコイツ。隠し事が下手すぎる。
『…えっと、一個はリビングにあるよ』
「リビングって…食卓の横の?」
『あと一個は忘れたけどあと地下室だっけ…』
「俺が来てから隠したはずなのに覚えてないのか?」
『だから、私は見てないんだってば。教えてもらっただけ』
「誰に?」
『イーサン』
「???」
あ、やべと口元を押さえるエヴリンを尻目に首を傾げる。俺に教えてもらったってなんだ。
『あー、あんなところにショットガンがあるよイーサン!』
「お前誤魔化し方下手だな。まあいいか」
エヴリンの指差した方向の小部屋に入ると、上半身だけの銅像が抱えたショットガンがあった。ジャックは元軍人かなにかか?手に取ると、ガションという音と共になにかの仕掛けが動く音がして、小部屋の扉が閉じられ鍵が閉められてしまう。
「閉じ込められた!?」
『ゴリスから聞いた洋館の仕掛けみたいだあ。天井が落ちてこなくてよかったね?』
「何の話だ。…戻せばいいのか?」
ショットガンを銅像に戻すとまた仕掛けが動く音がして扉が開く。なるほどな、代わりのものをおけってことか。
『似た様な物を探すしかないね?』
「たしか玄関の傍にポールハンガーがあったな…」
『何をするつもり?』
「これを削って重さを一緒にして代わりにする」
『ええ…』
エヴリンがドン引きするが、代わりのものがあるという確証もない。いや、エヴリンがこう言うってことはどこかにあるんだろうが今は少しでも武器が欲しい。玄関の傍のポールハンガーを手に取り、スタンドを外して重さを確認。さっきのショットガンを持った時の重さを思い返して、ポケットナイフを取り出し削って行く。
『いやあの、時間…』
「ジャックは死んだんだ。マーガレットやルーカスの声も聞こえないしいくらでも時間はあるだろう」
『なんでそんなに安心できるの…?』
「まあ一人なら焦るだろうが、お前がいるからな」
『まーた私のせいかあ…』
空中で丸くなって頭を抱えるエヴリンを横目にポールハンガーを削り終える。…なんか槍みたいになったが明らかにショットガンの方がいいな。ショットガンを銅像から取り上げ、代わりにポールハンガー槍を持たせると扉が開いた。
「よし」
『よしじゃないよ』
「なに言ってるんだ、槍が実に似合ってるじゃないか。我ながら渾身の出来だ」
『この銅像さんもショットガンの代わりに槍みたいに改造されたポールハンガーを持たされてええっ…ってどん引きしてるよ』
「銅像がそんなこと考えるわけないだろ。可愛い奴だな」
『可愛いって言うなあ!』
また顔を赤くして丸くなったもののふわふわついてくるエヴリンを尻目にショットガンを手にしてホールの探索を進める。蠍の彫刻が付いた扉に、外れる柱時計の振り子…あとは上に続く吹き抜けの階段か。
「二階に行くのは後にして、一度リビングに戻ってケルベロスのレリーフを探してみるか」
『英断かなあ』
「なんでだ?」
『あとでわかるよ』
エヴリンの言葉に首を傾げながらも来た道を戻っていく。そして粉々に破壊された机が痛々しい食卓の奥に向かうと、テレビが置いてあったと思われるスペースと、振り子がない時計があった。
「うん?これにさっきの振り子を付ければいいのか?」
『多分そう』
「多分ってなんだお前が言ったんだろ」
『実際に見たの初めてなんだもん』
「??」
首を傾げながら振り子を取り付けると、ボーン!ボーン!と五月蠅い音が鳴り響いて振り子が内部にひっこんでいき、代わりにケルベロスのレリーフが出てきた。
「…ええ、なに、この…ええ?」
『考えるな、感じろ』
「燃えよドラゴンなんてよく知ってるな。俺の好きな映画だ」
『よく見たからね』
「ジャックの趣味か?いい趣味してるな、あんなじゃなければ話せたかもな」
『そうだねー』
棒読み気味のエヴリンに違和感を感じながらもケルベロスのレリーフを手に取り、ポケットに入れる。…さすがに荷物が多くなってきたな。
「なんかリュックかなにか知らないか?」
『うーん、ランドリーにないかな?』
「さすがに知らないよな」
ランドリーに向かい、さっきは調べてなかった洗濯機の中を見てみると、古びた子供用のピンク色のリュックサックがあった。ZOE BAKERと名前が書かれている。
「ゾイの子供の頃のか?」
『みたいだね。なんで洗濯機の中に………あっ』
「どうした?」
『いや、前におさがりが欲しいってねだってマーガレットに洗ってもらったんだけど気分じゃなくなったからそのままだったなって…』
「お前のせいかよ。ありがたいから使わせてもらうが」
そう言ってレリーフやら銃弾やらを入れて右肩に担ぐ。ハンドガンは腰に、ポケットナイフはシャツの胸ポケットに、ショットガンは左手で持つ。小さいから両肩は無理だが片方だけならそんなに邪魔にならなそうだ。
「よし、行くぞ」
『ちょっと滑稽だよイーサン』
「うるさい」
そしてホールまで戻ると吹き抜けの上を見上げる。通路があって、両側に扉があるみたいだ。
「…気は進まないけど上るかあ」
『もうそこしかいけないしね』
「ショットガンで鍵を壊すのは駄目か?」
『それで開かなくなったら洒落にならないからやめようね』
「弾もそんなにないしな」
『違う、そうじゃない』
エヴリンに諭されながら階段を上り、ショットガンを構える。すると、そこには例の車椅子に乗った老婆がいた。なにか思う前にショットガンを下ろす。……いや、撃つ気はなかったがなんで俺は今下ろした?
「危ない危ない…さすがに襲われてもないのに撃つのは駄目だよな」
『……一発ぐらいなら誤射かもしれないよ?』
「確信犯は誤射とは言わん」
『…やっぱり駄目かあ』
なにかに不満げなエヴリンを尻目に、老婆の前で手を振ってみる。息はして身じろいではいるが反応はない。目は開いてるんだがな。相当なお年らしい。
「あの老婆はジャックの母親なのか?それともマーガレットの?」
『どっちでもないかなあ』
「???親戚の老婆ってことか…」
そんなことを話しながら地図を見てみる。夫婦の寝室と…二階の廊下に続いているのか。寝室の方はなんかの彫刻があるな。下の蠍の奴と同じでなんか鍵がいると見た。一応念のため、部屋の前に置かれている棚の引き出しを開いてみると、予想外のものが置いてあった。
『あ、待ってそれは…』
「写真…?これは…エヴリンか?お前、写真なんだからもう少し愛想良くしろよ」
『わ、私写真は嫌いだから…』
「なんでだ?」
『嫌な記憶しかないから…』
何か嫌なことを思い出したのか顔を暗くしているエヴリンを横目に写真の裏を見てみる。【05/02/2014 エヴリン】2014年5月2日…3年前か。この頃には生きてたんだな。エヴリンが本気で嫌がるので写真を棚の中に戻し二階の廊下への扉を開いて先を進む。そんな俺の後ろで、エヴリンが老婆を睨みつけていたことには俺は気付いていなかった
老婆に銃を向けれないのはイーサンの無意識に働きかけてたんだろうなって。このエヴリン、隠す気があるのだろうか。
ショットガンを原作より早くゲット。ポールハンガーあんなにあるから有効活用してもいいじゃない。イーサン地味に器用である。銅像もドン引き。
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