BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

69 / 535
どうも、放仮ごです。推しの実況者がベロニカ実況始めたので狂喜乱舞しながらテンション爆上がりで書きました。

今回は本館二階での珍道中。楽しんでいただけると幸いです。


♯7‐【復活】‐

 二階の廊下に出ると、今までと違い閑静な小奇麗な空間が広がっていた。地図を見る。二階にあるのは子供部屋、バスルーム、娯楽室…と娯楽室から行ける祖母の部屋、か。あの老婆の部屋なのか?一番近いのは子供部屋…はまた変な鍵で閉まってるっぽいな。外側の通路を行ってみるか。

 

 

『あ、イーサン!明かりだよ!保安官さんが増援を呼んでくれていたのかも!』

 

「保安官補佐な。…残念ながら違うらしい」

 

 

 エヴリンが外で動く明かりを見てはしゃぐが、よく見てみればマーガレットだった。庭を徘徊しているのか、こりゃ玄関から出れても厄介だ。とりあえず見つからない様に手近な娯楽室に入ると、明るく広い部屋が広がっていた。バーの様な机に、灰色の砂嵐が流れたまま付けっぱなしのテレビ…ビリヤード台まであるな。ビリヤード台は椅子が引っくり返されて置かれていて、プレイはできなそうだ。この部屋でケルベロスのレリーフが見つかるといいが。とりあえず手近な小さな机の上に置いてあったメモを見てみる。

 

 

「【マーガレットへ。捕まえたヒッピー野郎は、いつも通りホールから加工場に運び込んでおけ】…か。お世辞にも普通の夫婦の会話じゃないな、狂ってやがる」

 

『ヒッピー……トラヴィスのことかな』

 

「誰だそれ?」

 

『イーサンみたいに攫われて家族になるかもしれなかった人』

 

「…どうなったかは聞かない方がよさそうだ」

 

 

 一応地図を見て加工場とやらを探す。地下の一室みたいだな。そう言えばエヴリンがケルベロスのレリーフは地下室にあると言ってたな。嫌でも行くことになりそうだ。だが地図によればあの鍵のかかった蠍の彫刻の扉から行けるみたいだが……どこかにあるのか?

 

 

「祖母の部屋は…蠍の彫刻ってことは下の扉と同じ鍵がいるのか。……ガラス割って開けたら駄目か?」

 

『さすがにガラスを割った音が聞こえたらマーガレットが来ると思う。知らないけど』

 

「知らんのかい。それは……やめとくか」

 

 

 あの女、恐ろしさならここの家族で一番だからな。怒らせたら駄目だと言うのはよくわかる。踵を返して今度はバーの様な机に向かう。これは…ビデオか?題名は……!?

 

 

「【ミア】だと…!?」

 

『っ!えっと……ミアって誰?』

 

「俺の妻だ。三年前に行方不明になって、ここで再会したけど何故か襲ってきて、咄嗟に撃ち殺して……」

 

『な、なんでそうなったかはわからないんだ?じゃあ何かのヒントになるかもね』

 

「そうだな。見てみよう」

 

 

 傍にあったテレビに備え付けられているビデオデッキに挿入。すると表示されたのは【JUL.19,2017 09:28 PM】【Mia Winters】【Old House】【Stf452 kp‐26mx Njtl】【“Mia”】【Ethan,please watch this.】【S‐VHS】という文字群の後に映し出される焦躁しきったミアの顔だった。どうやら手に持てるタイプのビデオカメラで撮影しているらしい。

 

 

「2017年7月19日午後9時28分………俺が気を失って半日ぐらいだとしたら今日の、しかもミアを撃った後の日付じゃないか!?ミアは生きているのか…?」

 

『ピンピンしてるね』

 

≪「イーサン。もしこれを見たら…もう私がなにを言っても信じてもらえないだろうけど…あんなことがあったし、ひどいことをした」≫

 

「…あの後、のミアなのかこれは」

 

『なにされたの?』

 

「左手をドライバーで磔にされた後、チェーンソーで手首を切断された上にそのまま襲いかかられた」

 

『……マ、じゃない。ミアを恨んでる?』

 

「まさか。なにかあったんじゃないかと心配しているし、咄嗟のこととはいえ撃ってしまって申し訳ないことをしたとも思ってるさ」

 

『聖人君子すぎない?』

 

 

 なんかエヴリンがそわそわしている。どうしたんだ?と首を傾げている間にもビデオは進んでいく。

 

 

≪「でも…これだけは信じて。あれは私じゃないの。何が起きたのかはわからないけど、伝えたいことが沢山あるのよ…」≫

 

『あ…そうか、この時ミアは…』

 

≪「そこにいたのかい!肝を冷やしたじゃないかお嬢ちゃん!」≫

 

 

 するとそこに現れたのはカンテラを持ったマーガレット。…もしかしてこの映っている場所は、あの庭の先なのか?そして始まるのはこの建物とは違う古びた建物を舞台にした追走劇。途中で、謎のオブジェを使った、一階のあの謎仕掛けと同じ影絵ギミックで蜘蛛を形作り仕掛け扉が開くシーンもあった。他にもあるのか…(呆れ)そして最終的に逃げ込んだ先でミアらしき女性とエヴリンらしき少女が映った写真を見つけた所で捕まり、ドアップのマーガレットの顔に心底ビビる中、ミアはカメラを置いて引き摺られて去って行ったところでビデオは終わった。

 

 

「ミア…どうなっているんだ?」

 

『あの子に選ばれた、とかマーガレットが言ってたね』

 

「マーガレットたちを操る黒幕がいるのか?そいつがミアをあんな目に…許せん」

 

『うぇっ!?…そ、そーみたいだねー?』

 

「なんでそっぽを向くんだお前。…そう言えばあの写真、ミアとお前か?まさか知り合いなのか?」

 

『知り合いと言うか何というか…』

 

「わかった。ミアの仕事でシッターしていた子供がお前なんだな?」

 

『え?あ、うん。それはそう』

 

 

 ミアがベビーシッターのような仕事、とやらをしていたのは知っていたがエヴリンがその子供だったのか。しかし、このビデオ誰が回収して何のためにここに置いてたんだろうか。…あとでマーガレットが見つけてここに置いていったのかね。まあいい、ミアが生きていると知れただけでも収穫だ。

 

 

「ミアを見つけて一緒に脱出する。目的は決まったな」

 

『そうだね。ちゃんと助けて脱出しよう。私も全力で手伝うよ』

 

「妙にやる気だな?」

 

『私はお姉ちゃんだからね』

 

「妹がいるのか?」

 

『いるよ。私なんかと違ってすっごく可愛い天使みたいな子!』

 

 

 満面の笑みで自慢する様に手を広げて笑うエヴリンになんとなくほっこりする。家族を愛しているんだな。

 

 

「へえ、会ってみたいなその子に」

 

『うん。きっと会えるよ。必ずね』

 

「きっとなのか必ずなのかどっちだよ」

 

 

 笑い合い、探索を再開する。エヴリンと手分けして怪しいところがないか探していると、引き出しの中に手記があるのを見つけた。ジャックの日記のようだ。

 

 

「【10/2 予報では、でかい嵐が近づいているらしい。数年前の嵐では、増水で後始末に苦労した。屋根や窓を補強しておいたほうが良さそうだ。ルーカスに手伝わせるとするか。】……さっきのメモと違ってごく普通の家族みたいな文章だな。【10/9 ようやく水が引いた。本館は無事だったが、旧館はひどく傷んでしまった。湿地にでかい船が漂着した、とルーカスが騒いでいる。本当なら郡に通報する必要がある。明日にでも様子を見に行くとしよう。】ここで日記が終わっている…ということはこの後に何かが起こったってことか?それに旧館…Old House?ミアが逃げ回っていた場所が旧館か…無駄に広い家だな。農場って話だったか」

 

 

 情報は得れたので引き出しに戻って探索を続ける。するとエヴリンが妙に分厚い本を見つけた。手に取って開いてみると、二つ目の犬の頭部を模ったレリーフを見つけた。さっそくリュックに入れる。

 

 

「よし、あとは地下室にあるって言う一つで最後だな」

 

『やったね!でも地下室に行くには鍵がいるみたいだけど…』

 

「……もうこの部屋に探せそうな場所はないし、バスルームに行ってみるか」

 

 

 入ってきた扉とは逆の扉から出て、道なりに廊下を進むと薄暗いバスルームについた。中央にある浴槽に黒カビが湧いている汚い水が張ってある。周りを粗方見てみたが他になにもなさそうなので栓を抜いてみると、凄い勢いで水が抜けて行き、中から何か出てきた。

 

 

「…なんだこれ?オブジェ?…スタチュエットか?」

 

『あ、こっちから見ると鳥っぽく見えるよ!』

 

「なんだって?本当だ、これがあの影絵ギミックに必要なアイテムか」

 

 

 木製のスタチュエットをリュックに入れ、あの謎ギミックをようやく動かせると少しワクワクしながらバスルームから出ようとする。完全に油断していた俺が扉を開けた先で出くわしたのは、血塗れの顔面の口で大きく三日月を描いた半裸の大男だった。手には棘付きのローラーが握られ、驚いて動けない俺の首を掴まれ片手で持ち上げられる。

 

 

「なっ、ジャック!?」

 

『ギャー!?出たー!?それに思ってたより速いー!』

 

「どうだ驚いたか?あんなもんでくたばると思われたなら心外だ。俺はこの家の家長、大黒柱だ。そう簡単には折れないさ」

 

「そうかよ…ならこいつはどうだ!」

 

「ぐおあああっ!?」

 

 

 咄嗟に大きく右足を振りかぶり、勢いよく金的。化け物になっていても男の象徴は急所なのか絶叫と共に手放され浴槽に落とされる。汚いなクソッたれ。

 

 

『私にはわからないけどすごく痛そう…』

 

「痛そうじゃないぞ。すごく痛い、だ」

 

「よくもやりやがったなイーサン!」

 

 

 両手で握られ頭上に振りかぶった棘付きローラーが勢いよく振り下ろされ、咄嗟に飛び退くと同時に浴槽が粉々に粉砕されて積み上がっていた埃が舞い上がり、俺とエヴリンは出口に転がり込んで、埃で蔓延したバスルーム目掛けて手にしたハンドガンを発砲した。

 

 

「さっさと昇天して地獄に帰れジャック」

 

 

 そして粉塵爆発がバスルームを吹き飛ばし、爆炎がジャックを飲み込んだ。

 

 

「よし、これで死ぬとも思えないから逃げるぞ」

 

『鬼畜の所業過ぎてちょっと引く。…悪いことは言わないから本当に成仏してください』

 

 

 さっさと去る中、エヴリンが手を合わせて拝んでいたのが印象的だった。…エヴリン、仏教徒だったのか。




あの体勢、ホラーじゃなかったらこの方法で脱出できるよねって。

ビデオは実際誰が回収して何のために置いたんですかね?今回はマーガレットが、にしましたけどやっぱりルーカスなんかな。撮影機材は間違いなくルーカスなんだけども。

ミアに複雑な感情を抱くエヴリン。そう簡単には割り切れない。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。